日本ソーダ工業会は10日、都内で新年賀詞交歓会を開催し、関係者約210人が出席した。
あいさつに立った角倉護会長(カネカ社長)は昨年を振り返り、「昨年、カセイソーダの内需は3年連続で増加する結果となった。一方、輸出は9月までは増加したものの、インドにおけるカセイソーダの認証取得問題の影響があり、10月以降は減速に転じた」と総括した。
今年については「国内向けの出荷量は、消費増税の影響がどうでるかという若干の懸念はあるが、ほぼ前年並みでの推移を予想している。また輸出は
2019年1月11日
2019年1月10日
2019年1月10日
バイオ関連12団体は9日、都内で合同賀詞交歓会を開催し、政官産学の各界から約530人が参加した。
バイオインダストリー協会の永山治理事長(中外製薬会長)は冒頭のあいさつで、「現在世界は持続可能な発展の視点から、重大な課題を多く抱えている。一方、科学技術の進展は加速し、新たな製品やサービスの創出をめぐる国際競争がますます激化している」との現状認識を述べ、日本が目指すべき未来社会に向けた政府の施策に触れた。
政府は未来投資戦略や統合イノベーション戦略で、Society5・0の超スマート社会、あるいはエビデンスに基づくデータ駆動型社会を目指すという方針を示しており、その狙いは、日本を世界で最もイノベーティブな国にすることにある。こうした中で、バイオテクノロジーについては、今年夏までに、医療・非医療分野が一体となった新たなバイオ戦略が策定される。
これを受け永山理事長は、
2019年1月10日
カネカはこのほど、グループ会社で三菱商事との合弁会社Kaneka FoodsIndonesia(KFI)で加工油脂製品の新工場を建設することを決定したと発表した。
投資総額は約50億円。市場拡大が続くインドネシアでの製菓・製パン素材の事業拡大を目的として、フィリング製品やマーガリンなどを中心に、生産能力を約5倍の年産1万5000tに引き上げる。新工場建設は昨年12月に着工し、2020年春の稼動を予定している。
インドネシアやアジア地域は、人口増加とそれに伴う中間・高所得層の増加を背景に、製菓・製パン市場が拡大し、特にインドネシアはパン消費量が年平均5%増加するなど、日本のパン食文化が広まっている。
KFIは、2013年の設立以来、現地嗜好にあった製品を開発するとともに、今までにない食感や製法でやわらかいパンを提案することで、事業を拡大してきた。
今後はマーガリンなどの新製品の開発・拡販、パンや菓子などの商品提案、顧客の製造サポートなど、顧客ニーズに合わせたソリューション提供を強化することで、事業展開を加速させる。また、アジア市場に日本の美味しいパン・菓子文化を広め、早期に売上金額100億円を目指す。
2019年1月10日
他社にない特徴を長所に、「個性派企業」を目指す
━昨年の経済環境を振り返って。
1年前に向こう1年を見た時は、「真っ青な青空」のように明るい見通しが立てられましたが、今年は遠くに黒い雲があり、この先どうなるか読み切れません。
米中貿易摩擦問題や地政学リスクが世界経済にどう影響するか分かるのが今年1年間だと思います。
━平成の30年が終わります。新しい時代のキーワードを挙げるとすれば。
今後は市場における「寡占化」がキーワードになると思います。平成の始め頃、各社の業績は軒並み好調でしたが、平成の終わりも同じく、各社は好調な業績で締めくくることになりそうです。
同じ好調と言ってもその中身は異なります。以前は各社が同じような事業を持ち、同じように利益を上げていました。しかし今は各社が自ら設定したセグメントで独自の優位性を示し、利益を上げています。他社とは異なる分野で市場を寡占化しないと、利益を確保できない状況になっています。
当社に適正な市場規模は500億円から数千億円の市場です。設定したセグメントがあまりにも大きすぎると、寡占化するために必要な投資額が大きくなりすぎ、小さすぎると利益が少ない。当社の持つ事業は個々でセグメンテーションし、そこでトップになるためのストーリーが仕上がっています。
━独SGL社の黒鉛電極事業の買収も、業界のトップになることで強い事業にしたのですね。
今後、鉄の需要が無くなることは考えにくく、鉄スクラップもこれから増えることがあっても、減ることはないでしょう。電炉に必要な黒鉛電極は今後100年間、無くならない事業だと考えています。そこでトップになるために買収を決断しました。
━前中期経営計画「Project 2020+」の成果は。
市況が追い風になった黒鉛電極と石油化学の業績が目立ちますが、2つを除いた他事業も、その前の3年間に比べ、営業利益を増加させており、経営基盤となる稼ぐ力を高めることができました。
加えて、D/Eレシオを0.6程度まで下げることで財務体質の強化を示し、2018年度は前年比70円増額の120円の配当を予定しています。
足元の「今がしっかりした」姿を示すことができたので、新中計の3年間では「将来に期待が持てる」よう、長期的な事業成長を目指します。
━今年度からスタートする新中計「The TOP 2021」(2019-21年度)は、大きく成長に舵を切る3年間になります。
今中計ではグループ戦略の柱として、既存事業を「高める」「伸ばす」「変わる」の3つのポートフォリオに分けました。
成熟した市場で戦う「高める」、成長する市場を先取りする「伸ばす」、今のセグメントを広げビジネスモデルを変革する「変わる」です。3年間で個性派事業への道筋をいかに示せるかが大きなテーマとなります。
━今中計では「個性派企業(収益性と安定性を高レベルで維持する個性派事業の集合体)」というビジョンを実現する手段として、「CUSTOMER Experienceの最大化」を設定されました。その理由は。
製造業ではこれまで、「コスト」と「品質」の優位性を評価基準とし、他社との差別化ポイントにしていました。しかし、コストと品質は
2019年1月9日
経済環境追い風に好調、次期中計が実力の試金石に
━今年度は中期経営計画(2016-18年度)の最終年度です。昨年はどのような年でしたか。
2016年度から現在の中計を始め、数値目標とした売上高と営業利益を初年度で達成し、最終年度の今期も達成できる見込みです。
そういう意味ではこの3年間は良かったと言えます。
スペシャリティはやや下回るものの、コモディティについては経済環境の変化によって、利益が計画を上回りました。
つまり、当初想定した数字が甘かったのではなく、経済環境が良かったということです。
利益面で最も良かったのはウレタンです。他社でトラブルが起きたり、立ち上げが遅れたりで、需給バランスがタイトになり、市況が高値で推移したことが大きいですね。逆に、当社ではプラントトラブルなどがありませんでした。
当初目標に掲げたうち、スペシャリティとコモディティの利益を50対50にすることと、M&Aの実施が未達だったということはありますけれど、投資計画を予定通りに行え、財務体質が強化できたことは大きな成果です。
━石化市況が下がり始めていますが、この先は。
不透明だと思います。米中の貿易摩擦がどういう形で決着するのか見通せないことに加え、原油価格の動向や英国のEU離脱といった問題があるからです。鉄鋼とアルミに続き自動車が追加関税の対象になると、化学産業も含めて広く影響を受けると考えています。
━そうした中で、今後の事業戦略でのキーワードは。
「成長」です。成長するには、今の中計でも重点目標として挙げている3分野「環境・エネルギー」「ライフサイエンス」「電子材料」を伸ばしていく必要があります。
コモディティはフル生産で動いていますから、能力増強をしない限り成長性が望めません。そこで、基盤強化を図りながら、能力増強も検討していく方針です。
スペシャリティについては、引き続きオープンイノベーションを含めた研究開発に力を入れ、チャンスがあれば能力増強も行っていきたいと考えています。
━自社の強みをどう見ていますか。
ビニル・イソシアネート・チェーンで効率的な生産・販売体制を構築していることです。機能製品では、それぞれ特徴を生かした製品開発ができており、特にセラミックスではデファクトスタンダードの製品が育っています。
そうは言っても、競争相手が市場参入してきていますから、いかに差別化するかが課題です。成長のための原動力は差別化なので、これを引き続き追求していく必要があると思っています。
━化学メーカーがティア1やティア2を買収して、市場のニーズを掴むような動きが見られますが、どう考えますか。
餅は餅屋と言いますが、当社としては
2019年1月9日
塩ビ工業・環境協会(VEC)は8日、都内で新年賀詞交歓会を開催し、関係者約280名が出席した。
横田浩会長(トクヤマ社長)は冒頭のあいさつで、「昨年の塩ビ樹脂の出荷は高水準に推移した。国内出荷量は106万t前後と前年比2%程度の伸びが見られ、また生産量、出荷量総量は163万t程度とほぼ前年並みの水準が見込まれる」と語り、米中貿易摩擦など世界情勢の不透明感が増し、国内では豪雨、台風、地震と多くの自然災害に見舞われる1年ではあったが、総じて事業環境が良好であったとした。
また2019年についても「世界的には途上国のインフラ需要は底堅いものがあり、国内でも塩ビの良さが見直されている」とし、引き続き堅調な需要への期待感を示した。
海洋プラスチック問題への対応に関しては、
2019年1月9日
化成品工業協会は8日、都内で新年賀詞交歓会を開催し、関係者約270名が出席した。
鈴木政信会長(日本化薬社長)は冒頭のあいさつで「昨年の世界情勢を振り返ると、米国大統領の様々なつぶやきに世界が翻弄され、とりわけ米中貿易摩擦は日本経済に大きな影響を与えると危惧されている。欧州ではブレグジットに加え仏独の内政が混乱し、中東情勢でも不穏なニュースが絶えない。また、中国での環境規制強化による化学品の生産停止や価格上昇など、会員企業に直接かかわる問題も山積している」と指摘し、さらに国内の懸念材料として、
2019年1月9日
3つの特殊技術を開発、3社統合のシナジーに貢献
━昨年の事業環境を振り返って。
昨年は収益面では心地良い感覚でしたが、実は足元の事業環境は悪くなっていたと思います。
公表されている様々なデータの分析を続けていますが、2017年末ぐらいから石化のクラッカーマージンは落ち始めています。
またマクロ経済で見ても、2018年は年初からダウントレンドにあり、下降局面に突入しています。
グローバルで見れば、米国第一主義による通商政策の混乱、英国のEU離脱問題(ブレグジット)、米中貿易摩擦による中国経済の減速など、今年も先行き不透明な状況にあると言えるでしょう。
一方、国内の石化の事業環境は、まだそれほど悪い状況にはなっていません。それは当社をはじめ化学メーカー各社が、海外市況が直接収益に響かないよう運営努力をしているからでしょう。
━中国の環境規制と米国シェール由来品について。
中国の環境規制強化については、再検証が必要だと思っています。昨年10月に中国に出張しましたが、2017年末からの環境規制により戻っていた青い空が、茶色になっていました。中国景気が減速したため、環境規制を緩和する動きが出始めているのかもしれません。
では、環境規制は何のためにやっているのか。結局、環境規制をマイルドにするということは、ある意味、景気対策です。絶好調でバブル状態にあった中国経済のブレーキ役として、環境規制を強化したのではないか。
当然、世界中で環境規制の気運が高まっていたため、それに対してのアピールという面もあったのでしょう。現在、米国を除き世界経済は悪化の方向にあり、中国政府も景気刺激策として環境規制を緩和し続ける可能性もあるかもしれません。
一方、シェール由来品については、今年末頃から本格的な輸出が始まる見込みです。本来であればポリオレフィン需要が伸長している中国が受け皿になりますが、米中貿易摩擦の影響により、中国が回避される可能性があります。
仮に中国に直接輸出されない場合、その分が他の国に回り、そこをはじき出された玉が玉突きで中国に入るということはあり得るでしょう。
いずれにせよ、米国からエチレンやPEの輸出量が大幅に増加することは間違いなく、それがどのようなルートで世界に広がっていくのか、結果として最後は北東アジアが需要地になることは確実です。
━日本の石化が生き残るためにはどうすれば良いでしょうか。
極論を言えば、石油化学のモノマーの部分は石油精製会社(リファイナリー)の仕事だと思っています。米国を見れば、大手石油メジャーがシェールを利用した100万t、150万t級のプラントを作っています。
韓国の石油会社もほとんどがエチレンにまで進出する動きが加速しており、やはり、100~150万tのプロジェクトが数多く出てきています。恐らく4、5年の間にエチレンの能力が1000万tレベルになってくるかもしれません。日本の倍近くです。
韓国マーケットは小さいですから、当然、輸出に注力するでしょう。それもなるべく近いマーケットに。中東でも巨大な石化計画があります。
一方、日本では
2019年1月8日
垣根を越えた〝コア技術〟が核、きらりと光る事業を創出
ここ数年来の恵まれた経済環境が継続した年だったと思います。上半期までを中心に2017年の流れが続いて、非常に経営しやすい環境でした。
ただ、後半以降、米中貿易摩擦や原油価格の乱高下があり、先々に不透明感・不確実性が見え始め、11月の中旬以降は、中国経済の減速感も徐々に感じられるようになってきました。業績への直接的な影響が懸念されるなど、これからが大変だという気がします。
━米中間の問題が世界経済に与える影響をどう見ますか。
米中の関係は中長期的に見れば、今までとは違った流れになるかもしれません。単なる米中貿易戦争というよりも、知財権を含めたテクノロジーや安全保障に焦点が集まりつつあります。究極に言えば、「中国製造2025」に対する米国の警戒感というのが非常に強い。
今のキーワードは「デカップリング」だと思います。従来はカップリングしていたのが、分かれていく、つまり米国と中国の関係が少し離れてくるのではと。
米国は米国第一主義を中心に構成されていく。中国も人口の多さと所得上昇を背景に内需を中心にした展開となり、さらには志向が米国よりもむしろアジア圏、アフリカに向かっていくというイメージです。すぐにというわけではないでしょうが、その大きな流れがどうなるか、注視していく必要はあります。
━中国との付き合い方は変化していきますか。
当社は中国に20を超える現地法人があります。ここ数年間で資本の再編を終えて、中国での投資業務やグループ企業の支援を行う旭化成(中国)投資有限公司が、その統括を行っています。中国で稼いだお金を、中国で再投資していく体制を構築しました。
ただし、単に生産を増強していくだけではなく、本当にリスクはないのか、そこをよく見ていかないといけない。例えば環境規制のさらなる強化や人件費の高騰などについてです。
━欧州に目を向けると3月にブレグジットが、5月には欧州議会選挙もありますが、欧州は不安材料になりますか。
英国には製造を含め、当社は拠点を持っていません。従ってブレグジットによる直接の影響というよりも、ブレグジットにより金融がどうなるのかということが、少し気になるところではあります。
また、エリア別の売上比率で見ると、中国や米国は10%を越えていますが、欧州は全体の5%未満となっています。それを考えると足元の経済状況にかかわらず、われわれには欧州はいまだ開拓の余地があると考えています。
当社が欧州でターゲットにしているのは自動車関連、それから環境・エネルギー。自動車はドイツを中心に大きく変わっていく中で、景気の動向に若干の変動があっても、その流れは変わらないでしょう。
また環境・エネルギーは、