合成ゴム 11月の総出荷量は6%減、SBRは2桁減に

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2020年1月29日

 合成ゴム工業会がこのほど発表した需給実績によると、11月の合成ゴム全体の出荷量は、前年同月比5.6%減の11万900tとなった。

 品目別では、SBRが同10.3%減の3万9000tで2カ月連続マイナス、NBRは同9.6%増の8900tで2カ月連続プラス、CRは同26.2%減の7700tで2カ月連続マイナス、BRは同4.1%増の2万4700tで3カ月連続プラス、EPTは同11.2%減の1万5700tで4カ月連続マイナス、その他は同5.9%増の1万4900tで2カ月ぶりにプラスとなった。

 NBRとBRは

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日本触媒 有機ELフィルム光源で「光る輪島塗」を共同制作

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2020年1月29日

 日本触媒は28日、輪島キリモト(石川県輪島市)と共同で、紙より薄い「iOLEDフィルム光源」と、日本古来の伝統工芸技術である「螺鈿(らでん)」を掛け合わせた他に類のない光る輪島塗「余光(よこう)」を制作したと発表した。

iOLEDフィルム光源
iOLEDフィルム光源

 「iOLED フィルム光源」は、有機ELの長年の課題であった、大気中の酸素や水分による素子の劣化を日本触媒とNHKとの共同開発による材料および素子技術「iOLED技術」により克服し、厚さ0.07㎜と紙より薄く、高い柔軟性を実現している。

 昨年6月より、日本触媒と輪島キリモトは、アートディレクターの四尾龍郎氏とともに「iOLED」と輪島塗のコラボレーションを開始。今回、螺鈿が発光する「iOLED」×輪島塗盃「余光」が完成した。

発光する「余光(よこう)」
発光する「余光(よこう)」

 表面を薄くくり抜いた器に、貝殻薄片と「iOLEDフィルム光源」を貼り付け一体化したものをはめ込み、その表面に漆を一層塗りしている。漆を薄く何度も塗り重ねていくことで強く美しい塗膜を生み出すことが輪島塗の大きな特徴であり、螺鈿で扱う貝殻薄片もできるだけ薄いことが条件となるが、「iOLEDフィルム光源」が厚さ0.07㎜と紙よりも薄いため貝殻薄片との一体化が実現した。

 輪島キリモト8代目の桐本滉平氏は、「日本触媒の開発した「iOLED」という光源とのコラボレーションは、伝統工芸と最新テクノロジーの融合という前代未聞の挑戦だった。「iOLED」が限りなく薄いおかげで、薄い貝殻との一体化が可能となり、伝統的な技法でありながらも、自ら発光する新たな螺鈿の発明が実現した。完成した盃を見た時、手のひらの上に月を見たような感動を覚えた」とコメントしている。

 なお、共同制作した「iOLED」×輪島塗盃「余光」を、東京ビッグサイトで開催される「新機能性材料展2020」(1月29~31日)の同社ブースに展示する。

帝人 欧州に複合成形材料テクニカルセンターを設立

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2020年1月29日

企画から評価まで、自動車メーカーに一括提案

 帝人はドイツ・ブッパタール市のテイジン・カーボン・ヨーロッパ社の敷地内に、テクニカルセンター「テイジン・オートモーティブ・センター・ヨーロッパ(TACE)」を2月に設立する。欧州での自動車向け複合成形材料のデザイン・設計やプロトタイピングなどの機能を担う。

中石複合成形材料事業本部長
中石複合成形材料事業本部長

 28日に開催した記者会見で、中石昭夫・複合成形材料事業本部長は、環境負荷低減を目的に自動車のEV化が求められるなど、近未来のモビリティ像として「CASE」が示される中、TACEの設立により、同社の既存拠点とともに「CASE時代に呼応した顧客ニーズの深耕体制を欧州で確立する」との考えを示した。

 TACEではプロトタイピング/テクニカルセンターとして、デザイン・設計・試作・評価を行い、一括して自動車メーカーに提案する。また、将来的には欧州地域の技術・市場動向などの調査や、マーケティング機能も担う。さらに、

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ABS樹脂 2019年の総出荷は10%減、輸出が大幅減に

2020年1月28日

 日本ABS樹脂工業会がこのほど発表した出荷実績によると、2019年(1―12月期)の総出荷量は前年比10%減の34万2000tとなった。国内出荷は3%減の23万4000tだったが、輸出が23%減の10万8000tと大きく減少しており、総出荷を押し下げる結果となった。

 昨年の国内出荷を用途別で見ると、車輌用が

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東レ PA真球粒子化技術を開発、3Dプリンター造形物に

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2020年1月28日

 東レは27日、従来真球化が困難であった高融点ポリアミド(PA6、66)を簡便にマイクロレベルの真球粒子にする新しい技術を創出したと発表した。同技術により、高い耐熱性、強度を必要とする実用部品向けの造形物を3Dプリンターで実現することが期待できる。

ポリイミド真球粒子を材料にした3Dプリンター造形物
ポリイミド真球粒子を材料にした3Dプリンター造形物

 同日開催された技術説明会において化成品研究所の本田史郎所長は「自動車部品の大量生産には金型を用いた射出成形が向いているが、小型部品や補用部品など、また少量多品種生産には3Dプリンターがコスト的には有利だ。

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アジア石化市況 エチレンは780ドル/tに回復

2020年1月28日

プロピレン上昇基調、ベンゼンは2週連続下落

 アジア地域の1月第2週の石化市況では、エチレンは年明けも強含みの展開となり、下値が前週比30ドル/t高、上値が40ドル/t高の780~800ドル/tでの取引となった。上値は11月第5週以来となる800ドル/tに回復している。誘導品需要の停滞に加え、中東リスクにより原油・ナフサに先高感が出ており、減産の動きが強まったことが背景にある。

 スプレッドも、ナフサ高が継続しているものの、

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フタル酸系可塑剤 2019年の国内出荷は5%減の20万t

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2020年1月27日

 可塑剤工業会がこのほど発表した需給実績によると、2019年(1-12月期)のフタル酸系可塑剤の国内出荷は前年比5%減の20万1000tとなり、2年連続で前年実績を下回った。

 品目別に見ると、DOPは7%減の9万6400t、DBP11%減の680t、DID

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日本ゼオン 大型TV用光学フィルム新規ラインの竣工式実施

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2020年1月27日

テープカットを行う(写真右から)渕上市長、中村県副知事、古河会長、赤谷オプテス社長
テープカットを行う(右から)渕上市長、中村県副知事、古河会長、赤谷オプテス社長

 日本ゼオンは24日、福井県敦賀市の光学フィルム工場での大型TV向け位相差フィルムの製造ライン完工に伴い、同日に竣工式を実施したと発表した。

 竣工式は同社グループ企業で製造子会社であるオプテスの敦賀製造所(福井県敦賀市莇生野)で行われ、福井県の中村保博副知事、敦賀市の渕上隆信市長をはじめとする行政関係者、地域関係者、日本ゼオンの古河直純会長、オプテスの赤谷晋一社長など多数の関係者が出席した。

 同社の光学フィルム「ゼオノアフィルム」は、独自のポリマー設計技術で開発したシクロオレフィンポリマー(COP)を原料としており、世界初となる溶融押出法により生産されている。高い光学特性と優れた寸法安定性を持つことから、ディスプレイの大型化に伴いさらなる需要拡大が期待される。

 今回の新規ラインは、特徴として世界最大幅(2500㎜幅クラス)の位相差フィルムの生産を可能としたもの。生産能力は年間5千万㎡であり、既設の能力と併せて、TV向け位相差フィルムの生産能力は1万6900万㎡となった。なお、新プラントの本格稼働は、今年4月の開始を予定している。

神戸大など 糖で微生物を制御しポリマー原料生産向上

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2020年1月24日

PMPE技術による大腸菌を用いたモノづくりのイメージ図
PMPE技術による大腸菌を用いたモノづくりのイメージ

 神戸大学などの研究グループは、糖を使い分けることで微生物の増殖と物質生産を独立してコントロールする「Parallel Metabolic Pathway Engineering(PMPE)」という新しい技術を開発し、ナイロンの前駆体となるムコン酸の生産性向上に成功した。

 神戸大学大学院工学研究科の藤原良介博士後期課程学生(日本学術振興会特別研究員DC1)、田中勉准教授、理化学研究所環境資源科学研究センターの野田修平研究員らの研究グループは、科学技術振興機構(JST)などの助成を受け新技術の開発に取り組んだ。

 同研究では、食糧生産と競合しないリグノセルロース系バイオマスの、主な加水分解物の糖であるグルコースとキシロースに着目。このグルコースをモノづくりに、キシロースを微生物の増殖に使えるような代謝デザインを施した大腸菌を構築した。

 微生物を利用したモノづくりでは、原料が微生物自身の増殖などに利用されるため目的生産物の生産性が低下する一方、増殖を制限すると微生物が弱り全体の生産量が減るという問題がある。これは、通常の微生物では、取り込んだグルコースとキシロースを1つの代謝系で代謝し、目的物質を生産すると同時に微生物が生きるために使用するため。

 そこで、PMPE技術では、微生物の代謝を2つに分けて糖代謝を独立させることにより、グルコースは全て目的物質の生産に、キシロースは微生物の生育・維持のために使われるようにした。グルコースは生育・維持のためには一切使われないため、収率を大きく向上させる。

 同研究では、改変した大腸菌にムコン酸生産経路を導入し、グルコースとキシロースからムコン酸生産を行い、最終的にムコン酸を4.26g/ℓ生産することに成功した。その収率(理論上の最大収量に対する実収量)は世界最高値となる、1gのグルコース当り0.31gとなった。

 さらに、PMPE技術の他の目的生産物への応用を検討した結果、芳香族化合物であり必須アミノ酸でもあるフェニルアラニンや、食品や医薬品の添加剤として用いられる1,2‐プロパンジオールの生産性を向上することにも成功。PMPE技術が様々な物質の生産性・収率の向上に有効であり、汎用性の高い技術であることを示した。

 糖を使い分けさせることで微生物の代謝を制御するPMPE技術により、さまざまな糖類が混在する実バイオマスの有効利用にも大きく貢献できると考えられている。