タイの12月の主要化学品の輸出は、ポリプロピレン(PP)の10万1140t(前年同月比20.8%増)、高密度ポリエチレン(HDPE)の8万8385t(同11.3%減)、低密度ポリエチレン(LDPE)の
タイの12月の主要化学品輸出入実績
2020年6月17日
2020年6月17日
2020年6月17日
2020年6月17日
クラレはこのほど、豪州子会社プランティックテクノロジーズが、食品ロス低減や廃棄物削減に貢献するバイオマス由来の生分解性ガスバリア材「PLANTIC(プランティック)」で、世界包装機構(WPO)が主催する「ワールドスターパッケージングアワード2020」の「プレジデントアワード部門」の銅賞を受賞したと発表した。
同アワードは、毎年開催される世界最大級の国際包装コンテストで、各国選出の製品・技術の中から、特に優れたものが表彰される。今年は36カ国321点がノミネートされ、今回、「PLANTIC RV」がWPO会長賞にあたる「プレジデントアワード部門」の銅賞に選ばれた。また、「PLANTIC HP」を使用した韓・ソフトパック社の「COFFILM」が「ワールドスター賞・包装資材部門」に選ばれている。「PLANTIC」は2002年に豪州産学連携研究から生まれたバイオマス由来のガスバリア材で、主に豪州・欧米の大手流通・スーパー、食品メーカーで環境対応型包装材料として採用されている。
クラレは、2015年にプランティックテクノロジーズを買収。同社のガスバリア材のノウハウを生かして品質・加工技術の向上、用途開発と販路の拡大を進めており、既存の豪州フィルム工場に加えて米国での樹脂工場の稼働を予定している。
クラレは今後、食肉包材用途を中心に、市場ニーズに合った製品ラインアップを揃え、新規用途・製品の開発を加速していく考えだ。
2020年6月17日
セブン&アイ・フードシステムズ、TBM、リコージャパンはこのほど、石灰石を主原料とする新素材「LIMEX(ライメックス)」のシートで作成したメニューを使用後に回収し、トレーに再生利用する資源循環(アップサイクル)スキームを構築したと発表した。
近年、EUや中国をはじめ多くの地域・国々では、経済政策としてサーキュラー・エコノミー(循環経済)を取り入れており、日本でも循環型社会を目指す方針を掲げるなど、資源循環に向けた体制整備が進むことが予測されている。
TBMが開発した「LIMEX」(炭酸カルシウムなど無機物を50%以上含む無機フィラー分散系複合材料)は、原料に水や木材パルプを使用せず、紙や石油由来原料の使用量を抑えてシートやペレットを製造することが可能。紙やプラスチックの代替となる新素材として注目され、多くの企業で導入が進んでいる。
今回、3社が連携し、これまで検討を進めてきた「LIMEX」の資源循環スキームを共同で構築することで、サーキュラー・エコノミーの推進に貢献する。具体的には、セブン&アイが運営するカフェ業態「麴町珈琲」で使用された「LIMEX」製のメニューを回収、ペレット化した素材などを用いてドリンクバー用のトレーに再製品化しデニーズ店舗で使用する。メニュー表はリコー製カラープロダクションプリンターで印刷を行う。セブン&アイは、「LIMEX」製品の導入店舗を拡大するとともに使用の拡大を進めていく。
3社は、この取り組みを通じて、限りある水資源の有効活用、石油依存の低減、新たな循環型システムの構築などを図り、持続可能な社会の実現につなげていく考えだ。
2020年6月17日
旭硝子財団はこのほど、ブループラネット賞(地球環境国際賞)の2020年の受賞者に、デイビッド・ティルマン教授とサイモン・スチュアート博士を決定したと発表した。
同賞は地球環境の修復を願い、地球サミットが開催された1992年に設立され、今年で29回目を迎えた。地球環境問題の解決に関して、社会科学、自然科学/技術、応用の面で著しい貢献をした、個人または組織の業績を称える国際的な賞。今回は国内488人、海外795人のノミネーターから127件の受賞候補者が推薦され、その中から2人が選ばれた。

受賞者のうち、デイビッド・ティルマン教授は米国出身で、ミネソタ大学教授・大学理事、カリフォルニア大学サンタバーバラ校卓越教授。農業と食習慣が健康と環境に与える影響について精査し、植物ベースの食物は人間の健康と環境の両方に利があるのに対し、赤身の肉類は人間の健康にも環境にも悪影響を与えることを示した。密接に関連している食習慣・環境・健康のトリレンマを地球規模の問題と捉え、人間の健康にも、地球環境にもよい農業の実践と食習慣への移行を唱道している。

サイモン・スチュアート博士は英国出身で、シンクロニシティ・アース戦略的保全部長、元IUCN(国際自然保護連合)種の保存委員会議長。IUCN絶滅危惧種レッドリストのためのカテゴリーと定量的な基準の開発を主導し、評価対象種の拡大に顕著な貢献があった。この堅固な科学的基盤により、レッドリストは、最も信頼性が高く、広く利用される種の絶滅リスクに関する情報源となっている。また、世界両生類アセスメントを立ち上げ、統括し、両生類の減少はその生息場所だけでなく、自然環境が損なわれつつあることを示していると警鐘を鳴らした。
なお、表彰式は10月7日に東京會舘(東京都千代田区)で行われ、賞状とトロフィー、副賞5000万円が贈られる。その後、翌8日に国際連合大学、10日に京都大学で受賞者による記念講演会が開催される予定。
2020年6月17日
住友ベークライトは16日、NECと生産技術のデジタル化に向けて共創し、製造工程にAI、IoTなどの最先端のテクノロジーを導入することで、製造工程の自律制御を実現したと発表した。
住友ベークライトは、国内基幹工場の主力生産ラインで、デジタル化による生産効率20%向上を実現し、国内の他の生産拠点・生産ラインへの展開を図る。さらには、海外拠点への導入に向けた環境整備を進めていく考えだ。
少子化による生産年齢人口の減少に伴い、ものづくりの現場では人手不足が深刻化。また、熟練技術者の高齢化が進む中、技術・経験・ノウハウを伝承するとともに、ICTの活用により、これらの〝技〟を「見える化」していくことが求められている。このように製造業ではデジタル技術の活用で業務の変革を進めていくことが喫緊の課題だ。
住友ベークライトは、NECと共創し、静岡工場などの国内主力4工場内の装置の稼働情報などを、IoTを用いて可視化するとともに、AIが各工程の制御ルールを分析することで、従来難しかった機能性化学品のバッチ連続型生産ラインでのデジタル化を実現した。
生産技術のデジタル化の特長として、①エッジコンピューティング領域ソフト「Edgecross」活用による通信規格の異なるデータの収集、②AI(NECの「インバリアント分析技術」を活用したデータ分析と異常の見える化、③AIを活用し、暗黙知を「見える化」した制御ルールの設定、などが挙げられる。
新型コロナウイルスへの対応にもつながる3密防止の生産体制の確立は、今後海外拠点にも展開していく計画。さらに、住友ベークライトは、NECとの共創を通じて、ITとケミカルの両方に精通するITケミストの育成にも取り組んでいく。
両社は今後、デジタルトランスフォーメーションが急速に進展する中、AI、IoTなどのデジタル技術を積極的に活用し、引き続き製造業のデジタル化を加速していく考えだ。

2020年6月16日
トクヤマは15日、トヨタ自動車と、燃料電池自動車(FCV)の燃料電池システム(FCシステム)を活用した定置式の燃料電池発電機(FC発電機)を山口県周南市のトクヤマ徳山製造所内に設置して、電解による副生水素を利用した実証運転を開始したと発表した。実証運転は、2022年3月末までを予定している。

FC発電機は、FCV「MIRAI」に搭載されているFCスタック、パワーコントロールユニット(PCU)、2次電池などのFCシステムを活用することにより、高性能で安価な機器の製造を目指して、トヨタとトヨタエナジーソリューションズが共同で開発している。
今回導入したFC発電機は、昨年9月より、愛知県豊田市のトヨタ本社工場内で実証運転中の定格出力100kWのFC発電機をベースに、定格出力を50kWに変更し、部品レイアウトの見直しなどによりメンテナンス性向上などの改良を加えた。実証運転は、トクヤマが食塩電解法でカセイソーダを製造する際に副次的に発生する副生水素をFC発電機の燃料として活用する。トクヤマは、副生水素を安定供給する役割を担い、FC発電機で発電した電力は、定格出力50kWで徳山製造所内へ供給する。
トヨタは、水素使用量当たりの発電量などのエネルギー効率、発電出力の安定性、耐久性、メンテナンス性、海風による塩害の影響などの検証・評価を行う。さらに、副生水素活用による発電性能への影響や水素を外部購入した場合と比べた燃料代などの経済性を試算する。
今後、トクヤマは、国内有数の高純度な副生水素供給能力を持つ総合化学メーカーとして、副生水素を活用した地域貢献モデル事業の検討を進める。トヨタは、FC発電機の普及に向けて出力ラインナップの拡大、エネルギー効率や耐久性向上・コンパクト化・コスト低減などの商品力強化に向けた研究・開発とビジネスモデルの検討を行う。
両社は、今回の実証を通じて水素社会の実現を目指した取り組みをさらに進めていく考えだ。
2020年6月16日
昭和電工は15日、同社グループの中国法人・上海昭和高分子(SSHP)が、ビニルエステル樹脂(VE)と合成樹脂エマルジョン(EM)の生産ライン増設を完了し生産を開始したと発表した。中国での機能性樹脂事業の拡大を図るため、生産能力を約2倍に引き上げた。
第5世代移動通信(5G)の進展など情報通信分野の発展による液晶ディスプレイやタッチパネルなどの電子材料市場の拡大に伴い、これらの部材の生産に使用されるVEの中国国内需要も急速に拡大している。さらに、VEは優れた耐食性と耐薬品性を持つことから、大気汚染防止のために導入が進んでいる火力発電所の排煙脱硫装置、電子材料工場の排水処理設備、ごみ処理設備や化学品貯蔵タンクなどの腐食防止内面ライニング用としても需要拡大が続いている。
また中国では、環境保護強化の一環として2015年から始まったVOC(揮発性有機化合物)規制により、有機溶剤を使用した塗料や接着剤などの利用が厳しく制限されていることを背景に、水系の塗料や接着剤への切り替えが進み、それらに使用されるEMの需要も拡大している。こうした中、SSHPでは今回、VE・EM共に生産能力を約2倍に引き上げる増設工事を実施した。
昭和電工グループは、収益性と安定性を高レベルで維持できる個性派事業の連合体〝個性派企業〟を実現し、世界トップレベルの機能性化学メーカーになることを目標としている。今後も成長する中国市場に社会的価値の高い製品やサービスを提供して事業を拡大し、個性派事業の確立を目指す。

2020年6月16日
三菱ケミカルは15日、3Dプリンティング用樹脂パウダーを製造販売するAM Polymers社(AMP社:ドイツ・ヴィリッヒ市)と、PBT(ポリブチレンテレフタレート)パウダーの共同開発と販売に関する独占的な業務提携に合意したと発表した。これにより、三菱ケミカルは、3Dプリンティング用樹脂パウダーの製造販売事業に初進出する。
一方、AMP社は、3Dプリンティングの製法の1つである粉末造形法に使用される樹脂パウダーを専門に取り扱う。3Dプリンタの市場が拡大している欧州を中心に顧客基盤を確立しており、ポリプロピレンやポリエチレンなどの樹脂を粉末化する過程で、3Dプリンティング用に造形性・物性を強化する技術に優れる。
同提携に基づき、三菱ケミカルでは、PBTを組成段階から3Dプリンティング用にカスタマイズし、難燃性などの物性を付与できるパウダーを共同開発。開発品のPBTは、樹脂パウダーとして主流となっているPA12(ナイロン12)に比べて吸水性が低いため、造形時の取り扱いが容易といった特長がある。近日中に顧客評価のための試作品を欧州で順次提供していく予定だ。粉末造形法による3Dリンティングは、パウダーから造形するため複雑な形状が可能で、造形時間も短いため、量産性が必要とされる自動車や航空機部品への採用が期待されている。
三菱ケミカルは、今回の提携を通じて3Dプリンティング用の樹脂パウダーの開発と販売ネットワークを強化し、積極的に事業を展開していく。

2020年6月16日