日本ゼオン 「気候関連財務情報開示タスクフォース」に賛同

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2020年9月7日

 日本ゼオンは4日、8月13日付で「気候関連財務情報開示タスクフォース(TCFD)」提言への賛同を表明したと発表した。

 同社はCSR基本方針で「企業活動を通じ、社会の持続的発展と地球環境に貢献する」を掲げ、これまでその取り組みを進めてきた。今後はTCFD提言を踏まえ、気候変動が事業に及ぼすリスク・機会を分析し、経営戦略に反映することで経営基盤の強化を図る。それとともに、気候変動に関連する情報開示を進めることで、ステークホルダーとのさらなる信頼関係を醸成し、持続的可能な社会の実現と企業価値の向上を目指していく。

 なお同社は、TCFDへの賛同にともない、「TCFDコンソーシアム」にも参画。TCFD提言に賛同する他の企業や金融機関などとともに取り組みを推進。同コンソーシアムを通じ得られた知見を活用して、同社での効果的な取り組みや情報開示について検討を行っていく。

TCFD

ハイケム 副生ガスからEG生産、CO2削減へ

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2020年9月7日

C1ケミカル軸に経済性・環境性の両立を目指す

 ハイケムのC1ケミカルが新たなステージに入った。先月、同社がもつ「SEG技術」を採用した、製鉄所の副生ガスを利用してエチレングリコール(EG)を製造する世界初のプラントが稼働を始めた。

中国・山西沃能化工科技のEGプラント。ハイケムのSEG技術により副生ガスから年産30万tを製造
中国・山西沃能化工科技のEGプラント。ハイケムのSEG技術により副生ガスから年産30万tを製造

 SEG技術とは、水素とCOからなる合成ガス(Syngas)を原料とし、ポリエステル繊維やペットボトルの原料の1つとなるEGを非石油由来で製造する技術。

 今回の取り組みでは、製鉄所のコークス炉や高炉から排出される副生ガス中の水素とCOを活用する。COを燃やしてCO2にすることなく、EGの原料として利用し炭素を固定することから、CO2の発生を抑制。同プラントが通年で稼働した場合、年間56万tのCO2排出量を削減できるとしている。

 同プロジェクトは、中国の大手民営鉄鋼企業である山西晋南鉄鋼集団の完全子会社「山西沃能化工科技」との共同によるもので、製鉄所からの副生ガスを原料に年産30万トンのEGを製造する。2017年にハイケムがSEG技術のライセンス供与を行っていた。

 同社が目指すのは、C1ケミカルのトータルソリューションカンパニー。今年度からの中計に基づき、C1ケミカルを川上・川下へと拡大する「水素エネルギー事業」と「生分解性ポリマー事業」への展開が始まったところだが、その中心となるのがSEG技術のライセンス事業になる。

 同社は2009年に同ライセンス事業に参入した。宇部興産がもつ石炭由来の合成ガスからシュウ酸ジメチル(DMO)を製造する技術と、さらにDMOからEGを生産するパイロット技術に注目。ハイケムは、後工程のDMO水添によりEGを製造する実機を確立し、両社の技術を中国企業にライセンスしている。

 さらに、COからDMO、DMOからEGの生成に必要な銅触媒・パラジウム触媒も、同社の中国・南通にある触媒工場から提供しており、EGのビジネスモデルを構築した。第1基目のプラントは2012年に稼働。以降、高純度のEGを安全・安定的に供給することが高く評価され、製造するEGは中国国内の大手ポリエステルメーカーへの採用実績も多い。

 SEG技術は、CO2削減効果が見込めるエコな技術としても注目を集める。石炭・天然ガスをはじめ、各種産業排気ガスなどを原料として利用でき、炭素を固定するためだ。

 現在、合計23件、約940万t規模のライセンス供与を行うが、このうち75万tのEG製造にはコークス炉ガスなどの産業排気ガスを原料として使用する。そのプラントが全て稼働した場合、年間125万tのCO2を削減できる見込み。また、バイオマス原料やCO2を利用したEG製造も技術的には可能であり、研究開発を進めている。

 同社は「炭素利用効率を上げて空気をきれいにする」をビジョンの1つに掲げ、事業活動を通じて環境の豊かさに貢献していく。

 

カネカ 新型コロナ用DNAワクチンの製造体制に参画

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2020年9月4日

 カネカはこのほど、グループ会社カネカユーロジェンテック(ベルギー)が、アンジェス(大阪府茨木市)や大阪大学などが開発を進めている新型コロナウイルス用DNAワクチンの大量生産に向け、タカラバイオを中心とする製造体制に参画したと発表した。同ワクチンは大阪大学とアンジェスのプラスミドDNA医薬品開発の実績をもとに開発され、今年6月から臨床試験を開始。実用化に向けて開発が加速している。

 カネカユーロジェンテックは、1985年から医薬・診断薬、研究試薬用のタンパク質、核酸、ペプチドの製造販売を行っている。世界トップクラスのプラスミドDNA技術をもつことから、同ワクチンの中間体製造を受託した。なお、同社はベルギー政府の要請で、新型コロナウイルス検査用のPCR検査試薬も供給している。

 カネカは、mRNAやプラスミドDNAなど最先端の高度技術を活用し、ワクチンの受託製造や抗ウイルス薬の開発、医療器を用いたソリューション提供などにより新型コロナウイルス問題の課題解決に貢献し、世界を健康にしていく考えだ。

Kaneka Eurogentec社の外観
Kaneka Eurogentec社の外観

出光興産 バイオマス発電用植物の植生と木質ペレット化試験を開始

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2020年9月4日

 出光興産は3日、100%子会社である出光オーストラリアリソーシス(ブリスンベン)を通じ、石炭と混焼が可能なバイオマス発電燃料用植物の植生試験と木質ペレット化試験を開始したと発表した。既存のエンシャム石炭鉱山(クイーンズランド州、権益85%)での資産(鉱山内遊休地、用役設備など)を活用する。

 今回のプロジェクトで栽培するのは、バイオマス発電燃料として使用する「ソルガム」。降雨量が少ない同エリアでの生育に適しており、7月までに順調な生育が確認され収穫を行った。現在、ソルガムの木質ペレット化試験を進めており、今年後半には木質ペレットの半炭化(ブラックペレット化)試験を予定している。

 木質ペレットを半炭化したブラックペレットは、従来の木質ペレットに比べて耐水性・粉砕性などに優れ、石炭と同様に取り扱うことができるため、石炭火力発電でのCO2排出量低減が期待できる。

 なお、プロジェクトは、同地が石炭の輸出基地に加え、バイオマス発電燃料の大規模商業輸出基地となる可能性があるとして、クイーンズランド州政府から補助金2万豪ドルを受託している。

 出光興産は、エネルギーを取り巻く環境変化を踏まえ、エネルギー源の多様化とベストミックスの構築により、日本のエネルギーセキュリティへの貢献と再生可能エネルギー普及を推進する考えだ。

エンシャム石炭鉱山での植生試験の様子 植物種「ソルガム」
エンシャム石炭鉱山での植生試験の様子 植物種「ソルガム」

三菱ケミカル アクリル樹脂板、4月以降受注が急増

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2020年9月4日

コロナ禍の生活様式に対応、飛沫感染防止に効果

 アクリル樹脂は、加工の自由度やガラス以上の透明度、野外での変形や劣化などの変質を起こしにくい耐候性、軽量・強靭という極めて優れた性質から、〝プラスチックの女王〟と呼ばれる。

アクリル板を使用した対面パーティション
アクリル板を使用した対面パーティション

 三菱ケミカルは1943年より、アクリル樹脂板「アクリライト」の製造を開始。これまで看板や水族館の水槽といった幅広い用途に使用され、国内トップシェアを誇る。昨今では、新型コロナウイルスの飛沫感染防止と日常生活を両立する「新しい生活様式」の中で、人と対面する際に飛沫感染を防止するパーティション用途として注目が高まり、4月中旬以降、受注が劇的に増加している状況だ。

 同社の「アクリライト」は光との相性が良く、透過や遮断、偏光によって様々な性質を操り、光の透過ではガラスよりも高い透明度をもつ。またグレードによっては、最大幅2763mm×最長6000mmという生産サイズが可能であり、大型看板の制作にも最適。用途は非常に幅広く、看板や水槽のほかにも、液晶ディスプレイのバックライト、照明、携帯電話やデジタルカメラの表示窓、美術館の展示ケース、住宅・商業施設をはじめとした建材など多岐にわたる。

 こうした中、コロナ対策として、「アクリライト」の特徴あるグレードが、飛沫拡散防止パーティションの素材に採用が進む。中でも独自の連続キャスト製法で製造している高品質押出グレード「アクリライトEX」は、加工性、耐擦傷性、視認性、耐薬品性に優れ、パーティションなどに手軽に使える。

 オフィスやクリニックなど、来客と近距離で接する機会の多い受付での設置に適しており、同社エントランスの受付でも、「アクリライトEX」パーティションを設置。反射防止フィルム「モスマイト」を貼付することで光の反射を抑え、自然な会話ができている。

アクリル板を使用した飛沫防止用パーテーション
アクリル板を使用した飛沫防止用パーテーション

 「アクリライト」の出荷は4月中旬から加速度的に増加している。緊急事態宣言が発出されてからは、金融機関、コンビニ、スーパー、病院など、対面接客が必要な業種からの引き合いが強かったが、宣言解除後は、オフィスやレストランなどで、人同士の間を分ける用途向けが伸びている。海外では、航空機内への導入も検討されており、公共機関への採用拡大が期待されている。

 同社では現在、耐擦傷性を高め傷がつきにくい「アクリライトMR」や、すりガラス調でありながら表面が平滑なためウイルスが付着しにくい「アクリライトフロスティ」の採用活動を展開。さらに、「アクリライト」の抗ウイルスグレードを開発しており、医療機器や病院など高機能が求められる需要を取り込むことを目指している。また、将来的な製品の交換に伴う廃棄問題を見据え、リサイクル体制構築への取り組みも開始した。

 今後、アクリル樹脂板の需要は、一層の採用範囲の広がりが見込まれ、ロックダウンが解除される海外でも、第2波に対する備えとして感染防止策が展開されていくと見られる。同社は、「アクリライト」の需要は、これから1~2年増加し続け、その後新たなウイルス感染防止や置き換え需要により当面の間は、ニーズが高い状況が続くと想定している。

 

太陽石油 愛媛新聞「本とねんどアートの世界」に協賛

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2020年9月3日

 太陽石油は、愛媛新聞社(愛媛県松山市)で先月9日に開催された「太陽石油presents わくわく!本とねんどアートの世界」に協賛した。この催しは、子どもたちに本に親しんでもらうことを目的に、太陽石油が特別協賛する「愛媛新聞小学生読書感想文コンクール」に合わせて開催されるワークショップ。

 かのうさんからのレクチャー
かのうさんからのレクチャー

 今回は、四国事業所がある同県今治市出身の絵本作家かのうかりん氏を講師に迎え、小学生の親子51人が、お気に入りの本の一場面を表現する粘度工作に挑戦した。ワークショップでは、粘度工作のほかに、かのう氏による絵本の読み聞かせも行われ、参加した子どもたちは目を輝かせながら本の世界に浸っていた。

 コロナ禍となった今年は、三密回避、マスク着用、アルコールによる手指消毒、ヘルスチェックシートによる体調確認など、多くのコロナ対策を施しての開催となったが、参加者は夏休みの貴重な体験を楽しむことができた。

 同社は、社会貢献活動の一環として、次世代を担う子どもたちの健全な育成のため、こうした取り組みへの支援を続けていく考えだ。

プラ工連6月の実績 日用品・雑貨は17カ月ぶりに伸長

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2020年9月3日

 日本プラスチック工業連盟がこのほど発表したプラスチック原材料・製品の生産・輸出入状況によると、確報となる5月のプラスチック原材料生産は、前年同月比12%減の72万3000tと3カ月連続で減少した。6月の速報では同20%減で推移しており、マイナス幅が拡大している。6月は、主要品目のポリエチレンやポリプロピレン、塩化ビニル樹脂が4カ月連続、ポリスチレン(AS樹脂、ABS樹脂含む)は7カ月連続でそれぞれ減少した。

 5月のプラスチック製品生産は、同13%減の40万5000tと10カ月連続で減少し、6月の速報でも同8%減と減少傾向が継続する。6月は主要品目のフィルム・シートが2カ月連続でマイナスとなったのをはじめ、自動車や電気製品向けの機械器具部品は5カ月連続、建設関連のパイプと建材はそれぞれ3カ月連続、9カ月連続で減少した。各品目が軒並みマイナスとなる中、日用品・雑貨は17カ月ぶりにプラスに転じた。コロナ禍の巣ごもり需要の拡大によるものと見られる。

 一方、6月のプラスチック原材料輸出は

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DIC 統合報告書「DICレポート2020」を発行

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2020年9月3日

 DICは、同社グループの事業や財務、サステナビリティ活動についてまとめた「DICレポート2020」(ハイライト版・詳細版)を発行した。

 今年度は、社会課題を解決する「社会的価値」を表すものさしとして独自のサステナビリティ指標や、事業ポートフォリオ転換を目指した資本政策の基本方針(CFOメッセージ)、そして新たな社会価値創出に貢献する製品の特集などを主なハイライトとして紹介している。

 同レポートはより多くのニーズに応えるため、要点を簡潔にまとめたハイライト版(冊子およびPDF)と、より詳しい情報やデータを盛り込んだ詳細版(PDF)を発行。見やすさと分かりやすさの観点から、見る人の色覚タイプに左右されない「カラーユニバーサルデザイン」を採用し、CUD認証を取得するとともに、SDGsの目標と同社グループの取り組みとの関連を、SDGsのアイコンを用いて紹介している。

 また、同レポートの冊子は、DICグラフィックス社の製品である100%植物油を使用した「環境調和型インキ」で印刷し、環境へも配慮している。

 なお、レポートの作成にあたっては、ガイドラインとして「ISO26000:2010」や「レスポンシブル・ケア・コード」、レポーティングの国際基準となっている「GRIスタンダード」を採用。ステークホルダーが必要とする情報を提供している。

統合報告書「DIC レポート2020」
統合報告書「DIC レポート2020」

 

中越パルプ工業 CNF複合樹脂MBの複数グレードを販売

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2020年9月3日

 中越パルプ工業はこのほど、セルロースナノファイバー(CNF)を活用する複合樹脂ペレット・マスターバッチ品「nanoforest‐MB」の販売を開始した。衝撃強度を強化したグレードをはじめ、複数の製品ラインアップを揃えている。

「nanoforest-MB」
「nanoforest-MB」

 CNFはプラスチック分野での低比重・高剛性化による軽量化が期待できる補強剤として、自動車産業をはじめ様々な産業分野で応用が試みられている。これまで同社は、CNF「nanoforest」を利用し、ポリプロピレン(PP)との複合を可能とした粉末グレード「nanoforest‐PDP」を提供。しかし、検討先でPPとの混練時にPDP分散性の課題があったことから、今回、PDPを事前にPPへ良分散させたMB品の提供を開始した。

 一方、CNF複合樹脂の実用化では、剛性が向上する一方で、固く脆い性質に起因する衝撃強度の低下が課題。特に自動車産業分野では衝撃強度の強化が望まれており、同社では標準グレードMB品に加えて、衝撃強度を強化した3種類のグレード「衝撃タイプ」「高剛性タイプ」「高衝撃タイプ」もラインアップした。

 同社では、さらなるMB開発として、剛性、軽量化以外の機能性付与の開発も進めている。今後、様々な分野での応用・実用化を目指し、丸紅と共に開発や営業展開の強化を図っていく考えだ。

東洋紡 犬山の新設備稼働、LCD用フィルムの量産を強化

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2020年9月3日

 東洋紡は、同社犬山工場(愛知県犬山市)に液晶ディスプレー(LCD)用の超複屈折ポリエステルフィルム「コスモシャインSRF」専用の製造設備を新たに建設し、7月より量産を開始した。

 ポリエステルフィルムは複屈折による色ムラのため偏光子保護に適さなかったが、「コスモシャインSRF」は複屈折を極端に上げ、光の干渉領域をはるかに超えた位相差をもつ「超複屈折」により虹ムラを解消した。耐水・耐久性に優れ、製造過程でゆがみが生じにくいことから、ディスプレーの大型化やベゼル(外枠)レス化を背景に需要が拡大してきた。

 2018年より進めてきた犬山工場の「コスモシャインSRF」専用製造設備の建設が竣工し、量産を開始。犬山工場と敦賀事業所を合わせ、生産能力を従来の1.5倍に増強し、生産体制の強化を実現した。

東洋紡 犬山工場に新設した製造設備