日本触媒 カニ殻由来の化粧品素材、ベンチャーと業務提携

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2020年5月21日

 日本触媒は20日、マリンナノファイバー社と化粧品用素材に関する業務提携契約および代理店契約を締結したと発表した。同契約により、日本触媒は化粧品素材分野においてマリンナノファイバー社が製造した「キチンナノファイバー」と「加水分解キチンナノファイバー」のマーケティング活動を開始する。

キチンナノファイバー
キチンナノファイバー

 マリンナノファイバー社は、鳥取大学工学部の伊福伸介教授が設立した鳥取大発のベンチャー企業。蟹の名産地である鳥取県で大量廃棄されるカニ殻に着目し、カニ殻由来の新素材「マリンナノファイバー」に関する製品の研究開発・製造販売を行っている。

 「マリンナノファイバー」は、カニ殻の主成分であるキチンおよびその加水分解物を超極細繊維として抽出した「キチンナノファイバー」と「加水分解キチンナノファイバー」。「キチン」は、カニやエビなど甲殻類の外殻やキノコの細胞壁などの主成分で、生物資源由来の物質で持続性・安全性が高い、生物分解性などの特徴がある。

従来のキチン粉末(左)とキチンナノファイバー(右)
従来のキチン粉末(左)とキチンナノファイバー

 従来のキチン粉末では分散性・配合性が課題だったが、超極細繊維である「マリンナノファイバー」は、化粧品素材として分散性と配合性が良好、被膜形成力に優れる、創傷治癒性がある、人の肌にすっと馴染んで潤いをもたらす、抗炎症性がある、抗菌性がある、養毛効果がある、毛髪のツヤや指通りを向上させるなど、種々の特徴的な効果効能を持つ。この画期的な天然素材により、化粧品に様々な機能を付与することが期待される。

 日本触媒では、これらの特徴的な効果効能を実験データにより明確化するとともに、各化粧品用途に向けた処方を開発することで市場を開拓していく。そして、ニーズに対応した素材を提供することにより、中計の中で新規事業ターゲットの1つと定めた化粧品素材事業の拡大を目指していく考えだ。

 

エレファンテック AMなどにらみインク吐出評価を開始 

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2020年5月20日

 プリンテッド・エレクトロニクス分野のスタートアップ企業であるエレファンテックはこのほど、インクジェット用インクのインク吐出評価サービスを開始すると発表した。

インク吐出評価サービスのイメージ
インク吐出評価サービスのイメージ

 同社は、「新しいものづくりの力で、持続可能な世界を作る」というミッションの下に、環境負荷が少ない製法で作成可能な片面FPC(フレキシブルプリント基板)「P‐Flex」を展開。昨年10月には、三井化学との戦略的提携を発表するなど、必要な部分にのみインクジェットで金属ナノインクを印刷する技術を活用し、インクジェットによる新しいものづくりの生産技術開発と量産化を推進している。

 昨今の製造技術は、3Dプリンティング技術に代表されるアディティブマニュファクチャリング(AM)の活用が進んでいる。エレファンテックは、環境負荷が低く、デジタル的で造形自由度が高い特長を持つインクジェット技術を、より一層進展させることに価値があると捉えており、これまで培ったインクジェットに関わる技術を生かすことで、インクジェットの応用分野拡大への貢献を目指していく。その第1歩として、インク吐出の評価サービスを立ち上げ、多くの企業・幅広い分野への技術支援を行っていく考えだ。

 同サービスはインクジェット用インクを短時間で性能評価するサービス。開発インクのトライアル評価やインク吐出に対する専門的見解への高まるニーズに応え、インク受領から吐出評価、報告書作成までをワンストップで実施する。

 

経産省 3月のエチレン換算輸出入は15万8000tの出超に

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2020年5月20日

 経済産業省が18日に発表したエチレン換算輸出入実績によると、3月は15万8500tの出超となった。エチレン換算輸出は前年同月比0.4%減の22万700tとなり、3カ月連続でマイナスとなった。

 低密度ポリエチレン(LDPE)や高密度ポリエチレン(HDPE)、スチレンモノマーなどの品目が前年割れとなったが、

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三井化学 体温を感知する新素材の市場開発を開始

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2020年5月20日

 三井化学はこのほど、ヒトの体温を感知してカラダに馴染む新素材シート「HUMOFIT(ヒューモフィット)」の市場開発を開始したと発表した。

 『HUMOFIT』 シートが手に馴染む様子 
『HUMOFIT』 シートが手に馴染む様子

 同素材は、触れた瞬間から柔らかくなり始め、触れたその手にあっという間に馴染むという、不思議な感覚を持っている。この特性を生かして、「ヒトによりそい、やわらかくつつみこむ、あたらしいここちよさ」を提供し、カラダとモノの不一致による痛みや、疲労、違和感から、人々を開放できる素材として期待されている。

 形状記憶シートとして約3年前から各種展示会やウェブサイトを通じて紹介を始めており、以来、そのユニークな素材特性から、幅広い業界の開発者や企画担当者、デザイナーなどから多くの反響を得ている。

 「ヒューモフィット」にそういった特長を付与する秘密は、ポリマーが劇的に軟化する温度=ガラス転移温度。同素材のガラス転移温度は約28℃。つまり室温(約23℃)とヒトの体温(約36℃)の間にガラス転移温度が存在しているためだ。例えば、ヒトの手の体温がこのシートに熱を伝えると、シートの温度がガラス転移温度を超えることにより、触れたその手に瞬時に馴染むという不思議な心地よさが得られる。

 用途としては、カラダへのフィット感を求めるニーズから、アパレル・シューズ・シート・バンド・サポーター・寝具・ヘルメット・ヘッドホン・スポーツ製品などが想定される。また、新型コロナウイルスの影響により、リモート社会へのパラダイムシフトが始まった社会では、ウェアラブル・VR・AR・eスポーツ・医療IoTなど、新たな市場で、カラダに装着するデバイスの需要が急拡大することが予想される。

 三井化学は今後、同素材の開発を通じて、急成長が期待される新市場にも「ヒトによりそう」やさしい素材として貢献していく考えだ。

 なお、「ヒューモフィット」特設サイト(https://jp.mitsuichemicals.com/jp/special/humofit/index.htm)では、各種素材特性やデモ動画、サンプル請求方法などを公開している。

アジア石化市況 エチレンは約3カ月ぶりに反転

2020年5月19日

芳香族は弱含み、SMは川下製品回復で再び上昇

 アジア地域の4月第5週の石化市況では、エチレンは、下値65ドル高、上値30ドル高の385~410ドル/tでの取引となった。1月第5週以来、約3カ月ぶりに反転している。中国では新型コロナの影響を抑え、経済が回復傾向にある。そうした中、クラッカーが定修を控えていることもあり先高観から買いが入っているようだ。

 スプレッドも、ナフサ価格の上昇が鈍いこともあり、

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トヨタ 今期の販売台数は大幅減も国内300万台を堅持

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2020年5月18日

豊田社長「サプライチェーンと雇用・人財を守る」

 トヨタ自動車が発表した、2021年3月期(2020年度)通期業績予想(IFRS)の中で、売上収益は前年度比20%減の24兆円、営業利益は80%減の5000億円との見通しを明らかにした。大幅な減収減益要因は、新型コロナウイルス感染症拡大に伴う市場の落ち込みによる、グルーバルでの自動車販売台数の減少だ。今年度は前年度実績を195万8000台下回る、700万台を想定する。

近健太執行役員
近健太執行役員

 12日に行われたオンライン決算説明会Ⅰ部で、近健太執行役員は、新型コロナの影響で先々は見通しづらいとしながらも、「当社は自動車産業のOEMであり、非常に裾野が広い産業だ。なんらかの基準を示すことが必要だと考え、見通しを公表した」と経緯を説明。算出に当たっては「販売は4月を底に、年末から来年にかけて前年並みに戻っていく」(近執行役員)ことを前提条件に、販売台数は4-6月期に前年度比6割程度、7-9月期に8割程度、10-12月期に9割程度までの回復を想定し、その後は徐々に前年並みに推移するとの見通しを示した。

 続く決算説明会のⅡ部では、豊田章男社長が登壇し、決算発表を踏まえた上でのコロナショックへの対応をスピーチした。今年度の販売台数は、リーマンショック以上の約20%の減少を想定するものの、「営業利益は5000億円の黒字確保を見込んでいる」(豊田社長)とし、これまで同社が行ってきた企業体質の強化を評価した。

 中でも「国内生産300万台体制の死守」を挙げ、どんなに厳しい経営環境下にあっても「日本にはモノづくりが必要であり、グローバル生産をけん引するために競争力を磨く現場が必要だ。その信念の下、まさに『石にかじりついて』守り抜いてきた」と言葉を強めた。その背景には、自社のみを守るのではなく、「そこに連なる膨大なサプライチェーンと、そこで働く人たちの雇用を守り、日本の自動車産業の要素技術と、それを支える技能を持った人財を守り抜くことでもあった」(同)との考えを明かした。

豊田章男社長
豊田章男社長

 さらに豊田社長は「私たちが『石にかじりついて』守り続けてきたものは、『300万台』という台数ではない。世の中が困った時に必要なものをつくることができる、技術と技能を習得した人財だ」と続けた。

 同社ではコロナ感染拡大を受け、米国で3Dプリンタを使った医療用フェイスシールドの生産などを展開し始めた。多くの化学メーカーが自動車産業に参入する今日、業界が連携しコロナショックをどう乗り切るのか、ポストコロナに向けた新たな戦略が期待される。

 

三井化学 医療従事者支援でガウン向け不織布を緊急供給

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2020年5月15日

 三井化学は、医療用ガウン(アイソレーションガウン)の原料であるスパンボンド不織布「PS‐105‐GW」の供給を開始した。

医療用ガウンの一例
医療用ガウンの一例

 新型コロナウイルス感染防止に向け、最先端の医療現場で活動する医療従事者支援のため。感染者数が増加する中、多くが海外からの輸入であった医療用ガウンは、世界的な感染拡大に伴い入手が困難な状況が続く。

 同社は、不織布生産の主要工場で100%子会社のサンレックス工業(三重県四日市市)にて、医療用ガウン対応の不織布生産を開始。このほど、月産1000万枚分以上の生産体制を確立した。

サンレックス工業の外観
サンレックス工業の外観

 紙おむつなどの衛生材用不織布の製造ラインを活用することで、医療現場へ最速最短で供給できるよう縫製メーカーと連携を図り、国産化医療用ガウンの早期確立に原料面から貢献していく。また、すでに供給を始めているマスク用不織布についても、メルトブローン法不織布とノーズクランプの供給をさらに強化し、増産計画を進めていく考え。

 三井化学は新型コロナウイルスの感染拡大防止に対し、不足するマスク・医療用ガウン用の不織布の生産と供給を通じ、社会貢献を継続していく。