芳香族は3製品とも上昇、SMは下落基調が続く
アジア地域の11月第2週の石化市況では、エチレンは3週連続上昇と回復傾向が続いており、下値が15ドル/t高、上値が40ドル/t高の750~790ドル/での取引となった。エチレン価格は10月第3週の650ドル/tを底に反転していたが、需要家の購買意欲が改善したことで上昇基調となっている。
スプレッドも、ナフサ価格が上昇する中、
2019年12月3日
2019年12月2日
ドイツの化学・消費財メーカーのヘンケルはこのほど、CFRP(炭素繊維強化プラスチック)を活用した自動車用一体成型ホイールの世界的大手であるオーストラリアのメーカー、カーボンレボリューションへの母材(マトリックス樹脂)の供給で戦略的契約を締結した。両社は今後、共同で一体成型CFRPホイールの開発を加速させていく。

世界の自動車産業が軽量化ソリューションを求める中、自動車の足回りであるバネ下重量の軽量化にも注目が集まっている。バネ下重量の多くを占めるホイールだが、一体成型CFRPホイールを使用することで、アルミホイールに比べ40~50%の軽量化を実現すると同時に、魅力的な表面仕上げも可能になる。
カーボンレボリューションのCFRPホイールは現在、世界的に最も有名なスポーツカーのいくつかのモデルに使用されている。ホイール軽量化によるバネ下重量の大幅な削減は、慣性モーメントを低減させ、回転などの運動性を高めるため、操舵性、走行性、加速・ブレーキ性能が向上する。また、持続可能性の観点からも、燃料・電気のエネルギー効率改善や、CO2排出量の削減が図れる。
両社は、数年にわたる緊密なコラボを通じ、複合材料技術の実績のある製品ポートフォリオを拡大し、世界の自動車メーカーの厳しい性能要求に対する独自のソリューションを提供してきた。ヘンケルは今後、様々なグローバル自動車メーカーへのCFRPホイールの最良のソリューション提供を目指し。欧州とオーストラリア(メルボルン近郊)にある2つの生産拠点からサポートを行っていく考えだ。
2019年12月2日
AGCはこのほど、素材の組成開発を担う材料融合研究所と、素材の生産プロセス・設備開発を担う生産技術部で、スタートアップのKAKUCHO(東京都渋谷区)がもつ「webAR」の試験使用を決定したと発表した。今月から同技術を開発現場に導入し、開発のスピードアップ化を図る。

KAKUCHOは「AR/MRを社会に浸透させ、誰もみたことのない新しい日常を創造する。」を企業理念に掲げ、ARを利用した高級インテリアEC「FURNI」と、FURNIに使われているAR技術を提供する「webAR」の2つの事業を提供している。
AR(Augmented Reality)とは、一般的に拡張現実と訳されるもので、物体検知・空間認識・顔認識などの画像認識を通して、現実環境をコンピュータにより拡張する技術。建設現場や工場などの作業現場での活用や、自動運転への応用など、ビジネスのさまざまなシーンで活用が進んでいる。
「webAR」は専用のアプリを開発することなく、ウェブブラウザ上でARを簡単に使用できる技術だ。事前にURLを共有しておけば、スマートフォンやタブレットなどのデバイスを現場でかざすことで、開発設備をそのままの形状・サイズ感で現場風景に重ね合わせて表示できる。
これまで図面や仕様を共有するだけでは正確に伝えることができなかった、現場のレイアウト・作業性・安全性などを設備導入前に明らかにすることが可能になる。同技術により開発者間のコミュニケーションを促進し設備開発のスピードを向上することで、素材開発全体のスピードアップに繋げていく考えだ。
素材の開発には、組成開発、生産プロセス開発、設備開発などの開発フェーズから量産に至るまで数十年を要することもある。中でも設備開発は同じ図面や仕様を共有しているにもかかわらず、組成開発者と設備開発者が認識する現物イメージに乖離があり、開発に多大な時間を要するケースがある。この課題を解決する手段の1つとして、AGCはAR技術に着目した。
2019年12月2日
2019年11月29日
2019年11月29日
2019年11月29日
2019年11月28日
2019年11月28日
ダウ・ケミカル日本は26日、東京アメリカンクラブで「2019年度パッケージングイノベーションアワード(Packaging Innovation Awards)」の表彰式を開催した。
同賞は、包装デザインや材料、技術、生産プロセスについて包装業界の革新的でもっとも優れた業績を表彰するもの。これまで「デュポンパッケージアワード」として知られていたが、現在はダウが主催を引き継いでおり、今年で31回目を迎える。
ダウ・パッケージング・アンド・スペシャルティ・プラスチック事業部アジア太平洋地区コマーシャル・バイス・プレジデントのバンバン・キャンドラ氏は、「近年のエントリー作品は、より良いユーザー体験だけではなく、サステナビリティにも貢献している」とし、「今回の受賞企業とその製品は、日本のイノベーション、そして包装業界における持続可能性への関心をまさに反映するものだ」と挨拶した。

今回のアワードでは世界33カ国から、過去最高となる約270作品がエントリー。日本企業は10社が応募し、そのうち大日本印刷の「DNP機能性フィルム複合型PETボトル」が最優秀賞となるダイヤモンド賞を受賞。他にも、川上産業(浮世絵プチプチ)、タキロンシーアイ(サンジップ「Sensory」)、明治(ザ・チョコレート6コレクション アソーテッドパッケージ)の3社がゴールド賞を受賞するなど、好成績を収める結果となった。
受賞企業を代表して、大日本印刷包装事業部副事業部長の鈴木康仁氏は、「この技術は、従来のPETボトルリサイクル適性を維持しながら、バリア機能を付与し高級感も演出できる。すでに、環境に配慮したガラス製ボトルの代替品で、日本酒などで活用されている。持続可能な包装がますます求められる中、今回の受賞を励みに次世代の包装技術に注力していきたい」と受賞の喜びを語った。
続いて、受賞企業3社(DNP、川上産業、タキロンシーアイ)によるプレゼンテーションが行われ、製品の特長や開発経緯などを紹介。表彰式では、バンバン・キャンドラ氏が受賞企業にそれぞれ記念品を授与した。
なお、2020年度のパッケージングイノベーションアワードは、来年初頭に募集を開始する予定となっている。
2019年11月27日
BASF子会社のBASFニュービジネスと日本ガイシは、6月に発表した日本ガイシのNAS電池に関する販売提携契約に続き、 次世代ナトリウム硫黄電池の共同研究契約を締結した。

BASFがもつ広範な化学技術と、日本ガイシが持つ電池のシステム設計・製造技術を活用して、次世代のナトリウム硫黄電池を開発することが目標。さらなる性能向上を図った次世代のナトリウム硫黄電池の実現により、新たな蓄電池市場の開拓を目指す。
NAS電池は日本ガイシが世界で初めて実用化したメガワット級の大容量蓄電池。天候により発電量が左右される、風力発電や太陽光発電などの再生可能エネルギーの出力変動を、緩和・安定化することができる。
これにより再生可能エネルギーの出力抑制や、電力系統への接続保留問題を解決し、導入量拡大に貢献する。また、送電線の空き容量に応じて送電することが可能なため、既存系統を最大限活用することができ、系統設備への投資を抑制する。
NAS電池は大容量・高エネルギー密度・長寿命を特徴としているため、短時間・高出力を特徴とするリチウムイオン電池など他の蓄電池に比べて、長時間にわたり 高出力の電力を安定して供給する定置用蓄電池に適している。全世界で約200カ所、総出力57万㎾(570㎿)、総容量400万㎾時(4000㎿時)以上の設置実績を持つ。
再生可能エネルギーの出力抑制回避・出力安定化用途に加え、大口需要家向けの電力負荷平準化用途や非常電源用途、マイクログリッド・離島での電力供給の安定化など、さまざまな用途で節電対策やエネルギーコスト削減、環境負荷低減に貢献している。