【2019年 夏季特集】 三井化学代表取締役社長 淡輪敏 氏

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2019年8月13日

 増設・増強でナフサクラッカー強化、下流の競争力を向上

 ━ 昨年度の振り返りと、今年度の見通しについてお伺いします。

 三井化学淡輪社長 対外的なカントリーリスクなどがあったが、国内需要はそれなりに推移し、その状況下では比較的底堅く動いていったのではないか。ただ、原料価格の急変、特にナフサの急落は、一過性ではあるが、負のインパクトがあった。

 また、当社として反省すべきは事故がなかなか止まらないことだ。昨年6月の大阪工場・用役プラントでの火災事故も負のインパクトとなり、3年連続の最高益更新には至らなかった。ただ当期純利益が最高益を更新できたことは、一定の手応えを感じている。

 今年度については、社内に向けて、「潮目が変わった、

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【2019年 夏季特集】 三菱ケミカル代表取締役社長 和賀昌之氏

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2019年8月9日

 安全が第一、安全・安心を担保できない事業はやめる覚悟

 ━昨年度の振り返りと、今年度の見通しについて。

 三菱ケミカル和賀社長 TOP 昨年の前半は、米中の貿易摩擦や中国での環境規制の問題、海洋プラスチック問題などと、さまざまな外部の不安要因はあったものの、化学業界にとっては良い状況が続いていた。しかし後半、10月ぐらいから完全に潮の流れが変わった。市況が下がり始め、一時的な調整局面かと見ていたが、年が明けたらモノの動きがピタッと止まった。その後は3月、4月と少しずつ回復の動きが出てきており、足下の値動きも全般的にそれほど悪くはない。

 振り返ってみると、

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【2019年 夏季特集】 旭化成代表取締役社長 小堀秀毅 氏

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2019年8月9日

  サステナビリティへの貢献を軸に、製品・用途開発を推

 ━昨年度の振り返りと施策について、お聞かせください。

 旭化成小堀社長 昨年度は3カ年の中期経営計画「Cs for Tomorrow 2018」の最終年度だったが、売上高と営業利益が過去最高を更新し、計数面で非常にいい成果がでた年だった。また、拡大投資にかなり踏み込んだ年でもあった。競争優位性のある事業では、オーガニックな成長に向けた能力拡大投資を決定した。

 M&Aでは、CO2センサーのモジュールメーカーであるセンスエアー社、自動車用内装材メーカーのセージ社、住宅の部材サプライヤーであるエリクソン社などの買収を発表した。この3社についてはクロージングも完了しており、将来に向けた成長への布石が打てたと考えている。

 一方、事業の基盤強化では、

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【PBT特集1】 自動車を中心に需要が拡大、足元では前年割れに

2019年8月9日

 エンジニアリングプラスチックのポリブチレンテレフタレート(PBT)は、高靭性・高剛性で、耐熱・耐候・耐薬品性に加え、電気特性にも優れるバランスの取れた結晶性の熱可塑性ポリエステル樹脂である。

 自動車を中心に、家電やOA機器などで使われている。特に自動車の軽量化とエレクトロニクス化による金属代替用途や部品点数の増加によって、昨年までは年率

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【2019年 夏季特集】 東ソー代表取締役社長  山本寿宣氏

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2019年8月8日

 スペシャリティで相次ぎ能増、新中計で成長図る

 ━前中計の最終年度だった2018年度の振り返りと、2019年度の見通しについて。

 東ソー 山本社長2018年度の売上は8615億円、営業利益は1057億円を達成し、前中計の目標はクリアしました。ただ、これは交易条件が非常に良かったためです。2019年度は売上高が8600億円、営業利益は950億円の減収減益という業績予想を組んでいます。その理由は、製品の海外市況が下落する見込みであること。特に、塩ビやウレタンの海外市況を厳しく見たことが、この数字に表れています。

 ━海洋プラスチックごみをはじめとする環境問題への対応は。

 廃プラスチック問題に関しては、例えば、廃ボトルの国内処理拡大が必要となっており、当社はセメント・プラントを持っているので、サーマルリサイクルを拡大できるよう設備を見直し、燃料代替として使っていく取り組みを進めています。地球温暖化問題では、CO2排出削減のため、ボイラーの効率化とバイオマス燃料の使用拡大、燃料転換に取り組んでいます。

 ただ、海外の企業と競争していますので、イコール・フッティングという観点からすれば、単純に、例えば燃料を

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【2019年 夏季特集】 信越化学工業代表取締役会長  金川千尋氏

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2019年8月8日

 さまざまな事態への備えが重要、安定的な収益確保を目指す

 ━2019年の景気動向と事業環境の見通しは。

 金川会長画像 世界情勢は先行き不透明な状況が続いており、見通すのは難しいことです。当社は、変化する事業環境の中で日々の経営に注力し、実績を積み重ねることに取り組んでいます。

 昨年度はシンテックをはじめ全ての事業が好調に推移し、最高益を更新することができました。今年度についても、第1四半期決算では増益を達成しました。

 また年間の業績も増益を見込んでいます。外部発表しました業績予想の達成に向け最大限努力をしています。

 ━廃プラスチック問題が注目される中、サーキュラーエコノミー(循環経済)にどう取り組んでいますか。

 当社ではESGの重要課題の1つとして、省エネルギー、省資源、環境負荷の低減を掲げており、各工場において、熱エネルギーの循環や水のリサイクル利用に積極的に取り組んでいます。

 一方、事業においては、レア・アースマグネットの原料であるレア・アースのリサイクルを武生工場とベトナム工場で行い、原料調達の

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【わが社のオンリーワン製品3】デンカ アセチレンブラック

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2019年8月2日

 デンカは国内で唯一、アセチレン法によるカーボンブラック「デンカブラック」を製造している。

 汎用製法のファーネスブラックに比べ、高純度で導電性に優れていることから、リチウムイオン電池(LiB)の導電助剤として需要が拡大しており、生産能力の増強が急がれている。1921年に大牟田工場で製造を始めた石灰窒素の原料であるカーバイドの用途展開の1つとして1942年よりアセチレンブラックの生産を開始した。

 アセチレンブラックは、油を原料とするファーネスブラックに比べて金属不純物が少なく、自己発熱分解で生成することから他の不純物もほとんど含まない。特に「デンカブラック」はこの製法に加え、原料ガスの

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【PPS特集3】ポリプラスチックス

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2019年7月26日

 自動車への社会的要求に対応、エコと安全に貢献

 ポリプラスチックスはソリューション提案を含めたマーケティングにより、ポリフェニレンサルファイド(PPS)コンパウンドの拡販を図っている。

 具体的には、製品ラインアップの中から顧客の求める性能に合致した樹脂を提案し、カスタマイズした製品を顧客とともに開発することで、最適な素材を提供するということ。PPSはその中で、最も成長が見込まれる樹脂である。

 同社のPPSコンパウンドは、クレハから直鎖型PPSポリマーの供給を受けて製造している。「ジュラファイド」のブランド名により、スタンダードなガラス繊維40%混合の「1140」系、ガラス繊維と

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【PPS特集2】東レ 特徴あるポリマーの開発へ、新分野で用途を開拓

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2019年7月19日

 東レは架橋型・直鎖型の両タイプのポリフェニレンサルファイド(PPS)をもち、ベースポリマーからコンパウンドまで一貫した生産を行っている。

 ポリマーについては東海工場と韓国の2カ所にプラントがあり、生産能力は合計で年産2万7600t。コンパウンドは名古屋事業場と中国の深圳・蘇州・成都、韓国、タイ、米国、ハンガリーの8カ所に、合計4万1200tの生産設備を設け、「トレリナ」ブランドにより、グローバルで製品を供給している。

 架橋型ポリマーは射出成形用、直鎖型ポリマーは射出成形用のほか、フィルムと繊維の素材などとして使用している。コンパウンドの用途のうち、半分強が自動車で、残りが電機・電子機器、OA機器、台所の水道栓や混合栓といった住宅関連部品など。

 製品グレードでは、ガラス繊維40%混合の「A504」「A604」、ガラス繊維と充填剤(無機フィラー)を60~65%混合した「A310M」「A360M」、ガラス繊維と無機フィラーにエラストマーを混合した「A575」「A673」「A675」など、大きく分けて3タイプを販売している。

 「A310M」「A360M」は、寸法安定性が求められる一般産業用途が多い。「A504」「A604」は靱性および強度が求められる水栓部品などが多いが、同じ水回りでも、線膨張が起きたり、水圧に耐える強度が求められたりする混合栓などは「A673」を提案している。

 需要が拡大している自動車用途でも、金属と樹脂の一体成形の際の位置・寸法精度などを確保するため、これらエラストマーグレードの使用が増えている。

 新しいグレードとしては「A660HV」がある。これは耐トラッキング性を改良したもので、高電圧化・小型化する

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【PPS特集1】自動車電動化で需要が拡大、各社とも増産図る

2019年7月12日

 スーパーエンジニアリングプラスチックのポリフェニレンサルファイド(PPS)コンパウンドは、グローバルで年率6~7%程度の成長を続けており、現在の市場規模はグローバルで13万t弱、国内では4万t弱程度だと見られている。ただ、中国での需要が減速傾向にあることから、一時的にこれらの数字が落ち込む可能性はある。

 PPSポリマーはベンゼン環と硫黄が交互に結合した結晶性の合成樹脂で、汎用エンジニアリングプラスチックに比べ耐熱性が非常に高く、機械的強度・耐薬品性・難燃性に優れている。

 PPSコンパウンドの商業生産を最初に始めた米国のフィリップス・ペトロリアムが、PPSにガラス繊維を40%混合したものと、ガラス繊維と充填剤(無機フィラー)を65%複合したものを販売していたため、これがデファクトスタンダードとなっているが、各社はこれらの

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