【新年特集】旭化成代表取締役社長 小堀秀毅氏

,

2021年1月6日

慣習に捉われず課題を解決、これからの時代を切り拓く

━昨年を総括すると。

 2020年度の通期の見通しは、売上高2兆340億円、営業利益1400億円、経常利益1420億円、純利益870億円とした。マテリアル領域を中心に新型コロナウイルス感染拡大の影響を大きく受け、残念ながら対前年比で減益となる見通しだ。当社グループの多様性を生かして、新型コロナの影響をできるだけ回避すべく経営に取り組んできた。しかし、行動制限により生産や消費活動が低迷したことにより、マテリアル領域を中心に自動車関連やアパレル関連などの需要が減少したことに加え、石化市況変動の影響を受けた。

 一方、感染拡大への対応として、マスクや消毒ワイパー向け不織布や医療用ガウンの提供に努めた。住宅領域では建築請負やリフォームなどが感染拡大の影響を受けたが、不動産部門が好調に推移した。ヘルスケア領域では米国での人工呼吸器の増産や、新型コロナ関連の医薬品製造用のウイルス除去フィルターなどの需要の伸びで、マテリアル領域の影響を多少カバーできた。

コンテンツの残りを閲覧するにはログインが必要です。 お願い . あなたは会員ですか ? 会員について

【新年特集】三井化学代表取締役社長 橋本 修氏

,

2021年1月6日

ICTを第4の柱へと成長を加速、ヘルスケアも事業拡充

━2020年の振り返りと2021年の見通しについて。

 昨年を振り返ると、4月が底で4~6月の事業環境は厳しく、7月以降に多少まだら模様ではあったが、マーケットが全体的に回復し始めてきたと感じている。当社が多く関わる自動車関連ビジネスについても、自動車の販売台数は4~6月が底で、7月からは徐々に戻り始めた。足元では中国はほぼ回復してきており、対前年比でもプラスになる見通しだ。米国も思ったほどは悪くはなく、欧州も回復の兆しが見えてきている。

 その一方で、アセアンはまだ厳しい状況が続いている。2021年について言えば、足元を見る限りでは、それほど大きな影響は受けておらず、今後、新型コロナウイルス感染拡大の第三波の影響がどれくらい出てくるかによる。ワクチンの接種開始による効果が出てくれば、一気に以前の状態にまで回復することは難しいとしても、

コンテンツの残りを閲覧するにはログインが必要です。 お願い . あなたは会員ですか ? 会員について

【新年特集】積水化学工業代表取締役社長 加藤敬太氏

,

2021年1月6日

昨年は構造改革が進展、中計目標達成と業容倍増を追求

━昨年はコロナによって世界経済が停滞しました。

 当社も新型コロナウイルス感染拡大の影響を大きく受けたが、結果として上期は計画以上の利益を達成することができた。その要因として、市況の回復に頼るのではなく、構造改革や固定費抑制を徹底したことで、前倒しで効果を発現できたことが大きい。下期については、コロナ禍からの回復を前提に当初予算を策定したが、たとえ回復が遅れたとしても、社会課題解決に寄与する製品の拡販と固定費削減の徹底により、通期業績予想の営業利益700億円は達成できるだろう。

 当社は昨年5月に、2030年に業容倍増(売上高2兆円)を目指した

コンテンツの残りを閲覧するにはログインが必要です。 お願い . あなたは会員ですか ? 会員について

【新年特集】東ソー代表取締役社長 山本寿宣氏

,

2021年1月6日

コロナとCO2への対応が課題、研究開発ではMIに注力  

━昨年を振り返って。

 やはりコロナ禍の影響を大きく受けた年だった。上期(4-9月期)の業績は、需要の減少や市況の下落により4-6月期は営業赤字となった。その後、感染拡大が落ち着いたこともあり、7月以降は少しずつ需要が回復したことで、上期は黒字にすることができた。下期に入ってからは、さらに需要が戻りつつあり販売数量が増加している。中期経営計画の数値目標を達成することは厳しいが、下期の増益によって、通期の営業利益率8%を確保したいと考えている。

 足元は、塩化ビニルモノマー(VCM)や塩化ビニル樹脂(PVC)、ウレタン原料のMDI(ジフェニルメタンジイソシアネート)といったコモディティ製品の市況が高騰しており、

コンテンツの残りを閲覧するにはログインが必要です。 お願い . あなたは会員ですか ? 会員について

【新年特集】昭和電工代表取締役社長 森川宏平氏

,

2021年1月6日

統合プロセスは順調、化学の力で世界を変える会社を目指す

━昨年の総括について。

 2020年はやはり新型コロナウイルス感染症が最大のリスク要因となり、社会や経営、事業など様々な場面に大きな変革をもたらすトリガーになった。当初の想定をはるかに超え、世界中で工場の操業停止や飲食店の営業停止をもたらし、市民生活や企業に極めて大きな影響を与えている。

 またコロナ禍によって、人々の生活様式も一変した。

コンテンツの残りを閲覧するにはログインが必要です。 お願い . あなたは会員ですか ? 会員について

【新年特集】JSR代表取締役社長兼COO 川橋信夫氏

,

2021年1月6日

コロナ前に後戻りはできない、前に向かって「動く」のみ

━昨年を振り返って。

 まさにコロナ一色の1年だったと言える。昨年1月後半にはコロナ禍を想定し、BCP(事業継続計画)会議を設置した。社員の健康状態はもちろん、製造、物流関係、在庫状況についてグローバルに報告を受け、迅速に対応することができた。5月に第1波が収まった後も第2、第3波が来てはいるが、BCPで決めた基準に沿って対応しており現時点で問題はない。

 また本社の出社率は2~3割程度を継続している。

コンテンツの残りを閲覧するにはログインが必要です。 お願い . あなたは会員ですか ? 会員について

【カーボンリサイクル特集】

, , , , , , , , , ,

2020年11月21日

化学産業、カーボンニュートラルへの対策が加速
CO2を有効利用、技術力でフロントランナーに
    

 気候変動による異常気象の顕在化、海洋プラスチックごみ問題に端を発した世界的な環境保全への意識の高まりなど、現在、人間社会と地球(資源・環境)との関わり方を改めて見直す局面にある。

 2015年に採択されたSDGsやパリ協定では、解決すべき社会課題や環境問題の長期的なビジョンが示された。わが国でも地球温暖化や廃プラスチックに対して意識が高まっており、サーキュラーエコノミー(循環型社会)の実現に向けた技術開発やソリューション提供が大きなテーマとなっている。

 世界的に環境貢献が問われる中、経済産業省が今年5月「循環経済ビジョン2020」を策定。さらに菅義偉首相は所信表明演説で、2050年にGHG排出を実質ゼロにすると表明した。化学業界でもCO2の原料化やケミカルリサイクル、またグリーン水素といった実証事業が加速しているが、今後はそれを社会実装するために、業界の垣根を越えた連携が重要となりそうだ。

 今回の異業種企画特集では「カーボンリサイクル」をテーマに、行政の方針や業界団体の取り組み、また企業各社のこれまでの成果と課題、事業化に向けた戦略などについて取材した。

─────────────────────────────────────────────

◇インタビュー◇

経済産業省製造産業局素材産業課長 吉村一元氏
 ▽非連続のイノベーションを創出、脱CO2社会を実現

プラスチック循環利用協会広報学習支援部長 冨田 斉氏
 ▽プラスチックリサイクルを支援、循環型社会の実現に貢献

三菱ケミカルサーキュラーエコノミー推進部長 金沢大輔氏
 ▽サステナビリティ事業をサポート、会社全体でCEを加速

旭化成研究・開発本部化学・プロセス研究所長 鈴木 賢氏
 ▽炭素・水素循環技術を開発、環境分野でトップランナーに

積水化学工業ESG経営推進部長 西山宏喜氏/担当部長 三浦仁美氏
 ▽新環境長期ビジョンを策定、環境をESG経営のエンジンに

ハイケム代表取締役社長 高 潮氏
 ▽C1ケミカルが基軸、炭素利用効率を上げ空気と海をきれいに

ちとせグループ最高経営責任者 藤田朋宏氏
 ▽光合成でCO2を固定、バイマス基点で目指す循環型社会

◇ケミカルリサイクル◇

積水化学工業広報部広報担当課長 中村慎一郎氏
 ▽BRエタノール技術を社会実装へ、資源循環をシステムで実現

昭和電工プラスチックケミカルリサイクル推進室長 栗山常吉氏
 ▽使用済プラスチックから水素、液化炭酸ガス、アンモニア製造

 

【カーボンリサイクル特集】経済産業省

,

2020年11月21日

製造産業局素材産業課長 吉村一元氏

非連続のイノベーションを創出、脱CO2社会を実現   

素材産業課 吉村課長

 ━世界的に環境対策が求められています。

 コロナ禍にあっても、国内では環境対策の議論が進んでおり、各企業がそのベクトルに向かって動き出している。その背景として、日本の石炭火力発電に対し世界から厳しい目で見られていることや、国際的にESG(環境・社会・企業統治)投資の動きが加速していることが挙げられるだろう。

 こうした状況を踏まえると、日本としても強い技術力を生かして環境分野でフロントを走り続けていかなければならない。これは化学企業にとっても大きなテーマだが、カーボンニュートラルの実現のためには、早い段階での目標設定が必要となることに加え、クリアすべき高いハードルもある。各企業ではすでに具体的な対策を打ち始めているが、一企業の力で全てに対応することは難しく、あらゆる方面との協業や連携などを模索していかなければならない。

コンテンツの残りを閲覧するにはログインが必要です。 お願い . あなたは会員ですか ? 会員について

【カーボンリサイクル特集】プラスチック循環利用協会

,

2020年11月21日

広報学習支援部長 冨田 斉氏

プラスチックリサイクルを支援、循環型社会の実現に貢献

 ━プラスチック循環利用協会のこれまでの経緯について。

冨田広報学習支援部長

 高度成長期において、1960年代後半、廃プラスチックの処理が社会問題化し、1971年に東京ゴミ戦争が起こり、使い捨てプラスチックが大きな社会問題となっていた。そうした中、石油化学工業協会、塩化ビニール協会(塩ビ工業・環境協会の前身)と日本プラスチック工業連盟は、別々に行ってきた廃プラスチック対策を一本化し、より強力に対応策を実施する組織として、1971年に社団法人プラスチック処理研究協会を設立した。

 翌年には事業の拡充により社団法人プラスチック処理促進協会に改称した。2013年の一般社団法人化の移行に伴い、協会の目的を「廃プラスチックの循環的な利用に関する調査研究等を行い、プラスチックのライフサイクル全体での環境負荷の低減に資するとともにプラスチック関連産業の健全な発展を図り、もって持続的発展が可能な社会の構築に寄与する」こととし、協会名も一般社団法人プラスチック循環利用協会に変更した。

 ━どういった事業に取り組んでいますか。

 当協会の事業は、「廃プラスチックの発生・循環的な利用及び処分状況の調査研究、環境負荷の評価手法等適正な利用を促進するための調査研究」「プラスチックおよび廃プラスチックの循環的な利用に関する教育・学習支援並びに広報」「プラスチックおよび廃プラスチックに関する内外関連機関との交流・協力」が3本柱である。具体的には、

コンテンツの残りを閲覧するにはログインが必要です。 お願い . あなたは会員ですか ? 会員について

【カーボンリサイクル特集】三菱ケミカル

,

2020年11月21日

サーキュラーエコノミー推進部長  金沢大輔氏

サステナビリティ事業をサポート、会社全体でCEを加速

 ━サーキュラーエコノミー推進部が発足した背景について。

サーキュラーエコノミー推進部 金沢部長

 当社は、2017年に3社(三菱化学、三菱レイヨン、三菱樹脂)が統合して発足する前から、親会社である三菱ケミカルホールディングス(MCHC)のオリジナルコンセプト、人、社会、そして地球の心地よさがずっと続いていくことを意味する「KAITEKI」の実現を目指しており、10年近くサステナビリティを会社の軸に据えて、環境に貢献する多くの製品を手掛けてきている。こうした中、世の中のトレンドとして、環境や社会の問題解決への期待が高まっており、会社全体としてサーキュラーエコノミー(CE)を推進する部署が必要となってきた。MCHCはCEを重要な戦略と位置づけ、グループ全体の方針を打ち出しているが、当社としての戦略も重要となってくる。また、所管の官庁や業界団体と連携するケースが増加していることや、新領域であるケミカルリサイクル(CR)の一環として、廃プラスチックを収集するリサイクル業界との連携も想定される。こうしたCEに関する案件に対し、窓口を一本化して対応を図るとともに、各事業のCEの取り組みをサポートすることを目的に、CE推進部が4月に立ち上げられた。

 ━部署の概要についてお聞かせください。

 CE推進部は社長直轄であり、まさに和賀昌之社長肝煎りの部署だ。社内横断的に、技術開発者やビジネス担当、また部門もカーボンケミカル(石油化学)などの素材から機能商品まで、年代を含め多種多様な人材が集まっており、まさにダイバーシティを有する組織となっている。私は5月まで、新事業創出部長を務めていたが、それまでもCEやサステナビリティを大きな軸として捉えていた。CE推進部でも、その時の経験が役に立つと考えており、会社全体でCEを加速させていく。

 ━具体的な数値目標などはありますか。

 MCHCの中長期経営基本戦略「KAITEKI VISION 30」では、社会課題の解決に貢献する事業の柱として、6つの成長事業群を掲げた。2030年の売上高目標6兆円のうち成長事業が7割超を占める計画であり、三菱ケミカルとしても思い切ってそちらに舵を切っていかなければならない。CE推進部では全ての成長事業群が関連するが、特に

コンテンツの残りを閲覧するにはログインが必要です。 お願い . あなたは会員ですか ? 会員について