ダウ日本 溶剤およびアミン類を値上げ、供給維持を図る

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2023年2月6日

 ダウ日本は3日、溶剤およびアミン類について、今月6日納入分から値上げすると発表した。対象製品と改定幅は、エタノールアミン類が「50円/kg」、エチレンアミン類およびブチルグリコールエーテル類が「40円/kg」。

 当該製品は、世界的に需給バランスがひっ迫している。こうした中、同社は、安定操業と供給維持を図るために、今回の値上げを決定した。アミン類は電子材料、金属加工油添加剤など幅広い用途で、ブチルグリコールエーテル類は塗料、洗浄剤処方などの用途に利用されている。

塩ビ樹脂、2月インド向け輸出、前月比140ドル高

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2023年2月6日

米国品減少で需給が改善、在庫積み増しの動きも

  塩ビ樹脂(PVC)の2月分のアジア輸出価格は、インド向けが前月比140ドル高の1000ドル、中国その他向けが同70ドル高の885ドルで決着した。インド向けは5ヵ月ぶりに1000ドル台となり、中国向けも4ヵ月ぶりに800ドル台を回復している。台湾大手メーカーも、インド向け同90ドル高の930ドル(ボリュームディスカウントなし)、中国向け同70ドル高の885ドル(同なし)で決着。両地域とも2ヵ月連続でプラスとなり、アジアの輸出環境が持ち直してきたことが伺える。

 インドは需要期に入り農業用パイプなどの引き合いが強まっている。しかし、海外メーカーが内需の不振で余剰となった玉をインド向けに輸出したため、昨年の夏場から輸出価格は下落基調を強めていた。こうした中、12月に入り、在庫調整がひと段落した米国品をはじめ海外品のインドへの流入が一服。需給バランスがタイト化したことで、先高観から在庫を積み増す動きが強まった。これを受けてインド向け輸出価格は反転し、1月に90ドル高となり、2月も140ドル高とさらに上昇する結果となっている。

 ただ3月についてはステイあるいは弱含みになるとの見方が出ている。2ヵ月間で230ドル高となった反動で調整局面になることや、在庫を積み増した需要家が様子見になることが想定される。また輸出価格が持ち直してきたことで、米国品や中国品が急増し、上値が抑えられるとの指摘もある。

 一方、中国は、行動制限による需要減退に加え、不動産問題が解消されないこともあり、PVCの内需が盛り上がりを欠く。また、輸入したPVCが使用される再輸出品も、輸出先である欧米の景気悪化で引き合いが弱い状況が続いている。1、2月の中国向け輸出価格の上昇は、インドの価格に引っ張られたとの見方が強く、3月についてもインド価格に合わせた値動きとなりそうだ。ただ、ゼロコロナ政策が解除されことで、中国経済が回復することへの期待が高まっている。中国政府の対策次第では景気が好転する可能性もあり、今後の市場動向が注目される。

 なお、日本の12月のPVC輸出は前年同月比12.5%減の4万3200tと5ヵ月連続でマイナスとなった。2022年累計では54万tとなり、前年から5万tも減少している(VEC発表)。2023年についても、輸出環境が改善しない限り、輸出量は月間4万t台で推移すると見られる。

デンカ カーバイドを値上げ、製造コストなどが上昇

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2023年2月1日

 デンカは31日、カーバイドについて4月1日納入分から値上げする、と発表した。改定幅は「トン6万5000円以上」。

 電力コストの上昇により、電力多消費製品であるカーバイドの製造コストを直撃し、また、電力以外の燃料や製造設備の維持・更新費用も増加している。同社は、製造および諸経費の削減など徹底した合理化に努めているものの、自助努力の限界を超えていることから、カーバイドの安定供給のため、適正な価格を確立すべく、今回、値上げの実施を決定した。

アジア石化市況 エチレンは3週ぶりに小幅下落

2023年1月31日

芳香族3製品は上昇、スポット玉の買いが強まる

 アジア地域の12月第3週の石化市況では、エチレンは前週比5ドル安の880ドル/tで取引された。原油・ナフサ安を背景に先安観が出ていることに加え、年末を前に需要が一巡していることもあり、3週ぶりに下落している。スプレッドは “アジア石化市況 エチレンは3週ぶりに小幅下落” の続きを読む