クラレ 宇宙線観測実験への貢献で東大研究所から表彰

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2018年12月28日

 クラレは27日、東京大学宇宙線研究所の主催により19日に開催された「テレスコープアレイ実験10周年記念式典」で、テレスコープアレイ実験の発展に貢献したことによる表彰を受けたと発表した。

記念式典の様子
記念式典の様子

 同社は、東京大学宇宙線研究所が行うテレスコープアレイ実験に、放射線検出用素材「PSF(プラスチックシンチレーションファイバー)」を多年にわたり提供してきた。

感謝状を授与された池森事業部長(左)とプレゼンターの梶田隆章東京大学宇宙線研究所長
感謝状を授与された池森事業部長(左)とプレゼンターの梶田隆章東京大学宇宙線研究所長

 今回の表彰は、高品質なPSFを安定・継続的に供給し、テレスコープアレイ実験の発展に貢献したことが評価された。

 テレスコープアレイ実験とは、日米露韓・ベルギー・チェコの国際共同実験。米国ユタ州の荒野に観測装置を設置し、10の20乗電子ボルトを超える最高エネルギーの宇宙線を観測している。

PSF(プラスチックシンチレーションファイバー)
PSF(プラスチックシンチレーションファイバー)

 一方、PSFは、1980年代にクラレ独自の製法で放射線検出用素材として開発した、プラスチック製光ファイバーの一種。内側が蛍光剤入りのポリスチレン樹脂、外側がメタクリル系樹脂の多重構造で、放射線が当たると光る性質を備える。

 宇宙線を含む放射線検出用素材のデファクトスタンダードとして、ニュートリノやクォークの研究に使用され、ヒッグス粒子の発見にも貢献。宇宙物理学のトレンドであるダークマター(暗黒物質)の検出用素材としても活用が見込まれている。

 また、日立GEニュークリア・エナジーが開発した、放射性物質による汚染状況を把握する、ガンマ線空間線量当量率測定システム「Dphod(ディー・フォッド)」にも採用されている。

 

 
 

 

 

 

 

 

クラレ タイ法人などとブタジエン誘導品への投資を決定

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2018年12月27日

 クラレは26日、タイでのブタジエン誘導品生産プラント建設に関して投資決定を行ったと発表した。同社はタイ・PTTグローバルケミカル社、住友商事とともに、2016年9からタイでのブタジエン誘導品の製造販売事業について詳細事業化調査(フィージビリティ・スタディ)を実施してきた。

 今回の投資は、3社が出資した合弁会社、クラレGCアドバンスト・マテリアルズを通じ、タイのラヨン県マプタプット、石油化学コンプレックス内のヘマラ・イースタン工業団地に新プラントを建設するもの。

 投資内容は、高耐熱性ポリアミド樹脂・PA9T(生産能力1万3000t/年)、水素添加スチレン系エラストマー・HSBC(同1万6000t/年)。クラレは今回の発表に合わせ、同プラントに隣接を予定するイソブチレン誘導品・MPD(3-メチル-1,5-ペンタンジオール)生産設備の建設も決定した。生産能力は5000t/年。いずれの設備も2021年末の完工を目指す。

 クラレの投資額は、3設備で約400億円。なお、各製品の製造販売は、PA9TとHSBCはクラレGCアドバンスト・マテリアルズが行い、MPDはクラレ100%子会社のクラレ・アドバンスト・ケミカルズ(タイ)が行う予定。

クラレ 人事①(2019年1月1日)

2018年12月27日

[クラレ・人事①](2019年1月1日)▽経営企画室経営企画部長福島健▽同室マーケティンググループ主管渡邊哲哉▽CSR本部CSR・品質マネジメント部長、クラレトラベル・サービス社長尾古雅章▽管理部門総務・人事本部総務部長兼同・同本部同部秘書グループリーダー松原敏▽同・同本部人事部長兼同・同本部同部労務グループリーダー兼同・同本部人材開発部長石川智章▽解兼研究開発本部くらしき研究センター長兼同本部同センター合成研究所長、同本部同部長兼アクア事業推進本部企画管理部長須郷望▽同本部同センター長兼同本部同センター同研究所長佐々木繁▽同本部同センター長兼同本部同センター成形・加工研究所長福田始弘▽技術本部設備技術統括部長兼同本部同部エンジニアリンググループリーダー青山哲▽同本部同部主管松岡洋一▽ビニルアセテート樹脂カンパニー生産技術統括本部生産技術統括部長兼ビニルアセテートフィルムカンパニー生産技術統括本部生産技術統括部長大原行博▽ビニルアセテート樹脂カンパニー生産技術統括本部エバールプロジェクト推進チームリーダー(岡山駐在)坪井俊雄▽同カンパニーエバール事業部フィルム販売部長、同カンパニー同事業部同部大阪販売課長川崎正太郎▽イソプレンカンパニー生産技術統括本部品質統括部長、同カンパニージェネスタ事業部商品管理部品質保証グループリーダー兼同カンパニー同事業部開発部開発グループ主管(東京駐在)兼同カンパニーイソプレンケミカル事業部品質・開発統括部プロダクトマネージメントグループ主管福永佳美▽同カンパニーイソプレンケミカル事業部化学品販売部長立花健治▽同カンパニー同事業部機能化学品販売部長浅野弘之。

クラレ 組織改正(2019年1月1日)

2018年12月27日

[クラレ/組織改正](2019年1月1日)【CSR本部】品質関連業務の領域拡張への対応および品質関連業務の機能強化を図るため、「CSR・品質保証部」を「CSR・品質マネジメント部」に改組する【ビニルアセテート樹脂カンパニー】(生産技術統括本部)エバールの次期プラント建設を加速するため、「エバールプロジェクト推進チーム」を新設する(ポバール樹脂事業部)世界6工場の安全、信頼性、品質、コスト競争力の向上を図るため、「グローバル生産技術グループ」を新設する【イソプレンカンパニー】(生産技術統括本部)イソプレンカンパニー三事業部の品質保証体制の 強化、ならびに品質保証体制統括のため 、「品質統括部」を新設する(エラストマー事業部)品質保証体制強化のため、「エラストマー開発マーケティング部」を「品質・商品開発部」に改組し、品質保証機能を設ける【機能材料カンパニー】(炭素材料事業部)指揮管理系統の一本化、ならびに全体生産バランス管理強化のため、「活性炭生産部」と「機能材加工部」を統合し、「活性炭生産部」とする【繊維カンパニー】(生活資材事業部)(クラレファスニング)「営業本部」を廃止し、「マジックテープ販売部」と「新事業推進部」を社長直轄とする。

 

クラレ EVAエマルジョン事業からの撤退を決定

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2018年12月26日

 クラレは25日、エチレン・酢酸ビニル共重合(EVA)エマルジョン「パンフレックス」事業から撤退することを決定したと発表した。

 同社はEVAエマルジョン事業を継続するにあたり、製品コストの低減や高付加価値品の拡販により、採算改善に注力してきた。しかし、厳しい市場環境が続く中、今後も事業継続可能な収益を確保していくのは困難と判断した。

 同製品は、2020年6月末日で生産を終了し、同年9月末日で販売を終了する予定としている。

クラレ 人事(2019年1月1日)

2018年12月5日

【クラレ】▽解兼機能材料カンパニー炭素材料事業部長、同カンパニー長取締役・常務執行役員佐野義正▽アクア事業推進本部長、研究開発本部担当、同事業推進本部担当兼同本部長常務執行役員柏村次史▽機能材料カンパニー副カンパニー長兼同カンパニー炭素材料事業部長執行役員髙井信彦▽CSR本部長井出章子▽管理部門総務・人事本部長藤波智▽研究開発本部長補佐中川直▽同本部つくば研究センター長福田始弘▽同本部くらしき研究センター長佐々木繁▽アクア事業推進本部担当付梶田栄▽イソプレンカンパニー生産技術統括本部長、同カンパニー生産技術統括部長資延信雄▽同カンパニージェネスタ事業部長池森洋二▽機能材料カンパニーメタアクリル事業部長中村吉伸▽入間カントリー倶楽部社長補佐(2019年3月同社社長就任予定)松井茂【入間カントリー倶楽部】▽社長補佐松井茂(2019年3月株主総会開催日予定)▽社長松井茂▽取締役会長河内辰雄【クラレトラベル・サービス】(2019年3月株主総会開催日予定)▽社長松原敏▽退任(社長)尾古雅章。

 

クラレ 米エバール工場の発災ライン再稼働で定常運転に

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2018年12月4日

 クラレはこのほど、米国現地法人のクラレアメリカ(テキサス州)のEVOH樹脂「エバール」工場で、11月29日(現地時間28日)に発災ラインの稼働を再開し、全ラインで定常運転となったと発表した。

 同工場は、今年5月に発生した火災事故の影響で、定期修理と能力増強工事が遅延していた。なお、能力増強工事完了後のエバールのグローバル生産体制は、岡山事業所1万t、クラレアメリカ5万8000t、エバールヨーロッパ(ベルギー)3万5000tの合計10万3000tとなった。

 

クラレ 役員人事(2019年3月下旬株主総会開催日)

2018年12月3日

 [クラレ・役員人事](2019年3月下旬株主総会開催日)▽取締役常務執行役員川原仁▽同多賀敬治▽社外取締役藤本美枝▽社外監査役谷津朋美▽同小松健次▽退任(社外監査役)社外取締役就任予定藤本美枝▽同(同)岡本吉光▽常務執行役員髙井信彦▽執行役員スティーヴン ショット▽同池森洋二。

クラレ 組織改正(2019年1月1日)

2018年12月3日

 [クラレ/組織改正](2019年1月1日)▽経営体制のさらなる強化のため社外取締役1人を含む取締役3人を増員する▽機能材料カンパニーに、事業の一体的かつ円滑な運営のため、副カンパニー長を置く。

 

クラレ 国際バレーボール連盟の公式球に「クラリーノ」

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2018年11月21日

 クラレはこのほど、ミカサのバレーボール「V200W」の表皮素材として、同社が製造・販売する人工皮革「クラリーノ」の採用が決定したと発表した。

 V200Wは今月16日にメキシコのカンクンで開催された第36回国際バレーボール連盟(FIVB)世界総会で発表された公式試合球の最新モデル。2008年の北京オリンピックから使われ始めた「MVA200」の後継モデルとして、2019年のFIVBワールドカップでデビューする予定だ。

 V200Wに採用されるクラリーノの特長は、①スポンジ状の風合いをもつマイクロファイバー不織布層に、発泡層をもつポリウレタン表皮を重ねた「二重クッション構造」で、ソフト感と柔らかさを実現②ボール表面にディンプルシボ(凹加工)を施し、さらにフラット面にも微細なシボを付与した「マルチパターン構造」により、ボールの飛行安定に貢献③ボール表面のナノ・バルーン シリカコーティング加工により、汗濡れなどで生じる競技中のボールの滑りを抑制し、ボールのコントロール性を大幅に向上させること。

 クラレとミカサとの協業の歴史は長く、両社の取り組みのはじまりは1967年まで遡る。以来両社は、バレーボール用表皮素材を共同で開発してきた。2008年には、両社で共同開発を行ったクラリーノが、FIVB公式試合球MVA200に採用された。バレーボール用表皮素材として高い評価があり、今回の最新モデルにも、引き続き採用されることが決定した。