ダウ 「R&D100アワード」を5つ受賞、イノベーション評価

, ,

2020年10月23日

 ダウはこのほど、R&Dマガジン誌が主催する権威あるプログラム「R&D100アワード」で5つ賞を受賞したと発表した。同アワードは、過去1年間で発表された画期的な100の技術を評価するもので、イノベーションの先駆者やその人物の科学技術分野への貢献を称えるものであり、イノベーション関連では最も名誉ある賞とされている。R&D100のリストにダウの製品が選ばれるのは、今回の受賞で9年連続、また、7年連続で最多受賞数企業となった。

 受賞したのは、①導電性接着剤「DOWSIL EC-6601」、②プライマーレスシリコーン封止剤「DOWSIL EI-2888」、③ポリオレフィンエラストマー「ENGAGE 11000」、④エマルション「NEOSEED NR-8800」、⑤紙バリアコーティング用ポリオレフィン分散剤「RHOBARR 320」の5つの製品技術。

ダウ リサイクル可能な装飾メディアを凸版印刷と開発

, ,

2020年8月24日

 ダウは21日、再生可能な美しい装飾メディア「ecocracy(エコクラシー)」を凸版印刷と共同で開発したと発表した。オリンピックの公式化学会社であるダウは、東京2020大会に向け、凸版印刷と協力しイベントの成功に貢献する装飾メディア作りに取り組んでいる。

リサイクルされたバナーから再生されたベンチ、植木鉢など
リサイクルされたバナーから再生されたベンチ、植木鉢など

 こうした中、ダウの優れた光学適性と加工性をもつポリオレフィン(PO)樹脂「バーシファイ」が、凸版印刷に採用された。

ダウ・オリンピック&スポーツ・ソリューションズ事業部のグローバル・サステイナビリティ&テクノロジー担当ディレクターであるニコレッタ・ピッコルロヴァッツィ氏は、「ダウは、使用後のプラスチックに第2の活躍の舞台を与えるというニーズの拡大に応え、特別に東京2020大会のため、凸版印刷と密接に協力して、このPOベースの幕(バナー)材料を開発した」とコメントしている。

 従来、競技会やイベントなどで使用される防水シート(ターポリン)は、塩化ビニルなど複数のプラスチックを使用していたためリサイクルが困難であった。それに対し「ecocracy」は、プラスチック部分(幕、網、小穴、糸など)がすべてPO製と単一の素材で作られているため、再生樹脂としてリサイクル性が向上している。

 両社は、イベントで使用したサインやバナーを回収し、再生樹脂としてリペレット化。木材廃棄物に含まれる材料と混合することで、ベンチや床などに使われる木とプラスチックの複合材を生産する。さらに、「ecocracy」は、優れた光学適性をもつため、素晴らしい鮮明さと来場者の注目を集める「輝き」を提供するディスプレイ面を実現することができる。

 凸版印刷の情報コミュニケーション事業本部技術戦略・開発部の新商材開発技術チーム課長、古谷誠士氏は、「当社は、ダウとの共同プロジェクトにより、製品の従来の使用と寿命に関する限界を超えることができた。東京2020でのバナーのリサイクルは、当社がいかにして使い捨てプラスチックの使用を縮小し、焼却や埋め立てられることになる材料を減らし、全く新しいものを生み出すことができるかを証明するだろう」と述べている。

 

 

ダウ 高精度PE樹脂の新製品、オールPE構造が可能

, ,

2020年8月7日

 ダウはこのほど、高性能、消費者の利便性、リサイクル性を求める業界のニーズに応え、「INNATE 高精度ポリエチレン樹脂」製品群のブランドを拡張した革新的な新製品を発表した。

TF-BOPEフィルムを使用した製品
TF-BOPEフィルムを使用した製品

 テンターフレーム二軸延伸用「INNATE TFポリエチレン樹脂」は、長年にわたり包装業界の目標とされてきたテンターフレーム二軸延伸用ポリエチレン(TF‐BOPE)フィルムの商業用途への拡大を実現。従来のPEフィルムと比較して、「INNATE TFポリエチレン樹脂」製のTF‐BOPEフィルムは、透明性や光沢性などの優れた光学的特性、衝撃強度と引張係数が2倍、突刺強度と引張強度が従来のインフレーションPEフィルムの3倍、低温下でも優れた強靭性、消費者に便利な易カット性といった多くの利点をもつ。

 また、同フィルムは、リサイクル性を改善するオールPE構造が可能であり、持続可能性でも大きな利点を提供。独特な物理的特性を備えていることから、包装材に使用されている材料の代替やフィルム構成の変更のみでなく、フィルム薄肉化が可能となるためパッケージ用材料の使用量を削減することができる。

 パッケージの印刷層に直接使用できるため、PEの機能層を組み合わせてオールPEのフィルム構成が可能となり、パッケージのリサイクル性の改善につながる。

ダウ 日本初のカーボンプロジェクト協定をイオンと締結

, , ,

2020年8月4日

 ダウはこのほど、日本初のプロジェクトとして「カーボンプロジェクト協定」をイオンと締結したと発表した。ダウの技術を使った食品の真空スキンパック包装をイオンの商品に採用し、店舗での食品廃棄物のさらなる削減を目指すとともに、食品廃棄物の削減による温室効果ガス(CO2やメタンなど)の排出削減に取り組む。

真空スキンパック包装を活用した商品
真空スキンパック包装を活用した商品

 今回のプロジェクトは、ダウと国際オリンピック委員会(IOC)との公式カーボンパートナーシップに基づき、世界中で実行されているカーボンプロジェクトの1つ。

 SDGsでは、「小売・消費レベルにおける世界全体の1人あたりの食料の廃棄を半減させる」という目標を定めている。現在の日本の食料自給率はこの25年間では最低水準を記録している一方、本来食べられるのに捨てられてしまう食品ロスの量は、1年間で643万tにも上る。

 こうした中、イオンは、グループの食品廃棄量を2025年までに半減する目標を設定。今回のプロジェクトの下、グループ企業の店舗に、ダウの革新的な素材であるアイオノマー樹脂を使用した真空スキンパック包装を採用し、さらなる食品廃棄物の削減を目指す。

 ダウの真空スキンパック包装は、商品の鮮度保持期間を延ばし、輸送時のダメージから内容物を保護できることから、食品廃棄を削減することが期待される。

 両社のコラボレーションは、持続可能なソリューションの導入による食品ロスの削減を通じ、食品のライフサイクル全体での温室効果ガス排出削減を推進する。また、今回のプロジェクトを通じた気候変動に対する成果は、CO2換算の削減量として第3者検証を受け、IOCの活動に関連したCO2排出量を相殺する、ダウとIOCの公式カーボンパートナーシップへの貢献につながる。

カーボンプロジェクト
カーボンプロジェクト

 

ダウ バイオPE使用のストレッチフィルムをアジア展開

, , ,

2020年7月30日

 ダウはこのほど、マレーシアの包装材メーカーであるトン・グアンと、植物由来ポリエチレン(PE)製品をアジア太平洋地域に導入したと発表した。同地域での再生可能原料由来プラスチック製品の商品化では画期的な事例となり、バリューチェーンを通しCO2排出量削減に貢献することが期待される。

 トン・グアンの新しいストレッチフィルム「ナノ・バイオ」は、ダウの直鎖状低密度PEである「ELITE5230GC R」エンハンスドPE樹脂を使用。この植物由来PE樹脂は、紙パルプの副産物であるトールオイルからのバイオナフサを使って生産されており、一般的な化石由来のPE樹脂と比較してCO2排出量を大幅に削減できる。

 さらに、マス・バランスアプローチをベースとするISCC認証を取得。このアプローチにより、各産業の複雑な製造または生産システム内でのサステナブルな原料調達を支援することで、すべての工程でトレーサビリティ基準が満たされ、各産業の持続可能性に貢献する。

 ダウ・パッケージング・アンド・スペシャルティ・プラスティック事業部アジア太平洋コマーシャルバイスプレジデントであるバンバン・キャンドラ氏は、「再生可能原料である植物由来のPE樹脂をアジア太平洋地域に導入することは、サステナビリティ目標を達成する上で重要な一歩だ」と述べている。

 一方、「ナノ・バイオ」は、薄肉化、柔軟性や耐久性の向上を実現する最先端のナノテクノロジーにより生産される。この環境に優しい高性能なストレッチフィルムは、物流用のパレット貨物を安定させ、輸送時の損傷や事故の発生の低減に貢献する。

 トン・グアン・インダストリーズのマネージングディレクターであるダトアング・プーン・チュアン氏は「ダウとの継続的なコラボレーションは、再生可能製品の提供とサステナビリティ推進への私たちの決意を示すものだ。ダウの植物由来のPE樹脂を使用することで、既存製品と同等の高性能を保ちながら化石燃料由来のPE樹脂の使用を削減し、顧客のビジネスとサステナビリティ面でのニーズを満たす」と述べている。

ダウ GHG削減とプラごみ問題根絶、新たな目標を発表

, ,

2020年6月26日

 ダウはこのほど、世界で最もイノベーティブで顧客本位であり、インクルーシブかつ持続可能な素材科学企業になることを目指し、気候変動とプラスチックごみの問題に対処するための新たな目標を発表した。

 2025年サステナビリティゴールに基づく、新たな持続可能性目標として、①気候の保護:2030年までに年間炭素排出量を正味500万t、2020年比15%削減。パリ協定に沿って、2050年までにカーボンニュートラルを達成する、②廃棄物の根絶:2030年までに、100万tのプラスチック回収・再使用・リサイクルを実現する、③循環経済:2035年までに、包装用途の全製品を、再利用可能またはリサイクル可能にする―を設定している。

 同社の取り組みとして、プラごみ問題では、環境への廃棄物の流出を根絶し、循環型経済に向けて材料科学業界をリードするという明確な目標に基づいた投資とコラボレーション活動に注力。これには、廃棄プラスチックをなくすための国際アライアンス「AEPW」への参画や、サーキュレート・キャピタルへの投資が含まれる。

 一方、気候変動の問題では、最終的に世界の温室効果ガス(GHG)排出を削減できる、低炭素製品や技術の開発・商品化を促進。企業がGHG削減の説明責任を果たせるように、主要な大学やNGO、監査専門家、技術パートナー、業界関係者と協力しており、今年後半にはこの協力に関する詳細な情報を提供する予定だ。

 なお、同社は、17年連続となる2019年度「サステナビリティリポート」を発行し、2025年サステナビリティゴールに向けた進捗と結果を報告している。

 

ダウ シュリンクフィルム向け 新処方の再生プラを開発

, ,

2020年6月8日

 ダウはこのほど、アジア太平洋の集積シュリンクフィルム用途向けに設計した、新処方の再生(PCR:Post‐Consumer Recycled)プラスチック樹脂を開発、商品化したと発表した。

ダウ 新処方の再生樹脂
新処方の再生プラスチック樹脂

 この新たな樹脂「XUS 60921・01」は、PCR材料を40%含み、バージン樹脂製品に匹敵する性能のフィルムを製造できるように設計。また、同社の戦略的リサイクリングパートナーを通じて中国国内で回収された再生プラスチックを原料としており、南京にあるダウの委託生産企業で製造されている。

 近年、eコマース需要が伸びることで、サプライチェーンの始まりから終わりまで製品を保護できると同時に、消費者のために廃棄物を最小限に抑えた、耐久性かつ効率性を備えた包装が求められている。

 新処方PCR樹脂は、バージン樹脂由来の集積シュリンクフィルムに匹敵する性能をブランドおよび消費者に提供。製品の安全供給に貢献するとともに、環境に放出されるプラスチック廃棄物の量も削減する。集積シュリンク用途のコア層は、この樹脂を100%使用するように設計されており、リサイクル材料含有率13~24%のフィルムの開発を可能とする。

 新処方のPCR樹脂は、CO2とエネルギーフットプリントを削減し、コンバーター企業やブランドオーナー、小売業者がそれぞれのサステナビリティ目標を達成することに貢献するだけでなく、廃棄物となるかもしれないプラスチックに、新たな最終用途を見出だすものとなる。

 今回の新製品は、リサイクル材料を製品に取り込むことに注力し、プラスチックの循環型経済を発展させる、という同社の包括的戦略の一環となる。

 

ダウ 医療用ガウン10万着、開発・寄付のため9社と協力

, , , , ,

2020年6月4日

 ダウはこのほど、米国テキサス州とルイジアナ州、メキシコを対象に、新型コロナウイルス感染症と最前線で立ち向かう医療従事者の支援に向けて、10万着のアイソレーション・ガウンを開発・寄付するために、多岐にわたる業界の主要パートナーと協力したと発表した。

 協力企業は、マグナインターナショナル、3M、キャデラックプロダクツパッケージングカンパニー、デュポン、フィテサ、ランダールパッケージングシステムズ、プラスチックスFFSテクノロジーズ、シュアテープ、フォルクスワーゲンの9社。

 アイソレーション・ガウンは、感染症に対する個人用防護具(PPE)で、医療専門家により最も良く使用され必要とされている。ダウの健康&衛生部門のグローバルマーケティング・ディレクターであるミッシェル・ボーベン氏は、「この活動は、プロジェクトを実現するために速やかな増産に応じていただいたパートナー企業なしには不可能だっただろう。今回の取り組みは、業界をまたがる様々な組織による多様なチームが共通の目標に向けて団結することにより、いかに素早くイノベーションを実現できるかを示す証でもある」とコメントしている。

 最終製品である米国医療機器振興協会(AAMI)レベル2ガウンの開発には、概念化、設計、テスト、パッケージ開発、サプライチェーンが必要であるため、各パートナー企業が貴重な時間とリソースをプロジェクトに投入し、それぞれの専門知識と経験を結集させた。

ダウなど3社 医療従事者用防護マスクの提供に向け提携

, , , , , ,

2020年6月3日

 ダウはこのほど、ワールプール・コーポレーションおよびレイノルズ・コンシューマー・プロダクツと提携し、COVID‐19(新型コロナウイルス感染症)流行の最前線で立ち向かう、勇気ある医療従事者が待望する防護マスクを提供すると発表した。

 この共同プロジェクトでは、ワールプールの100%子会社であるWINヘルスラボを通じてヘアキャップやマスクなどの保護具を製造・販売し、初期生産分は病院に寄付される。

 共同チームにより制作された個人保護具(PPE)は、電動ファン付き呼吸用保護具またはPAPRと呼ばれ、従来の医療用マスクとバイザーに代わる役割を果たす。取り換え可能なポリエチレン樹脂製のフェイスシールドが特長で、この透明なシールドは、柔軟で着け心地がよく、別の患者を診る際に素早く取り換えることが可能だ。

 今回の連携は、3社が、それぞれの支援の方法を探している中で誕生した。ワールプールは、ヘッドセットの設計、製造、組み立てを担当。ダウがポリエチレン樹脂をフェイスシールド用に提供し、「Hefty」ブランドのレイノルズが、使い捨てフェイスシールドを設計、製造した。また、フォルクスワーゲン・オブ・アメリカが、素材とサプライチェーンに関わる業者を仲介し、重要な部品を調達している。

 ワールプールとダウが操業している地域にある病院と、PPEを必要とする他の病院に寄付するため、第1段階では2000ユニットを製造。必要とされるPPEをなるべく多くの医療機関に届けるため、「Hefty」のチームが最初のフェイスシールド100万個を寄付している。

 レイノルズのランス・ミッチェルCEOは、「安全で効果的なPPEを提供する取り組みに貢献できてうれしく思う。複数の企業が知見を持ち寄ることで、最も必要なときに新しいシールドを届けることができた」とコメントしている。

ダウ ミシガン州の水害復興に向けて100万ドルを提供

, , ,

2020年6月1日

 ダウはこのほど、本社所在地である米国ミシガン州ミッドランド地域で発生した豪雨やダム決壊による大規模水害からの復興を支援するため、ダウ・カンパニー基金と共に、100万ドルの支援金を提供すると発表した。支援金は、水害関連の緊急支援や長期的復興のために役立てられる。

 ダウのジム・フィッタリング会長兼CEOは、「ミシガン州のグレートレイクスベイ地域は、120年以上にわたるダウの故郷であり、記録的水害からの地域復興や、従業員の支援に向けて、当社は断固とした決意を持って取り組んでいる。従業員やその家族、地域社会の安全は、私たちの一番の優先事項であり、より力強い未来そして復興のために、ダウの同僚や官民パートナーと共に協力していく」と述べている。

 同社は地域パートナーと共に被災者に向けた緊急支援として、①ミッドランド地域コミュニティー基金内のダウ従業員支援ファンドへ25万ドルを寄付し、水害により直接的な被害を受けた従業員を支援、②ユナイテッドウェイのミッドランド郡事務所によるライズトゥギャザーファンドへ25万ドルを寄付し、支援を必要とする数千の家族を支援、③復興段階での支援のため、50万ドルを寄付している。