ダウ ダウ・デュポンからの分割を完了、新生ダウを始動

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2019年4月3日

 ダウは1日、ダウ・デュポンからの分割を完了し、新たに「ダウ」というブランド名で事業展開すると発表した。これにより、新生ダウは素材科学の事業分野で、より焦点を明確にした主導的地位をもつ企業となった。

 今回の分割により、ダウは包装、インフラ、コンシューマー・ケアといった3つの魅力的な消費者けん引型の分野で、グローバル規模の主導的な地位を確立する。そして、業界でも最も深く統合されたエチレン、プロピレン、シリコーンといった3つの基礎原料を活用し、収益成長をより加速することが可能なより良い位置につき、顧客のためのさらなるイノベーションを実現する。

 ジム・フィッタリングCEOは、「今回の分割により、私たちは、ダウのポートフォリオ、コスト構造そしてマインドセットに重大な変化を刻んだ。新生ダウは、業界をけん引する素材科学会社としてより焦点が明確かつ効率的な企業であり、かつすべてのステークホルダーに対して長期的な利益成長と価値創造を提供するための確かな戦略がある」とコメントした。

 新会社は、「ダウ」というブランド名で事業を展開する。これは、素材科学でのソリューションプロバイダーとして全社的な革新を反映しながらも、これまでの歴史的遺産を生かすもの。

 ダウは新しいコーポレートブランドとして「Seek Together(共に探そう)」を採用。これは、顧客とバリューチェーンに対し、イノベーションとソリューションを提供するためのコラボレーションの価値を強調する行動への呼びかけを示し、ダウがすべてのステークホルダーと協働して理念を叶える姿勢を表している。

 120年以上にわたりダウのロゴとして存在してきた象徴的なダウダイヤモンドは変更されず、今後もダウブランドの中核的要素となる。

 

ダウ 埋め立てゴミ転用し自社施設の道路を整備

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2019年3月12日

 ダウ・ケミカルはこのほど、米国テキサス州フリーポートの自社施設内に、消費者使用後の再生プラスチック(PCR)で改良を加えた、新たなポリマー改質アスファルト(PMA)道路を2本建設したと発表した。

 世界で消費されるプラスチックを削減し、イノベーションを通じた循環型経済の実現を目的とした取り組みの一環として行われたもの。2本の道路は、それぞれ「プラスチックロード」「ガルフストリームロード」と名付けられ利用されている。

 今回のプロジェクトには、デュポン社のアスファルト改質剤「エルバロイ」が用いられた。また、使用した再生直鎖状低密度ポリエチレン(L-LDPE)は760キロ以上で、レジ袋約12万枚分の重量に相当し、2本あわせて総延長800メートルに及ぶPMA舗装道路を建設した。

 グローバル建築分野サステナビリティリーダー兼パッケージング&スペシャルティ・プラスチック事業部インフラ・建設分野マーケティングマネジャーを務めるジェニファー・リー氏は、「現在、多くの人にとって循環経済という概念は非現実的なものかもしれない。しかし、性能向上やコスト節減によって、持続可能な社会への取り組みをいかに実現していけるかが知れ渡れば、循環型経済の実現可能性は一段と高まっていく」との見解を語った。

 同社がPMAプロジェクトとして、これまでに整備してきたPMA舗装道路の距離を合計すると42キロメートル以上になるという。その結果、ゴミとして埋め立てられる100トンにのぼる廃棄物が、道路建設に転用されたことになる。

 ダウの研究者は、今回のプロジェクトでのPMA道路の寿命や性能をモニタリングし、さまざまな気象や条件の下でも使用に耐え得るよう、さらなる改良を行っていく考え。また現在、米国ミシガン州ミッドランドにある本社施設の駐車場でも、次世代型の再生プラスチック混合物を使用したアスファルト改修工事を計画している。

ダウ 「パッケージング イノベーション賞」の応募を開始

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2019年2月18日

 ダウは15日、2019年度パッケージング イノベーション賞の応募を開始したと発表した。同社のホームページ(Dow Packaging Innovation Awards website)を通じて、3月29日まで応募を受け付けており、日本語での対応も可能となっている。

 この賞は、30年以上前に米国デュポン社により設立された世界的に認められた包装関連の国際的な賞であり、ダウが引き継いでから開催されるのは今回で2度目。同賞は、業界における最も古い歴史のある賞であり、第三者による審査が行われる。

 これまでと同様に、同社は世界中より、設計、エンジニアリング、リテール、Eコマース、コンバーターおよび学会における幅広い分野の独立した専門家による審査委員会を設立。昨年度のプログラムにおいては、30カ国以上から200を超える応募があり、その中から9件のダイヤモンド賞最終候補、8件の金賞、11件の銀賞が選ばれた。ダイヤモンド賞最終候補から、省エネおよびユーザー体験の向上が評価されて、プロクター&ギャンブル社の「エアロフレックス リキッド パッケージング技術」がダイヤモンド大賞に選ばれている。

 なお同プログラムへの参加費用はかからず、また、応募対象製品にダウまたはデュポンの関連材料が使われている必要もない。2015年以降、1年以上にわたり上市されている製品が応募条件だが、詳細はホームページ(英文)を参照(日本語での問い合わせ先は、03‐5460‐2353まで)。

ダウ 海洋プラごみ削減を推進しAEPWで主導的な役割

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2019年1月23日

 ダウは、環境、特に海洋におけるプラスチックごみを削減するための解決策の推進を目的に構築された、世界各国の企業による新たなアライアンスである「Alliance to End Plastic Waste(AEPW:プラスチック廃棄物を除去するためのアライアンス)」において、創設メンバーとなり主導的な役割を果たしている。

 AEPWは、プラごみの処分方法を開発するとともに、プラ再利用の解決策を促進するために10億ドル以上を調達して新たに設立された非営利組織であり、今後5年間でさらに15億ドルまで基金を増額することを目標にしている。

 AEPWは、化学・プラスチック企業、消費財企業、小売企業、コンバーター企業、廃棄物処理企業を含むプラスチックおよび消費財のバリューチェーンに関わる世界中(南北アメリカ、ヨーロッパ、アジア、アフリカ、中東地域)のグローバル企業や組織など約30社で構成。また、「The World Business Council for Sustainable Development(持続可能な開発のための世界経済人会議)」と戦略的パートナーシップを締結している。

 AEPWは、①廃棄物の処理収集およびリサイクル向上のためのインフラ開発②プラ回収とリサイクルを容易にし、すべての使用済みプラから価値を生み出す新しい技術を進展させ、スケールアップするためのイノベーション③政府、企業、地域社会が行動を起こし、参画することを目的とする教育とエンゲージメント④地上のプラごみが海洋に流出する河川など、特にごみの主要水路となるような環境のうち、すでにプラごみが集中している場所の清掃の4つの分野に投資を行い、発展を促進する。

 ジム・フィッタリングCEOは、「世界的に重要なこのような課題を解決するためには、多様なステークホルダーが集まるグループによる多様な解決策が求められる。AEPWは、世界で最も革新的なアイデアを集結させることにより、解決策を探求、開発、実行することが可能になるだろう」と述べている。

ダウ 世界規模の海洋プラスチック防止活動へ投資

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2018年12月18日

 ダウはこのほど、プラスチックごみの環境への混入防止・是正を図るため、新たなグローバル・イニシアチブとソリューションへ、さらに投資し発展させていくことを発表した。このイニシアチブは、インドネシア・バリ島で開かれた「アワ・オーシャン(Our Ocean)会議」に併せて発表されたもの。

 同社はペプシコやプロクター&ギャンブルなど、他の主要な世界的企業とともに、海洋プラごみを防止する企業とインフラを育成・資金支援するために、創設投資家として投資管理会社「サーキュレート・キャピタル」の活動に取り組む。

 また同会議でダウは、東南アジア諸国での廃棄物回収とリサイクルを支援するために、今後2年間でさらに100万ドルを「オーシャン・コンサーバンシー」へ寄付することも発表した。この資金は、実現性を伴うソリューションを開発・拡充・展開するために、現地のNGO(非政府組織)の能力拡大プロジェクトや、都市部のリーダーとのパートナーシップ構築に向けたプロジェクトに活用される。

 サーキュレート・キャピタルの活動は、廃棄物管理とリサイクル業界に対する投資の有効性を立証することを目的としている。機関投資を促すことで、南アジアや東南アジア全体へ、同業界での統合型の企業とインフラが広がる可能性を高めていく。同地域は、廃棄物問題を管理するために不可欠なインフラが欠如しており、地域の規模以上に海洋プラスチック汚染を発生させていると考えられている。

 サーキュレート・キャピタルの投資モデルでは、リスクを軽減すると同時に、資源回収業界への投資が最終的に魅力的な投資リターンを実現できることを立証するために、譲許的資金や、慈善事業と相場の投資資本を融合させた財務構造を通して、機関投資家の資本を調達することを目指している。サーキュレート・キャピタルは、世界を代表する様々な消費者向け包装品会社と化学会社から、総額1億ドルを調達することを見込む。

 また、「オーシャン・コンサーバンシー」は、今日最大の世界的課題から海洋を保護するために取り組む組織。各地のパートナーとともに、健全な海洋やその環境に依存する野生動物とコミュニティーのために、科学に裏付けられたソリューションを生み出している。

 

 

ダウ LDPE樹脂のポートフォリオをアジア地域で拡張

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2018年12月3日

 ダウは30日、パッケージング・アンド・スペシャルティープラスチック事業部(P&SP)が、アジア太平洋地域でのパッケージングの課題への新しいソリューションとして、「AGILITY(アジリティー)」パフォーマンスLDPE樹脂のポートフォリオを拡張したと発表した。これにより、低速から中速度での薄型押出コーティングが可能になる。

 アジリティーEC7030パフォーマンスLDPE樹脂は、ダウ独自の次世代チューブラー法LDPEの新特許技術を基にした、アジア太平洋地域でのオートクレーブ法からチューブラー法への押出技術の移行に沿う新製品。この新しいグレードは、現行のアジリティー製品ファミリーを補完するもので、さまざまなライン速度とエンドユースに対応するソリューションを提供することが可能になった。

 アジリティーパフォーマンスLDPE樹脂は、従来のオートクレーブ法によるLDPE樹脂の性能条件を上回る。既存の製造設備の老朽化が課題となっているオートクレーブ法LDPEに持続可能な長期的ソリューションを提供する一方、軽量コーティングによる効率性の向上を実現する。

 アジリティーパフォーマンスLDPE樹脂の初期のグレードは、一般的に高速ライン向けに設計されており、無菌パッケージなどによってハイエンドな用途向けに適用されてきた。

 アジリティーEC7030の用途には、スナック包装、食品・薬品用小袋、ラミチューブ、紙コップ、医薬用パッケージ、液体用大型容器、剥離紙、防水シート/繊維織物、ジオメンブレンなどがある。