信越化学工業 塩化ビニル樹脂を値上げ、コスト上昇に対応

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2021年6月3日

 信越化学工業は2日、塩化ビニル樹脂(塩ビ)について、7月1日納入分から国内向け販売価格を値上げする、と発表した。改定幅は「10円/kg以上」。

 同社は、今年4月に塩ビの原料であるエチレン価格の上昇を理由に値上げを実施したが、その後も原油ならびにナフサ価格が上昇している。また、安全・安定操業と品質の維持を継続するための設備メンテナンス費用の上昇も続いている。同社は継続的にあらゆるコスト低減に努めているが、今回の原料価格の上昇および諸コストの上昇は企業努力の限界を超えるものとなっており、塩ビの今後の安定供給を維持するためにも、値上げせざるを得ないと判断した。

 なお、海外ではアジアや米国を中心に需要が伸長する中、欧米の一部メーカーでフォースマジュールが出ており、世界の需給はひっ迫した状況となっている。

信越化学工業 パーソナルケア用揮発性シリコーンオイルを開発

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2021年5月18日

 信越化学工業は17日、新しいタイプの揮発性シリコーンオイル「KF-4422」を開発したと発表した。

新規揮発性シリコーンオイル「KF-4422」
新規揮発性シリコーンオイル「KF-4422」

 揮発性シリコーンオイルは、スキンケアやメイクアップ、日焼け止めなどの各種パーソナルケア用品に使用されている。同製品は、各種パーソナルケア用品の使用感を改善するとともに、シリコーン系皮膜形成剤との併用によって高い耐水性を付与することも可能。

 新製品「KF-4422」は、ジメチルシリコーンオイル(化粧品表示名称:ジメチコン)の分子構造のメチル基の一部をエチル基に置換した高純度の揮発性シリコーンオイル。揮発性があるため、シリコーン特有の軽くさらっとした使用感が得られ、揮発速度は、従来品の「KF-995」と「KF-96L-2CS」の間に位置する。また、従来品と比較して、炭化水素油や紫外線吸収剤などとの相溶性に優れているのが特長。パーソナルケア用品の開発には、使用感を改善する際に微妙な感触の違いが求められており、同製品は顧客の要望に応えることが期待される。

 シリコーンは、オイルやエマルジョン、ゲル、パウダーなどの各種製品があり、しかも多機能で安全性が高いことから、各種パーソナルケア用品の高機能化、高品質化に不可欠な化粧品原料になっている。

 同社は、優れた品質と技術力、そしてきめ細かな対応で、今後も多様化する市場のニーズに応えていく。

信越化学工業の3月期 経常利益3%減の4051億円

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2021年5月6日

 信越化学工業は28日、2021年3月期の連結業績を発表した。売上高は前年比3%減の1兆4969億円、営業利益3%減の3922億円、経常利益3%減の4051億円、純利益7%減の2937億円となった。

 セグメント別に見ると、塩ビ・化成品事業は売上3%減の4697億円、営業利益5%増の970億円。米国のシンテック社はフル稼働を継続し、塩化ビニル、カセイソーダともに高水準の出荷を継続した。4-5月の経済活動の制限により市況下落の影響を受けたが、その後は世界的に需要が引き締まり値上げを実施した。欧州拠点と国内拠点も販売数量の維持に努め、市況の改善を享受した。

 シリコーン事業は、売上高8%減の2083億円、営業利益27%減の451億円。汎用製品の価格下落に加え、化粧品向けや車載向けの需要鈍化の影響を受けた。秋口から顧客需要が復調し始めている。

 機能性化学品事業は、売上高2%減の1126億円、営業利益21%減の218億円。セルロース誘導体は、医薬用製品は底堅く推移したが、建材用製品が振るわなかった。フェロモン製品やポバール製品は出荷が低調に推移した。

 半導体シリコン事業は、売上高4%減の3740億円、営業利益1%増の1441億円。経済活動の再開に伴い、半導体シリコンの需要が増加した。

 電子・機能材料事業は、売上高4%増の2348億円、営業利益3%増の702億円。希土類磁石は4-6月期の経済活動の制限により一時海外工場の稼働が影響を受けたが、下期に入り車載向けは強い回復を示し、HDD向けも好調に推移した。フォトレジスト製品はArFレジストやEUVレジストを中心に好調を維持し、マスクブランクスも先端、汎用用途とも堅調に推移した。光ファイバー用プリフォームは市況悪化の影響を受けて厳しい状況が続き、大型パネル用フォトマスク基板は需要鈍化の影響を受けた。

 加工・商事・技術サービス事業は、売上高7%減の972億円、営業利益3%減の143億円だった。

 なお、今年度の通期見通しおよび配当予想については、開示が可能となった時点で速やかに開示するとしている。

信越化学工業 シリコーン製品、国内外で10~20%値上げ

2021年3月4日

 信越化学工業は3日、主要製品の1つであるシリコーンの全製品について、4月1日出荷分から国内外で「10~20%」値上げすると発表した。

 シリコーンの主原料である金属ケイ素は、中国の旺盛な需要による供給不足と生産コストの増加などを背景に価格が上昇。また、メタノールや触媒原料の白金についても供給不足などの要因から価格が上昇している。さらに、物流費や副資材などの費用も上昇しており、収益を圧迫する要因となっている。

 こうした中、同社は、製造コストの削減による自助努力だけでは、これらのコスト上昇分を吸収することは困難であることから、今回の値上げを実施せざるを得ないと判断した。

信越化学工業 塩ビ樹脂を値上げ、原料やコストの上昇に対応

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2021年1月29日

 信越化学工業は28日、塩化ビニル樹脂を3月1日納入分から値上げすると発表した。改定幅は「10円/kg以上」となっている。

 サウジアラビアの追加減産の表明を契機に、原油価格は上昇傾向にあり、それに連動しナフサ価格も上昇している。また、既存の生産設備は老朽化が進み、安全・安定操業と品質の維持を継続するための設備メンテンナンス費用も増大している。さらに、物流コストは前回の価格改定以降も上昇が続く。こうした中、同社は、継続的にあらゆるコスト低減に努めてきたが、原料価格や諸コストの上昇は、企業努力の限界を超えるものとなっており、今後の安定供給を維持するためにも、価格改定をせざるを得ないと判断した。

 なお、アジアや米国を中心とした需要の伸長により、塩ビ樹脂は世界で需給がひっ迫し価格も高騰している。日本からのインド、アジア向け輸出価格も昨年6月以降連続で上昇基調にある。

信越化学工業の4-12月期 経常利益2930億円

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2021年1月28日

 信越化学工業は27日、2020年度第3四半期(4-12月期)の連結業績を発表した。売上高は前年同期比7%減の1兆904億円、営業利益11%減の2850億円、経常利益11%減の2930億円、純利益14%減の2133億円となった。4-6月期を底に、収益は回復傾向にあり、10-12月期の経常利益は1008億円となっている。

 セグメント別で見ると、塩ビ・化成品事業は売上高10%減の3346億円、営業利益20%減の619億円。米国シンテック社はフル操業を継続し、塩化ビニル、カセイソーダともに高水準の出荷を維持した。また、欧州拠点および国内拠点も販売数量の維持に努め、市況の改善を享受した。

 シリコーン事業は売上高12%減の1519億円、営業利益33%減の317億円。汎用製品の価格下落に加え、化粧品向けや車載向けの需要鈍化の影響を受けた。

 機能性化学品事業は売上高6%減の825億円、営業利益20%減の170億円。セルロース誘導体は、医薬用製品は底堅く推移したが、建材用製品が振るわなかった。フェロモン製品やポバール製品は出荷が低調に推移した。

 半導体シリコン事業は売上高5%減の2811億円、営業利益1%増の1126億円。新常態の進展とともに、オンライン化や高速データ通信向けインフラ整備などが進み、半導体デバイス市場は持続的に拡大したことに加え、高機能化する先端デバイス需要が伸長した。

 電子・機能材料事業は売上高1%増の1701億円、営業利益は微増の516億円。希土類磁石は4―6月期に海外工場の稼働が経済活動制限の影響を受けたが、ハードディスクドライブ向けは好調に推移し、車載向けは下期に入り強い回復を示した。フォトレジスト製品はArFレジストやEUVレジストを中心に好調を持続。マスクブランクスも先端、汎用用途ともに堅調に推移した。光ファイバー用プリフォームは市況悪化の影響を受け厳しい状況が続き、大型パネル用フォトマスク基板は需要鈍化の影響を受けた。

 加工・商事・技術サービス事業は売上高10%減の700億円、営業利益8%減の101億円だった。なお、通期業績予想については、10月に発表した数値を据え置いている。

信越化学工業 シンテック社の新工場、第2期の能力増強を決定

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2021年1月28日

 信越化学工業は27日、米国子会社であるシンテック社の生産能力をさらに増強することを決定したと発表した。

 シンテック社は2018年7月にルイジアナ州プラケマインで更地での新工場建設を開始し、今年半ばの完工を予定している。この新工場を基盤とした第2期では12億5000万ドルを投資し、塩ビモノマー(VCM)年産58万t、塩ビ樹脂(PVC)38万t、カセイソーダ39万tの増強を図る。完成時のシンテック社の総能力(公称)は、PVC362万t、VCM295万t、カセイソーダ195万tとなる見込み。第2期は2023年末に完工し、増強分の稼働はPVCとカセイソーダの国際的な需給を踏まえ柔軟に実施する予定だ。

 世界のPVC需要は、直近10年間(今年の見込み含む)で、年平均100万t強、中国市場を除いても年平均20万t強と増えてきている。PVCは、温室効果ガス低減と社会・生活インフラ拡充の両立に大いに資する素材として、さらなる需要の増加が見込まれる。

 シンテック社は、環境規制の厳しい米国で、最新の技術により環境適合するとともに、州政府および地元自治体と良好な関係を築き、地元の強い支持と理解を得ている。そのことも、同社が稀にみるPVCとカセイソーダの供給基地になった理由に挙げられる。シンテック社は、有利な原料事情と規模の経済を活用し、きめ細やかな対応で培った世界の顧客との取引関係をさらに拡充していく考えだ。

信越化学工業 電動車向け放熱用シリコーン材料、2種類を開発

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2021年1月25日

 信越化学工業はこのほど、電気自動車(EV)・ハイブリッド自動車(HEV)向けの放熱用シリコーン材料を開発したと発表した。

電子デバイスの放熱 シリコーン材料「TC-PEN3タイプ」
電子デバイスの放熱 シリコーン材料「TC-PEN3タイプ」

自動車の電動化に伴い、リチウムイオンバッテリーや各種電子制御装置向けの熱対策への要求は、高度化と多様化が進む。また、世界的に自動車の電動化が加速する中で、放熱材料の使用量が増加し用途が拡大している。こうした市場環境の下、同社は、EV・HEV向けの高度な熱対策の要求に対応できる2種類の特長あるシリコーンパッドを開発した。

 低密度・低硬度放熱シリコーンパッド「TC-PENシリーズ」は、独自技術で低密度化したことにより、従来品と同等の放熱性能と作業性を保持したまま、従来比で約15%の軽量化を実現(TC-PEN3タイプ)。軽量かつ柔軟性に優れているため、リチウムイオンバッテリーなど、大きな面積で使用される部位や凹凸のある発熱素子の放熱に適している。

 一方、低硬度・高復元性放熱シリコーンパッド「TC-SETシリーズ」は、これまで技術的に難しかった低硬度と高復元性を両立。車載品で長期にわたり耐振動性、高復元性が要求される各種電子デバイスの放熱に適している。

 同社は多種多様な放熱用シリコーン材料を顧客に提案できるシリコーンのメーカー。パッドタイプのほかにも、ゴムシートタイプ、グリースタイプ、ギャップフィラータイプ、液状ゴムタイプ(接着剤・ポッティング剤)といった各種製品を揃えており、様々な熱対策の要求に応えることができる。

 信越化学は、新製品の開発とともに、熱解析技術によるテクニカルサポートやIATF16949:2016認証工場での製造・加工を開始するなど、顧客の高度化する要求に対応していく考えだ。