ダイセル 大阪大学とネーミングライツ協定を締結

, ,

2020年4月6日

 ダイセルはこのほど、大阪大学と、同大学にある施設の「ネーミングライツに関する協定書」を締結したと発表した。

 同社は、同大学の教育研究環境の向上や施設有効活用など、ネーミングライツの趣旨に賛同し、豊中キャンパスの全学教育推進機構サイエンス・コモンズ サイエンス・スタジオAのネーミングライツに応募し、選定委員会の審査によってネーミングライツ・パートナーに選ばれた。期間は今年4月から2023年3月まで。その間、同スタジオの愛称は「DAICEL Studio(ダイセルスタジオ)」となる。

 このスタジオは、同大学の1年生約3400人が通学する全学教育推進機構実験棟一階のサイエンス・コモンズの一角であり、サイエンスに関するイベントや、授業学生の自習スペースとして日々活用され、高校生も含めた科学に関する知識などの普及と共創のために利用されている。

 ダイセルは今回の協定締結を機に、大阪大学との関係を深め、教育研究環境のより一層の充実に協力するとともに、産学連携の取り組みを進めていく。

 

ダイセル 新型コロナのワクチン開発に投与デバイスを提供

, , , ,

2020年3月16日

 ダイセルは13日、大阪大学とアンジェス(大阪府茨木市)による新型コロナウイルス感染症(COVID‐19)向けDNAワクチンの共同開発に、細胞内へ薬剤を送達する新規投与デバイス「アクトランザ ラボ」技術を提供すると発表した。

 投与の際に新規投与デバイスを使用することにより、遺伝子発現効率とDNAワクチンの抗体産生力を上げることで、より有効性の高いDNAワクチン開発が期待できる。

 これにより、大阪大学とアンジェスの共同開発、ダイセルの新規投与デバイスを用いた薬剤送達技術でのDNAワクチン開発の加速化、プラスミドDNAの製造技術と製造設備を持つタカラバイオ(滋賀県草津市)の製造と、開発から製造までの一貫したプロセスで、6カ月以内のできる限り早い時期の臨床試験開始を目指す。

 ダイセルの新規投与デバイス「アクトランザ ラボ」は、火薬を駆動力として針を用いることなく薬液を特定の組織内に送達する技術。動物モデルを用いた研究によると、従来の針を用いた注射と比較して、送達場所の正確さに加えて遺伝子発現効率を高めることが報告されている。皮膚内には筋肉内に比べ免疫担当細胞が多くいることから、ワクチンの効率を高めることが期待できる。

関西学院大学と大阪大学 2種の有機物混合でLIB特性を向上

, , , , ,

2019年12月5日

 関西学院大学理工学部と大阪大学の共同研究チームは、有機物を電極材料として用いたリチウムイオン電池(LIB)で、2種類の有機分子を混ぜ合わせた電極材料の特性が、それぞれの分子を単一で用いた場合に比べて劇的に向上することを見出だした。

2種類の有機分子の電荷分布
2種類の有機分子の電荷分布

 LIBは、圧倒的に高いエネルギー密度を示すことからスマートフォンなどの各種デバイスに広く使われているが、一般的に正極材料にはコバルトなどの希少金属を用いた材料が使われているため、より安価な有機物を用いた電極材料が広く探索されており、現在、数多くの有機材料が正極材料の候補として検討されている。

 今回、関学大の田中大輔准教授と吉川浩史准教授の研究チームは、LIBの電極材料として、中心に正の電荷をもつ円盤状の有機分子と、負の電荷をもつ円盤状の有機分子2種類の有機分子を混ぜ合わせた電荷移動錯体と呼ばれる材料を開発。その特性が単一の有機分子と比較すると劇的に向上することを発見した。これは、有機分子が集積した結晶の中に、リチウムイオンが拡散する通路ができたためと考えられている。

 単一の有機分子を用いた場合は、分子同士の電荷が反発して密に詰まった構造をとることが知られているが、同研究では、異なる符号の電荷をもった分子を1対1で混ぜることで、2種類の円盤状分子が交互に積み上がった筒状の構造を形成し、筒と筒の隙間にさまざまな分子を取り込むことができるようになることを明らかにした。

 さらに、電荷移動錯体がもつこの隙間を利用することで、高速でリチウムイオンが出入りする高い容量をもった電極材料を開発することに成功。正負の電荷間の強い相互作用により、この電荷移動錯体の電解液への溶解が抑制されていることも確認した。大阪大の北河康隆准教授との計算機を用いた共同研究では、この相互作用のエネルギーを見積もることにも成功している。

 異なる電荷をもつ2種類の分子を混ぜるという同手法は、さまざまな有機分子の組み合わせで応用できるため、これまで高い特性を示さなかった有機分子が本来もっている特性を最大限引き出すことを可能とする新しい手法になるものと期待される。

 一方で、そのような有機分子の組み合わせの数は膨大なものになるため、今後は、膨大な数の候補物質を効率的に探索するために、現在発展が著しい人工知能を活用したマテリアルズ・インフォマティクス(MI)の手法を利用した効率的な材料の開発が期待される。