産総研など 透過型電顕で極微量の同位体原子を可視化

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2022年4月18日

 産業技術総合研究所(産総研)はこのほど、大阪大学、科学技術振興機構、日本電子と共同で透過電子顕微鏡(TEM)による原子レベルの極微量の同位体元素を検出する技術を開発した。同位体を

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産総研と大阪大、140㎓帯メタサーフェス反射板を開発

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2022年1月27日

 産業技術総合研究所(産総研)と大阪大学はこのほど、ポスト5G/6Gで利用が想定される140㎓帯の電磁波を特定方向に高効率で反射するメタサーフェス反射板を世界で初めて開発した。

 移動通信の高速・大容量化のために

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NEDO レーザー技術を連携、プラットフォーム構築

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2021年3月10日

 NEDOはこのほど、事業成果を集約し、各装置がもつ加工品質の計測・評価技術やデータベースといった共通基盤技術を組み合わせることで、レーザー加工の課題解決に寄与する「柏Ⅱプラットフォーム」を構築した。

 NEDOが実施中のプログラム「高輝度・高効率次世代レーザー技術開発」(2016~2020年度)では、東京大学、産総研、三菱電機、スペクトロニクス、大阪大学、浜松ホトニクス、パナソニック、パナソニック スマートファクトリーソリューションズ、金門光波、千葉工業大学、レーザー技術総合研究所、ギガフォトン、島津製作所などが参画し、様々な特徴をもつ、最先端のレーザー光源・加工機を開発してきた。

 特に、難加工材の高品位加工を目指した今までにない短波長の高輝度レーザー加工機や、広範囲の焼き入れ加工などを可能とする高出力半導体レーザー、銅のマイクロ溶接などで期待される高出力高輝度青色半導体レーザー、加工や計測用途に期待される短波長ファイバーレーザーは、同プロジェクトで新たに開発した技術として早期実用化を進めるとともに、今回構築した加工プラットフォームで幅広くユーザーを掘り起こしていく。

 NEDOと13法人は今後、レーザー加工に関する産学官協創のために東京大学が設立した「TACMIコンソーシアム」と連携し、様々な材質、用途での加工事例を蓄積していくことで、同プラットフォームの機能向上に取り組む。これにより各種装置の特性とユーザーニーズの効率的なマッチングや装置横断的な加工データ取得を実現し、効率的かつ迅速な最適加工条件の探索が可能なものづくりの実現を目指すとともに、日本の競争力強化に貢献していく。

宇部興産 CO2回収・資源化プロセス、NEDO事業に

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2020年9月10日

 宇部興産は9日、東京大学、大阪大学、理化学研究所、清水建設、千代田化工建設、古河電気工業と共同で提案した、「電気化学プロセスを主体とする革新的CO2大量資源化システムの開発」プロジェクトが、新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)の委託事業に採択されたと発表した。

 同事業は、「ムーンショット型研究開発事業/2050年までに、地球再生に向けた持続可能な資源循環を実現」に公募したもので、委託期間は2022~2029年度の最大10年間の計画となっている。

 地球環境の保全のためには、社会活動により生じる温室効果ガス(GHG)の削減が必要であり、中でもCO2が非常に高い割合を占めている。日本は、「パリ協定に基づく成長戦略としての長期戦略」(閣議決定)の中で、2050年までに80%のGHGの排出削減に取り組むことを宣言。GHGの削減は、緊急対策が必要な地球規模の大きな問題となっている。

 また、昨年に示された「カーボンリサイクル技術ロードマップ」(経済産業省)では、CO2を資源として捉えて有効利用する「カーボンリサイクル技術」を通して、排出量を抑制する方針が示され、革新的な技術開発が求められている。

 こうした状況下、NEDOは、ムーンショット目標4の達成を目指す研究開発プロジェクトに着手。今回、採択された委託事業では、電気化学技術を主体とし、400ppm~15%程度の幅広い濃度範囲の気体中CO2濃度に対応し、かつ分散配置が可能なCO2回収・有用化学原料への還元資源化プロセスの開発を目指す。

 具体的には、大気中に放散された希薄なCO2と放散される前のCO2を回収し、再生可能エネルギーを駆動力として電気化学的に富化/還元し、有用化学原料を生成するプロセスまでの統合システムを開発。これにより、カーボンリサイクルの基盤を構築する。共同研究者は、今回の事業採択を受け、希薄な濃度に対応可能なCO2回収・資源化に係る革新的技術を産学官の協働により開発するとともに、統合システムの実用化と普及に向けた取り組みを加速する。

 

カネカ 新型コロナ用DNAワクチンの製造体制に参画

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2020年9月4日

 カネカはこのほど、グループ会社カネカユーロジェンテック(ベルギー)が、アンジェス(大阪府茨木市)や大阪大学などが開発を進めている新型コロナウイルス用DNAワクチンの大量生産に向け、タカラバイオを中心とする製造体制に参画したと発表した。同ワクチンは大阪大学とアンジェスのプラスミドDNA医薬品開発の実績をもとに開発され、今年6月から臨床試験を開始。実用化に向けて開発が加速している。

 カネカユーロジェンテックは、1985年から医薬・診断薬、研究試薬用のタンパク質、核酸、ペプチドの製造販売を行っている。世界トップクラスのプラスミドDNA技術をもつことから、同ワクチンの中間体製造を受託した。なお、同社はベルギー政府の要請で、新型コロナウイルス検査用のPCR検査試薬も供給している。

 カネカは、mRNAやプラスミドDNAなど最先端の高度技術を活用し、ワクチンの受託製造や抗ウイルス薬の開発、医療器を用いたソリューション提供などにより新型コロナウイルス問題の課題解決に貢献し、世界を健康にしていく考えだ。

Kaneka Eurogentec社の外観
Kaneka Eurogentec社の外観

NEDOなど 従来比6倍速の銅コーティング加工機を開発

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2020年7月28日

 新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)はこのほど、大阪大学、ヤマザキマザック、島津製作所と共同で高輝度青色半導体レーザーを用いた、高速・精密銅コーティングが可能なハイブリッド複合加工機を開発した。

 レーザーコーティングは従来のスパッタやメッキ、溶射と異なり、レーザーで金属粉末を溶接する技術。密着強度が高く耐久性に優れ、大気雰囲気下で処理できる。また、マルチビームの加工技術により、1本の粉末ビームに複数のレーザービームを照射し効率的に加熱、溶融、凝固させる。従来の近赤外線レーザーでは金や銅の加工は困難であったが、青色半導体レーザーは金属への吸収効率が高く、金や銅などの加工に適する。特に銅は、その高い熱・電気伝導性から高精度が必要な航空・宇宙・電気自動車産業への活用が期待される。また細菌の殺菌・抗菌、ウイルスの不活化作用から、感染リスク低減のための手すりやドアノブへの利用が始まっている。

 今回、日亜化学工業と村谷機械製作所の技術協力で開発した200W高輝度青色半導体レーザーを3台装着し、600W級マルチビーム加工ヘッドを開発。レーザー集光スポットのパワー密度が上がり、金属材料への銅のコーティング速度が従来の6倍以上に向上、多層コーティングも可能になった。1走査あたりのコーティング幅も従来比2.5倍の1mm程度まで増大できる。

 噴射した銅粉末を直接加熱するため母材表面の溶融を必要最小限とし、母材金属の混入が少なくゆがみの小さな精密コーティングが可能である。直線3軸/回転2軸の5軸同時制御加工ヘッドのハイブリッド複合加工機で、複雑形状の部品に高速・精密コーティングできる。現在、石川県工業試験場と大阪富士工業で銅コーティングの基礎データベースの構築と銅コーティング部材の開発を進めている。

 NEDOプロジェクトは青色半導体レーザーのさらなる高輝度化を進め、ヤマザキマザックは?級青色半導体レーザーマルチビーム加工ヘッド搭載、コーティング速度十倍以上のハイブリッド複合加工機の来年の製品化を目指している。

岩谷産業 グリセリンを常温常圧でDHAに、新触媒を開発

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2020年6月9日

 岩谷産業はこのほど、大阪大学との共同研究により、グリセリンをジヒドロキシアセトン(DHA)に常温常圧下、短時間で変換する無機触媒の開発に成功した(特許共同出願済み)。DHA製造時の時間やコストの大幅な削減が期待される。

 通常グリセリンをDHAに変換するには、微生物による長時間の発酵プロセス、あるいは高温高圧下での反応といった特別な環境が必要になる。しかし、両者が開発した、レアアースを含有する無機触媒を使用することにより、温和な条件下の反応で、高いDHA生成能が得られた。

 具体的には、30℃・大気開放下・4時間の反応で、グリセリン転化率84%、DHA収率74%、DHA選択率88%を達成した。グリセリンの2位ヒドロキシ基の酸化により得られるDHAは、太陽光なしで日焼けしたような肌にするサンレスタンニングをはじめとした化粧品や、医農薬中間原料としての需要がある。

 また近年、化石燃料の代替エネルギーとしてバイオディーゼルが注目されているが、バイオディーゼル製造の際にはグリセリンが副生されるため、グリセリンが供給過剰となっている背景がある。その多くは、有効な用途がなく廃棄されているのが現状であり、グリセリンの有効活用化や高付加価値化が求められていた。

 岩谷産業は、開発した触媒に使用されているレアアースなどのレアメタル原料を広く取り扱っている。それら原料のアプリケーション開発を進める中で、大阪大学大学院工学研究科の今中信人教授や布谷直義助教が持つ技術に着目し、今回、新触媒の開発に成功した。

 同社は今後、商業スケールでの生産に向け、触媒メーカーやDHAメーカーなどのパートナー企業を募り、事業化を加速していく。

グリセリンからDHAへの変換プロセス
グリセリンからDHAへの変換プロセス

 

ダイセル 大阪大学とネーミングライツ協定を締結

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2020年4月6日

 ダイセルはこのほど、大阪大学と、同大学にある施設の「ネーミングライツに関する協定書」を締結したと発表した。

 同社は、同大学の教育研究環境の向上や施設有効活用など、ネーミングライツの趣旨に賛同し、豊中キャンパスの全学教育推進機構サイエンス・コモンズ サイエンス・スタジオAのネーミングライツに応募し、選定委員会の審査によってネーミングライツ・パートナーに選ばれた。期間は今年4月から2023年3月まで。その間、同スタジオの愛称は「DAICEL Studio(ダイセルスタジオ)」となる。

 このスタジオは、同大学の1年生約3400人が通学する全学教育推進機構実験棟一階のサイエンス・コモンズの一角であり、サイエンスに関するイベントや、授業学生の自習スペースとして日々活用され、高校生も含めた科学に関する知識などの普及と共創のために利用されている。

 ダイセルは今回の協定締結を機に、大阪大学との関係を深め、教育研究環境のより一層の充実に協力するとともに、産学連携の取り組みを進めていく。

 

ダイセル 新型コロナのワクチン開発に投与デバイスを提供

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2020年3月16日

 ダイセルは13日、大阪大学とアンジェス(大阪府茨木市)による新型コロナウイルス感染症(COVID‐19)向けDNAワクチンの共同開発に、細胞内へ薬剤を送達する新規投与デバイス「アクトランザ ラボ」技術を提供すると発表した。

 投与の際に新規投与デバイスを使用することにより、遺伝子発現効率とDNAワクチンの抗体産生力を上げることで、より有効性の高いDNAワクチン開発が期待できる。

 これにより、大阪大学とアンジェスの共同開発、ダイセルの新規投与デバイスを用いた薬剤送達技術でのDNAワクチン開発の加速化、プラスミドDNAの製造技術と製造設備を持つタカラバイオ(滋賀県草津市)の製造と、開発から製造までの一貫したプロセスで、6カ月以内のできる限り早い時期の臨床試験開始を目指す。

 ダイセルの新規投与デバイス「アクトランザ ラボ」は、火薬を駆動力として針を用いることなく薬液を特定の組織内に送達する技術。動物モデルを用いた研究によると、従来の針を用いた注射と比較して、送達場所の正確さに加えて遺伝子発現効率を高めることが報告されている。皮膚内には筋肉内に比べ免疫担当細胞が多くいることから、ワクチンの効率を高めることが期待できる。

関西学院大学と大阪大学 2種の有機物混合でLIB特性を向上

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2019年12月5日

 関西学院大学理工学部と大阪大学の共同研究チームは、有機物を電極材料として用いたリチウムイオン電池(LIB)で、2種類の有機分子を混ぜ合わせた電極材料の特性が、それぞれの分子を単一で用いた場合に比べて劇的に向上することを見出だした。

2種類の有機分子の電荷分布
2種類の有機分子の電荷分布

 LIBは、圧倒的に高いエネルギー密度を示すことからスマートフォンなどの各種デバイスに広く使われているが、一般的に正極材料にはコバルトなどの希少金属を用いた材料が使われているため、より安価な有機物を用いた電極材料が広く探索されており、現在、数多くの有機材料が正極材料の候補として検討されている。

 今回、関学大の田中大輔准教授と吉川浩史准教授の研究チームは、LIBの電極材料として、中心に正の電荷をもつ円盤状の有機分子と、負の電荷をもつ円盤状の有機分子2種類の有機分子を混ぜ合わせた電荷移動錯体と呼ばれる材料を開発。その特性が単一の有機分子と比較すると劇的に向上することを発見した。これは、有機分子が集積した結晶の中に、リチウムイオンが拡散する通路ができたためと考えられている。

 単一の有機分子を用いた場合は、分子同士の電荷が反発して密に詰まった構造をとることが知られているが、同研究では、異なる符号の電荷をもった分子を1対1で混ぜることで、2種類の円盤状分子が交互に積み上がった筒状の構造を形成し、筒と筒の隙間にさまざまな分子を取り込むことができるようになることを明らかにした。

 さらに、電荷移動錯体がもつこの隙間を利用することで、高速でリチウムイオンが出入りする高い容量をもった電極材料を開発することに成功。正負の電荷間の強い相互作用により、この電荷移動錯体の電解液への溶解が抑制されていることも確認した。大阪大の北河康隆准教授との計算機を用いた共同研究では、この相互作用のエネルギーを見積もることにも成功している。

 異なる電荷をもつ2種類の分子を混ぜるという同手法は、さまざまな有機分子の組み合わせで応用できるため、これまで高い特性を示さなかった有機分子が本来もっている特性を最大限引き出すことを可能とする新しい手法になるものと期待される。

 一方で、そのような有機分子の組み合わせの数は膨大なものになるため、今後は、膨大な数の候補物質を効率的に探索するために、現在発展が著しい人工知能を活用したマテリアルズ・インフォマティクス(MI)の手法を利用した効率的な材料の開発が期待される。