帝人ファーマ 睡眠時無呼吸症候群検査の評価装置を販売

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2018年11月1日

 帝人ファーマは31日、睡眠時無呼吸症候群(SAS)の最新型ワイヤレス精密検査機器「Nox A1システム」(一般的名称:睡眠評価装置)について、国内での独占提供を本格的に開始すると発表した。

製品本体
製品本体

 同装置はアイスランドの医療機器メーカーのノックス・メディカル社が製造するもの。SASの検査には、簡易検査と精密検査があるが、同装置はSASの疑いがある人の精密検査(確定診断)に用いられる。

 Nox A1システムは本体重量が92gと帝人ファーマの従来製品に比べて小型・軽量で、使いやすさを重視した設計のため、被検者の装着時の負担を軽減する。これにより睡眠を妨げることなく、日常に近い環境で検査を受けることが可能となった。

 また、専用アプリをインストールしたタブレット端末を使用し、ワイヤレスで簡便に睡眠や呼吸状態をモニタリングできるため、医療者の負担軽減にもつながることが期待されている。

 従来、SASの精密検査では、複数の機器がケーブルで接続されることなどにより、被検者にとってストレスになることがあった。また、検査の準備に手間を要したり、周辺機器が大型のため検査できる場所が限られたりするなど、医療機関が睡眠時無呼吸検査を導入する際に障壁となるケースがあった。

 なお、販売価格は、標準仕様が330万円(税別)、オンライン仕様が390万円(税別)。タブレットは別途手配が必要。帝人ファーマは同装置の販売により、SASの検査から治療に至るまでの製品やサービスをさらに拡充していく。今後も新たな製品やサービスの開発を通じ、SASの診療の質の向上、患者のQOL向上に貢献し続けていく考えだ。

帝人ファーマ 高尿酸血症・痛風治療剤が中国で承認

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2018年10月15日

 帝人ファーマはこのほど、自社創製した高尿酸血症・痛風治療剤「フェブキソスタット」(一般名・中国販売名「非布司他片」、登録商標「FEBURIC(菲布力)」)について、中国の国家薬品監督管理局(NMPA)から輸入薬品承認を取得したと発表した。

 同剤の20mgと40mgの規格に「痛風患者における高尿酸血症治療」の適応が認められた。現地で販売委託契約を締結しているアステラス製薬(中国)と連携し、来年初頭の販売開始に向けて準備を進めていく。

 フェブキソスタットは、世界的に治療薬の種類が少なかった高尿酸血症・痛風治療の領域で、約40年ぶりに同社が開発に成功した医薬品。1日1回の服用で、腎機能が軽度から中等度低下した患者も、用量調節をせずに服用することが可能であることから、中国でも新たな選択肢として、患者の治療に貢献することが期待される。

 中国で実施された疫学調査の結果によると、中国国内の痛風の患者数は全人口の1.1%(約1500万人)。その主因となる高尿酸血症の患者数は、全人口の13.3%(約1億8000万人)に上ると推定されており、治療選択肢の多様化のニーズが高まっている。

 こうした中で、同社はフェブキソスタットをグローバル戦略品と位置づけ、世界第2位の医薬品市場である中国での上市に向けて、2010年からアステラス製薬(中国)と取り組んできた結果、承認を取得するに至った。

 現在、同社は米国や欧州、中国、東南アジア、中東など100以上の国や地域で、フェブキソスタットの独占販売契約を締結し、9月現在、すでに77カ国で販売している。今後もこうしたグローバル展開に注力するとともに、フェブキソスタットの価値向上に向けて臨床研究の支援や疾患啓発などの活動を行い、世界中の患者のQOL向上に貢献していく考えだ。

帝人ファーマ CPAP患者向け情報提供サービスを開始

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2018年9月5日

 帝人ファーマはこのほど、睡眠時無呼吸症候群の経鼻的持続陽圧呼吸療法(CPAP療法)を受ける患者と医療者の利便性向上を目指し、患者向けの情報提供サービス「CPARTNERS(シーパートナーズ)」を開始したと発表した。

 CPAP療法を開始した患者が、機器本体やマスクの取り扱い、手入れの方法に戸惑いを感じて、同社のカスタマーセンターに問い合わせるケースが少なくない。シーパートナーズではCPAP療法の導入初期に「問い合わせの多い質問と解決策」と「治療器の手入れ方法」をメールで情報提供する。

 取り扱い方法については、ウェブサイトを通じてイラストや動画を提供することで、機器に関する疑問の解決を図っていく。また、4月から診療報酬に遠隔モニタリング加算が新設されるなど、ICTの活用による医療機関と患者の橋渡しが、これまで以上に必要になることが予想される。

 シーパートナーズには、同社の医療機関向けCPAPデータ閲覧システム「ネムリンク」に医療者が登録した外来予定日に基づき、患者に外来予約のリマインドメールを送信する機能などがあり、医療機関と患者をつなぐ役割を果たす。

 同社は、2004年にCPAP患者専用のカスタマーセンターを開設し、電話を通じた患者向けのサポートサービスを展開してきた。しかし、インターネットサービスの拡大やスマートフォンなど、デジタルデバイスの普及が進み、ウェブサイトやメールを活用したきめ細かな情報提供のニーズが高まっていることから、シーパートナーズを立ち上げることにした。

帝人ファーマ 韓国でCPAP治療装置のレンタル事業を開始

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2018年8月31日

 帝人ファーマは30日、韓国で睡眠時無呼吸症候群の、持続陽圧呼吸療法(CPAP)治療装置のレンタル事業を開始したと発表した。同国でCPAPが7月2日から公的保険適用となったのを受け、同社グループの韓国合弁会社Yuyu Teijin Medicare Inc.(YTM社)を通じて事業を行う。

 睡眠時無呼吸症候群は日中の眠気や集中力の低下につながることから、交通事故や医療事故、産業事故のリスクを高めるとされている。近年の研究では、高血圧や脳卒中の発症率との関連性も報告されるなど、治療意義の高い疾患で、日本では1998年から公的保険の適用となっている。

 韓国でも、2016年に睡眠時無呼吸症候群の検査・治療などで、医療機関を受診した患者が約三万人に及ぶとされており、公的保険の適用を期待する声が高まっていた。

 帝人ファーマは2006年に韓国の医薬品メーカーであるYuyu Pharma,Inc.との合弁により、YTM社を設立して以来、同国で在宅医療事業を展開。在宅酸素療法用の酸素濃縮装置のレンタル事業では、トップシェアの地位を確保している。

 今回、CPAPが公的保険適用となったことにより、YTM社が現地で構築している強固なネットワークと、帝人ファーマが日本のCPAP事業で培った技術やノウハウを活用し、さらなる事業拡大を図っていく。