東洋紡 フィルム製造2社の子会社化を完了、商号も変更へ

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2019年10月8日

 東洋紡は帝人との株式譲渡契約に基づき、帝人が保有する帝人フィルムソリューション(TFS社)とインドネシア帝人フィルムソリューション(インドネシア:ITFS社)両社の株式を、10月1日付で取得し子会社化した。

 両社は共に、ポリエステルフィルム事業を展開してきた。工業用途では、車両の電装化の進展により需要が拡大するセラミックコンデンサ用離型フィルムなどの各種離型フィルム、包装用途では食缶用ラミネーションフィルムと、高品位のフィルム製品を供給。

 PEN(ポリエチレンナフタレート)フィルムでは、主に自動車向けの絶縁フィルム、フレキシブルプリント基板(FPC)用途といった、高機能で特徴のある製品を提供している。

 東洋紡はTFS社のもつ高い開発・生産技術と幅広い製品ラインアップを加えることで、高機能フィルム製品の開発・生産能力を強化し、フィルム事業基盤をさらに強固なものにしていく。また、ITFS社を傘下に置くことで海外生産体制を強化し、フィルム事業のさらなるグローバル化を図っていく。

 同日開催のTFS社とITFS社それぞれの臨時株主総会では、商号変更を決議した。TFS社は同日付で「東洋紡フィルムソリューション」に変更し、ITFS社は今月中旬に「インドネシア東洋紡フィルムソリューション」へと変更される予定。グループ企業であることを対外的に明確化するとともに、グループとしての一体感を醸成していく。

 東洋紡は今年5月22日付で、帝人との「株式の取得(子会社化)に関する株式譲渡契約締結」を開示していた。

 

帝人 リンケージに出資、健康支援事業の提携範囲を拡大

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2019年10月8日

 帝人は7日、オンライン健康支援事業などを行うリンケージ(東京都中央区)に出資し、資本・業務提携を行うことで合意したと発表した。これまでの睡眠分野を中心とした業務提携の範囲を、禁煙やフレイルの重症化予防などにも広げることが目的。

 リンケージは2011年の創業以来、健康保険組合や企業、自治体に対して先鋭的な健康増進施策を提供してきた。2013年からはICTを活用した、日本企業の海外駐在員向け健康支援サービスの提供を始めたことを皮切りに、2015年にオンライン特定保健指導サービスを立ち上げた。

 また、2017年には業界に先駆けてオンライン禁煙プログラムの提供を開始するなど、医師・看護師・保健師・薬剤師・管理栄養士などの社内外の医療従事者や、大学・官公庁の協力者とリンケージ(連動)しながら、オンライン健康支援事業のパイオニアとして事業を創造してきた。その結果、現在は80を超える健康保険組合(加入者数合計約370万人)が、オンライン健康支援サービスを利用している。

 一方、帝人グループはデジタルヘルス技術を活用したヘルスケアサービスにより、誰もが住み慣れた地域で、人生の最後まで自分らしい生活を全うする地域包括ケアシステムの普及に貢献することを目指し、すでに帝人ファーマでは、多職種連携情報共有システム「バイタルリンク」を展開している。

 日本では今後も少子高齢化が急速に進み、医療資源の不足と地域格差がさらに拡大し、地理的制約を受けないオンライン診療やオンライン健康支援サービスが、より多くの人々に必要となることが予測される。

 こうした中で、両社の保有するサービス、技術、ノウハウを融合させることにより、社会的ニーズに応えるソリューションの提供が可能になると考え、資本・業務提携に合意した。

 今回の提携により、帝人はオンライン診療とオンライン健康支援事業でノウハウを持つリンケージと、共同で新たなサービスの開発に注力する。また、リンケージとの連携を図りながら、将来的に地域包括ケア領域での新規事業の立ち上げを目指していく。

帝人 CFRTP製荷台が米国複合成形材団体のアワード受賞

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2019年10月3日

 帝人と同社グループで軽量複合材料部品の開発・生産・販売を手がける米国CSP社は1日、世界初の量産自動車向けCFRTP部品が高く評価され、「CAMX Unsurpassed Innovation Award」を受賞したと発表した。

 同アワードは、米国の複合成形材料業界団体である「ACMA」と、国際的な複合成形材料業界団体である「SAMPE」が毎年共同で主催している展示会「CAMX」で、市場への影響が大きかったコンポジット技術を評価し表彰するもの。

 今回、受賞したのは、帝人とCSP社がGMと共同でピックアップトラック向けに開発したピックアップボックス(荷台)「カーボン・プロ」。「カーボン・プロ」は、帝人の熱可塑性炭素繊維複合材料(CFRTP)製品「セリーボ」シリーズの製品を使用することで、スチールを使用したものに比べて約40%の軽量化を実現するとともに、約10倍の耐衝撃性をもち、耐腐食性にも優れている。

 また、従来の素材では量産できなかった複雑なデザインの成形にも対応することができ、リサイクルも容易。こうした特性が高く評価され、今回の受賞に至った。

 帝人グループは、「自動車向け複合材料事業の展開」を発展戦略として掲げている。今後も、複合化を強みとした技術開発に一層注力し、あらゆる顧客ニーズに対応できる車体軽量化のソリューションプロバイダーとして、グローバルに事業を展開していく。

帝人 スーパー大麦新商品、全国のスーパーで販売へ

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2019年10月3日

 帝人は家庭向け新商品「スーパー大麦のちから」を開発し、自社製品として初めてスーパーマーケットでの販売を開始した。2日に行った新商品発表会で、ヘルスケア新事業部門機能性食品素材事業推進班の北薗英一班長は、新商品について「全国のスーパーマーケット1万1000店舗への導入を目指す」との目標を示した。

新商品発表会の登壇者ら
新商品発表会の登壇者ら

 同社は2016年7月にスーパー大麦「バーリーマックス」を使った自社商品としてグラノーラなどを販売し、ECサイトで販売してきたが、ECサイトだけでは消費者との接点が限定されるという課題があった。

 そこで、「バーリーマックス」のさらなる普及には、実際の店舗で商品を手に取ってもらう機会を増やすことが必要との判断から、スーパーマーケットへの小売展開を開始することにした。

 一方、同社は、スーパー大麦を使った地域密着型健康プロジェクトを推進している。新商品発表会では山口県岩国市と愛媛県松山市の松山東雲大学・松山東雲短期大学の活動を紹介した。

 岩国市については、福田良彦市長が

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帝人 テキサスにCSP社新工場、21年度中の稼働へ

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2019年9月30日

 帝人の鈴木純社長は27日、記者会見を行い、米国テキサス州セギーン市に事業用地を取得し、工場を新設すると発表した。

記者会見を行った鈴木社長(左)とグレッグ知事
記者会見を行った鈴木社長(左)とグレッグ知事

 帝人グループで、軽量複合材料部品の生産・販売・技術開発を手がけるコンチネンタル・ストラクチュラル・プラスチックス(CSP社)が、自動車向け複合材料部品として、SMC(熱硬化性樹脂を繊維に含浸させシート状にした成形材料)の成形を行う工場となる。

 投資額は約7000万ドル(約75億円)。工場面積は約1万9000㎡で、従業員数は200人規模。今週着工し、2021年度中の稼働を目指す。北米で14ヵ所目、グローバルでは先日買収したチェコのベネット・オートモーティブ社に続く、25ヵ所目の複合材料部品の生産拠点となるが、テキサス州に工場を設けるのは初めて。

 鈴木社長は同州を選んだ理由について

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帝人など 大腸サポート関連企業、共同啓発事業体を設立

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2019年9月25日

 帝人は24日、武田コンシューマーヘルスケア、東亜薬品工業、森永乳業と「大腸活コンソーシアム」を同日設立したと発表した。

 同コンソーシアムは、大腸の腸内フローラ環境改善に寄与するビフィズス菌、酪酸菌などの善玉菌と水溶性食物繊維を扱う企業が中心となり、食品、医薬品の業界を越えて連携する共同啓発事業体。健康長寿の要となる大腸をより意識してケアする「大腸活」を通じて、日本人の健康長寿に貢献することを目指す。

 近年、大腸に生息する腸内フローラの研究が格段に進んだ結果、腸内フローラが消化器系領域だけでなく、神経領域、循環器領域、代謝領域、免疫機構など、われわれの全身の健康と密接に関わっており、大腸が健康長寿の要となっていることが明らかになってきている。

 一方、腸の健康をケアする「腸活」が社会に浸透しつつも、一般生活者へは、大腸の役割や重要性について、いまだ十分に理解が進んでいないというのが現状。同コンソーシアムは、大腸の重要性について広く啓発するとともに、大腸に棲むビフィズス菌・酪酸菌などの善玉菌と、そのエサとなる水溶性食物繊維の摂取により、〝1つの臓器〟といわれる腸内フローラの環境を改善する「大腸活」の啓発も広く推進していく。

 また、従来の整腸市場の枠に止まらない〝大腸活市場〟をターゲットとした、魅力的な商品・サービスを提供することにより、日本人の健康長寿に貢献することを目指す。

 さらには、コンソーシアム参画企業が連携をとりながら、社会に向けた「大腸活」に関する継続的な情報発信や、大腸活商品群の浸透を目指した店頭・流通施策の推進、自治体・地域と連携した啓発の場づくりなどに取り組んでいく予定だ。

 なお、1つの企業・団体による整腸や大腸サポートに関する啓発活動はこれまでも行われてきたが、大腸を健康長寿の要と位置づけ、業界を越えて、より多面的に社会啓発を行う今回のコンソーシアムとしての活動は、これからの時代の健康づくりを象徴する新たな取り組みとなる。

帝人 中国合弁会社がコンポジット技術でアワードを受賞

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2019年9月20日

 帝人は19日、同社グループの米国コンチネンタル・ストラクチュラル・プラスチックス(CSP)の中国合弁であるCSP‐Victallが、自社開発によるコンポジット部品が高く評価され、「CCE‐JECイノベーションアワード」で新規用途部門を受賞したと発表した。

Yuhu5
Yuhu5

 CSPは軽量複合材料製品の開発・生産・販売を手掛けている。今回受賞したのは、CSP‐Victallが江鈴汽車のピックアップトラック「Yuhu3」と「Yuhu5」向けに開発した、中国初のコンポジット製ピックアップボックス(荷台)。

 CSP‐Victallが独自開発したSMC(熱硬化性樹脂を繊維に含浸させ、シート状にした成形材料)を使用することで、スチールを使用したピックアップボックスに比べ、約30%の軽量化を実現した。

 さらに、優れた耐腐食性や耐衝撃性、部材点数の削減により成形工程を大幅に短縮し、コスト効率を大幅に向上させたことが高く評価された。

 「CCE‐JECイノベーションアワード」は、世界最大の複合材料関連団体であるJECグループが、中国での優れたコンポジット技術を評価するもので、すでに15年の歴史がある。

 帝人グループは「自動車向け複合材料事業の展開」を発展戦略の一つとして掲げており、今後も複合化を強みとした技術開発に一層注力し、車体軽量化のソリューションプロバイダーとしてグローバルに事業を展開していく。

帝人 タイでコンパウンド工場とテクニカルセンターを稼働

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2019年9月11日

 帝人は10日、ASEAN地域における樹脂製品への多様なニーズに応えるため、テイジン・コーポレーション(タイランド)社の敷地内にアセアンコンパウンド工場とテクニカルセンターを新設し、稼働を開始したと発表した。

現地で開催したオープニングセレモニー
現地で開催したオープニングセレモニー

 ASEAN地域では、近年の人口増加や経済成長を背景に高機能樹脂製品の消費が拡大しており、これに伴い、樹脂コンパウンドの需要も高まっている。こうした中、同社は日本と中国の自社工場と、ASEAN地域の協力工場でこれらの需要に対応してきたが、今回の工場新設により、同地域の多様なニーズに迅速に対応できる体制が整ったことになる。

 また、同社は長年培ってきた樹脂コンパウンドの技術を駆使して樹脂製品の高付加価値化を推進しているが、新設したテクニカルセンターをASEAN地域の開発拠点と位置づけ、市場成長率の高い同地域や中国に向けた製品開発を強化することにより、さらなる事業拡大を図っていく。

 樹脂事業本部の山西昇本部長は「新設した生産・開発機能を駆使することにより、さらなる軽量化・高機能化が求められる次世代の自動車や通信用途において、ニーズに合致したコンパウンド樹脂製品の需要を取り込んでいく。また、ASEAN地域の顧客やパートナー企業と積極的に連携を図りながら、多様なニーズに応える革新的な製品を提供し、同地域の一層の発展に貢献していきたい」と述べている。

 同社の樹脂事業は、今回のタイでの生産・開発拠点の新設により、日本・中国とのアジア三極体制を構築し、今後、各拠点の相互連携を促進することで、自動車やエレクトロニクス分野を中心とした多様なグローバル需要に対応していく。

帝人 米州総代表が米国商務省投資諮問委員会の委員に選任

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2019年9月10日

 帝人はこのほど、ジェーン・トーマス同社グループ米州総代表兼米国持株・統括会社Teijin Holdings USA Inc.(THUS)社長が、米国商務省の投資諮問委員会(IAC)の委員に選任されたと発表した。

 IACは、海外から米国内への直接投資を誘致・維持するための戦略やプログラムを開発し、その実行について商務長官に助言する役割を担っており、各地域・州の経済開発機関、さまざまな産業、企業、協会などを代表する人物が委員として選任される。

 トーマス米州総代表兼THUS社長は、これまでに取り組んできた米国への新規投資に関する活動や経験を生かし、IAC委員としての2年間の任期中、同委員会の活動に積極的に関与していく。

帝人 繊維複合材料使い折りたたみ可能な構造体開発

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2019年9月6日

 帝人と帝人グループで先端的なコンポジット製品の設計、加工技術開発、試作を手掛けるジーエイチクラフトは、FRP(繊維複合材料)を用いて、折り紙のように折りたたむことができる構造体「ORIBAKO」(折箱)を開発した。

「ORIBAKO」のヒンジ部分(左上)と大型構造物の試作品
「ORIBAKO」のヒンジ部分(左上)と大型構造物の試作品

 「ORIBAKO」は、FRP製のパネルとヒンジ(ちょうつがい)を貼り合わせた多面体の構造物。FRP製であるため軽量で、運搬や設置場所での展開・設置・撤収、保管などを容易に行うことができる。

 そして、ヒンジ部分に柔らかい樹脂を使用したFRPを用い、伸縮性や曲げに対する優れた剛性、耐久性、密閉性を付与することにより、小さな箱物や簡易的な建造物など様々な大きさ・形状の構造体を折り紙のように簡単に折りたたみ、繰り返し使用することができる。

 また、帝人が長年培ってきた独自のFRP技術を駆使し、パネル部分とヒンジ部分とを一体化させて気密性を担保することで、段差のないシームレスな表面を実現。さらには、用途に合わせてパネルとヒンジに用いる素材の組み合わせを変えることにより、吸音性や断熱性、衝撃吸収性、振動吸収性といった特性を付与することも可能だ。

 両社は、6日までパシフィコ横浜で開催中の「SAMPE Japan 先端材料技術展 2019」で、「ORIBAKO」製の大型構造物の試作品を初展示。これは、CFRP(炭素繊維複合材料)製のパネルにGFRP(ガラス繊維複合材料)のヒンジを貼り合わせた約11?の簡易型ブースで、約40㎏と軽量であるため、重機や工具を使用することなく大人二人で簡単に設営することができる。

 両社は、今後、「ORIBAKO」の改良を重ね、使用する素材のバリエーションを拡充することにより、天井にソーラーパネルを搭載したエネルギーの自給が可能な簡易的な室内スペースや、密閉性が求められる物品などにも対応可能な輸送用のコンテナなどの幅広い用途に向け、2022年までに実用化を目指す。

 帝人グループは、多様化する社会のニーズに応えるため、今後も設計・デザイン・成形プロセスを開発することにより、高機能素材や複合化技術を強みとしたマルチマテリアルでの事業展開を強化し、長期ビジョンである「未来の社会を支える会社」を目指していく。