日鉄ケミカル&マテリアルの3月期 下期に事業環境が改善し黒字に

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2021年5月10日

 日鉄ケミカル&マテリアルは7日、2021年3月期の連結業績(IFRS)を発表した。売上高は前年比17%減の1787億円、事業利益59%減の76億円となった。新型コロナウイルスの感染拡大による影響で世界的に景気が低迷する中、上期は厳しい収益状況となったが、下期以降は事業環境が改善したことに加えコスト削減などの収益改善努力もあり、通期では黒字を確保した。

 セグメント別で見ると、コールケミカル事業は売上高47%減の260億円。主力の黒鉛電極向けニードルコークスの需要が低迷し、厳しい販売状況が継続した。カーボンブラックは、上期はコロナ禍の影響もあり、タイヤ向け需要が低迷したが、年度後半からの自動車産業の回復を受けて販売が回復した。

 化学品事業は売上高18%減の760億円。2020年初めから低迷していたスチレンモノマーやビスフェノールAの市況が下期に入って回復し、収益が改善した。

 機能材料事業は売上高7%増の600億円。液晶ディスプレイ用レジスト材料「エスファイン」、ハードディスクドライブ用サスペンション向けやメタル担体向けの金属箔、自動車や電子機器向け絶縁・放熱材料の球状シリカ・アルミナ、半導体用ボンディングワイヤが、それぞれ年度を通じて堅調な販売を継続した。それに加え、コロナ禍の影響などから年度当初低迷したフレキシブル回路基板材料「エスパネックス」が回復に転じ、販売を伸ばした。

 複合材事業は売上高6%減の170億円。炭素繊維による土木・建築分野向け補強材料は過去最高の年間売上を記録し、エポキシ樹脂も車載機器および半導体パッケージ基板向けに販売を伸ばした。

 

日鉄ケミカル&マテリアル 新規多孔質炭素材、FCV採用で表彰

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2021年4月5日

 日鉄ケミカル&マテリアルは2日、トヨタ自動車の新型燃料電池車(FCV)「MIRAI」に採用された多孔質炭素材料「エスカーボン/MCND」について、FCスタック(水素と酸素の化学反応を利用した発電装置)の小型化・高性能化に大きく寄与したことが評価され、「新型MIRAIプロジェクト表彰・技術の部」を受賞したと発表した。

 日鉄ケミカル&マテリアルは、自然科学研究機構分子科学研究所の西信之名誉教授との共同研究により「エスカーボン/MCND」を開発。2013年よりサンプルワークを進める中、量産プロセスの確立に成功し、昨年12月に発売された「MIRAI」のカソード電極用の触媒担体として採用された。世界的な脱炭素・水素利用拡大の流れもあり、自動車用途をはじめとする燃料電池市場は今後も成長が見込まれている。

 同社は、FCVの普及、水素社会の実現に貢献するとともに、より幅広い分野への応用展開も含め、さらなる事業の拡大に取り組む。そして今後とも、日本製鉄グループの一員として、日本のカーボンニュートラル実現に貢献していく考えだ。

日鉄ケミカル&マテリアル 人事(4月1日)

2021年3月26日

[日鉄ケミカル&マテリアル・人事](4月1日)▽機能材料事業部ディスプレイ材料部光学材料営業グループリーダー松垣一徳▽コンポジット事業部コンポジット開発部開発企画グループリーダー吉澤弘之▽同事業部同開発部社会資本材料開発グループリーダー立石晶洋▽同事業部同開発部材料技術センター長朝霞勤務古木哲▽総合研究所エポキシ樹脂材料センター複合材料開発グループリーダー袖ヶ浦勤務長谷修一郎▽同研究所プロセス開発センター回路・複合材料プロセス開発グループリーダー木更津勤務齋藤亨。

日鉄ケミカル&マテリアル BPAを値上げ、コスト上昇に対応

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2021年3月23日

 日鉄ケミカル&マテリアルは22日、ビスフェノールA(BPA)を4月1日納入分から値上げすると発表した。改定幅は「50円/kg以上」。

 BPAは、風力発電用途などのエポキシ樹脂向けや、家電・自動車用途などのポリカーボネート樹脂向けの需要が堅調に推移する中、昨年末から国内外で相次いでトラブルが発生したことで需給バランスがタイト化し、市況は昨年末から歴史的な高水準を継続している。足元では原油価格の上昇に伴い、原料となるベンゼン市況が850ドル、国産ナフサ価格も4万5000円を超えるレベルまで上昇し、燃料となるC重油も上昇が予想されている。同社は、これらのコストアップを価格に転嫁せざるを得ないと判断し、今回の値上げを決定した。

 

日鉄ケミカル&マテリアル 人事(4月1日)

2021年3月22日

[日鉄ケミカル&マテリアル・人事](4月1日)▽財務部長八木律▽経営企画部ゼネラルマネジャー湯浅正敏▽機能材料事業企画第二部長松本勝之▽出向日鉄マイクロメタル(入間勤務)戸早孝之▽総合研究所炭素材料センター長(戸畑勤務)福田哲生▽同研究所光学・ディスプレイ材料センター長(木更津勤務)柳本徹也▽出向IT企画推進部担当部長新美浩樹。

 

日鉄ケミカル&マテリアル エポキシ樹脂を値上げ、原料高騰に対応

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2021年3月16日

 日鉄ケミカル&マテリアルは15日、各種エポキシ樹脂製品について、4月1日出荷分から値上げすると発表した。対象品および値上げ幅は、BPA・BPF系液状/固形エポキシ樹脂が「60円/kg」、BPA・BPF系液状/固形エポキシ樹脂蒸留品が「90円/kg」、フェノキシ樹脂が「60円/kg」、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂が「60円/kg」。

 主原料である、ビスフェノールA(BPA)、ビスフェノール、フェノール類、エピクロルヒドリン(ECH)はナフサ価格の上昇による影響を受け、高騰を続けている。加えて、BPAや液状エポキシ樹脂は世界的な需給ひっ迫に伴い、歴史的に暴騰した価格が継続しており、従来からの原料基準以上の値上げが避けられない状況にある。こうした中、同社は、安定供給と事業継続のために値上げせざるを得ないと判断した。

日鉄ケミカル&マテリアル 人事①(4月1日/他)

2021年3月2日

[日鉄ケミカル&マテリアル・人事①](4月1日)▽取締役社長付林岳志▽同常務執行役員機能材料事業企画(第二部)に関する事項管掌機能材料事業部門担当金子高之▽同同役員コールケミカル事業部長委嘱シーケム社長化学品事業部担当安浦重人▽同執行役員経営企画、財務、IT企画推進、大阪支店に関する事項管掌加藤聖二▽常務執行役員マイクロン事業部長委嘱自動車向け材料の営業連携担当松木教彰▽同役員研究開発、知的財産に関する事項管掌事業開発企画部およびMCND事業部担当久保祐治▽執行役員エポキシ事業部長委嘱機能材料事業に関する事項につき、河原常務執行役員に協力梶原洋三▽同役員コールケミカル事業部副事業部長委嘱同事業部事業企画部長委嘱宮木勢▽同役員日鉄カーボン社長宮崎崇輝(3月下旬予定の臨時株主総会後同社社長に就任予定)▽同役員MCND事業部長委嘱事業開発企画、複合材料事業企画に関する事項管掌複合材料事業部門担当山田功▽同役員CSR部長委嘱コールケミカル事業の海外事業に関する事項につき、安浦取締役常務執行役員を補佐、経営企画に関する事項につき、加藤取締役執行役員を補佐末永正彦▽顧問五十嵐正晃▽同大橋渡▽同梶正史▽同徳光明▽同日本グラファイトファイバー社長(定時株主総会後に退任予定)斉藤誠▽顧問川野陽一▽参与コンポジット事業部事業企画部長委嘱吉住洋一▽人事部長委嘱菊本信治▽総合研究所副所長委嘱事業開発企画部長委嘱総合研究所研究企画部長委嘱上村賢一(6月24日)▽退任(取締役相談役)、相談役太田克彦▽同(同社長付)林岳志。

 

《化学企業トップ年頭所感》日鉄ケミカル&マテリアル 榮敏治社長

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2021年1月12日

 昨年はコロナの1年だった。景気の急減速で、上期は経常赤字37億円となった。下期は回復基調だがコールケミカル事業は厳しく、化学品事業も需給環境が依然厳しい。機能材料事業と複合材料事業は好調な半導体需要と増能、拡販、価格改善でおおむね順調で、新規事業MCNDも出荷を開始し、全社で通期黒字化に取り組んでいる。

 生活スタイルも変化し、テレワークが拡大した。処遇制度や通信インフラを整備し、就業スタイルを多様化させたい。一方で米中対立、通商規制や混乱、日韓関係などの世界情勢を見ると、欧米やアジア市場など、新たなビジネス展開が必要だ。

 こうした中、2021年度から始まる新しい経営計画を策定した。長期視点の5年計画とし、事業ごとの方向性を定め、2025年度の事業構造と収益目標を掲げた。事業の選択と集中でポートフォリオを健全化し、経営を安定させる。コールケミカル事業・化学品事業依存の収益体質から脱却し、機能材料・複合材料・新規事業をもう一方の柱にする。景気変動に強い体質にし、日鉄グループへの収益貢献と、従業員にとって魅力ある会社・職場を目指す。

 初年度の今年は次の2つに注力する。第1は「2021年度の収益回復」だ。商機を逃さず確実に収益を上げ、すべての事業を黒字化する。第2は「経営計画初年度の取り組み」で、確実な第一歩を踏み出す。目標に向けた実行計画策定と進捗管理を毎年行う。業務効率化も、PC環境の活用、情報の共有、取引の電子化、システム構築で進めるが、重要なのは社員一人ひとりの効率化マインドだ。無駄な仕事、改善方法など絶えず自問し問題提起すること。定年延長も始まる。新人事制度をベースに柔軟な勤務体系など、働き方改革にも着手する。

 そして、最大の課題の1つが安全・環境・防災・品質に関わるコンプライアンスだ。最低限の要請だが、昨年は休業・不休業災害、環境・防災事故を起こし過去最悪だった。全社で事故・災害ゼロ、コンプライアンス違反ゼロに取り組む。

 最後に、最も大事なのは働く人々の心身の健康だ。まずコロナ感染予防に万全を期し、職場全体で心のケアに努める。元気に仕事でき、活気溢れる職場を目指す。