旭化成 変性PPE樹脂を値上げ、採算是正を図る

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2021年1月18日

 旭化成は15日、変性PPE樹脂「ザイロン」の全品種を今月20日出荷分から値上げすると発表した。改定幅は、国内「50円/kg」、海外「500USドル/t」。

 主要産業での需要が急回復する中、原料価格が高騰していること加え、事業継続に必要な用役コスト、物流コストも急激に上昇している。同社は、可能な限りのコスト削減努力を継続しているが、これらのコスト上昇分は自助努力で吸収できる範囲を超えており、事業継続のためには価格改定が不可避と判断した。

旭化成 水島に結晶セルロース工場、2拠点化で事業拡大

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2021年1月14日

 旭化成は13日、添加剤事業の強化拡大を図るため、水島製造所(岡山県倉敷市)内に結晶セルロース「セオラス」の第2工場を建設すると発表した。投資金額は約130億円。今年9月に着工し、2023年春の竣工を予定している。

 同社は、医薬品などで主に錠剤の賦形剤として利用される「セオラス」を、宮崎県延岡市で1970年から製造し国内外に販売している。主用途である医薬品錠剤向け需要は、今後も堅調に推移することが想定され、将来的な供給能力の拡充を検討してきた。

 中でも、成形性に特化した「KGグレード」と成形性と流動性を両立させた「UFグレード」の高機能グレードは、飲みやすい錠剤の設計、錠剤の小型化、複数薬物の合剤化、錠剤生産性の向上といった効果を発現することから国内外で高い評価を獲得。需要も大きく伸長しており、特に供給力の強化が求められている。さらに、顧客の原料調達リスクを軽減するため、生産拠点の複数化による安定供給力向上の要望も高まっている。

 こうした中、同社は、これらの供給力強化ニーズを充足することを目的に、大幅な生産能力増強となる今回の設備投資を水島製造所内で実施することを決定した。なお、今回の投資案件は、同社が2014年に石油化学事業の構造改革を行って以降、水島製造所での初めての工場建設プロジェクトとなる。

 同社は、今後も「セオラス」を国内外のより多くの顧客へ提供し、これまで錠剤にするのが難しかった医薬品の製造に貢献する。さらに機能を高めた製品を開発・市場投入し、製薬会社、患者の期待に応えていく考えだ。

セオラス「KGシリーズ」と「UFシリーズ」
セオラス「KGシリーズ」と「UFシリーズ」

 

《化学企業トップ年頭所感》旭化成 小堀秀毅社長

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2021年1月6日

  旭化成グループは創業以来、時代に合わせポートフォリオの転換を図り、変化する社会へ柔軟かつダイナミックに対応し、新たな価値を提供し続けた歴史をもつ。そして来年、当社はいよいよ創業100周年を迎える。この大きな節目を機に、未来のあるべき姿を皆さんと一緒に描き、その姿を実現するための施策を構築していくが、その重要な一歩となるのが2022年度から始まる次期中期経営計画だ。

 今年は、次期中計が良い形でスタートダッシュを切れるよう、今後の事業戦略構築のベースとなる3つの取り組みを強力に推進していく。

 まず、「サステナビリティ」の実現に向けた取り組みの実行だ。気候変動対策やカーボンニュートラルへの取り組みなど、環境・エネルギー分野への貢献がいっそう求められている。脱炭素社会や水素社会の実現に向けて、アルカリ水電解水素製造やCO2関連技術といった当社の強みを生かした上で、社外とのコネクトを今まで以上に強く推進し、挑戦し、新たな社会価値創造に向けて邁進していこう。また、レジリエントな住まいや健康・安全なくらし、人の命を守るという視点でサステナビリティを追求していこう。

 次に、DX(デジタルトランスフォーメーション)のさらなる進化・加速だ。新型コロナの影響で世界ではデジタル化が急速に進んでいる。当社グループの強みである多様性を生かしてビジネスモデルを変革し、価値を創造していくためにDXの推進は必須だ。そのため、東京・田町に新しい実験室としてデジタル共創ラボ「CoCo-CAFE」を開設した。デジタル人財を集結させ、研究・開発、生産、販売、ビジネスモデル構築など各機能におけるDXの加速を目指す。今後はグループ横断組織の設置や2030年を見据えたDXビジョンを制定していく。

 最後に、「働きがい改革」の実行だ。生き生きと働ける環境づくりを通じて、皆さん一人ひとりが〝We want to work together(みんなと一緒に働きたい)〟という想いをもって、事業を通じた社会貢献の担い手であることを実感できる会社をつくっていく。実現に向けて制度やルール改革にも取り組んでいくので、皆さんも自らの目標を考え、達成に必要な専門性を身につけることを心がけてほしい。

 2021年のキーワードは〝変革〟だ。環境変化への危機感をもつと同時に、変化はビジネスのチャンス、業務改善のチャンスと捉えられる。これまでの延長ではなく、当社グループの良さを大切にしつつも、一人ひとりの成長と今後のグループの価値向上に向けて、大胆に挑戦し〝変革〟していこう。

旭化成 デジタル共創ラボ開設、DX推進を加速

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2021年1月6日

社内外での交流を促進、新組織とビジョンも計画

 旭化成は5日、デジタルトランスフォーメーション(DX)のさらなる加速を目指し、デジタル共創ラボ「CoCo-CAFE」(東京都港区芝浦)を同日付でオープンしたと発表した。

CoCoーCAFE
CoCoーCAFE

 同社グループは、DX推進をさらに加速するために、社内外の知恵を〝Connect〟し、価値を共創していくことが極めて重要であると捉えている。同拠点では、マーケティング、R&D、生産技術各部門のデジタル人財を集結させ、社内外の交流を促進し、DX基盤の強化とビジネスの創出を目指す。

 具体的には、①「挑戦・共創の場」として、同社グループのデジタルプロフェッショナル人財とビジネスリーダーが集いビジネスの創出に挑戦し、また産学官の様々な社外のパートナーとの共創の場として活用する。

 ②「デジタル技術の高度な活用・検証・体験の場」としては、サイバー空間とフィジカル空間を高度に融合させたデジタルツイン環境を整備し、海外の工場を日本から遠隔で運転支援するなど、デジタルを活用した新しいビジネススタイルを開発・検証していく。また、デジタル技術を駆使した様々なデモ装置を設置しそれを体験することで、新たな価値につながるアイデアを創出する。

 ③「DX人財育成の場」としては、DX推進には、デジタルプロフェッショナル人財の育成だけでなく、全従業員へのDX教育が重要であることから、同社グループ内の人財を「旭化成DXインターンシップ」として同拠点に受け入れ、教育を実施することにより、DX人財を計画的に育成・拡充していく考えだ。

 同社グループは、マテリアル、住宅、ヘルスケアの3領域で事業を展開。多様な事業・技術・人財から生じるデータを基に、バリューチェーンの様々なステージを通じデジタルを活用することで新しい価値提供の機会が広がっていくと考えている。

旭化成グループのDX推進の全体像
旭化成グループのDX推進の全体像

 また、同社グループがDXを活用できるシーンは、研究開発、生産、品質管理、設備保全、マーケティング、事業戦略、新事業の創出など幅広く存在する。デジタル人財の育成やDXを推進する場・空間の提供に加え、従業員の意識も変革しながら、DXの取り組みを「基盤強化(DXリーダー・デジタル人財の育成、働きがい向上)」と「事業高度化・変革(生産、R&D、事業戦略、新規事業創出)」の両輪でステージアップしていく。

 なお、2021年は、DXのさらなる加速に向けて、同拠点のオープンに加え、グループ横断のDX新組織設置の構想や、DXビジョン策定を計画している。同社はDX推進を加速し、新しいビジネスの創出にグループ一丸となって挑戦していく。

旭化成グループのDX推進ロードマップ
旭化成グループのDX推進ロードマップ

旭化成ら 福島FH2Rの水素をロックコンサートに提供

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2020年12月25日

 旭化成など6者は24日、水素製造の実証試験を行う「福島水素エネルギー研究フィールド(FH2R)」で製造された水素を、ロックバンド「LUNA SEA」のコンサートに提供すると発表した。提供する水素は燃料電池自動車(FCV)に充填。FCVが発電を行い、コンサートで使用される全ての楽器に電気を供給する予定となっている。

福島水素エネルギー研究フィールド( FH2R)
福島水素エネルギー研究フィールド( FH2R)

 再生可能エネルギーを利用した世界最大級の水素製造施設「FH2R」には、旭化成のほか、新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)、東芝エネルギーシステムズ、東北電力、東北電力ネットワーク、岩谷産業が参画、低コストでクリーンな水素製造技術の確立を目指している。

 FH2Rは今年2月、福島県浪江町にて開所し、水素製造の実証試験を開始。現在、同施設で製造した低炭素水素は、主に圧縮水素トレーラーやカードル(ガス貯蔵容器)を用いて、定置式燃料電池向けの発電用途として、福島県内の需要先へ供給試験を開始している。

 こうした中、ロックバンド「LUNA SEA」が、さいたまスーパーアリーナで開催(12月26、27日)するコンサートに、FH2Rの低炭素水素が活用されることとなった。FH2Rから搬送された低炭素水素は、岩谷産業が運営する「イワタニ水素ステーション群馬高崎」で、FCVへ充填し、コンサート会場へ運搬された。

 今後も6者は、FH2Rでの取り組みを通じ、水素エネルギーの普及拡大に向けた情報発信を進めていく考えだ。

旭化成 アクリル樹脂を1月15日出荷分から値上げ

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2020年12月25日

 旭化成は24日、アクリル樹脂を1月15日出荷分から値上げすると発表した。対象製品は、アクリル樹脂「デルペット」「デルパウダ」全品種で、改定幅は「30円/kg」。

 慢性的な人手不足を背景とした物流費高騰、老朽化設備の維持・更新費上昇に加え、化学品管理・環境規制強化に対応するためのコスト増などにより、事業遂行に必要な費用が増大している。こうした中、同社は、効率化や合理化に取り組んできたものの、これらのコスト増加は自助努力で吸収できる範囲を大きく超えており、顧客ニーズに応える研究開発や安定供給、事業継続のために今回の価格改定が不可避であると判断した。

旭化成 セパレータ特許訴訟 韓国審判院が有効性を確認

2020年12月24日

 旭化成は23日、ダブル・スコープなどが韓国で製造するリチウムイオン二次電池(LIB)用セパレータに対して起こした特許訴訟について、今月2日に韓国特許審判院が旭化成の特許の有効性を認めたと発表した。

 旭化成は今年1月、LIB用セパレータを製造・販売するダブル・スコープと連結子会社を共同被告として、特許権侵害差止訴訟をソウル中央地方法院に提起。同訴訟は、LIB用セパレータに関する旭化成の韓国特許に基づき、ダブル・スコープなどが販売するポリオレフィン製微多孔膜製品について韓国での製造ならびに販売差止などと損害賠償を求めたもの。その後、3月には被告の1社が特許無効審判請求を行っていたが、韓国特許審判院は双方の主張を十分に審理した後、今月2日に無効審判請求を棄却し、韓国における旭化成の特許の有効性を認めた。

 旭化成は今後も知的財産を重視し、必要と判断した場合には具体的な措置を積極的に講じていく方針だ。

旭化成 DBJ環境格付け融資で最高ランクを取得

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2020年12月18日

 旭化成はこのほど、日本政策投資銀行(DBJ)の「DBJ環境格付」融資で「環境への配慮に対する取り組みが特に先進的と認められる企業」として最高ランクの格付けを取得したと発表した。同融資は、DBJが開発したスクリーニングシステム (格付けシステム)により企業の環境経営度を評点化、優れた企業を選定し、得点に応じて融資条件を設定するという世界で初めての融資メニュー。

 今回の格付けで旭化成は、①ライフサイクル全体で環境貢献量を定量化し、外部専門家の視点を踏まえ認定された環境貢献製品の普及拡大を推進するなど、本業を通じた堅実かつ高度な環境経営を展開している点、②川上企業としてサプライチェーン上の化学物質管理に積極的に取り組むほか、CSR全般に配慮する調達ガイドラインを策定し、独自の基準に基づき調達先を評価、改善指導を行うなど、持続可能なサプライチェーン構築を推進している点、③多岐にわたる事業領域を展開する中、TCFDシナリオ分析を通じて気候変動にかかるリスクと機会を定量的に把握した上で、サステナビリティの観点を踏まえ事業ポートフォリオを評価し、構造転換を図ることとしている点、などが評価された。

 旭化成グループは、中期経営計画「Cs+ for Tomorrow 2021」の中で、「サステナビリティ」を中核に据え、「持続可能な社会の実現」と「持続的な企業価値の向上」の両方を好循環で実現していくことを目指している。

DBJ環境格付け
DBJ環境格付け

旭化成 水素バリューチェーン推進協議会に参画

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2020年12月8日

 旭化成は7日、水素分野におけるグローバルな連携や水素サプライチェーンの形成を推進する新たな団体「水素バリューチェーン推進協議会(JH2A)」に参画したと発表した。同協議会は、同日付で発足し、参加企業は88社に上る。

 同社は、「サプライチェーン全体を俯瞰しつつ、業界横断的かつオープンな組織として、社会実装プロジェクトの実現を通じて、早期に水素社会を構築する」という協議会の目的に賛同し参画を決定。具体的には、①社会実装プロジェクトの提案・調整、②ファンドの創設、基本的な管理・運営の検討、③需要創出、規制緩和等の政策提言、④国際的な活動、⑤国内外の情報収集・分析・発信をテーマに据え、水素社会構築を加速させるための課題達成を目指していく。

 同社は、水素を利活用する化学メーカーとして、水素の需要創出および拡大のために取り組むべき課題について、協議会のワーキンググループ活動で積極的な提言を行っていく。さらに、同社が福島県浪江町の「福島水素エネルギー研究フィールド(FH2R)」において実証しているアルカリ水電解システムなどの脱炭素に役立つ技術についても、協議会での横断的な活動を通して社会実装を加速していく考えだ。

水素バリューチェーンっ協議会 ロゴ
水素バリューチェーンっ協議会 ロゴ