旭化成 アンモ酸化触媒などが日本化学会化学技術賞を受賞

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2019年3月20日

 旭化成は19日、「プロパンのアンモ酸化触媒、および該触媒を用いたアクリロニトリル(AN)製造技術の開発」で、同社の社員が第67回日本化学会化学技術賞を受賞したと発表した。

 日本化学会は、1878年(明治11年)に創立された化学分野での国内最大の学会で、化学技術賞は、わが国の化学工業の技術に関して特に顕著な業績のあった者に対して与えられる。

 3月17日に甲南大学岡本キャンパス(兵庫県神戸市)にて贈賞式が行われ、19日には研究・開発本部技術政策室イノベーション戦略部の日名子英範マネージャーが受賞テーマについての講演を行った。

 同社は、プロパンを原料としたAN製造プロセスの工業化を実現するために、触媒構造解析をベースに触媒を設計し、高収率・長寿命・流動床反応適合性を持つ触媒を開発。

 今回の受賞は、プロパンのアンモ酸化触媒の開発と、その該触媒を用いたプロパンからAN製造技術の開発が実用化に至った業績が評価された。あわせて該触媒の量産技術と反応技術を開発し、2013年に世界初のプロパンを原料としたAN製造の工業化に成功したことも受賞に至った理由。

 同社は、今後も触媒・プロセスの開発を通じて化学産業の発展に貢献し、社会に新たな価値を提供していく考えだ。

 

 

旭化成 タイでスパンボンド不織布の生産設備を増設

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2019年3月18日

 旭化成は15日、タイにあるポリプロピレン(PP)スパンボンド不織布の生産設備を増設すると発表した。増設能力は年産1万5000tで、増設後の総生産能力は年産約5万tになる。今月に着工し、2021年7月の稼働を予定している。増設を行うのは、タイでスパンボンド不織布を製造・販売する旭化成スパンボンド(タイ)(タイ国チョンブリ県シラチャ:AKST)の設備。

 スパンボンド不織布については、「エルタス」ブランドを中心に多岐にわたる用途展開により事業拡大を進めている。現在、国内では滋賀県守山市と宮崎県延岡市、海外では2012年に設立したAKSTと計3拠点に製造設備をもち、紙おむつなどの衛生材料、自動車などの各種産業資材や消臭シートなどの生活資材をはじめ、幅広い用途に向けスパンボンド不織布を生産する。

 中でも、AKSTでは2016年に2号機を増設し、アジア各国での紙おむつ市場の急拡大に対応してきた。引き続き高い成長が期待される同市場をターゲットに、紙おむつ素材のさらなる高度化、品質・コスト面での競争力強化を図るため、今回、同拠点では3号機となる、高品質なスパンボンド不織布製造設備の増設を決定した。

 同社は今後も、アジア各国での紙おむつ市場の拡大と、紙おむつメーカー各社のニーズに対応するため、安定供給体制を強化していく考えだ。

旭化成 日米でLIB用セパレーターの生産設備を新設

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2019年3月15日

 旭化成は14日、リチウムイオン二次電池(LIB)用セパレーター「ハイポア」(湿式膜)と「セルガード」(乾式膜)の生産設備を新設すると発表した。

 投資額は約300億円。増強能力は「ハイポア」が年産約3億㎡、「セルガード」が同約1.5億㎡で合計同約4.5億㎡を見込み、2021年度上期の商業運転開始を予定している。

 同社グループは、LIB用セパレーターとして「ハイポア」と「セルガード」を展開しており、湿式膜と乾式膜の双方を手掛けるメーカーとして世界ナンバーワンのポジションを確立、積極的な事業拡大を図っている。

 現在、湿式膜の「ハイポア」は滋賀県守山市、宮崎県日向市と韓国に、乾式膜の「セルガード」は米国ノースカロライナ州にそれぞれ生産拠点がある。今回の増強は、守山市と米国で行う。

 いずれも既設敷地内に設備の新設を行うとともに、生産品目・製造ラインの統廃合など、既存生産設備の合理化と生産性向上を図り、生産体制をいっそう強化する。

 2018年度末時点の同社グループの生産能力は、湿式膜が年産約4.1億㎡、乾式膜が同約3.2億㎡の合計同約7.3億㎡。現在建設中の生産設備が完成する2020年度には、湿式膜が同約7億㎡、乾式膜が同約4億㎡、合計同約11億㎡となる。

 さらに今回の生産体制強化により、2021年度には湿式膜が同約10億㎡、乾式膜が同約5.5億㎡、合計同約15.5億㎡に拡大する。

 同社グループは、今後も需要動向を見極めつつ、2025年頃には、湿式膜・乾式膜合わせて同約30億㎡の生産体制を整え、顧客のニーズに応えていく方針だ。

旭化成 2019年キャンペーンモデルに17歳の谷口さんを起用

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2019年3月14日

 旭化成は13日、「2019年旭化成グループキャンペーンモデル」に、谷口桃香(たにぐち・ももか)さんを起用することを決定したと発表した。

 谷口さんは滋賀県出身の17歳。身長162㎝、バスト74.5㎝、ウエスト56㎝、ヒップ86㎝。特技はスケート、好きな食べ物はうどん、肉、ジンジャエール。

旭化成 キャンペーンガール
谷口桃香さん

 同社は1976年から毎年キャンペーンモデルを起用し、初代のアグネス・ラムさんをはじめ、松嶋菜々子さん、片瀬那奈さん、久慈暁子さんなどを輩出してきた。谷口さんは第44代となる。選考ではスタイルの良さはもとより、フレッシュな明るい笑顔で審査員を魅了した。まだ10代という将来性も高く評価された。

 今後は旭化成グループが手掛ける製品・サービスのプロモーション活動や、全国の拠点で開催される社内イベントへの参加、地域貢献活動など、社内外に向けたコミュニケーションの場を通じて、同社グループのイメージ向上につながる活動を行っていく。

旭化成 人事②(4月1日)

2019年2月26日

[旭化成・人事②](4月1日)【基盤マテリアル事業本部】▽AN事業部長小山直樹▽本部付柳田修司【パフォーマンスプロダクツ事業本部】▽機能樹脂事業部長顕谷一平▽C&M事業部長山口伸浩▽ポリマー技術開発総部長藤井修▽解兼消費財事業本部技術開発総部長、研究・開発本部高機能ポリマー技術開発センター長西本信▽本部付堀本成宏▽同西尾昌久【スペシャルティソリューション事業本部】▽電子・機能製品事業部長植竹伸子。

 

 

旭化成 人事①(4月1日)

2019年2月25日

[旭化成・人事①](4月1日)▽スペシャルティソリューション事業本部企画管理部長スペシャルティソリューション事業担当補佐、執行役員杉山広明▽執行役員兼大阪支社長パフォーマンスプロダクツ事業担当補佐岡村一▽同役員マーケティング&イノベーション本部補佐河本上総▽同役員兼生産技術本部副本部長、旭化成エンジニアリング社長河野龍次▽同役員基盤マテリアル事業担当補佐室園康博▽同役員兼基盤マテリアル事業本部企画管理部長基盤マテリアル事業担当補佐堀江俊保▽同役員兼経営企画部長出口博基▽同役員兼パフォーマンスプロダクツ事業本部企画管理部長パフォーマンスプロダクツ事業担当補佐桑葉幸文▽スペシャルティソリューション事業担当補佐(セパレータ事業)、執行役員西村佳史▽富士支社長兼研究・開発本部基盤技術研究所長、上席理事加藤仁一郎▽同本部研究開発センター長、同野崎貴司▽スペシャルティソリューション事業担当補佐(セパレータ事業企画)、同福田明▽上席理事パフォーマンスプロダクツ事業担当補佐出村公明▽同理事兼研究・開発本部技術政策室長、同本部クリーンエネルギープロジェクト長竹中克▽同理事兼パフォーマンスプロダクツ事業本部ベンベルグ事業部長八神正典▽同理事兼製造統括本部水島製造所長井谷圭仁▽同理事兼人事部長西川知▽同理事兼旭化成アドバンス副社長執行役員西澤明▽同理事兼旭化成ホームプロダクツ社長旭化成パックス担当補佐澤江潔▽サステナビリティ推進部長徳永達彦▽経営企画部次長氷上英夫▽環境安全部長八尋修二▽生産技術本部エンジニアリングセンター長岡田慎一▽同本部技術企画室小林克彦▽同本部生産技術センター長北田敏夫▽製造統括本部鈴鹿製造所長後藤久寿▽研究・開発本部インフォマティクス推進センター長河野禎市郎▽同本部繊維技術開発センター長兼パフォーマンスプロダクツ事業本部繊維技術開発総部長中林亮▽同本部化学・プロセス研究所長兼基盤マテリアル事業本部技術開発総部長鈴木賢▽同本部長付福井弘行▽同本部高機能マテリアルズ技術開発センター長兼スペシャルティソリューション事業本部技術開発総部長宮本郁也。

旭化成 役員人事(4月1日)

2019年2月22日

[旭化成・役員人事](4月1日)▽サステナビリティ推進、社長兼社長執行役員株主総会、取締役会、経営会議の招集および議長グループ経営総括小堀秀毅▽副社長執行役員技術機能部門統括高山茂樹▽同役員経営管理機能部門統括(含む経営企画、経理財務、IT担当)、取締役経営企画、経理財務、IT担当柴田豊▽同役員マテリアル領域担当旭化成アドバンス担当吉田浩▽退任(常務執行役員 兼延岡支社長)竹本常夫▽社長付、代表取締役中尾正文▽専務執行役員、取締役ヘルスケア領域担当(共管)兼旭化成ファーマ取締役会長兼旭化成メディカル取締役会長坂本修一▽同役員兼延岡支社長濱井研史▽同役員、旭化成ホームズ社長兼社長執行役員兼旭化成建材取締役住宅領域担当川畑文俊▽退任(常務執行役員兼製造統括本部長製造担当補佐、環境安全・品質保証担当補佐)成田睦夫▽退任(上席執行役員)、旭リサーチセンター社長根井伸一朗▽常務執行役員兼マーケティング&イノベーション本部長兼同本部UVCプロジェクト長兼旭化成エレクトロニクス取締役田村敏▽同役員、旭化成アドバンス社長浅野泰▽同役員、取締役人事担当橋爪宗一郎▽同役員兼パフォーマンスプロダクツ事業本部長パフォーマンスプロダクツ事業担当工藤幸四郎▽同役員兼スペシャルティソリューション事業本部長スペシャルティソリューション事業担当山岸秀之▽同役員兼基盤マテリアル事業本部長基盤マテリアル事業担当小野善広▽同役員、マテリアル領域担当補佐(北米担当)(Asahi Kasei Plastics North America Inc.)Chairmanジョン・モイヤー▽同役員、(ZOLL Medical Corp.)CEOジョナサン・レナート▽上席執行役員品質保証担当姫野毅▽研究・開発本部長研究・開発担当、上席執行役員白井博史▽上席執行役員、中国総代表椋野貴司▽同役員兼製造統括本部長製造、環境安全、支社担当末次稔▽退任(執行役員繊維事業担当補佐)草壁亮太郎▽同(同役員)、PSジャパン社長佐藤公▽同(UVCプロジェクト長)、執行役員兼エグゼクティブフェロー兼旭化成エレクトロニクス取締役兼常務執行役員久世直洋。

 

旭化成 HDI系イソシアネートの値上げを3月から実施

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2019年2月15日

 旭化成は14日、HDI系イソシアネート「デュラネート」全製品を3月1日出荷分から値上げすると発表した。改定幅は、国内が50円/kg、海外が50セント/kg、それぞれ現行価格から引き上げる。

 同社の事業環境は、原料価格や物流費などの高騰を受け、採算的に極めて厳しい状況にある。こうした中、自助努力による製造コスト低減を図ってきたが、今後も安定供給を継続させるために、価格改定の実施を決めた。

 

旭化成 役員人事(4月1日)

2019年2月14日

[旭化成・役員人事](4月1日)▽副社長執行役員高山茂樹▽代表取締役中尾正文(6月下旬株主総会日付)▽代表取締役兼副社長執行役員高山茂樹▽常勤監査役中尾正文。

 

旭化成の4-12月期 マテリアルとヘルスケアは増収増益

2019年2月8日

 旭化成は7日、2019年3月期第3四半期の連結業績を発表した。売上高は前年同期比7%増の1兆5867億円、営業利益は同5%増の1567億円、経常利益は同3%増の1653億円、純利益は同18%減の1154億円となった。

 昨年12月ごろから、ケミカル事業の石油化学を中心に市況悪化の影響を受けたが、4-12月期業績では対前年で増収増益となり、売上高・営業利益・経常利益は過去最高、純利益は過去2位だった。

 マテリアルセグメントは増収増益で、売上高は同10%増の8894億円、営業利益は同9%増の1064億円。繊維事業では、マイクロファイバースエード「ラムース」やキュプラ不織布「ベンリーゼ」を中心に不織布の販売量が増加。キュプラ繊維「ベンベルグ」の交易条件改善も貢献した。

 ケミカル事業では、石油化学のアクリロニトリル(AN)が高水準で推移した。高機能ポリマーのエンジニアリング樹脂は好調だったが、合成ゴムはやや苦戦した。高機能マテリアルズ・消費財のイオン交換膜などの販売は堅調だったが、電子材料製品は振るわなかった。エレクトロニクス事業は、リチウムイオン二次電池用セパレータは販売量を伸ばしたが、スマートフォン向け電子部品は前年を下回った。

 住宅セグメントは増収減益で、売上高は微増の4468億円、営業利益は同2%減の387億円。住宅事業では、建築請負部門で引き渡し棟数が減少。不動産部門・リフォーム部門は堅調だった。

 ヘルスケアセグメントは増収増益で、売上高は同7%増の2359億円、営業利益は同7%増の341億円。医薬・医療事業では、骨粗鬆症治療剤「テリボン」や関節リウマチ治療薬「ケブザラ」などの新薬は販売量が増加したものの、薬価改定や後発医薬品の影響を受けた。ウイルス除去フィルター「プラノバ」は販売量を伸ばした。クリティカルケア事業は医療機関向け除細動器が貢献した。

 なお、通期業績予想については、中国の経済環境悪化に伴うANを中心とした交易条件悪化・需要減少を想定し、前回予想(昨年11月2日発表)を全項目で下方修正した。

 売上高は2兆1710億円(前回予想比390億円減)、営業利益は2010億円(同90億円減)、経常利益は2090億円(同130億円減)、純利益は1450億円(同150億円減)。下方修正とはなったが、住宅やヘルスケアが計画通りに進捗しているため、売上高と営業利益では増収増益を見込んでいる。