旭化成 1月からナイロン66繊維「レオナ」の全品種を値上げ

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2018年12月26日

 旭化成は25日、ナイロン66繊維「レオナ」の全品種を100円/kg値上げすると発表した。来年1月1日出荷分から順次実施する。

 石油化学原料などの主原料価格の高騰により、同製品の製造原価が大幅に上昇している。

 同社は、製造原価の低減に注力してきたが、こうしたコスト上昇分は自助努力で吸収できる範囲を超えているとし、今回、価格改定をせざるを得ないと判断した。

旭化成 非加熱・非加圧で高度濃縮の新規膜システムを開発

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2018年12月3日

 旭化成は30日、液体を非加熱・非加圧脱水し、成分を高濃度に濃縮することに適した独自の膜システムを開発したと発表した。

新規膜システムの貸出機(左から中型、小型)
新規膜システムの貸出機(左から中型、小型)

 同システムは、逆浸透膜法を使う場合に比べ、濃縮率が3倍程度に高められる。例えば、コーヒー液の濃縮では、10倍濃縮後でも液中の香味気成分を元の状態を保つことができ、固形成分の存在化でも運転が可能なことを確認した。

 現在、顧客への新規膜システムの貸出機を整備しており、今後は食品加工メーカーや医薬品メーカーへの貸し出しを開始していく予定だ。

 食品・飲料や医薬成分の濃縮は、香気・風味・その他有効成分の成分割合を高められ、輸送・保管コストの低減もできることから関心が高まっている。

 しかし、従来の濃縮技術である蒸留法や逆浸透膜法では加熱や加圧が必要なこと、あるいは原理的に高度濃縮することが難しい液体が多いことが、有効成分などの品質を保持したまま高度濃縮をする上で課題だった。

 そこで、これまでウイルス除去膜や水処理膜などの膜サプライヤーとして蓄積してきた独自の膜技術を生かし、従来技術の課題であった「熱や圧力に弱い成分を含む液体の高度濃縮」に適した新規膜システムの開発を行った。

 同社では、従来の技術では困難だった熱に弱い成分を含む液体などを非加熱・非加圧で脱水し、高度濃縮できる同システムの特長を生かし、食品・医薬産業などへの幅広い用途展開を図ることで、2020年の実用化を目指していく。

旭化成 「高機能フィルム展」に不織布活用製品など出展

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2018年11月30日

 旭化成の繊維事業本部はこのほど、幕張メッセで来月5~7日に開催される「第9回高機能フィルム展」に出展(ブース番号:22―44)すると発表した。

 繊維事業本部では「ベンベルグ」「ベンリーゼ」「ラムース」など、ユニークな独自素材を幅広く提供している。今回は、同社独自の不織布素材を活用した高性能フィルターシステム「ユーテック」、ポリケトン微多孔膜「ケトノーブ」、セルロースナノファイバー(CNF)不織布シート「ナノリーフ」を展示する。

 ユーテックは同社独自の極細繊径MB不織布、柱状流不織布などを組み合わせた高性能フィルターシステム。油水・固液・気液分離を目的に、用途はセラミックコンデンサー、カラーレジストなどの電子材料製造プロセスや、石油化学・燃料・ファインケミカルの製造プロセスのほか、船舶ビルジ、自動車その他各種洗浄など多岐にわたる。

 今回の展示では微小ゲル除去、分級(流体中の粒子を粒径、粒子密度の違いにより、粒径別に分ける操作)、高粘度対応特性をもつマイクロフィルター「ユーテックナノ」に加えて、ロングセラー商品である油水分離フィルター「ユーテックFS」をデモ機とともに紹介する。

 ケトノーブはナノ繊維状の構造をもつ高空隙率の膜で、所定圧での透液量が多い高フラックスで、ゲル状物の捕捉性に優れる。ナノリーフは開発品の極薄で小孔径の多孔質CNF不織布層を含むシートで、高フラックスのフィルターとして設計可能であると同時に、シートを芯材として樹脂を含侵させると、極めて熱膨張率の低い複合フィルムになる特徴がある。

旭化成 AN事業の上期スプレッドは想定以上に

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2018年11月26日

 旭化成のアクリロニトリル(AN)事業は、今年度上期(4-9月期)に需給バランスがタイト化したことにより、スプレッドは980ドルと昨年度実績(742ドル)から大幅に拡大。通期見通しについても、スプレッドを当初想定の650ドルから900ドルに引き上げており、AN事業は同社の最高益更新に大きく寄与する見込みだ。

 上期は各社の定修が集中する中、需要と供給の両面の要因により、アジア市場において需給が逼迫した。供給面では、海外大手メーカーのプラントトラブルによりアジア市場向けの輸出が抑えられ、また中国では、環境規制強化の影響により新設備の稼働が延期された。

 一方、需要面では、

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旭化成 草月文化事業と8つの素材で「いけばな」を制作

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2018年11月16日

 旭化成はこのほど、同社の製品素材を応用した〝いけばな〟「インスピレーションの結晶」を、草月文化事業(草月流、東京都港区)との共創により制作した。

 旭化成は技術と芸術の融合による新事業創出を目指し、草月流との共創を進めてきた。従来型の数値性能で表す工業的指標ではなく、「きれい」「ここちよい」といった気持ちを表現する感覚指標に基づく〝新しい研究開発手法〟への試みとなっている。

 今回は同社の繊維・樹脂・フィルム・分離膜の先端素材を草月流に提供し、草月流がそれらを応用して〝いけばな〟作品として制作した。同作品には、伸縮・屈曲に対する高耐久性、電力と信号伝送性に優れた伸縮する電線「ロボ電」、コットンリンターから生まれたキュプラ繊維「ベンベルグ」、人工皮革「ラムース」など、8つの素材が提供された。

 共創を行った草月流は、従来のいけばなに疑問をもち、「個性」を尊重した自由な表現を求めた初代・勅使河原蒼風家元によって1927年に創始。あらゆる素材を利用し、常に新しく、自由に個性を映し出す流派として、世界中で親しまれている。

 旭化成は、今回の新たな取り組みを通じて新規な視点での製品プロモーションや、潜在顧客の掘り起こしを模索していく。今後も技術と芸術の共創という考え方を世に発信することで、これまでとは異なる事業領域のパートナーとの出会いを促進し、新しい研究開発手法のきっかけの創出に取り組んでいく考えだ。

 なお、作品は同社受付エリアで12月7日まで展示されている(ただし、一般者の観覧は不可)。

旭化成 ESG経営の一環として五ヶ瀬川発電所を大規模改修

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2018年11月13日

 旭化成は12日、五ヶ瀬川発電所(宮崎県西臼杵郡)の大規模改修工事を実施することを決定したと発表した。工事は来年10月から開始し、2021年10月の稼働を予定。工事にあたっては、近隣住民や周辺環境に十分配慮する。

五ヶ瀬川発電所00
五ヶ瀬川発電所

 同社は創業以来、五ヶ瀬川水系の水力発電所からの送電で事業活動をしており、現在は合計9カ所の水力発電所を所有し、延岡地区の工場群などに電力を供給している。それぞれの設備は竣工後約70年以上経過しており、これまでも計画的に補修工事を行うことで水力発電所を維持・保全し、安全な操業を続けてきた。

 今回、持続的成長に向けたESG経営の一環として、水力発電所の設備信頼性をいっそう強化し、今後も長期にわたって安定したクリーンなエネルギーの供給を継続するために、大規模改修工事の実施を決定した。

 今回の五ヶ瀬川発電所の大規模改修工事により、発電機を効率化することで、現状比約1万1000t/年のCO2排出量削減を実施し、さらなる環境負荷の低減を目指す。

 同社の延岡・日向地区には、水力発電所が9カ所、火力発電所が5カ所あり、同地区で使用する電力の90%を自給している。これまでも、クリーンエネルギーの使用比率を高めるため、2012年からはバイオマス発電を開始した。

 今年9月には第3石炭火力発電所を天然ガス火力発電所へ更新することも決定しており、今回の五ヶ瀬川発電所の大規模定修を皮切りに、順次既設水力発電所の回収も検討していく。

旭化成 19秋冬「ベンベルグ」アウター素材展示会を開催

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2018年11月12日

 旭化成は「2019 Autumn & Winter『ベンベルグ』アウター素材展示会∼Bemberg Outer Collection∼」を14、15日の2日間、The Garden Room(東京都目黒区)で開催する。

 同展示会では、世界の最先端を走る日本の産地企業が生地開発してきたこだわりのベンベルグ・アウター素材を、集大成して提案する。展示内容は①コンセプトコーナー「Experience Bemberg」②Feel Sustainability③3つの素材テーマ④4つのベーシックス⑤産地企業の生地ハンガー-の5つで構成。

 展示会場の中央にベンベルグを体感できるExperience Bembergコーナーを配置し、その周りを囲むようにFeel Sustainabilityと3つの素材テーマを展示。アパレルメーカーや小売店向けに、ベンベルグを分かりやすく提案するための4つのベーシックス・コーナーは、今回もアイテムごとに最適な素材を紹介、壁面には産地企業の生地ハンガーを、5つのカテゴリーに分けて展示する。

旭化成 コンセプトカー「アクシー」がドイツのデザイン賞を受賞

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2018年11月8日

 旭化成は7日、EVメーカーであるGLM(京都市)と共同開発したコンセプトカー「AKXY(アクシー)」が、ドイツの「ドイツデザインアワード Special Mention Category 2019」を受賞したと発表した。授賞式は来年2月8日にフランクフルトで開催される予定。

走るコンセプトカー「アクシー」
走るコンセプトカー「アクシー」

 アクシーは昨年5月に発表した走るコンセプトカー。これまで国内外の様々な展示会や顧客とのプライベート展示会で活用し、自動車関連産業の関係者と未来の自動車と自動車がもたらすソリューションについてディスカッションを行ってきた。

 今回、「このコンセプトカーはすべての内装と外装の要素が調和し、先進的なデザインに落とし込まれている。その形状と機能は細部に至るまで印象的で、未来の自動車の姿を彷彿させる」との評価から、同賞を受賞することになった。

 アクシーの開発・運用責任者であるオートモーティブ事業推進室の宇高道尊室長は「アクシーは有機的なイメージをもつ曲線と、無機的なイメージを持つ直線を巧みに組み合わせ、当社が理想とする安全・環境・快適な自動車を表した未来的なデザインにしている。そのことが評価され、今回の受賞に至ったことは大変嬉しい」と述べている。

 同社は、アクシーを今後も国内外の展示会などを通じて最大限活用し、より多くの顧客とのコネクトを続け、自動車の安全性と快適性の向上、環境への貢献に応じた多様なキーアイテムを総合的に提案していく考えだ。

旭化成の4-9月期 石化・ヘルスケア好調で最高益を更新

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2018年11月5日

 旭化成は2日、2019年3月期第2四半期の連結業績を発表した。売上高は前年同期比8%増の1兆415億円、営業利益13%増の1043億円、経常利益12%増の1103億円、純利益11%増の789億円となった。

 同日開催された決算会見で、柴田豊取締役兼専務執行役員は「マテリアルとヘルスケアが好調に推移し、売上高、各利益項目で上期として過去最高を更新した」と総括した。

 セグメント別では、マテリアルセグメントは増収増益となった。繊維は原燃料価格上昇の影響を受けたが、スエード調人工皮革「ラムース」がカーシート向けに好調だった。

 ケミカルでは、石化事業は

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