東レの4-6月期 炭素繊維事業の営業利益が90%増

2019年8月19日

 東レが9日に発表した2020年3月期第1四半期連結決算は、売上高が前年同期比1%減の5442億円、営業利益は同2%増の345億円、経常利益は同4%減の339億円、純利益は同1%減の226億円となった。

 セグメント別では、繊維事業は売上高が同6%減の2088億円、営業利益は同20%減の148億円。国内では自動車関連用途の1部で需要が堅調に推移したものの、衣料・産業用途ともに総じて荷動きが低調だった。海外では米中貿易摩擦の長期化と中国経済減速により、各用途で市況低迷の影響を受けた。縫製品やテキスタイルなどの衣料用途のほか、欧州・中国の自動車関連用途や中国の衛材用途などの需要が低調に推移した。

 機能化成品事業は売上高が同6%減の2000億円、営業利益は同1%減の170億円。樹脂事業は国内向けがほぼ堅調、海外は中国経済減速の影響を主因に、自動車・家電用途とも低調だった。ケミカル事業は基礎原料の市況下落の影響を受けた。フィルム事業はリチウムイオン2次電池向けバッテリーセパレーターフィルムの出荷が拡大したが、ポリエステルフィルムの光学用途や電子部品関連で在庫調整の影響を受けた。電子情報材料事業は有機EL関連部材が好調だった。

 炭素繊維複合材料事業は売上高が同34%増の615億円、営業利益は同90%増の59億円。航空機向け需要が拡大し、圧縮天然ガスタンクや風力発電翼といった環境・エネルギー関連向け一般産業用途も好調だったほか、スポーツ用途の需要が回復するなど、総じて堅調に推移した。

 環境・エンジニアリング事業は売上高が同5%増の574億円、営業利益は同25%減の14億円。水処理事業は国内外で逆浸透膜などの需要がおおむね堅調だった。ライフサイエンス事業は売上高が同2%減の124億円、営業利益は同284%増の6億円。医薬事業は経口プロスタサイクリン誘導体製剤ドルナーが、国内で後発医薬品の影響を受けた。経口そう痒症改善薬「レミッチ」は、後発医薬品発売に伴う流通在庫調整の影響を受けた前年同期から大きく数量を伸ばした。

 通期の業績予想に変更はなく、売上高が前期比6%増の2兆5300億円、営業利益は同13%増の1600億円、経常利益は同15%増の1550億円、純利益は同17%増の930億円を見込んでいる。

 

東レ 透水性能が3倍の超高透水性NF膜を開発 

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2019年8月1日

 東レは31日、従来品以上の優れたイオン・有機物の分離性能をもち、透水性能を3倍に高めた世界最高レベルの超高透水性ナノろ過(NF)膜を創出したと発表した。従来の水処理用途に加え、資源回収、バイオリファイナリーなど特殊用途での利用が期待され、3年以内の実用化を目指し開発を加速していく方針だ。

 水処理膜市場は足元で2000億円強だが、2025年には “東レ 透水性能が3倍の超高透水性NF膜を開発 ” の続きを読む

東レ 車載用ディスプレイ向け感光性導電材料の販売を開始

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2019年7月30日

 東レは29日、車載用ディスプレイに求められる高視認性をさらに向上させ、かつ、画面の大型化や曲面化が可能な感光性導電材料「RAYBRID」を実用化し、本格的な量産と販売を開始したと発表した。

 今回の新たな感光性導電材料を用いることで、大型で見やすく操作がしやすい車載用ディスプレイを実現し、快適な運転や車内空間づくりに貢献する。すでに一部のディスプレイモジュールに採用されており、今後さらなる拡販を図っていく考えだ。

 同社は、2012年に感光性導電材料「RAYBRID」をスマートフォンの引き出し配線用途として事業展開して以来、低抵抗と微細配線を極限まで追求し、ディスプレイの大画面化・狭額縁化に貢献してきた。従来の車載ディスプレイはITO電極を用いており、画面を大型化すると接触部の電気的変化を感知しにくく、反応遅れや誤操作に繋がる恐れがあった。

 今回開発した感光性導電材料は、銀粒子を分散させたタイプで、2~4㎛の細い配線を形成できる材料。ITO電極に比べて低抵抗であるため、メタルメッシュ電極に用いることで、肉眼では電極が見えず、視認性が高い大型ディスプレイを作ることができる。また、メタルメッシュ電極形成時に引き回し配線を一括形成することが可能なため、プロセスの簡便化にもつながる。高い視認性と車載用に求められる材料としての高い信頼性が評価され、一部のパネルメーカーは同材料を導入したパネルの量産を開始している。

 さらに、同材料は屈曲性に優れており、東レが開発した透明ポリイミドをフィルム基板として組み合わることで、薄くかつ軽いフレキシブルタッチセンサーに応用ができ、曲面ディスプレイへの適用が可能。車載用の曲面ディスプレイは、自動運転技術が本格化した時代の車内空間の快適性の向上やより高級感のあるインストルメントパネルの装着など、デザインの自由度を拡げるため、今後、拡大すると考えられている。

 同社は次世代の自動車の快適な車内空間づくりの進化に素材の力で貢献していく。

東レ ESG投資の2つの代表的指数の構成銘柄に選定

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2019年7月23日

 東レはこのほど、世界の代表的なESG(環境、社会、ガバナンス)投資指数である、「FTSE4Good Index Series」と「FTSE Blossom Japan Index Series」の構成銘柄に選定された。両投資指数は、英ロンドン証券取引所グループに所属するFTSE Russellが開発した指数で、ESGについて優れた取り組みを行っている企業が選定される。

 今回、「FTSE Blossom Japan Index Series」に選定されたことにより、世界最大規模の資金を運用する年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)が、ESGの取り組みに基づいた投資を行うために採用している4つの指数すべてに同社が選定された。

 東レグループはCSRの推進を経営の最優先課題の1つとして位置づけ、事業を通じた社会的課題解決への貢献や、安全・防災・環境保全、企業倫理と法令遵守などの取り組みを推進。同時に、東レは企業理念である「わたしたちは新しい価値の創造を通じて社会に貢献します」のもと、持続可能な社会の実現に向けて、積極的な役割を果たして取り組みを深化させるとともに、情報開示を推進していく考えだ。

東レ ハンガリーにセパレータフィルム生産設備を新設

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2019年7月22日

 東レはこのほど、ハンガリーのニェルゲシュウイファル市に、リチウムイオン二次電池(LIB)用バッテリーセパレータフィルム(BSF)生産設備の新設を決定した。新生産設備は昨年4月に設立した東レハンガリーに設置し、これにより東レグループ全体のBSF生産能力は年産約20%の増強となる。稼働開始は2021年7月を予定。

 現在、同社のBSF関連生産設備は、日本の那須工場のほか、韓国にも二拠点がある。TBSK社ではBSFの開発・製造・販売を行い、TBCK社ではコーティング加工を行っている。両拠点では、2017年に発表したそれぞれの増産設備を昨年度から順次稼働させている。

 BSFの世界需要は、携帯型電子機器、定置用蓄電池など民生用途の堅調な拡大に加え、今後は電気自動車(EV)の普及拡大による車載用途での急激な拡大が見込まれている。特に欧州では、環境問題への意識の高まりから、EVなど環境対応車の普及は急速に進むと見られており、電池メーカー各社の進出も活発だ。

 同社の海外事業展開は、地産地消を基本戦略としており、顧客の立地に合わせて生産拠点を設置することで、需要増への対応を確実に行うとともに、同地域での経済発展にも貢献していく考え。

 フィルム事業では、現在進めている中期経営課題〝プロジェクト AP‐G 2019〟の基本方針を「成長分野での高付加価値品拡販とグローバル拠点のフル活用による事業拡大」と設定し、BSF事業の拡大を最大の課題と位置付けている。

企業理念「わたしたちは新しい価値の創造を通じて社会に貢献します」のもと、環境負荷の低減に貢献するLIBの主要部材であるBSFの需要拡大に積極的に対応することで、あわせて世界シェアナンバーワンのBSFメーカーを目指していく。

【PPS特集2】東レ 特徴あるポリマーの開発へ、新分野で用途を開拓

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2019年7月19日

 東レは架橋型・直鎖型の両タイプのポリフェニレンサルファイド(PPS)をもち、ベースポリマーからコンパウンドまで一貫した生産を行っている。

 ポリマーについては東海工場と韓国の2カ所にプラントがあり、生産能力は合計で年産2万7600t。コンパウンドは名古屋事業場と中国の深圳・蘇州・成都、韓国、タイ、米国、ハンガリーの8カ所に、合計4万1200tの生産設備を設け、「トレリナ」ブランドにより、グローバルで製品を供給している。

 架橋型ポリマーは射出成形用、直鎖型ポリマーは射出成形用のほか、フィルムと繊維の素材などとして使用している。コンパウンドの用途のうち、半分強が自動車で、残りが電機・電子機器、OA機器、台所の水道栓や混合栓といった住宅関連部品など。

 製品グレードでは、ガラス繊維40%混合の「A504」「A604」、ガラス繊維と充填剤(無機フィラー)を60~65%混合した「A310M」「A360M」、ガラス繊維と無機フィラーにエラストマーを混合した「A575」「A673」「A675」など、大きく分けて3タイプを販売している。

 「A310M」「A360M」は、寸法安定性が求められる一般産業用途が多い。「A504」「A604」は靱性および強度が求められる水栓部品などが多いが、同じ水回りでも、線膨張が起きたり、水圧に耐える強度が求められたりする混合栓などは「A673」を提案している。

 需要が拡大している自動車用途でも、金属と樹脂の一体成形の際の位置・寸法精度などを確保するため、これらエラストマーグレードの使用が増えている。

 新しいグレードとしては「A660HV」がある。これは耐トラッキング性を改良したもので、高電圧化・小型化する

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東レ 5G向け電子部品に適した低誘電損失PI材料開発

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2019年6月3日

 東レはこのほど、大容量データの高速安定通信技術として普及しつつある5G通信や、自動運転などに用いられるミリ波レーダー向け電子部品に適したポリイミド(PI)材料を開発した。

 5G通信やミリ波レーダーには、従来から使用されている6GHz以下の周波数バンドに加え、ミリ波領域といわれる20GHz以上の新たな周波数帯での通信が必要。この技術の実用化には、高い周波数帯域での通信に適した誘電特性と、半導体実装に耐えられる耐熱性、銅配線との接着性などの物性値を満たす材料開発が求められる。

 フッ素樹脂系やビスマレイミド系などの既存材料は、半導体・電子部品に必要な主要物性値に課題があり、従来のPIは誘電特性に課題があった。高周波において誘電損失を低下させるには、高分子構造において分極を小さくすること(誘電率に対応)と、分極の動きを抑えること(tanδに対応)がカギとなる。

 同社は、長年蓄積してきた機能性PI設計技術を駆使し、精緻な分子設計と極限追求により、電気エネルギーの損失を0.001(20GHz)に抑える低誘電損失PIの開発に成功。LCPなど誘電特性の高い樹脂と比べても高耐熱性、機械物性、接着性の面で優位性があり、また低コスト化も実現した。

 現在、同材料をベースに、感光性付与、シート化などの開発を推進。同材料の適用により電気エネルギーの損失を抑え、大容量データの高速通信安定化や、ミリ波レーダーの距離測定性能向上、部品の小型化などが可能となる。

 同社は、5G通信時代に適した各種樹脂を事業化しており、今回開発した材料を新たにラインアップに加え、次世代の通信技術を支える半導体デバイス、電子部品などでの採用を図っていく。

 なお、新規開発品は滋賀事業場の既存設備で生産を行い、今後、増産や新たなプロセスが必要となれば設備投資を行う予定。事業規模については、5G通信が2020~21年頃に本格化すると見られることから、2022年度に売上高10億~30億円程度を目指していく考えだ。

東レの3月期 増収も原料価格上昇などにより営業減益に

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2019年5月15日

 東レは14日、2018年度(2019年3月期)の連結業績を発表した。売上高は前年比8%増の2兆3888億円、営業利益10%減の1415億円、経常利益12%減の1345億円、純利益17%減の794億円。

 セグメント別に見ると繊維事業は売上高7%増の9743億円、営業利益1%増の729億円。国内では、自動車関連など産業用途は総じて需要が堅調だったが、衣料用途は天候不順の影響もあり荷動きは低調に推移した。

 海外では、東南アジアなどの一部子会社の業績が低調であったほか、中国経済の減速により、年度後半から自動車関連用途向けなどで需要減速の影響を受けた。また、国内外とも全般的に原料価格上昇の影響を受けた。

 機能化成品事業は売上高8%増の8688億円、営業利益5%減の677億円。樹脂事業は、自動車用途向けに拡販するとともに、原料価格上昇に対する価格転嫁を推進したが、中国経済減速の影響を受けた。

 フィルム事業は、LIB用セパレータフィルムが需要の伸長を背景に出荷を拡大したが、原料価格上昇の影響がポリエステルフィルムなど広範にわたった。

 電子情報材料事業は、スマートフォン市場の需要鈍化の影響を受けた。炭素繊維複合材料事業は売上高21%増の2159億円、営業利益44%減の115億円。航空宇宙用途では、航空機向けサプライチェーンでの在庫調整が完了したことを受け、需要は概ね堅調に推移した。

 一般産業用途では、圧縮天然ガスタンクや風力発電翼などの環境・エネルギー関連向けを中心に、全体として需要が回復傾向となった。一方、原料価格の上昇や競合激化の影響を受けたほか、海外のコンポジット子会社で新規案件立ち上げに伴う費用などが増加した。

 環境・エンジニアリング事業は売上高8%増の2577億円、営業利益8%減の122億円。水処理事業は、国内外で逆浸透膜などの需要が概ね堅調に推移した。国内子会社では、商事子会社の取扱高が増加したが、海外のエンジニアリング子会社において、大型プラント工事案件が終了した影響を受けた。ラ

 ライフサイエンス事業は売上高0.3%減の537億円、営業利益33%減の13億円だった。

 2019年度の通期業績予想については、売上高6%増の2兆5300億円、営業利益13%増の1600億円としている。

NEDO 東レなどのスマートセル新規5テーマを採択

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2019年5月8日

 新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)は7日、スマートセルによる実用ターゲット物質生産のための新規5テーマを採択したと発表した。

 同事業は、植物や微生物の細胞から工業材料を生産する「スマートセルインダストリー」の実現を目指すプロジェクトの中で、これまで開発してきたスマートセル創出のための共通基盤技術などを用いて、実用ターゲット物質の生産性の向上を目的とするもの。ポリマー原料、産業用酵素、食品・化粧品・医薬品などへの展開が期待される化合物に関して、バイオ生産プロセスの確立を目指し技術開発を開始する。

 採択テーマと助成予定先は、①ポリアミド原料の発酵生産技術開発(東レ)②組み換えBurkholderia stabilis由来コレステロールエステラーゼ開発(旭化成ファーマ)③希少アミノ酸エルゴチオネイン高生産スマートセルの開発(長瀬産業)④スマートセル技術を応用した天然ヒト型長鎖セラミド高含有醤油麹菌の開発(福岡県醤油醸造協同組合)⑤生体触媒の反応機構推定に基づく高付加価値化成品の製造法開発(天野エンザイム)。

 事業期間はいずれも2019年度から2020年度まで。将来的な事業化に向けて先行事例となるテーマの課題解決を図り、スマートセルインダストリー実現に向けて開発した共通基盤技術の、さらなる向上を進めていく。

【わが社のオンリーワン製品1】東レ 多層積層フィルム「PICASUS」

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2019年4月26日

 東レの「PICASUS(ピカサス)」=写真=は、種類の異なる一層が約100nmのポリマーを、800~1000層積層させた金属光沢調フィルムである。積層型フィルムは他社にもあるが、これほど多くの積層数を持つものはない。

PICASUS ポリエステルが主成分で、金属を全く入れていないことから、電波の透過性に優れている。非金属でありながら金属と同等の光沢があるため、塗装やメッキが必要な用途に代替でき、環境負荷の低減に貢献する。

 通常のポリエステルフィルムに比べ成形性が優れているので、樹脂とのインサート成形や射出成型の表面に使うことも可能だ。裏面に着色することで多様な

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