東洋紡 ポリエステル製折り紙が〝おもてなし〟賞を受賞

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2020年1月14日

「オリエステルおりがみ」の作品例
「オリエステルおりがみ」の作品例

 東洋紡のポリエステルフィルムを使用した折り紙「オリエステルおりがみ」がこのほど、日本の魅力の〝おもてなし〟心あふれる商品やサービスに対して贈られる「OMOTENASHI Selection(おもてなしセレクション)2019」を受賞した。

 同賞は、複数の民間企業から構成される「OMOTENASHI NIPPON実行委員会」が主催するプログラムで、日本の優れた商品・サービスを発掘・認定し、国内外に発信することを目的に、2015年から開催されている。今回、日本の伝統文化である折り紙と、同社の最新技術とを組み合わせた革新性が評価され、生活雑貨・日用品のジャンルでの受賞となった。

 日本在住の外国人審査員を中心に審査が実施され、2019年度は全103の対象が認定された。「オリエステルおりがみ」は、同社の折れるポリエステルフィルム「オリエステル」を採用しており、水に強く、やぶれにくく、光沢感があることが特長。独自の加工技術により、ポリエステル製でありながら優れた折り曲げ性を付与した。

 折り紙のサイズは15㎝×15㎝。カラーミックス(18色+金銀)、ホログラムなど全18種類をラインアップし、280円~980円(税別)の価格帯で、東洋紡STCが販売する。東洋紡では、同賞の受賞を機に、「オリエステルおりがみ」の魅力を日本国内のみならず海外に向けても積極的に発信していく考えだ。

エコプロ2019 化学各社が環境問題への取り組みを紹介

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2019年12月9日

 アジアを代表する環境の総合展示会「エコプロ2019」が5~7日、東京ビッグサイトで開催された。21回目となる今回のテーマは「持続可能な社会の実現に向けて」。515社・団体が、環境問題への対応やSDGsへの取り組みなどを紹介した。

会場全景 化学メーカーのうち、JXTGエネルギーは全国7カ所で展開している、森林保全活動「ENEOSの森」をイメージした「ENEOSブース」を出展。環境保全活動・社会貢献活動、水素社会に向けた取り組みを紹介し、水素ステーションのジオラマや、水素充填機の実物大模型の展示などを行った。

 積水化学工業グループは「持続可能な未来のために積水化学グループが取り組むこと」をテーマに、気候変動の「緩和」と「適応」のソリューションとして、製品・技術・コンセプトを幅広く展示した。その1つ、雨水貯留システム「クロスウェーブ」では、1m角のプラスチック製貯留材の実物を積み上げ、パネルやビデオも使って効果などを説明していた。

 帝人グループはゼロエミッションビークルの実現に向けた環境技術や、プラスチック海洋ごみ問題への取り組みなどを紹介した。ゼロエミッションビークルでは、オーストラリアの世界最大級のソーラーカーレースに参戦した工学院大学の実機を展示。そこに搭載されたポリカーボネート(ウインドウ)、パラ系アラミド繊維(タイヤカバー)、炭素繊維(タイヤ、ボディ)などの実物とサンプルを展示して解説した。

 デンカは環境への取り組みの一環として、建設中のものを含めると17ヵ所になる、自社運営の水力発電によるクリーンエネルギーの利用や、自動車の電動化・軽量化を支える製品・技術などを紹介した。水力発電ではジオラマとビデオで発電の仕組みなどを説明した。

 東洋紡グループは様々な社会課題に対するソリューションを、「素材+サイエンス」で提供するとして、水処理膜や集塵フィルター用繊維などをPR。海水を脱塩して飲料水に変える高性能水処理膜「ホロセップ」については、実際に汚泥の濁りを除去するデモンストレーションを行った。

 日本ゼオンはオープンイノベーションプロジェクト「PROJECT LNES(ルネス)」による、10年後の未来を提案。軽くてデザイン性の高いソーラーカードの活用法を、ジオラマ風の展示により紹介していた。

 三菱ケミカルホールディングスは循環型社会に貢献できる製品として、生分解性プラスチック「BioPBS」やリサイクル炭素繊維、ペットボトル100%で作られたリサイクルポリエステル繊維などを展示。「BioPBS」では、土の中に3日間、15日間、45日間入れたものをそのまま展示して、どのように分解するかを示していた。

東洋紡の4-9月期 火災影響も注力製品好調で増収増益

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2019年11月11日

 東洋紡は7日、2019年度上期(4-9月期)の連結業績を発表した。売上高は前年同期比0・1%増の1649億円、営業利益同5%増の111億円、経常利益同3%増の90億円、純利益32%減の27億円だった。決算会見で斧泰三経理部長は「エアバッグ用基布は火災の影響を受けたが、主力製品の販売が好調に推移し増収増益を達成した」と総括した。

 セグメント別に見ると、フィルム・機能樹脂事業は売上高同2%減の764億円、営業利益同19%増の82億円。包装用フィルムは、環境配慮商品が好調だったが天候不順の影響を受けた。工業用フィルム、「コスモシャインSRF」とセラコン用離型フィルム「コスモピールの販売が好調だった。機能樹脂は、中国向けの非自動車用途が貿易摩擦の影響を受け不調だった。

 産業マテリアル事業は売上高同1%増の330億円、営業利益同75%減の5億円。エアバッグ用基布は、火災の影響と中国の需要減を受けた。原糸工場について斧部長は

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東洋紡 海水淡水化へ新技術、サウジで共同実証実験を開始

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2019年11月7日

 東洋紡は、海水淡水化プラントから排出される濃縮海水を効率的に利用する新しい膜技術の実用化に向け、先月9日にサウジアラビアの海水淡水化公団(SWCC)と、東洋紡の連結子会社であるAJMCとともに、共同実証実験の実施に関する覚書を締結した。

調印式で(左から)AJMC のサイードCEO、SWCC のアルハズミ総裁、東洋紡の楢原社長
調印式で(左から)AJMC のサイードCEO、SWCC のアルハズミ総裁、東洋紡の楢原社長

 実用化を目指すのは、「ブラインコンセントレーション(塩水濃縮)膜」=BC膜=と呼ばれる、高濃度の海水を処理するための新しい膜技術だ。東洋紡が長年培った中空糸型逆浸透(RO)膜の技術を応用したもの。BC膜を活用することで、海水淡水化プラントで真水を製造する過程で排出される濃縮海水を、希釈された海水とさらに高濃度な濃縮海水とに分離できる。

 希釈された海水は、海水淡水化プラントで再利用し、造水量を増加させ、高濃度の濃縮海水からは、蒸発・結晶化工程を経て、効率的な有価物の回収が期待されている。BC膜技術の実用化により、濃縮海水を余すことなく再利用する無排水化の実現に向けた取り組みを支援していく考えだ。

 雨水や地下水に乏しい中東地域では、海水から飲料水を作り出す海水淡水化プラントが多く稼働しており、中でもサウジアラビアでは、厳しい気候や人口増加、経済成長を背景に旺盛なプラント需要がある。

 東洋紡は、1980年代から海水淡水化プラント用として中空糸型RO膜を長年にわたり供給してきた。現在、中空糸型RO膜が作り出す真水は1日あたり約160万t、640万人分の使用量に相当する。

 今回の覚書締結を受け、3者はSWCCのアル・ジュバイル海水淡水化プラントに設置される実証実験装置の運転を開始する予定。BC膜の基本特性を把握するとともに、運転ノウハウを確立し、早期の実用化を目指す。

東洋紡 「マンシングウェア」商標権をデサントに譲渡

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2019年10月30日

 東洋紡は29日、デサント・伊藤忠商事の3社で共同保有している「マンシングウェア」の商標権について、伊藤忠商事とともに共有持分をデサントに譲り渡し、デサントの1社保有とすることに3社で基本合意したと発表した。商標権のデサントへの譲渡日は11月30日を予定。

 この件については、同ブランドのビジネス運営の重要な意思決定をデサントが単独で行うことで、より機動的かつダイナミックにビジネス展開していくことを目的に、昨年から商標権の1社集約を進めていた。昨年12月に一旦は中止としていたが、今年に入り再度検討を行った結果、今回の3社合意となった。

 東洋紡は、1984年にデサント・伊藤忠商事との3社共有で、日本とアジアでの商標権を取得。その後、35年にわたり、東洋紡が製造、伊藤忠商事が貿易、デサントが商品企画・販売を担い、3社共同で同ブランドのビジネスを展開してきた。

 東洋紡は今後も、両社と密に連携しながら、ユーザーに満足してもらえる高品質・高品位な「マンシングウェア」製品の開発・生産に注力し、同ブランドの価値向上に努めていく考えだ。

東洋紡 人財育成プログラム第2期始動、CFで事業創出

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2019年10月25日

 東洋紡は、クラウドファンディング(CF)を活用し、新規事業の立ち上げを促進する人材育成のための社内プログラム「みらい人財塾」の第2期を始動した。

東洋紡 「みらい人財塾」のワークショップの様子
「みらい人財塾」のワークショップ

 「みらい人財塾」の第1期は、昨年11月に開始。社内公募で選ばれた20~40代の社員30人が参加し、自社の素材・技術を生かした新商品を企画した。

 マクアケが運営する国内最大級のCFサービス「Makuake(マクアケ)」を活用し、第1弾商品として高機能なドッグウェア「HUGLABO(ハグラボ)」のCFを実施。目標を上回る資金を調達し、商品化が決定した。

 CFは発売前の段階で顧客(支援者)を獲得できることに加え、属性や意見などの情報を専用のツールで分析することも可能だ。「みらい人財塾」の参加者は、潜在的な顧客ニーズを基に、これまでにない新商品のアイデアを創出するだけでなく、自らが資金を調達することで、実際に商品を形にすることができる。

 同プログラムを実施し、新商品の企画・開発から販売までの一連のプロセスを実践的に経験させることで、新規事業の立ち上げに挑戦する人財を育成するのが狙いだ。先月24日から新たな参加者15人による第2期の活動を開始した。

 来春以降のCF実施に向け、新商品を企画し、事業化計画を作成していく。東洋紡は今後も同プログラムを継続し、新商品・新事業の創出に挑戦する人財育成を通じて、多様化する顧客のニーズに応えていく。

東洋紡 バイオマス由来のナイロン樹脂でフィルム製品化

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2019年10月17日

 東洋紡は、原料の一部にバイオマス(植物資源)由来のナイロン樹脂を使用した業界初の包装用フィルムとして、「バイオプラーナ 二軸延伸ナイロン(ONY)フィルム」を開発・製品化した。製品ラインアップは15㎛(片面コロナ処理と両面コロナ処理)。今月中にサンプル出荷を開始し、今年度中の量産開始を目指す。

 ONYフィルムは優れた耐ピンホール性や耐衝撃性が特長で、液体包装や詰め替えパウチ、レトルト包材など様々な用途で使用されている。近年ますます環境意識が高まる中、このたびバイオマス由来の樹脂を使用した包装用のONYフィルムを新たに開発。石油由来原料のみを使用したナイロンフィルムと同等の性能を実現した。

 バイオマス由来のナイロン樹脂を使用した包装用フィルムが製品化されるのは業界初。同社は2011年にバイオマス由来のポリエステル樹脂を使用した「バイオプラーナ PETフィルム」を上市し、食品包装用途を中心に幅広く採用されてきた。

 また、電気・電子部品や自動車関連素材用として、バイオマス原料を使用した高融点ポリアミド樹脂「バイロアミド」など、環境に配慮した製品を積極的に展開している。バイオマス由来のONYフィルムを新たにラインアップに加えることで、環境負荷の低減に貢献する製品の拡充に努めていく考えだ。

東洋紡 尿検体分析装置の新製品を開発 撮影画質を向上

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2019年10月15日

 東洋紡はこのほど、尿中の有形成分を調べる尿沈渣(にょうちんさ)検査の工程を自動化した、尿中有形成分分析装置の新製品「USCANNER premio」を開発した。今年度内に製造・販売を開始する。

USCANNER premio
USCANNER premio

開発品は、撮影画像の解像度を従来機種よりも向上させて、尿中の赤血球や白血球といった有形成分の、より鮮明な表示を実現した。また、オプションの「操作用増設端末」を使用することで、複数の検査技師により異なる検体の画像を同時に観察することが可能になる。異常が認められた大量の検体を効率的に分析できるため、患者が診断結果を受け取るまでの待ち時間の短縮に貢献する。

 尿沈渣検査は、腎臓や泌尿器の疾患を診断する際などに、尿中有形成分の種類や量を検査技師が顕微鏡で観察・分類・計測するもの。検査技師による手作業を多く必要とするため、特に大量の検体を扱う大規模病院などでは、自動化による検査の効率化が求められていた。

 同社は2001年に、検査技師が実施する、染色、標本作成、カラー染色画像の撮像、成分の分類・計測という一連の作業を全て自動化した、尿中有形成分分析装置「USCANNER」を上市。以来、製品の改良を重ね、これまでに、全国の大学病院や医療機関などで幅広く導入されている。検査技師の作業の負担を軽減するだけでなく、解析プログラムを活用した画像判定機能により、ばらつきのない安定した測定結果の取得を可能にした。

東洋紡 フィルム製造2社の子会社化を完了、商号も変更へ

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2019年10月8日

 東洋紡は帝人との株式譲渡契約に基づき、帝人が保有する帝人フィルムソリューション(TFS社)とインドネシア帝人フィルムソリューション(インドネシア:ITFS社)両社の株式を、10月1日付で取得し子会社化した。

 両社は共に、ポリエステルフィルム事業を展開してきた。工業用途では、車両の電装化の進展により需要が拡大するセラミックコンデンサ用離型フィルムなどの各種離型フィルム、包装用途では食缶用ラミネーションフィルムと、高品位のフィルム製品を供給。

 PEN(ポリエチレンナフタレート)フィルムでは、主に自動車向けの絶縁フィルム、フレキシブルプリント基板(FPC)用途といった、高機能で特徴のある製品を提供している。

 東洋紡はTFS社のもつ高い開発・生産技術と幅広い製品ラインアップを加えることで、高機能フィルム製品の開発・生産能力を強化し、フィルム事業基盤をさらに強固なものにしていく。また、ITFS社を傘下に置くことで海外生産体制を強化し、フィルム事業のさらなるグローバル化を図っていく。

 同日開催のTFS社とITFS社それぞれの臨時株主総会では、商号変更を決議した。TFS社は同日付で「東洋紡フィルムソリューション」に変更し、ITFS社は今月中旬に「インドネシア東洋紡フィルムソリューション」へと変更される予定。グループ企業であることを対外的に明確化するとともに、グループとしての一体感を醸成していく。

 東洋紡は今年5月22日付で、帝人との「株式の取得(子会社化)に関する株式譲渡契約締結」を開示していた。

 

東洋紡 「ホワイト物流」推進運動の自主行動宣言を提出

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2019年10月7日

 東洋紡は4日、国土交通省・経済産業省・農林水産省が提唱する「ホワイト物流」推進運動の趣旨に賛同し、先月30日に自主行動宣言を提出したと発表した。

 同推進運動は深刻化が続くトラック運転者の不足に対応し、トラック輸送の生産性の向上・物流の効率化や、女性などが働きやすい労働環境の実現を目指すもの。4月から国交省・経産省・農水省が上場企業などに参加を呼びかけている。

 東洋紡は今回、「物流の改善提案と協力」「パレット等の活用」「船舶や鉄道へのモーダルシフト」「契約の相手方を選定する際の法令遵守状況の考慮」「荷役作業時の安全対策」の5項目について自主行動を宣言した。

 各項目の中で、パレットを活用した荷下ろし時間の削減や、CO2排出量の少ない船舶輸送・鉄道輸送の積極的な利用といった取り組みをさらに推進し、持続可能な物流の実現を目指す。

 同社は昨年度には、犬山工場(愛知県)宛の海外からの荷材について、従来の神戸港ではなく、最寄りの名古屋港より配送するように変更し、輸送距離の短縮による温室効果ガス排出量の削減を図るなど、これまでにも、継続的な環境負荷低減や働き方改革の取り組みを進めてきている。