ダイセル こんにゃくセラミド構造、高い体内吸収性確認

, , , , ,

2021年5月6日

 ダイセルはこのほど、同社の機能性食品素材である「こんにゃくセラミド」の植物性スフィンゴイド塩基が体内への高い吸収性を示す研究成果を得たと発表した。同社と北海道大学は、2016年4月に同学内の「次世代物質生命科学研究センター」内に共同で設置した産業創出講座を中心に、「こんにゃくセラミド」がもつアルツハイマー病予防効果に関する研究に取り組んできた。

 そして、今回、北海道大学、国立感染症研究所、岩手大学と共同で実施した機能性食品として利用可能な非哺乳類型スフィンゴイド塩基の種類による代謝吸収率の違いに関する研究において、ラットに経胃投与した際、小腸からリンパ液への吸収性は「こんにゃくセラミド」の主要構造である植物性スフィンゴイド塩基が最も高いことを確認した。この成果から「こんにゃくセラミド」を摂取した場合も同様に高い吸収率が期待できる。なお、この研究成果は、3月公開の「Lipids in Health and Disease」誌に掲載された。

 ダイセルは2002年から「こんにゃくセラミド(こんにゃく芋粉抽出物)」を、食品素材として健康食品メーカーや化粧品メーカーなどに販売している。今後も、人々の「美と健康」に貢献する健康食品素材の開発を進めていく考えだ。

 

 

ダイセル こんにゃくセラミドの脳への移行性を確認

, , ,

2020年12月2日

 ダイセルはこのほど、北海道大学との共同研究により、同社の機能性食品素材である「こんにゃくセラミド」がマウスの試験を通じ、血液脳関門(BBB)を透過できるという成果を得たと発表した。

 両者は、2016年に同学内の「次世代物質生命科学研究センター」内に共同で設置した産業創出講座を中心に、「こんにゃくセラミド」がもつアルツハイマー病予防効果を研究してきた。こうした中、「こんにゃくセラミド」の主要成分である植物性セラミドをマウスに血中投与した際、BBBを透過して脳内へ蓄積することを実証した。

 アルツハイマー病の発症は、「アミロイドβペプチド」が脳内に過度に蓄積することが原因の1つとさる。「エクソソーム」という物質は、アミロイドβペプチドと結合し、これらを分解・除去することが明らかとなっている。「こんにゃくセラミド」は神経細胞のエクソソーム産生を促進し、アミロイドβペプチドの分解・除去する機能を増強。それによって脳内のアミロイドβペプチド濃度が低下することで、短期記憶の改善効果があることが示されている。

 今回は、これまで未解明だった、「こんにゃくセラミド」が体内吸収された後の植物性セラミドがBBBを透過して脳へ移行できるかどうかを明らかにするために、植物性セラミドのBBB透過性について培養細胞およびマウスを用いた研究を行った。

 今回の成果から、「こんにゃくセラミド」には、アルツハイマー病発症を防止できる可能性があり、今回の知見は新たな機能性食品や新薬開発に繋がることが考えられる。今後さらにヒト介入試験により「こんにゃくセラミド」の認知機能改善効果について検証していく予定だ。なお、この研究の成果は、今年11月公開の「PLOS ONE」誌に掲載されている。

 ダイセルは今後も、人々の「美と健康」に貢献する健康食品素材の開発を進めていく考えだ。

こんにゃくセラミド経口投与による認知症予防効果
こんにゃくセラミド経口投与による認知症予防効果