ちとせグループは、中核法人であるちとせ研究所が京都大学とともにNEDO(新エネルギー・産業技術総合開発機構)事業の一環として立ち上げた、AIによる自動培養制御技術の中心拠点「京都大学/ちとせ研究所拠点」の見学会を開催する。バイオものづくりの生産に課題を抱える企業や、同分野への新規参入を目指す企業などを対象に、参加を募っている。
同拠点は、
2023年10月18日
2023年9月11日
2023年3月29日
2020年10月6日
ちとせグループの中核企業であるちとせ研究所は5日、新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)が公募したバイオジェット燃料生産関連の技術開発事業に、「微細藻類由来の純バイオジェット燃料の製造に向けた藻類の長期大規模培養技術の確立」を目指すテーマが採択されたと発表した。
ちとせ研究所は、マレーシア・サラワク州の州立研究機関であるサラワク生物多様性センターや、サラワク州政府系の電力会社サラワク・エナジーらと共同で研究開発に取り組み、火力発電所の排気ガスを利用した藻類の長期大規模培養技術の確立を目指す。
光合成により二酸化炭素を吸収する微細藻類由来バイオジェット燃料の普及に向けては、十分な供給量の確保と生産コスト削減の観点から、数千㏊規模での藻類の大量培養が必要になる。今回の実証事業では、事業化を目指す上で最小単位となる5㏊規模での実証を行っていく。
日本と東南アジア全11社で活動するバイオベンチャー企業群のちとせグループは、これまで国内外の様々な環境下で、様々な藻類種、様々な藻類培養技術を応用し、多くの共同事業者と共に、複数の屋外実証プロジェクトを実施、その一部を商業化している。
これらの知見を生かし今回、5㏊の新規大規模藻類培養設備を構築し、熱帯気候の屋外環境下での純バイオジェット燃料製造に最適な微細藻類を選定することで、同微細藻類種を含む複数の微細藻類種を使って火力発電所排気ガスを利用した大規模藻類培養の実証を行う。また、実証データを基にバイオジェット燃料の社会実装を見据えたTEA(技術経済分析)、LCA(ライフサイクルアセスメント)を実施していく予定だ。
2019年9月9日
バイオベンチャー企業群のちとせグループで、研究・事業開発を行うちとせ研究所(神奈川県川崎市)は、AI(人工知能)を活用したバイオ生産管理システムの開発を開始する。
食品や化学、医薬などの様々な業界での生物資源を活用したバイオ生産現場に適用可能な業界横断型AIシステムと、そこで収集したデータを効果的に活用するための業界共用データ基盤の開発に取り掛かる。
同事業は、新エネルギー・産業技術総合研究所(NEDO)が助成する、「Connected Industries推進のための協調領域データ共有・AIシステム開発促進事業」として、6日に採択されたもの。三井化学やカネカ、味の素、協和発酵バイオ、長岡技術科学大学など、8者の共同・委託研究先の協力の下、2021年度までの開発を目指す。
ちとせ研究所は同事業を推進する中で、バイオ生産マネジメントシステム実現に向け、データ基盤システムの運用や利便性の向上、リアルタイムの情報共有を行い、課題の抽出・改善を通じて、バイオエコノミー市場に生産マネジメント共通基盤を提供する。生産効率向上に有効なデータを共通化することで市場拡大に貢献していく考えだ。
AIやIoTを高度に活用し、社会課題の早期解決と新産業の創出を両立する新たな社会「Society 5.0」。政府はその実現に向け、技術や人、モノ、機械、企業などさまざまなつながりによって新たな付加価値を生み出す産業社会「コネクテッド・インダストリーズ」政策を推進している。
重点5分野の1つであるバイオ・素材分野については、バイオ生産現場では旧来からの職人技に頼ることが多く、AIを用いた人の制御を超える生産マネジメントシステムの構築が期待されている。
同事業では、従来バイオ生産現場で活用されていなかった光学系や電気化学系などのセンサーデータと、生物資源を有価物に変換するための培養技術との相関関係を見いだすことで、人間の経験と勘では従来不可能だった最適な培養手法を予測するAIシステムの開発と、培養効率を格段に引き上げる手法の早期確立を目指す。