DICはこのほど、経済成長著しいインドの塗料用樹脂市場への本格的な進出を目指し、4月27日に同国のアイディール ケミ プラスト社(マハラシュトラ州)を買収したと発表した。投資額は非公開。
アイディール社は、2004年に設立の中堅塗料用樹脂メーカー。自動車補修・コイルコーティング・木工塗料などに用いるアクリル樹脂やアルキド樹脂、ポリエステル樹脂の製造販売を行っている。
創業メンバーの経験と人脈を生かしたマーケティング力と、ユーザーニーズにマッチした製品開発の技術力を強みに、優れた性能と低コストを実現する製品の提供を通じ、インド国内外の顧客から高い信頼を得ているという。
DICは、インド塗料市場に精通した企業と手を結ぶことで、成長性の高い同市場に本格参入を図るため、同社と協議を重ねてきた。今回、DICのハイエンド製品に対応した樹脂開発力と、アイディール社がもつノウハウやサプライチェーンを融合することで、短期間でインド市場でのポジションを高められると判断し、買収に至った。
DICグループは、新中期経営計画「DIC111」(2019~2021年)の中で、パフォーマンスマテリアル事業のグローバル化を掲げ、南アジアでの生産拠点拡充を地域戦略としている。成長地域であるインドをグローバル展開を加速する重要な地域と位置づけ、今後、アイディール社を足掛かりに近隣国のグループ会社と連携し、共同での製品開発や設備投資も進めながら、事業規模を拡大していく方針だ。