出光興産など6社は2日、東芝研究開発センターが開発したCO2を一酸化炭素(CO)に電気分解する技術を活用するP2Cプロセスにより、排ガスなどからのCO2を「持続可能なジェット燃料(SAF)」に再利用する、カーボンリサイクルのビジネスモデル検討を開始することに合意したと発表した。
今回、検討に参加したのは、出光興産、東芝エネルギーシステムズ、東芝、東洋エンジニアリング、全日本空輸、日本CCS調査の6社。今後、各社がもつ知見・技術、プラント設備などを生かし、SAFを供給するサプライチェーンの課題抽出や将来のビジネスモデルの検討を共同で実施する。
具体的には、産業設備の排出ガスなどから分離回収したCO2を原料として、再生可能エネルギーと水素を利用しSAFを製造、フライトまでの供給サプライチェーンの上流から下流まで、一気通貫した検討を行う。
日本ではパリ協定に対するNDC(国が決定する貢献)で示したCO2排出削減目標の達成に向け、CO2の分離貯留や資源化、再生可能エネルギーの主力電力化や水素利用の拡大、燃料の脱炭素化などの環境イノベーションが期待されている。
また、航空業界ではICAO(国際民間航空機関)がCORSIA(国際航空のためのカーボンオフセットおよび削減スキーム)の中でCO2排出削減目標を定めており、効果的な削減手法の1つであるSAFを使用する運航に向け、その安定的製造・供給が強く求められている。高いCO2排出削減能力をもつP2Cプロセスは、CO2を原材料としてSAFを製造する次世代技術として期待が高い。
各社は、持続可能な社会の実現を目指し、SAFサプライチェーンの将来ビジネスモデルについて共同で検討を進めていく。