NEDO 地熱発電所のトラブル予兆診断システムを完成

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2022年8月25日

 NEDO(新エネルギー・産業技術総合開発機構)はこのほど、東芝エネルギーシステムズが完成させた、地熱発電所のトラブルを20%以上抑制できる予兆診断システムについて、インドネシアの国営地熱発電会社であるGDEが運転管理するパトハ地熱発電所とIoTサービスの契約を締結し、今年7月から有償サービスを開始したと発表した。再エネが国内外で望まれる中、地熱発電は天候や昼夜を問わず安定的に発電できるベースロード電源として注目を集めている。

パトハ地熱発電所

 特に日本は世界第3位の地熱資源ポテンシャルを有しており、

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出光興産 CO2を航空燃料に資源化、環境省委託事業に採択

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2021年8月25日

 出光興産など6社は24日、環境省地球環境局が公募した「令和3年度二酸化炭素の資源化を通じた炭素循環社会モデル構築促進事業」に対して、「人工光合成技術を用いた電解による地域のCO2資源化検討事業」を提案し委託事業として採択されたと発表した。出光興産、東芝エネルギーシステムズ、東洋エンジニアリング、東芝、日本CCS調査、全日本空輸の6社は、今年9月から共同で実証事業を行う。

  これまで6社は連携して、東芝研究開発センターが開発したCO2を一酸化炭素(CO)に転換するCO2電解技術を使い、COと水素から液体燃料を合成するFT(フィッシャー・トロプシュ)合成技術と組み合わせて、「持続可能な航空燃料(SAF)」を製造する、P2C(再エネや再エネ水素などを活用しCO2を環境価値の高い有価物に再利用する技術)による炭素循環ビジネスモデルを検討してきた。

 この取り組みが環境省の委託事業に採択され、今後6社は地域のインフラや特徴を生かしてカーボンリサイクルを地域内で実現させ、脱炭素化の促進と地域振興を両立させる検討を行う。具体的には、東芝エネルギーシステムズが実用規模のCO2電解装置のプロトタイプを製作し、同社の浜川崎工場(神奈川県川崎市)で運転実証を実施。これをベースに、各社がもつ知見・技術や関連するプラント設備などを生かし、CO2の分離回収からSAF製造、消費までの全工程を、北海道苫小牧市を含む候補地で実証することを想定した基本計画を作成する。これから得られたデータ・知見を、地域の炭素循環社会モデルに反映させ、事業成立性を評価する。

 6社は今回の実証事業を通じ、炭素循環に基づくSAFサプライチェーンの商業化や、地域の活性化の促進に貢献していく。

NEDOなど 耐久レース参戦水素エンジン車に水素提供

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2021年6月8日

 新エネルギー・産業技術総合開発機(NEDO)など6者は、先月21~23日に富士スピードウェイで開催された「スーパー耐久シリーズ2021第3戦」の参戦車両に、水素エンジンの燃料の一部として低炭素水素を提供した。

 参戦車両は、トヨタ自動車が新たに開発した、レーシングチーム「ORC ROOKIE Racing」の水素エンジン車で、燃料電池車が水素と酸素の化学反応で発生した電気でモーターを駆動するのに対し、水素を燃焼して動力を発生させるもの。ガソリンエンジンの燃料供給系と噴射系を変更。微量のエンジンオイル燃焼分を除き、走行時にCO2を発生しない。優れた環境性能と同時に、音や振動を含めた「クルマを操る楽しさ」を実現する可能性を秘めている。

 一方、NEDOが提供した低炭素水素は、福島県浪江町の実証設備「福島水素エネルギー研究フィールド」(FH2R)で製造した水素。東芝エネルギーシステムズ、東北電力、東北電力ネットワーク、岩谷産業、旭化成とともに、再生可能エネルギーと世界最大級の水素製造施設を利用し、低コストでクリーンな水素製造技術の確立を目指している。昨年2月の完成以降、主に圧縮水素トレーラーやカードル(ガス貯蔵容器)で定置式燃料電池の発電用途として福島県内の需要先へ供給する実証試験を行っている。

 NEDOは今後もFH2Rでの取り組みを通じ、水素エネルギーの普及拡大に向けた情報発信を進めていく。なおレースで最終ドライバー務めたトヨタの豊田章男社長は、水素社会にあっても既存の内燃機関を生かすことの重要性に言及した。結果は完走。走行距離1634Km、走行時間11時間54分、水素充填回数35回、充填時間は4時間5分であった。

ENEOSなど 横浜市と水素FC船実証の包括連携協定を締結

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2021年3月17日

 ENEOS、日本郵船、東芝エネルギーシステムズ、川崎重工業、日本海事協会の5者はこのほど、「高出力燃料電池搭載船の実用化に向けた実証事業」について、横浜市と包括連携協定書を締結したと発表した。

 同事業は、昨年9月に新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)の助成事業に採択されたもの。5者は連携により、①高出力燃料電池搭載内航船舶(水素FC船)の開発②船舶向け水素燃料供給の開発③船舶での水素エネルギー利活用の情報発信④その他、災害時の高出力燃料電池搭載内航船舶を活用した事業継続性の検討―を行っていく。

 横浜市では、港湾での脱炭素化の実現を目指し、カーボンニュートラルポートの形成に向けた取り組みを進めている。5者は水素FC船の開発・実証運航(2024年予定)に向けて、横浜市と連携して取り組みを進め、環境に配慮した船舶への対応をいち早く進めるとともに、横浜港から脱炭素化社会の実現に貢献していく考えだ。

 なお、カーボンニュートラルポートとは、国際物流の結節点・産業拠点となる港湾で、水素、アンモニアといった次世代エネルギーの大量輸入や貯蔵、利活用などを図るとともに、脱炭素化に配慮した港湾機能の高度化を通じて温室効果ガスの排出を港全体としてゼロにする構想。

旭化成ら 福島FH2Rの水素をロックコンサートに提供

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2020年12月25日

 旭化成など6者は24日、水素製造の実証試験を行う「福島水素エネルギー研究フィールド(FH2R)」で製造された水素を、ロックバンド「LUNA SEA」のコンサートに提供すると発表した。提供する水素は燃料電池自動車(FCV)に充填。FCVが発電を行い、コンサートで使用される全ての楽器に電気を供給する予定となっている。

福島水素エネルギー研究フィールド( FH2R)
福島水素エネルギー研究フィールド( FH2R)

 再生可能エネルギーを利用した世界最大級の水素製造施設「FH2R」には、旭化成のほか、新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)、東芝エネルギーシステムズ、東北電力、東北電力ネットワーク、岩谷産業が参画、低コストでクリーンな水素製造技術の確立を目指している。

 FH2Rは今年2月、福島県浪江町にて開所し、水素製造の実証試験を開始。現在、同施設で製造した低炭素水素は、主に圧縮水素トレーラーやカードル(ガス貯蔵容器)を用いて、定置式燃料電池向けの発電用途として、福島県内の需要先へ供給試験を開始している。

 こうした中、ロックバンド「LUNA SEA」が、さいたまスーパーアリーナで開催(12月26、27日)するコンサートに、FH2Rの低炭素水素が活用されることとなった。FH2Rから搬送された低炭素水素は、岩谷産業が運営する「イワタニ水素ステーション群馬高崎」で、FCVへ充填し、コンサート会場へ運搬された。

 今後も6者は、FH2Rでの取り組みを通じ、水素エネルギーの普及拡大に向けた情報発信を進めていく考えだ。

出光など カーボンリサイクルのビジネスモデル検討開始

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2020年12月3日

 出光興産など6社は2日、東芝研究開発センターが開発したCO2を一酸化炭素(CO)に電気分解する技術を活用するP2Cプロセスにより、排ガスなどからのCO2を「持続可能なジェット燃料(SAF)」に再利用する、カーボンリサイクルのビジネスモデル検討を開始することに合意したと発表した。

 今回、検討に参加したのは、出光興産、東芝エネルギーシステムズ、東芝、東洋エンジニアリング、全日本空輸、日本CCS調査の6社。今後、各社がもつ知見・技術、プラント設備などを生かし、SAFを供給するサプライチェーンの課題抽出や将来のビジネスモデルの検討を共同で実施する。

 具体的には、産業設備の排出ガスなどから分離回収したCO2を原料として、再生可能エネルギーと水素を利用しSAFを製造、フライトまでの供給サプライチェーンの上流から下流まで、一気通貫した検討を行う。

 日本ではパリ協定に対するNDC(国が決定する貢献)で示したCO2排出削減目標の達成に向け、CO2の分離貯留や資源化、再生可能エネルギーの主力電力化や水素利用の拡大、燃料の脱炭素化などの環境イノベーションが期待されている。

 また、航空業界ではICAO(国際民間航空機関)がCORSIA(国際航空のためのカーボンオフセットおよび削減スキーム)の中でCO2排出削減目標を定めており、効果的な削減手法の1つであるSAFを使用する運航に向け、その安定的製造・供給が強く求められている。高いCO2排出削減能力をもつP2Cプロセスは、CO2を原材料としてSAFを製造する次世代技術として期待が高い。

 各社は、持続可能な社会の実現を目指し、SAFサプライチェーンの将来ビジネスモデルについて共同で検討を進めていく。

 

旭化成と東北電力ネットワーク 浪江町のNEDO水素実証事業に参加

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2020年9月17日

 旭化成など5社はこのほど、東芝エネルギーシステムズ、東北電力、岩谷産業の3社が、2016年から福島県浪江町で進めてきた、新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)の水素実証事業について、同事業のさらなる拡充・強化を目的に、旭化成と東北電力ネットワークが新たに参加し、さらに期間を2023年2月末まで延長した委託契約を締結したと発表した。

 NEDOの実証事業は「水素社会構築技術開発事業/水素エネルギーシステム技術開発/再エネ利用水素システムの事業モデル構築と大規模実証に係る技術開発」(2016~2022年度)で、2016~17年度は基礎検討(FSフェーズ)を実施。2017~2020年度まではシステム技術開発(実証フェーズ)を実施している。

 今年3月には「福島水素エネルギー研究フィールド(FH2R)」が開所。世界最大規模の10MW級水素製造装置を活用し、電力系統への需給バランスの調整に貢献することで、蓄電池を使わずに出力変動の大きい再生可能エネルギーの電力を最大限利用するとともに、クリーンで低コストの水素製造技術の確立を目指してきた。

 今後は5社体制で、実証フェーズを2022年度まで延長し、「Power‐to‐Gas」の実用化に向けた技術の確立を目的として、各種制御システム(水素エネルギー運用システム、電力系統側制御システム、水素需要予測システム)や水電解技術のさらなる高度化を目指していく。

 旭化成は、同事業向けに世界最大規模の10MW級大型アルカリ水電解装置を自社技術で新規設計し納入。今後は、サプライヤーの立場から委託事業者として事業に参画し、主に水電解装置関係の技術開発を担当。同事業で得た成果により、大型水電解装置の早期実用化を目指す。

 5社は、同事業を通じ、再生可能エネルギー由来の水素の利用拡大に向けた技術開発を推進。水素エネルギー運用システムの最適運用を行うことで、2030年以降の持続可能な「Power‐to‐Gas」事業モデルの商用化を見据え、再生可能エネルギーの利用拡大へ向けた取り組みを推進していく考えだ。

水素実証事業の全体像
水素実証事業の全体像

 

 

 

NEDOなど 福島で世界最大級の水素製造施設が完成

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2020年3月16日

 NEDOと東芝エネルギーシステムズ、東北電力、岩谷産業はこのほど、2018年から福島県浪江町で建設を進めてきた、再生可能エネルギー(再エネ)を利用した世界最大級となる10メガワットの水素製造装置を備えた水素製造施設「福島水素エネルギー研究フィールド(FH2R))」が2月末に完成し稼働を開始したと発表した。

 同施設は、再エネなどから毎時1200ノルマル立方メートル(定格運転時)の水素を製造する能力を持つ。電力系統に対する需給調整を行うことで、出力変動の大きい再エネの電力を最大限利用するとともに、クリーンで低コストな水素製造技術の確立を目指す。

 なお、製造された水素は、定置型燃料電池向けの発電用途、燃料電池車や燃料電池バス向けのモビリティ用途などに使用。主に圧縮水素トレーラーやカードルを使って輸送し、福島県や東京都などの需要先へ供給する予定だ。

 水素は、電力を大量に長期で貯蔵できることに加え、長距離輸送が可能。また、燃料電池によるコジェネレーション(熱電併給)や、燃料電池車など、さまざまな用途に利用できる。将来的には、再エネ由来の水素を活用し、製造から利用に至るまで一貫したCO2フリーの水素供給システムの確立が望まれている。

 政府が2017年に公表した「水素基本戦略」では、再エネの導入拡大や出力制御量の増加に伴い、大規模で長期間の貯蔵を可能とする水素を用いたエネルギー貯蔵・利用(Power‐to‐Gas)が必要とされている。

 この水素を用いたエネルギー貯蔵・利用には、出力変動の大きい再エネを最大限活用するための電力系統需給バランス調整機能(ディマンドリスポンス)だけでなく、水素需給予測に基づいたシステムの最適運用機能の確立が必要となる。こうした中、NEDOなど4者は、再エネの導入拡大を見据え、ディマンドリスポンスとしての水素活用事業モデルと水素販売事業モデルの確立を目指した技術開発事業に注力。

 水素の製造・貯蔵と電力系統の需給バランス調整の最適な組み合わせを、蓄電池を用いることなく水素エネルギー運用システムにより実現することが今回の実証運用の最大の課題だ。

 FH2Rでは今後、それぞれの運転周期の異なる装置で、電力系統のディマンドリスポンス対応と水素需給対応を組み合わせた最適な運転制御技術を検証する。

 

JXTGエネルギーなど 五井火力発電所の更新で工事請負契約を締結

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2019年7月1日

 JXTGエネルギーとJERAは28日、両社が共同出資する「五井ユナイテッドジェネレーション」と、東芝エネルギーシステムズ、東芝プラントシステムの3社間で、五井火力発電所の更新計画に関して発電設備建設工事請負契約を同日に締結したと発表した。2021年の建設工事の着工を目指し、環境負荷の低減に配慮した、競争力の高い最新鋭のLNG火力発電所の稼働に向けた準備を本格的に開始する。

 新設備はガスタービンコンバインドサイクル方式で、出力は78万kWが3基の234万kW。2024~25年の運転開始を目指す。

 五井ユナイテッドジェネレーションは、JERAとJXTGエネルギーが昨年9月6日付で締結した「五井火力発電所更新計画の共同開発検討に関する基本合意書」に基づき協議を行い、今年3月29日に設立した合弁会社。今回の計画の実施主体として、火力発電設備の建設と運転・保守、発電した電力の供給を行う。

 両社はそれぞれが所有するノウハウやリソースを共有することで計画の価値をさらに高め、国際競争力のあるエネルギーの安定供給と低炭素社会実現への貢献を目指す。