住友商事 米の金属3Dプリンティング企業に出資

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2018年9月18日

 住友商事はこのほど、米州住友商事を通じて、金属系材料を用いた3Dプリンティング(積層造形)技術を持つ米国シンタビア社に出資したと発表した。

 シンタビア社は金属系材料の3Dプリンティング技術を持ち、特に航空宇宙やオイル&ガス市場で強みを持つ。3Dプリンティングに加え、製品設計、粉末試験、機械加工、熱処理、品質検査などの工程を全て自社内で完結することができる。

 また、航空宇宙業界で非常に高い品質管理能力が求められる国際認証を持っており、品質管理能力にも優れている。高度な3Dプリンティング製造・設計技術や、付随する機械加工、熱処理、品質保証などの製造・品質管理能力により製造された部品は、航空宇宙産業をはじめとする幅広い産業へ提供されている。

 住友商事グループは、将来的にグローバルな成長が期待できる金属材料系3Dプリンティング製品製造企業であるシンタビア社に出資することで、同社の持つ技術力を生かし、これまで構築してきた国内外の航空宇宙、オイル&ガス業界の顧客を中心に、より一層の価値を提供していく。

 航空宇宙市場では、既存の国内外顧客に対する3Dプリンティング製品の提供、オイル&ガス市場では、子会社である米国ハウコ社取扱製品の一部3Dプリンティング化を追求する。

 3Dプリンティング技術は1980年代から研究開発が進められ、樹脂系材料を中心に様々な場面で実用化されている。金属系材料でも従来製法では実現できなかった複雑形状の製造が可能となることから、一部実用化が進んでいる。

 今後、様々な産業で3Dプリンティングの技術導入が見込まれており、部品の開発期間の短縮、在庫の削減、物流・保管コストの削減などの効果が期待されている。