新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)とセキュアオープンアーキテクチャ・エッジ基盤技術研究組合(TRASIO)はこのほど、安全なIoT社会の実現に向けてセキュリティ技術の普及を図る「オープンコミュニティ powered by TRASIO」を設立した。
IoT社会では、従来のクラウド集約型ではなくネットワーク末端で情報処理するエッジコンピューティングが必要で、膨大なデータの処理電力の劇的低減も求められる。NEDOは既存技術の延長線上にはない、高速化と低消費電力化を両立する技術確立を目指し「高効率・高速処理を可能とするAIチップ・次世代コンピューティングの技術開発」プロジェクトを進めている。
一方、IoT機器を利用したサービス提供には、「提供サイドが想定する正規IoT機器」か「非正規IoT機器や正規IoT機器になりすました悪意のあるIoT機器」かを確実に判断し、正規の機器のみにサービスを提供する手段が必要だ。
こうした中、日立製作所、エヌエスアイテクス、慶應義塾、産業技術総合研究所、セコムの5者はTRASIOを設立し、同プロジェクトの「革新的AIエッジコンピューティング技術」のなかの「セキュアオープンアーキテクチャ基盤技術とそのAIエッジ応用研究開発」を担当。昨年、オープンアーキテクチャ「RISC‐V(リスク・ファイブ)」を開発した。
今回、これをベースに開発したセキュリティシステムの紹介や試使用、ハンズオン体験を図る場として、同オープンコミュニティを設立。RISC-Vセキュリティシステムの認知度を上げるとともに、あらゆるユーザーの意見を取り入れて開発成果の最大化を図る。今後、国内企業・法人などを対象にセミナーやフォーラム、活動報告会を通して新技術の解説や実応用ガイドの説明、RISC-Vの国際標準化に向けた活動を報告する。