三洋化成工業はこのほど、エクソソームなどの細胞外小胞(EV)を、簡単な操作で短時間に高純度で高収率に回収することができる精製キット「EXORPTION(エクソープション)」を開発し、コスモ・バイオとタカラバイオを通じ、今月から販売を開始した。
三洋化成が
2024年5月27日
2023年7月11日
2022年11月11日
2022年10月3日
2022年8月22日
2021年9月28日
タカラバイオはこのほど、下水に含まれる新型コロナウイルス遺伝子を高感度かつ迅速に検出可能なPCRキットの受注を開始した。
多くの感染者の糞便中には、ウイルスが存在する可能性が報告されており、下水中に排出されたコロナウイルス遺伝子を定期的にモニタリング調査することで、対象施設あるいは地域の感染症の流行状況などを把握する下水疫学に関わる研究が進められている。
同製品は、下水からのコロナウイルス遺伝子検出に必要なPCR試薬(PCR酵素液、プライマー・プローブ、陽性コントロールなど)が含まれたオールインワンキットで、煩雑な準備作業の省力化に貢献する。
プライマー・プローブには、「下水中の新型コロナウイルス遺伝子検出マニュアル」の記載に準拠した配列を使用し、従来の検出法を簡便に実施できる検査キットとして製品化。下水中のコロナウイルスに加え、ウイルスの濃縮から検出までの操作を確認するためのプロセスコントロールの検出にも対応する。
同製品では、ワンステップRT-PCR法の採用により、下水中の低濃度のコロナウイルスを高感度に検出できる。また、従来はRT-qPCR反応に3時間以上を要したが、同社の高速PCR技術の採用により、同製品では最短で約50分へ大幅に短縮された。
なお、同製品は、山梨大学大学院総合研究部附属国際流域環境研究センターの原本英司教授との共同研究を通じて製品化した。同製品により下水中のコロナウイルス遺伝子検出の迅速・効率化を実現することで、コロナウイルス感染の疫学調査・研究に役立つことが期待される。
2021年5月19日
タカラバイオはこのほど、新型コロナウイルス変異株の変異検出用リアルタイムPCR試薬(研究用試薬)の販売を開始した。検体からウイルスRNAを精製する工程が不要で、迅速・簡便に1時間以内で検出が可能だ。
新型コロナウイルスの変異株による感染が増加しているが、スパイクタンパク質のN501YとE484Kの2カ所の変異を検出する迅速・簡便なリアルタイムPCR試薬。コアキット(PCR酵素ミックスと前処理試薬のセット)と、N501YとE484Kの変異をそれぞれ特異的に検出できるプライマー/プローブから成り、これらを組み合わせて変異検出に使用できる。
コアキットには現在販売中の研究用試薬「SARS-CoV-2 Direct Detection RT-qPCR Kit」と同じダイレクトPCR技術が使われており、一般的な検査キットのようにRNAを精製する必要がない。唾液などの検体に前処理試薬を添加して加熱するだけでPCRを開始でき、検査時間は1時間以内で、大幅に時間短縮できる。また、同社のqPCR装置や市販のqPCR装置への適合性も確認している。なお、製品化は群馬パース大学大学院木村博一教授の監修によるもの。
同社はすでに、新型コロナウイルス変異株解析のための次世代シーケンサーによるゲノム配列解析サービスを行っているが、特定の変異株の検出を簡便に行う方法を提供することで、PCR技術、遺伝子工学技術を通して新型コロナウイルス感染症対策に貢献していく考えだ。
2020年9月4日
カネカはこのほど、グループ会社カネカユーロジェンテック(ベルギー)が、アンジェス(大阪府茨木市)や大阪大学などが開発を進めている新型コロナウイルス用DNAワクチンの大量生産に向け、タカラバイオを中心とする製造体制に参画したと発表した。同ワクチンは大阪大学とアンジェスのプラスミドDNA医薬品開発の実績をもとに開発され、今年6月から臨床試験を開始。実用化に向けて開発が加速している。
カネカユーロジェンテックは、1985年から医薬・診断薬、研究試薬用のタンパク質、核酸、ペプチドの製造販売を行っている。世界トップクラスのプラスミドDNA技術をもつことから、同ワクチンの中間体製造を受託した。なお、同社はベルギー政府の要請で、新型コロナウイルス検査用のPCR検査試薬も供給している。
カネカは、mRNAやプラスミドDNAなど最先端の高度技術を活用し、ワクチンの受託製造や抗ウイルス薬の開発、医療器を用いたソリューション提供などにより新型コロナウイルス問題の課題解決に貢献し、世界を健康にしていく考えだ。