トクヤマは28日、2022年3月期第2四半期(4-9月期)の連結業績を発表した。売上高は前年同期比7%減の1327億円、営業利益10%減の117億円、経常利益4%減の120億円、純利益7%減の93億円となった。
オンラインによる決算会見において横田浩社長は「半導体関連やヘルスケア関連の堅調な
2021年10月29日
2021年10月12日
2021年10月12日
2021年9月15日
トクヤマとパナソニックは14日、トクヤマの徳山製造所(山口県周南市)で発生する副生水素を使った純水素型燃料電池の実証を開始したと発表した。実証期間は2023年3月までを予定している。
世界的に脱炭素社会の実現に向けた取り組みが加速する中、次世代エネルギーの1つとして水素への関心が高まっている。カセイソーダの製造工程で副次的に発生する副生水素の有効活用は、地球温暖化防止やエネルギーセキュリティの観点のみならず、化学産業にとっても社会貢献へ活用できるものであり、大きな意義がある取り組みになる。
今回、徳山製造所内に設置した実証機は、パナソニックが開発する6台の純水素型燃料電池を1つのユニットに収めたシステム構成。水素の供給配管や熱配管、電力出力ラインなどを集約してユニットに接続し、6台の純水素型燃料電池を1つのシステムとして稼働させる連携制御を実現した。なお、純水素型燃料電池の六台連携制御の実証は、国内で初となる。
トクヤマは、イオン交換膜食塩電解法でカセイソーダを製造する際に発生する副生水素を、純水素型燃料電池に安定供給。実証機で発電した電力は製造所内の事務室で使用し、発電時に生成する熱も温水にして回収し有効利用する。トクヤマでは、副生水素の有効活用を図るとともに、水素を活用した地域貢献モデルの検討を進めているが、今回の実証もその一環となる。
一方、パナソニックは、副生水素を使用した場合の稼働性能に加えて、連携制御の検証・評価を行う。実証に使う純水素型燃料電池単体の発電出力は700Wだが、6台の実証機を個別に稼働および停止させることができるため、700W~4.2kWで任意の発電出力に設定することが可能。将来的には、連携制御による大規模な電力需要への対応を想定している。さらに、仮に1台が故障したとしても残りの5台は継続して稼働させることができる。そのため、順番にメンテナンスを行えばシステムとして電力の連続供給も可能となるなど、連携制御により運用の柔軟性向上が期待される。
両社は、今回の実証を通じて、水素社会の実現を目指した取り組みをさらに進めていく。
2021年9月3日
2021年8月31日
トクヤマなど5社は30日、水素を燃料とした貨物船舶の導入により、地球環境に配慮した次世代型内航船の商用運航を共同検討していくと発表した。今回、基本合意書を締結したのは、トクヤマ、イコーズ、商船三井テクノトレード、商船三井内航、本瓦造船の5社で、プロジェクト名称「SHE’s(シーズ)」には、水素燃料船(Ships powered by Hydrogen Energy)、種(Seeds=水素燃料利活用の最初の姿)、海(Seas=海での水素の利活用)の意味を込めている。
国土交通省の主導により策定した地球温暖化対策計画では、内航海運のCO2排出量について、2030年度までに157万t削減(2013年度比)を目標に掲げ、省エネ船舶の普及を図っている。
こうした中、同プロジェクトでは、内航船舶のカーボンニュートラル化の重要な取り組み課題の1つである水素燃料貨物船の実用化に向け、①水素燃料貨物船の導入および実装(船舶の仕様の検証、関連法規の調査・整理)、②船舶への燃料供給方法およびエネルギーマネジメントシステム、③導入する技術に関するリスクマネジメント、④トレードオフ関係にある物流コストと環境コストの調和検証、などを検討し、内航海運により排出されるGHG(温室効果ガス)の削減を目指す。
なお、今後プロジェクトを進めていく中で協力企業・団体などが参加する可能性もあるとしている。
2021年8月11日
2021年8月2日
トクヤマは30日、先進技術事業化センター(山口県柳井市)内の窒化ケイ素製造設備の建設工事完了に伴い、竣工式を開催したと発表した。竣工式には、山口県知事、柳井市長をはじめ、山口県議会、柳井市議会、工事関係者が臨席した。なお量産実証試験の開始は8月を予定している。
同社は、電子材料事業を成長事業の1つに位置づけており、放熱材分野ではこれまで窒化アルミニウムを中心に展開。こうした中、製品ラインナップの拡充を図るため昨年7月より窒化ケイ素の量産技術実証のための製造設備の建設を進めてきた。
窒化ケイ素は、環境対応型自動車などに搭載されるパワー半導体モジュールの絶縁・放熱材料として使用される。同社が開発した窒化ケイ素の製造プロセスは、低エネルギーかつ有機溶剤を使用しないソルベントフリーの、先進的で環境に配慮した独自のプロセスを採用。完成した窒化ケイ素製造設備では、原料の高純度窒化ケイ素粉末から窒化ケイ素セラミックス板までを一貫生産することで、安定的に付加価値の高い製品の提供が可能になると見られる。
同社は今後も、電動化が進む自動車分野や情報通信分野等で高い成長が見込まれる放熱材市場において、未来に照準を合わせたさらなる製品開発を継続し、事業展開を加速していく考えだ。
2021年7月29日
トクヤマの2022年3月期第1四半期(4-6月期)連結決算は、売上高が前年同期比4%減の675億円、営業利益13%増の75億円、経常利益18%増の79億円、純利益5%減の49億円となった。今年度から収益認識会計基準を適用したため減収となったが、適用前の比較では増収(12%増)となっている。また事業セグメントについても、6セグメントに変更している。
セグメント別に見ると、化成品セグメントは増収増益。カセイソーダはコロナ禍の影響により減少していた販売数量は回復基調にあるものの、原燃料価格の上昇で製造コストが増加した。塩化ビニルモノマーは輸出価格が上昇。塩化ビニル樹脂は、原燃料価格上昇の影響を受けたが、価格是正が進んだことで前年並みとなった。
セメントセグメントは減収減益。出荷は前年同期並みだったが、原燃料価格の上昇で製造コストが増加した。
電子材料セグメントは増収増益。半導体向け多結晶シリコンは、5Gの導入やリモートワークの増加を背景に販売が堅調だった。ICケミカルは海外向けを中心として販売数量が増加したものの、原料価格上昇の影響を受けた。乾式シリカは、半導体研磨剤用途を中心に販売数量が増加。放熱材は、販売数量は堅調に推移したものの、先進技術事業化センターの研究開発費が増加した。
ライフサイエンスセグメントは増収増益。プラスチックレンズ関連材料のメガネレンズ用フォトクロミック材料や歯科器材は、コロナ禍の影響で減少していた欧米向けの出荷が復調した。医療診断システムは、臨床検査情報システムおよび検体検査自動化システムの販売が減少した。
環境事業セグメント(環境関連事業を集約し新設)は増収・営業損失。イオン交換膜、樹脂サッシ、廃石膏ボードリサイクルなどの既存事業は、いずれも前年同期並みとなった。
なお通期業績予想については、前回の公表値を据え置いている。
2021年5月18日
トクヤマはこのほど、液体カセイソーダ専用船として次世代スマートアシストシップ199型内航小型ケミカルタンカー「りゅうと」を6月に就航し、運航者の邑本興産、船主の冨士汽船、造船会社の本瓦造船と共同で、内航海運の中でも特に小型船が抱える船員不足や高齢化問題などの改善に取り組むと発表した。
トクヤマは、2019年に「ホワイト物流」推進運動・自主行動宣言を提出。輸送の生産性の向上・物流の効率化や、働きやすい労働環境の実現に取り組み、物流事業者との連携を通じて、持続可能な物流の実現を目指している。今回の次世代スマートアシストシップの建造については、トクヤマの方針と合致する取り組みであり、計画段階より関係者と協議を重ね、内航海運業界における課題を共有するとともに、内航小型ケミカルタンカーとしては国内初の取り組みについて理解を深めてきた。
同船に導入した最新技術「集中荷役遠隔システム」・「遠隔監視システム」・「離着桟支援システム」は、乗組員の作業を軽減することを目的に、特に高度な技術・熟練の技が求められる機関室の監視や離着桟作業へ支援を行うことで省力化を実現。深刻な人手不足の解消に繋がることを最大の効果として期待している。
「りゅうと」の就航後は、実際の航海や離着桟や荷役作業での安全性や有効性の検証を継続して行い、最新技術の有効性を実証していく。
同船の導入は、当社の事業運営に不可欠な海上輸送、特に内航小型船での安定的・継続的な輸送の実現につながる取り組みと位置づけられる。トクヤマは、これからも運航者、船主をはじめとする関係者との協力体制を築き、顧客の満足度向上に向けて努力していく。