三菱ケミカルは11日、バイオエンジニアリングプラスチック「DURABIO」が、いすゞトラック3車種の交差点警報およびブラインドスポットモニター(BSM)用レーダーカバーに採用されたと発表した。採用された車種は、小型トラック「エルフ」、中型トラック「フォワード」、大型トラック「ギガ」で、「DURABIO」がトラック部品に採用されたのは初となる。
三菱ケミカルでは現在、CASE化により増加が見込まれる車内外のレーダーやセンサーに対応する素材として「DURABIO」の用途展開を加速。「DURABIO」は、再生可能な植物由来原料イソソルバイドを用いたバイオエンプラで、耐衝撃性、・耐候性・耐熱性などの点で一般的なエンプラよりも優れた物性をもつ。また、顔料を配合するだけで艶やかで光沢のある表面を実現。さらに、表面が硬くて擦り傷が付きにくい特長があるため、塗装・コーティング工程が不要となり、塗料工程から発生するVOC(揮発性有機化合物)を低減することができる。これらの特性を生かし、自動車の内外装意匠部品への採用が拡大している。
いすゞは、交通事故を低減するために常に先進的な安全装置を搭載したトラックを開発しており、車両や歩行者などを検知するレーダーのカバーに電気特性にも優れた「DURABIO」が採用された。塗装レスの「DURABIO」をカバーに採用することで塗料による電波遮へいの懸念がなく、検知エリアや感度の質を維持できる。また、外装材に求められる耐衝撃性や耐候性といった物性に加え、環境配慮型の素材である点が、地球環境と社会の持続可能な発展に貢献するといういすゞのCSRの考え方に合致したことも評価された。
三菱ケミカルは今後も、「DURABIO」の用途展開を通じて、環境にやさしいクルマづくりに貢献していく。