三井化学 不織布と関連製品を値上げ、主原料など高騰で

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2021年6月30日

 三井化学は29日、不織布と不織布関連製品について、7月1日出荷分から「40円/kg以上」値上げすると発表した。前回の同製品の値上げは2014年4月に実施しており、約7年ぶりの価格改定となる。

 国産標準ナフサの価格高騰により、同社の不織布製品の主原料であるポリプロピレン、ポリエチレンの樹脂価格の上昇に加え、用役・物流費なども上昇傾向にある。また国産標準ナフサ価格は、引き続き高水準で推移しており、今後も継続すると見込まれている。こうした厳しい経済環境下、同社はコスト削減などに注力しているものの、このようなコスト高騰は自助努力のみで吸収することは極めて困難だとし、価格改定せざるを得ないと判断した。

三井化学と日立製作所 材料開発を高速化するMIの実証開始

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2021年6月29日

 三井化学と日立製作所は28日、日立が開発した人工知能(Ai)を活用したマテリアルズ・インフォマティクス(MI)技術を、実際の新材料開発に適用する実証試験を開始すると発表した。同実証試験に先立ち、日立の開発技術を三井化学が提供した過去の有機材料の材料開発データで検証したところ、高性能な新材料の開発に必要な実験の試行回数が従来のMIと比較し約4分の1に短縮できることを確認。両社は今年度中をめどに、新製品・素材開発に向けた同技術の導入・成果を検証する技術実証を行い、来年度から実用化を目指す考えだ。

従来技術との比較。少量の実験データでも高性能材料の化学式を自動生成できる深層学習技術
従来技術との比較。少量の実験データでも高性能材料の化学式を自動生成できる深層学習技術

 新製品の開発は事業活動の要となるものの、開発までには課題抽出、基礎研究から、スケールアップといった実証実験など、多大な時間とコストを伴う。今回の実証を通じて、三井化学が過去から蓄積している膨大な開発に関する知見と日立が提供するデジタル技術とを融合することで、新製品開発に掛かる時間・コストの大幅な削減が期待されている。

 日立は、AIやシミュレーション技術などを活用して新材料を探索するMIの高度化に向け、これまで大量の実験データを必要としていた有機材料開発に、少量の実験データでも高性能な新材料の候補化合物(化学式)を発案することができる深層学習技術を新たに開発した。

 その特長は①「入れ子型」AIと、②高性能な化合物の生成を加速する成分調整方式。①では、大規模なオープンデータ(化学式を文字列で表現したデータ群)で学習したAIの内側に、実験データで学習したAIを埋め込む入れ子型構造により、少ない実験データでも新材料開発に活用できる。また②では、外側のAIで文字情報である化学式を一度数値情報に変換し、内側のAIでこの数値情報から性能に影響する成分を分離・調整することで、高性能な化合物を表現する数値情報を新たに作成。さらにそれを再び化学式に変換し直すことで高性能な化学式を高確率で生成し、実験回数を削減する。

 三井化学は今後、DXを通じた社会課題解決のため、革新的な製品やサービス、ビジネスモデルを迅速に創出し社会に提供していく。一方、日立はDXを加速させる同社の「Lumada(ルマーダ)」ソリューションである「材料開発ソリューション」に、今回実証する高速化技術のラインアップ化・水平展開を図る。両社は素材開発の協創を推進し、持続可能な社会の実現に貢献していく。

三井化学 3つの機能を併せもつドライバーズグラス上市

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2021年6月28日

 三井化学はこのほど、ビジョナリーホールディングスとの共同企画により、3つの機能を併せもつレンズを採用した新機能ドライバーズグラス「Ds’Assist(ディーズアシスト)」を開発し、今月25日から、ビジョナリーホールディングスが運営するメガネスーパーなど限定104店舗での販売を開始した。メガネの上からも装着可能なタイプで、利用者の矯正視力を保ったままクリアな視界が得られるもの。販売価格は3万4980円(税込)。 

「Ds'Assist(ディーズアシスト)」。3つの機能でドライバーの視界をアシスト
「Ds’Assist(ディーズアシスト)」。3つの機能でドライバーの視界をアシスト

 同製品には、三井化学の3つの光制御テクノロジーを結集。①まぶしさや見づらさの原因となる黄色光を選択的にカットする「NeoContrast(ネオコントラスト)」、②目に有害とされる紫外線やHEV(高エネルギー可視光線)をカットする「UV+420cut」、③白色LEDの特定波長を選択的にカットする「LEDライトカット」―の技術導入により、視機能の低下が顕著となるシニアドライバーをはじめ、あらゆる運転者のドライビングシーンで視覚サポートを実現する。

JARWA推奨品
JARWA推奨品

 夜間運転時のJIS規格に適合していることから、特に近年多く採用されているLEDヘッドライトに対する防眩効果により、夜間の運転時にも必要な光量を十分に確保した上で安全に使用できる。また、自動車業界の安全対策の中心的な役割を担う日本自動車車体補修協会(JARWA)の推奨も得ている。

 三井化学は、これからも「視界品質QOV(Quality of View)」をコンセプトに、視力矯正から目の健康と快適さまで、より良い視界を追求する製品開発に取り組んでいく。

三井化学 アールプラスジャパンに参画、廃プラ再資源化

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2021年6月28日

 三井化学は25日、使用済みプラスチックの再資源化事業に取り組む共同出資会社「アールプラスジャパン」に資本参加したと発表した。

三井化学のプラスチック戦略
三井化学のプラスチック戦略

 三井化学は、気候変動とプラスチック問題を一体として取り組むべき重要な社会課題と捉え、プラスチックを巡る課題に対しては、バリューチェーン全体を視野に入れたリサイクル戦略とバイオマス戦略に注力している。今後は、アールプラスジャパンや参加企業と連携し、使用済みプラスチックの再資源化に取り組み、PET樹脂などのリサイクル戦略の推進を図っていく考えだ。

アールプラスジャパンへの参画企業一覧
アールプラスジャパンへの参画企業一覧

 アールプラスジャパンは、東洋紡など12社によって昨年6月に設立。米国のバイオ化学ベンチャー企業であるアネロテック社とともに、環境負荷の少ない効率的な使用済みプラスチックの再資源化技術開発を進めている。回収プラスチックの選別処理、モノマー製造、ポリマー製造、包装容器製造、商社、飲料・食品メーカーなど業界を超えた企業の連携により、2027年の実用化を目指している。

 なおアネロテック社は、米国ニューヨーク州パールリバーを研究開発拠点に、非食用の植物由来原料から石油精製品と同一性能をもつベンゼン・トルエン・キシレンを生成する技術開発を進めている。

 

三井化学 小川元常務が「高分子科学功績賞」を受賞

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2021年6月24日

 三井化学はこのほど、同社元常務執行役員の小川伸二氏が高分子学会から「2020年度高分子科学功績賞」を受賞したと発表した。同功績賞は、高分子基礎科学と応用科学の発展のために、多年にわたり顕著な業績を挙げた会員を対象に、その功績を称えるとともに、高分子科学の普及啓発・水準向上に寄与することを目的に制定されたもの。 

小川伸二氏(元・三井化学常務執行役員)
小川伸二氏(元・三井化学常務執行役員)

 今回の受賞は、小川氏の在籍時の業績である、①機能性ポリオレフィンの工業化②ポリ乳酸の重合技術開発-に加え、高分子学会代表理事・副会長としての貢献が高く評価された。なお、受賞対象となった機能性ポリオレフィンの工業化により開発された製品群は、現在、三井化学の成長領域であるモビリティ事業やフード&パッケージング事業の中核となっている。

 小川氏は「受賞の根拠となる業績は、事業、研究、生産をはじめ各部門の多くの方々が先達からの継承し、協同して開発・工業化に尽力されたものだ。本受賞は三井化学の取り組みが評価されたことによるものであり、その中の一員として受賞機会に恵まれた巡り合わせは幸運なことだ。すべての皆様に心から感謝している」と受賞を振り返った。また三井化学は、「小川氏の受賞は、当社にも大変名誉であり、今後も当該分野への貢献を続けていく」とコメントを寄せている。

 

三井化学など3社 物流環境大賞「特別賞」を受賞

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2021年6月23日

 三井化学は22日、日本物流団体連合会が主催する「第22回物流環境大賞」について、旭化成、山九と合同で「特別賞」を受賞したと発表した。

定期内航コンテナ船
定期内航コンテナ船

 3社は千葉県と広島県・山口県間で行う樹脂の長距離輸送を、トラックを使う陸上輸送から、より環境負荷の少ない船舶を利用した海上輸送に切り替える「モーダルシフト」を開始。山九の定期内航コンテナ船と海上コンテナを活用し、往路は三井化学が、復路は旭化成がラウンドユース(往復利用)することで空荷状態の抑制に取り組んでいる。

 物流については、輸送時のCO2排出量削減や長距離トラックのドライバー不足解消が大きな課題となっている。今回の取り組みによりCO2排出量を4割削減し、ドライバーの拘束時間を8割削減した。さらに、サイドオープン型コンテナを採用することで、スロープの有無にかかわらず積み下ろし倉庫の選択が広がり、また、積み下ろし作業上の安全性と効率性が向上した。

 三井化学は「ホワイト物流」推進運動にも賛同するなど、物流面での取り組みを拡充させている。今後も、他の企業との協働を拡大し、物流環境変化に柔軟に対応できる強靭なサプライチェーンを追求していく考えだ。

 なお、物流環境大賞は2000年に創設。物流部門の環境保全推進や環境意識の向上などを図り、物流の健全な発展に貢献した団体・企業または個人を表彰している。

三井化学 足先を快適にする新素材、ヒールなどに採用

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2021年6月21日

 三井化学は18日、同社が開発したヒトの体温を感知して触れた体をやさしく包み込む新素材「HUMOFIT(ヒューモフィット)」が、クロシェ(兵庫県神戸市)の新レーベル「ファルファーレクラシカル」のヒールとパンプスに採用されたと発表した。

クロシェ製ヒールとパンプスに、足先をやさしく包み込む三井化学の新素材「ヒューモフィット」が採用
クロシェ製ヒールとパンプスに、足先をやさしく包み込む三井化学の新素材「ヒューモフィット」が採用

 同日にクロシェは、新商品の7cmハイヒールとフラットのパンプスの販売を、同社オンラインショップと一部店舗を通じて開始した。 採用箇所は、7cmハイヒールの中敷き・アッパー(足先)部分と、パンプスの中敷き部分。「ヒューモフィット」の特殊シートを使用することで、体温に反応して足に馴染む機能をもたせ、足の形にぴったりと合った履き心地を実現した。

 「ファルファーレ」の開発者でクロシェホールディングスの沼部美由紀代表は、「中敷きとアッパー材に『ヒューモフィット』を採用することで、履き心地が一層向上した。特に、アッパー材への使用は、足のサイド部が合わずに痛みを感じていた方の悩みを解消できると期待している」とコメント。検査機関のデータでは、足圧を分散させる効果も見られ、足への負担軽減、足先部分の履き心地を改善した画期的なハイヒールの出来栄えを高評価した。

足圧分布測定では、「ヒューモフィット」を採用したハイヒール(左)に足圧が分散される傾向が見られた(消費者科学研究所調べ)
足圧分布測定では、「ヒューモフィット」を採用したハイヒール(左)に足圧が分散される傾向が見られた(消費者科学研究所調べ)

 「ヒューモフィット」は、常温ではゴムのようにしなやか新素材で、曲げや折り、ひねり、伸ばしのあとでも緩やかに元の形状に戻る「形状記憶性」示すほか、加温すると柔らかく、冷やすと硬くなる「温度依存性」も併せもつ。ヒトとモノとの接点をもっとやさしく、「ヒトに寄り添う」発想をベースに、三井化学グループの素材力と加工技術力で開発した。そのユニークな特性は医療・介護、スポーツ、アパレルなど様々な用途で高く評価されている。

 同社は昨年春から、「ヒューモフィット」の市場開発を開始。クロシェからは同新素材を中敷きに採用した4cmヒールのパンプスを発売し、一時完売するなど好評を得ていた。

 

三井化学 人事(7月1日)

2021年6月18日

[三井化学・人事](7月1日)▽生産・技術本部エンジニアリングセンター企画管理GL矢野浩▽解兼同、同本部同センター長兼同電気技術GL高妻泰久▽モビリティ事業本部機能性コンパウンド事業部伊左治康博▽同事業本部同事業部アドマーGL寺田豪。

三井化学 人材戦略をDXで加速、米社PF全拠点導入へ

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2021年6月16日

 三井化学は15日、グループ統合型人材プラットフォーム(PF)として、米国ワークデイ社が提供する「Workday ヒューマンキャピタルマネジメント」を、連結対象関係会社を含め全拠点に同時導入し、2023年をめどに運用を始めると発表した。同社は同PF導入を「2030年に向けた長期経営計画を達成に導く、重要な人材戦略の一環」と位置づけ、多様なポテンシャルを秘めたグループ全社員一人ひとりが、自律的にキャリア形成を行うための基盤となる環境整備を加速させていく考えだ。

人材戦略をDXで加速。米国ワークデイ社のグループ統合型人材プラットフォーム導入へ
人材戦略をDXで加速。米国ワークデイ社のグループ統合型人材プラットフォーム導入へ

 同PF導入により人事部門のデジタルトランスフォーメーション(DX)を推進することで、グループ内の仕組みを統一し情報を可視化していくのが狙い。具体的には、ポジションマネジメントや後継者育成計画、個別育成計画、教育・資格(スキル・経験)管理、社内外リクルーティングなど、既存の人材マネジメントプロセスをグループ・グローバルでシステム統合する。

 また、グループ内の全ての組織情報(職務、職務に求められる能力・資質、報酬など)および人材情報(専門・志向性、経験、多様性など)を可視化し、適切な組織・人的資本情報を社内外へタイムリーに発信していく。同時に、テレワークや副業などを含め、時間・場所に囚われない〝新しい働き方〟環境下でも、グループ全社員のさらなるエンゲージメント向上を目指し、個の力を最大限に引き出すことで、〝挑戦し学習しつづける組織〟へと変革させていく。

 なおワークデイ社は、企業向けクラウド型財務・人事用エンタープライズ・アプリケーションプロバイダ。同社が提供する人財マネジメントプラットフォームの顧客数は全世界で8000社以上にのぼり、幅広い組織・企業に導入されている。

三井化学と三井物産 本州化学への共同TOBが成立

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2021年6月15日

 三井化学と三井物産は12日、共同により1株1830円で5月17日から実施していた本州化学工業への株式公開買い付け(TOB)について、11日に終了したと発表した。

 買い付け予定株数の下限とした145万5200株を上回る、351万9137株の応募があり、そのうち三井化学は264万394株、三井物産は87万8743株を買い付けた。決算開始日は今月18日。残りの本州化学株ついては、今後株主から買い取るスクイーズアウトを予定し、三井化学(持株比率51%)と三井物産(同49%)の両社による本州化学の100%子会社化を目指す。買い付け金額は、総額で96億円を超える見込み。