三井化学 ポリウレタン樹脂を値上げ、来月から実施

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2021年4月23日

 三井化学は22日、「タケラック」や「タケネート」などのポリウレタン樹脂を5月1日出荷分から「50円/kg以上」値上げすると発表した。

 石油化学製品の需給バランスがひっ迫し、市況価格の高騰が継続する中、ポリウレタン樹脂用の原料価格が大幅に上昇しており、また物流費も上昇している。こうした事業環境下、同社はこれらのコストアップを吸収するため自助努力を重ねてきたが、今後も顧客への安定供給と品質を維持していくためにも、今回、価格改定を実施せざるを得ないと判断した。

三井化学 韓国・錦湖三井化学でMDI増強、61万tへ

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2021年4月22日

 三井化学は21日、韓国の関係会社、錦湖三井化学(三井化学SKCポリウレタン:50%、錦湖石油化学:50%)の麗水工場で、ジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)生産設備を増強すると発表した。年産20万t増強し、年産能力は61万tに拡大する。今月に着工し、2023年9月の完工、2024年1月の営業運転開始を予定。投資額は400億円を見込む。

錦湖三井化学 麗水工場
錦湖三井化学 麗水工場

 MDIは、自動車部品、自動車や家具のシートクッション材、住宅や冷蔵庫の断熱材フォーム、弾性繊維や各種接着用原料など、多くの分野で使用されている代表的なポリウレタン主原料。MDIの需要は、地球温暖化抑制のため各国で推進されている住宅建築の断熱性能向上の政策効果や、経済成長に伴う快適性向上要求の高まりにより、年率6%の需要増が見込まれている。

 錦湖三井化学は、弾性繊維や合成皮革などに使用される高機能MDI(モノメリック系)と、断熱材などに使用される汎用MDI(ポリメリック系)を生産・販売する。今回の増強により、断熱材などの需要伸長はもとより、電気自動車(EV)を中心としたNVH(ノイズ・振動・ハーシュネス)制御に使用される高機能MDI需要のさらなる拡大に対応し、MDIのグローバルリーディングカンパニーを目指していく。 

 また、生産設備の増強に併せて、生産工程で発生する副生物を原材料として再利用するリサイクル設備の導入も計画されている。原材料自給率の向上のみならず、工場からの排水量やサプライチェーン全体でのGHG排出量の削減を図る考えだ。三井化学は今後も 成長が見込めるMDI事業の拡大と、一層の高機能化を進めていく。

三井化学 大阪工場が「スーパー認定事業所」に認定

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2021年4月9日

 三井化学の大阪工場(大阪府高石市)がこのほど、経済産業省が制定する特定認定事業者制度により特定認定事業者(通称:スーパー認定事業所)に認定された。 

認定証を手にする髙木前工場長(左)と永山安全・環境部長
認定証を手にする髙木前工場長(左)と永山安全・環境部長

 同制度は、プラントの高経年化やベテラン社員の引退、多発する自然災害など、石油化学コンビナートを取り巻く事業環境が厳しくなっていく中、経済産業省が2017年4月から開始した制度。IoTやビッグデータの活用、高度なリスクアセスメント、第三者による保安力の評価の活用などの高度な保安の取り組みを行っている事業所を「スーパー認定事業所」として認定している。認定を受けた事業者は、自主保安による設備の検査方法、点検周期などの自由度が高まることから、国際的な競争力の強化にもつながっている。

三井化学大阪工場の全景
三井化学大阪工場の全景

 同社大阪工場は3月30日付で「スーパー認定事業所」に認定された。髙木岳彦執行役員大阪工場長(当時、現・三井化学オペレーションサービス社長)は、「当工場では、『安全は全てに優先する』という全社方針に基づき、プロセス、設備、運転に係るリスクアセスメント体制の強化や先進的な技術の導入により、設備信頼性の向上と運転技術の高度化を図りながら、これらを担う人材育成の強化や確保にも努めてきた」とした上で、「今後は、特定認定事業者としてリスクマネジメントのさらなる強化や先進技術の利活用を通じ、さらに高度な自主保安活動を推進するとともに、業界の模範となるよう、自主保安レベルの一層の向上と社会の持続的発展に貢献していく」とコメントしている。

 三井化学は、今回の認定を誇りに、「安全は全てに優先する」の全社方針に基づき、全工場の安全・安定操業に邁進していく考えだ。

三井化学 半導体製造用テープを能増、台湾で2倍強に拡大

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2021年4月9日

 三井化学は8日、100%子会社の三井化学東セロが台湾での半導体製造工程用テープ「イクロステープ」の能力増強を決定したと発表した。

「イクロステープ」。半導体製造工程で使用される保護テープ
「イクロステープ」。半導体製造工程で使用される保護テープ

 昨年1月に営業運転を開始した台灣東喜璐機能膜(台湾東セロ)で行うもの。今夏8月に着工し、2023年10月の営業運転開始を予定する。増設後の生産能力は年産760万㎡。これにより、台湾での生産能力は2倍以上に拡大する。国内の名古屋工場と合わせ、同製品の大幅な供給能力の拡充を図るとともに、BCP体制を強化していく狙いだ。

 「イクロステープ」は、三井化学の樹脂由来のポリマーサイエンス技術と、三井化学東セロの精緻なフィルム加工技術の強みを合わせた製品。半導体製造工程に使われる保護テープとして、特にシリコンウエハーの裏面研削工程用で世界トップシェアをもつ。

台湾東セロの全景。「イクロステープ」を製造する
台湾東セロの全景。「イクロステープ」を製造する

 昨今、半導体市場はコロナ禍によるテレワークの拡大など生活様式の変化に伴い、PCやデータセンター向けの需要が増大しており、また、5Gの本格化に伴い基地局や携帯端末の伸長などで需要拡大と成長が見込まれている。今回の増設を行うことで、「イクロステープ」は、世界的な半導体需要の高まりに対応するとともに、事業領域を拡大していく。

 三井化学東セロは高品質な製品を供給する製造・販売・技術サービスを拡充し、さらなるフィルム・シート事業の強化・拡大を積極的に進めていく考えだ。

【化学企業 入社式訓示①】三井化学 橋本修社長

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2021年4月2日

 いま起きている世の中の変化と、三井化学が果たすべき役割を話そう。新型コロナウイルスと向き合い共生する生活も2年目を迎える。我々を取り巻く環境はグローバルレベルで時々刻々と変化しており、まさに世界は今、歴史的な転換点を迎えている。あらゆる産業でのデジタル化の潮流、ICTの進化、気候変動、プラスチックごみ問題を含めた循環経済への取り組み、そしてコロナ問題を契機とした就業観の変化などだ。

 企業が持続的に成長するためには、変わりゆく事業環境に適合する新たな経営の在り方を創造していくことが求められる。当社グループはこうした環境変化に対応すべく、モビリティなどの成長3領域を基軸とした事業ポートフォリオの変革に取り組んでいる。同時に経済価値だけでなく、産業や暮らしの諸課題に最適なソリューションを提供する社会価値の創出を追求している。

 現在、2030年の世界を見据えて、当社の目指すべき姿の再定義をしているところだ。入社式に際し、3つのことを皆さんに伝えたい。1つ目は「安全は全てに優先する」ということだ。一人ひとりがこれを心に刻み、生産現場のみならず、すべての職場で事故・災害ゼロを目指してもらいたい。

 2つ目は、仕事の目的と意義を考えることだ。個々の仕事から、お客様や社会にもたらす価値や自身の成長にとっての意味づけを見出すことで、自らのモチベーションを高めてほしい。そして、皆さんと会社が共に成長していくことが大切だと考えている。

 3つ目は、「挑戦による成功や失敗といった学びは競争力の源泉」だ。学業と異なり、仕事での答えは1つではない。誰でも失敗する。しかし、失敗を恐れず挑戦し、失敗から学び、内省し、そして粘り強く、何度でも挑んでほしい。その先に必ず、成長した自分と組織が見えてくるはずだ。

 今年は2030年長期経営計画始動の年だ。皆さんの柔軟な発想やアイデアは、これからのDX時代を生き抜くために三井化学の成長に欠かせないものとなる。臆することなく自らの考えることは堂々と主張してほしい、優れた洞察力と構想力、そして強い実行力をもてるよう、共に、日々の挑戦と発見を積み重ねていこう。活躍を期待している。

三井化学 ビスフェノールAとエポキシ樹脂を値上げ

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2021年3月31日

 三井化学は30日、ビスフェノールA(BPA)とエポキシ樹脂(EX)を4月1日納入分から、いずれも「60円/kg以上」値上げすると発表した。

 BPAの取引価格は、主原料のベンゼン価格の変動をベースに、ナフサ、用役(C重油)などを勘案して協議の上で決定しており、また、EXの国内販売価格の改訂は、主原料のBPA、エピクロロヒドリン(ECH)およびカセイソーダの価格変動をベースに需要家のとの協議の上で実施している。しかし、両製品を取り巻く環境は、足元では原燃料価格上昇により、ベンゼンは96円/kg、ナフサは4万7000円/kl、C重油は5万7000円/klを超える水準となっている。

 こうした厳しい状況の中、同社はあらゆるコストダウンに注力しているものの、このようなコストの上昇は自助努力により吸収できる水準を超えており、安定供給を持続的なものにするためには、価格改定を実施せざるを得ないと判断した。

三井化学 高屈折メガネレンズ材料、米コストコが標準採用

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2021年3月30日

 三井化学はこのほど、高屈折率メガネレンズモノマー「MR」を使用したメガネレンズが、会員制大手量販店の米コストコに標準採用され本格的な販売が始まったと発表した。

米コストコは3月から、三井化学の「MR」を使用したメガネレンズに全面的に切り替えていく
米コストコは3月から、三井化学の「MR」を使用したメガネレンズに全面的に切り替えていく

 コストコはこれまで、米国市場で標準材料となっている中屈折率のポリカーボネート(PC)系メガネレンズを主に取り扱っていたが、昨年10月から三井化学の「MR」を使用した高屈折率のウレタン系レンズへの切り替えを順次開始しており、3月から全面的に切り替えていく。

 「MR」は独自の重合技術により高屈折率・高アッベ数・軽量かつ高耐衝撃性を実現したチオウレタン系樹脂(硫黄を含むウレタン)メガネレンズ材料。粘りのあるチオウレタン系樹脂により、薄くても割れにくく、アッベ数が高いことからレンズ度数が高くなっても色にじみが少なくクリアな視界が得られるといった特長をもつ。コストコはこのような「MR」の光学性能を高く評価。同時に同社の「高性能な優良ブランド商品をお客様に提供する」というコンセプトが、「MR」の「より軽く、より薄く、より洗練された性能」と合致したことから採用に至った。

 三井化学グループは、今回のコストコの標準採用を契機に、米国市場での人々の視界品質(QOV)の向上に向けて、PC系からウレタン系「MR」を使用したレンズへの切り替え訴求を進め、さらなる販売拡大を図っていく考えだ。

三井化学 「健康経営優良法人」に5年連続で認定

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2021年3月26日

 三井化学はこのほど、経済産業省と日本健康会議が共同で実施する「健康経営優良法人2021(大規模法人部門)ホワイト500」に、5年連続で認定されたと発表した。同制度は、地域の健康課題に即した取り組みや日本健康会議が進める健康増進の取り組みをもとに、特に優良な健康経営を実践している法人を顕彰するもの。 

社員の健康づくりは経営課題。5年連続の認定となった
社員の健康づくりは経営課題。5年連続の認定となった

 三井化学は、本社や研究所、主要5工場の健康管理室に専属産業医や保健師、衛生管理者などを配置し社員の健康管理を推進するとともに、健康管理室がグループ会社に対する支援も実施しグループ社員も含めた健康増進に取り組んでいる。また、メンタルヘルス不調・生活習慣病の予防や、衛生リスクの継続的低減にも注力し、同社ウェブサイトなどで結果を公開。新型コロナウイルス感染症に対しては、早期から拡大防止や予防対策の展開のみならず、社長や健康管理室長らのメッセージに加え、「運動のススメ」などの情報の配信を定期的に行うことで健康経営を実践している。

 同社グループは、「社員の健康は会社の健康に直結する」との基本理念に基づき、社員の健康づくりを経営課題と位置づけている。今後も、グループ社員の健康増進活動に積極的に取り組んでいく考えだ。

 

三井化学 「優れた統合報告書」に5年連続で選出

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2021年3月23日

 三井化学はこのほど、同社の統合レポート「三井化学レポート」が「優れた統合報告書」と「改善度の高い統合報告書」に選出されたと発表した。世界最大規模の年金基金である年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)から、国内株式の運用を委託されている運用機関が依頼を受け選定したもの。同社の「優れた統合報告書」としての選出は5年連続。今回は、4つの運用機関から高評価を得た。

 主な評価理由は、①財務・非財務の情報が事業ごとに統合された形で記載されており、それがどのように競争優位性に結びついているかが明快②ESG要素をどう経営に反映させていくのかについて詳しく記載がある点や、CEOメッセージやCFOメッセージで、経営層の考えがよく分かる内容になっている③長期経営計画の実現に向けて、経済・環境・社会の3軸で具体的なKPIを設定。環境と社会では提供する製品・サービスの認定プロセスやKPIの設定を詳細に記載しており、見える化ができている―点が高く評価された。

 同社の統合レポートは、ステークホルダーとの〝質の高い対話〟のプラットホームになる報告を目指している。今後もより一層、株主・投資家をはじめとするステークホルダーの理解と信頼を得られるよう、有益かつ積極的な情報開示と対話を重視し、統合レポートの改善やIR活動の取り組みを強化していく考えだ。

三井化学 アセトン、IPAなど3製品を月末から値上げ

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2021年3月17日

 三井化学は16日、アセトン(AC)、メチルイソブチルケトン (MIBK)、イソプロピルアルコール(IPA)の3製品について、3月25日出荷分から値上げすると発表した。改定幅は、ACが「29円/kg以上(ナフサ要因以外のその他のコスト増分五円以上を含む)」、MIBKが「36円/kg以上(同)」、IPAが「19円/kg以上(同)」。

 3製品の主原料であるナフサの国産基準価格は、2020年度下期(10-3月期)の3万5000円/kl程度から、今年2Q(4-6月期)には4万7000円/klを超える大幅な上昇が見込まれる。加えて、同製品の製造にかかる用役費・副原料費、および昨今のドライバー不足や働き方改革への対応による、物流費や修繕費の大幅増もコストを押し上げている。

 こうしたナフサ価格の高騰をはじめとしたコスト増は、自助努力の範囲を超えるものであり、同社は一層のコスト低減を行った上で、安定供給体制の維持を図るためにも価格改定せざるを得ないと判断した。なお、想定したナフサ水準が変動する場合は、改定幅の修正もあるとしている。