三井化学 市原工場で「ルーカント」新設備が営業運転

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2021年5月13日

 三井化学は12日、市原工場(千葉県市原市)内に炭化水素系合成油「ルーカント」の新プラント(年産2万t)を建設し、4月から営業運転を開始したと発表した。これにより、岩国大竹工場(山口県和木町)と市原工場の2拠点供給体制となり、世界の旺盛な需要に対応するとともに不測の事態の事業継続性を強化する。

市原工場で営業運転を開始した「ルーカント」 新プラント

 「ルーカント」は、同社が世界で初めて商品化した高性能炭化水素系合成油。粘度の温度依存性が小さく、剪断安定性・熱化学的安定性に優れているなどの特長をもつ。それらの特長から、極めて高品質が求められる自動車ドライブラインのギア油、工業用潤滑油やグリースなどの粘度調整剤として採用。主要な自動車メーカーや潤滑油メーカーに認証されており、低環境負荷ニーズの高まりの中、省燃費や長寿命に貢献するものとして世界的に需要の増大が見込まれている。

 三井化学は、潤滑油添加剤パッケージ最大手のルーブリゾールとの戦略提携を行っており、両社で潤滑油市場での「ルーカント」事業のさらなる拡大と成長を図る。また、三井化学独自の取り組みとして、エラストマー、エンプラ改質用途など、機能性液状ポリマーとしての積極的な市場・用途開発に取り組んでいく考えだ。

三井化学 EO・EO誘導品を値上げ、物流費など高騰で

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2021年5月10日

 三井化学は7日、エチレンオキサイド(EO)など3製品を今月15日納入分から値上げすると発表した。対象製品と改定幅は、EOが「17円/kg以上」、EO誘導品のエチレングリコール(EG)とエタノールアミン(EA)が「20円/kg以上」。いずれも2019年4月以来、2年ぶりの値上げとなる。

 対象製品については、物流業界全般と定修作業時の労働力不足、またそれらに起因する賃金上昇により、物流関連費用や設備修繕費などの高騰が続く。これらのコストアップは、従来の合理化といった自助努力のみでは吸収が困難であり、製品の安定生産・安定供給継続のためには、原料価格の変動分とは別に、価格改定せざるを得ないと判断した。

三井化学 共同開発の新規3Dインナーマスク販売開始

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2021年4月28日

 三井化学はこのほど、名古屋大学大学院工学研究科の堀克敏教授、同大学発ベンチャー・フレンドマイクローブ(フレンド社)の3者で新規3Dインナーマスク「タートル」を共同開発し、フレンド社が生産・販売を開始したと発表した。すでに東海地区に多数の店舗を展開する美容室グループの旗艦店では、美容師やスタッフへの採用も決定している。

インナーマスク『タートル』。中央部は交換できる不織布フィルター
インナーマスク「タートル」。中央部は交換できる不織布フィルター

 3者は昨年7月に、「タートル」の前身で、「マスク本体」と「不織布フィルター」からなる新規3Dマスク「θ(シータ)」を共同開発。「タートル」は、「シータ」を薄型にした進化形で、普段使いの布製やウレタン製のマスクと併せて使うインナータイプになる。

 使い捨てマスクのプラゴミ問題が顕在化する中、環境への配慮から、繰り返し使用する本体は生分解性のあるポリ乳酸(PLA)製とし、使い捨てフィルターの不織布についても従来品との比較で10分の1の削減が期待できる仕様とした。そのほかの主な特長として、本体が樹脂製のため洗浄など衛生管理が容易なこと、また3D設計により皮膚への接触が少ないことから、装着時の蒸れや化粧移りを抑え、口の周りの空間によりマスク会食時に使いやすいなどの利点が挙げられる。

インナーマスクとしての装着イメージ
インナーマスクとしての装着イメージ

 現在、国内のマスク需給バランスは改善し、マスクの2重使いやインナーマスクの装着も見られている。しかし、不織布製マスクに比べ、布マスクやウレタンマスク単体でのウイルス除去率は一般的には低いとされており、ウイルス感染予防の観点からその効果は限定的だ。

 今回、堀教授はマネキンを使用した独自の性能評価装置を作成、実験用ウイルスによる「タートル」の性能評価を実施した。ウレタンマスクの内側に同製品を装着することで、ウレタンマスク単体使用時のウイルス除去率が約24%だったのに対し、「タートル」との複合使用では90%近くの除去率を発揮。ウイルス除去効果が大幅に改善されることを確認した。

 3者は、今後も同製品の普及を通じ、ウイルス感染のリスクを下げ、広く人々の安全・健康に貢献していく考えだ。販売価格は30日分交換用不織布がセットで2750円(税込)。フレンド社のウェブサイト、アマゾンなどで販売を行っている。三井化学は、フィルター用の交換用不織布を提供する。

三井化学 日本IBMとBC技術でプラの追跡実用化へ

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2021年4月27日

 三井化学は26日、循環経済の実現に向けて課題となっているプラスチック素材のトレーサビリティ(追跡可能性)の実用化を目指すため、ブロックチェーン(BC)技術を活用した資源循環プラットフォーム構築に向け、日本IBMと協働を開始すると発表した。

両社は、循環経済の実現に向けて、プラスチック素材のトレーサビリティーシステム実用化を目指す
両社は、循環経済の実現に向けて、プラスチック素材のトレーサビリティーシステム実用化を目指す

 BC技術とは、全履歴を連続的に記録する「不可逆」なデータベース技術。全ての関係者がアクセス可能であり、データ改ざんが不可能であることから、その原材料、製品などが「いつ、どこで、だれの手を渡って来たのか」を追跡可能にする。

 三井化学のデジタルトランスフォーメーション(DX)推進室を指揮する三瓶雅夫執行役員は、「当社は気候変動とプラ問題を重点的に取り組むべき重要な社会課題と捉えている。これらの課題解決には、資源を消費して廃棄する一方通行の経済から、資源を回収して再生・再利用する循環型経済への転換が必須だ」と強調する。三井化学が培ってきたモノマーやポリマーに関する豊富な知見やスキルをはじめ、現在開発を進めているリサイクルを含む環境対応技術やノウハウを生かし、BCに代表されるDX関連技術を積極的に取り入れることで、「素材トレーサビリティシステムである資源循環プラットフォームを構築し、循環経済の実現に寄与していく」(三瓶執行役員)考えだ。

 一方、日本IBMは、様々な企業のDXに取り組んできた豊富な知見やスキルを活用し、今回のBC技術を活用したデジタルプラットフォームの構築を検証する。BC技術により、中立性や公平性が担保され、高度なセキュリティを確保できるほか、スピーディーな構築や柔軟性を特長とするクラウドを活用し、既存システムと連携したハイブリッドクラウドの構築やAIの活用も検討していく。世界的にプラスチックの需要が拡大する一方で廃プラ問題が顕在化する中、これまで以上に資源循環型経済の実現が求められているが、リサイクル原料の使用では、含有物質の明確化などトレーサビリティの担保が課題となっている。

 両社が検討する資源循環プラットフォームでは、モノマー・ポリマーといった原材料から製品の製造・販売・使用、およびその後に回収から解体・破砕を経てリサイクル原料となり製品製造に再利用されるまでの、資源のライフサイクル全体を追跡していく。また、リサイクル原料の製造工程や検査工程、物性情報や品質情報なども併せて可視化することで円滑な流通支援を目指す。

三井化学 アンモニア系製品を値上げ、原料・物流費上昇で

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2021年4月27日

 三井化学は26日、アンモニア系製品を5月17日納期分から値上げすると発表した。対象製品と値上げ幅は、液体アンモニア(ローリー)が「16円/kg以上」、液体アンモニア(ボンベ)が「37円/kg以上」、アンモニア水(ローリー)が「6円/kg以上」、尿素が「15円/kg以上」、メラミンが「51円/kg以上」となっている。

 近年の物流費の上昇やプラント設備の老朽化に伴う修繕費などの維持費用、および昨今の原燃料価格の上昇などによるコスト増加が同社の事業運営に大きな負担となっている。こうした厳しい事業環境下、同社はあらゆるコストダウンを取り進めてきたが、すでに自助努力により吸収できる限界を超えていることから、今後の事業継続と安全でかつ安定的な供給の維持を図るためには、今回の価格改定を実施せざるを得ないと判断した。

三井化学 AI活用でIBMの「女性リーダー賞」受賞

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2021年4月26日

 三井化学はこのほど、IBMが表彰する2021年の「AIの未来を築く世界の女性リーダー賞」に、RC・品質保証部長の松江香織理事が選出されたと発表した。同賞は業界を問わず、AI(IBM Watson)を活用した変革や成長、イノベーションの促進に貢献した女性を表彰するもので、今年は世界18カ国から40人が選ばれた。 

RC・品質保証部長の松江香織理事
RC・品質保証部長の松江香織理事

 松江氏は、化学物質法適合性調査業務をアシストする新しいAIソリューションの開発を主導したことが高く評価された。開発したシステムは、法適合性調査に関わる各国の法律文書や化学物質の同義語、上位概念、専門用語などをIBM Watsonに学習させることで、質問文を入力するだけで各国の言語に翻訳し、必要な情報を素早く検索できるもの。昨年1月から精緻な法適合性調査の実現をアシストするシステムとして活用しており、今後は活用範囲をさらに拡大させていく考えだ。

 三井化学は今月、デジタルトランスフォーメーション(DX)推進室を新設した。データとデジタル技術を活用しながら、一層の企業変革を加速していく。

 

三井化学 ポリウレタン樹脂を値上げ、来月から実施

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2021年4月23日

 三井化学は22日、「タケラック」や「タケネート」などのポリウレタン樹脂を5月1日出荷分から「50円/kg以上」値上げすると発表した。

 石油化学製品の需給バランスがひっ迫し、市況価格の高騰が継続する中、ポリウレタン樹脂用の原料価格が大幅に上昇しており、また物流費も上昇している。こうした事業環境下、同社はこれらのコストアップを吸収するため自助努力を重ねてきたが、今後も顧客への安定供給と品質を維持していくためにも、今回、価格改定を実施せざるを得ないと判断した。

三井化学 韓国・錦湖三井化学でMDI増強、61万tへ

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2021年4月22日

 三井化学は21日、韓国の関係会社、錦湖三井化学(三井化学SKCポリウレタン:50%、錦湖石油化学:50%)の麗水工場で、ジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)生産設備を増強すると発表した。年産20万t増強し、年産能力は61万tに拡大する。今月に着工し、2023年9月の完工、2024年1月の営業運転開始を予定。投資額は400億円を見込む。

錦湖三井化学 麗水工場
錦湖三井化学 麗水工場

 MDIは、自動車部品、自動車や家具のシートクッション材、住宅や冷蔵庫の断熱材フォーム、弾性繊維や各種接着用原料など、多くの分野で使用されている代表的なポリウレタン主原料。MDIの需要は、地球温暖化抑制のため各国で推進されている住宅建築の断熱性能向上の政策効果や、経済成長に伴う快適性向上要求の高まりにより、年率6%の需要増が見込まれている。

 錦湖三井化学は、弾性繊維や合成皮革などに使用される高機能MDI(モノメリック系)と、断熱材などに使用される汎用MDI(ポリメリック系)を生産・販売する。今回の増強により、断熱材などの需要伸長はもとより、電気自動車(EV)を中心としたNVH(ノイズ・振動・ハーシュネス)制御に使用される高機能MDI需要のさらなる拡大に対応し、MDIのグローバルリーディングカンパニーを目指していく。 

 また、生産設備の増強に併せて、生産工程で発生する副生物を原材料として再利用するリサイクル設備の導入も計画されている。原材料自給率の向上のみならず、工場からの排水量やサプライチェーン全体でのGHG排出量の削減を図る考えだ。三井化学は今後も 成長が見込めるMDI事業の拡大と、一層の高機能化を進めていく。

三井化学 大阪工場が「スーパー認定事業所」に認定

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2021年4月9日

 三井化学の大阪工場(大阪府高石市)がこのほど、経済産業省が制定する特定認定事業者制度により特定認定事業者(通称:スーパー認定事業所)に認定された。 

認定証を手にする髙木前工場長(左)と永山安全・環境部長
認定証を手にする髙木前工場長(左)と永山安全・環境部長

 同制度は、プラントの高経年化やベテラン社員の引退、多発する自然災害など、石油化学コンビナートを取り巻く事業環境が厳しくなっていく中、経済産業省が2017年4月から開始した制度。IoTやビッグデータの活用、高度なリスクアセスメント、第三者による保安力の評価の活用などの高度な保安の取り組みを行っている事業所を「スーパー認定事業所」として認定している。認定を受けた事業者は、自主保安による設備の検査方法、点検周期などの自由度が高まることから、国際的な競争力の強化にもつながっている。

三井化学大阪工場の全景
三井化学大阪工場の全景

 同社大阪工場は3月30日付で「スーパー認定事業所」に認定された。髙木岳彦執行役員大阪工場長(当時、現・三井化学オペレーションサービス社長)は、「当工場では、『安全は全てに優先する』という全社方針に基づき、プロセス、設備、運転に係るリスクアセスメント体制の強化や先進的な技術の導入により、設備信頼性の向上と運転技術の高度化を図りながら、これらを担う人材育成の強化や確保にも努めてきた」とした上で、「今後は、特定認定事業者としてリスクマネジメントのさらなる強化や先進技術の利活用を通じ、さらに高度な自主保安活動を推進するとともに、業界の模範となるよう、自主保安レベルの一層の向上と社会の持続的発展に貢献していく」とコメントしている。

 三井化学は、今回の認定を誇りに、「安全は全てに優先する」の全社方針に基づき、全工場の安全・安定操業に邁進していく考えだ。