三井化学の2019年3月期第1四半期連結決算は、売上高が前年同期比4%減の3428億円。営業利益は同21%減の207億円。経常利益は同37%減の198億円、純利益は同47%減の125億円となった。
1日に開催した決算説明会で、久保雅晴副社長は「1Qは、成長3領域はおおむね前期並みだった。一方、基盤素材事業の海外市況下落の影響により、営業利益が前年同期比でマイナスとなった。経常利益についても、営業減益に加え、
2019年8月2日
2019年7月25日
三井化学と三井化学SKCポリウレタン(韓国・ソウル)はこのほど、環境負荷低減に貢献する植物由来のバイオポリオール「エコニコール」が、ロボットベンチャーのZMP社(東京都文京区)が手掛ける1人乗り用自動運転モビリティ「Robocar Walk」に採用されたと発表した。
「エコニコール」は、食料問題と競合しない非可食の植物である「ひま(トウゴマ)」から製造する、気候変動問題の解決に貢献するバイオマスプラスチック原料だ。
バイオマスプラ認証のもとになるポジティブリストに登録済みのポリウレタン原料であり、すでに自動車シートや家具のクッション素材として同製品を使用したポリウレタンフォームの採用が広がっている。
今回、三井化学SKCポリウレタンは、「エコニコール」を「Robocar Walk」のシートクッション用の原料としてZMP社に提供。一般のポリウレタンフォームと比較して、原料製造から廃棄までの過程で、27%のCO2削減を実現した。
ZMP社が〝移動のパートナー〟と位置づける「Robocar Walk」は、人の移動を変革する自動運転車両「RoboCar」シリーズの新モデル。移動に不自由を抱える人に対し、目的地までの自律移動により、空港、商業施設、観光地など様々な場面で、安心・確実な移動を提供する。
ZMP社の谷口恒社長は、「当社は、人に共感されるデザインを目指してロボットの設計を行ってきた。『エコニコール』を採用することで、人だけでなく、環境にも優しいロボットを製作でき、顧客へより一層の価値提供が可能になる」との考えと採用の経緯を語る。
三井化学グループは今後も、「エコニコール」をはじめとした気候変動問題へ貢献する素材や技術を提供し、用途展開を推進することで、循環経済の実現に貢献していく。
なお、「Robocar Walk」は、ベルサール飯田橋ファースト(東京都文京区)で26日まで開催中の、自律移動技術フォーラム「ZMP World 2019」で公開されている。
2019年7月23日
2019年7月19日
2019年7月11日
2019年7月2日
三井化学は、これまでなかったような新しい視点で「素材の魅力」を分かりやすく伝える、クリエイターとのコラボレーションプロジェクト「Material Meets Creative Team」の第7弾を、広告・クリエイティブの専門誌「月刊ブレーン」8月号に発表した。
第7弾は同社グループの持つレンズ素材と光学設計技術を組み合わせ、ライゾマティクスの坂本洋一氏とのコラボレーションで、光で空間を作り出すレンズ「optical walls」を製作した(紹介動画:https://youtu.Be/DsmtPiimPtQ)。
同社はメガネレンズ材料やスマートフォンカメラレンズ材料などの光学材料を保持しており、特に高屈折率メガネレンズのデファクトスタンダード材料「MRシリーズ」では、さまざまなラインアップを保有している。
今回同社グループのアークが持つ光学設計技術と組み合わせ、光の形状を変化させる「optical walls」を製作した。拡散光のLEDの光が「optical walls」を通過することで、直線光に変換され、何もない場所に光で区切られた空間を創り出す。
今回の「optical walls」のコンセプトは、これまでのレーザーやプロジェクターを用いた空間演出ではなく、安全性が高く、軽量な新しい空間演出のアプローチを実験すること。今回のレンズ設計を用いることで、軽量な光学パーツで済むため、例えばドローンを使った空間演出などを容易にする。
なお、プロダクトのアイデアとコンセプトの背景を、特設ウェブサイト・https://www.Sendenkaigi.com/mccr/で後日公開する。
2019年6月28日
三井化学はこのほど、5月24日に日本物流団体連合会主催の「第20回物流環境大賞」で、山九と合同で「物流環境負荷軽減技術開発賞」を受賞したと発表した。合成樹脂輸送(500kgフレキシブルコンテナバッグ)の内航船へのモーダルシフトと、積載効率向上による環境対策が評価された。
三井化学は従来、千葉県から広島県への合成樹脂(500kgフレコン)の輸送をトラックのみで行っていた。しかし、二段積みができない当該製品の特性上、12tトラックに8t分の製品を平置きしていたため、トラックの積載率は67%に留まり、積載の効率化が課題だった。
そこで二段積み用の専用ラック(意匠取得)と、このラックが収まる特殊20フィートハイキューブコンテナ(実用新案取得)を製作し、積載効率の向上を図ると同時に、コンテナ化によって内航コンテナ船へのモーダルシフトを可能にした。
これらのことから、CO2の削減(環境への配慮)と省人化(ドライバーの働き方改革に貢献)、安定輸送の確保を実現した。
同社は今後も、より一層の物流の環境負荷軽減に取り組んでいくという。
2019年6月26日
三井化学は25日、国土交通省・経済産業省・農林水産省が提唱する「ホワイト物流」推進運動の趣旨に賛同し、自主行動宣言を「ホワイト物流」推進運動事務局に提出したと発表した。
自主行動として「予約受付システムの導入」「パレット等の活用」「入出荷情報等の事前提供」「高速道路の利用」「船舶や鉄道へのモーダルシフト」「荷役作業時の安全対策」「異常気象時の運行の中止・中断」に取り組む。
具体的には、予約受付システムの導入により、待ち時間短縮に努める。パレットと通い箱などを活用することで、荷役時間を削減。荷主からの入出荷情報をよりスピーディーに提供し、物流事業者の準備時間を確保する。
高速道路の利用と料金の負担に関して真摯に協議に応じ、長距離輸送については、船や鉄道を積極利用してGHGガス削減に努める。作業手順の明示、安全通路の確保、足場の設置などの対策を講じ、作業者の安全確保を徹底する。異常気象が発生した際や、その発生が見込まれる際には、無理な運送依頼は行わない。
「ホワイト物流」推進運動は、深刻化が続くトラック運転者不足に対応し、国民生活や産業活動に必要な物流を安定的に確保するとともに、経済の成長に寄与することが目的。
トラック輸送の生産性の向上・物流の効率化、女性や60代以上の運転者なども働きやすい「ホワイト」な労働環境の実現を目指している。三省が4月、上場企業・各都道府県の主要企業約6300社の代表者に対し、参加の呼びかけを開始した。同社では今後、関係者の理解を得ながら取り組み項目を拡充していく。
同社グループは2016年から京葉臨海地区で、近隣の化学メーカーの参加を得て、サンネット物流とともに小口製品の共同物流を開始。2017年には山九、三井・デュポンポリケミカル(現:三井・ダウポリケミカル)、日本貨物鉄道、丸運とともに、国交省が進める「モーダルシフト等推進事業」の認定を受けている。
昨年には三井化学物流部が日本化学工業会の「レスポンシブル・ケア優秀賞」を受賞した。
2019年6月14日
三井化学は14~16日に、軽井沢駅前プリンスショッピングプラザ駐車場で開催される、G20軽井沢関係閣僚会合の展示会で、バイオポリプロピレン(バイオPP)に関するパネル展示をする。
同会合は大阪市で開催されるG20サミットに合わせ、日本が議長国として開催される関係閣僚会議の1つ。サイドイベント「地球へ社会へ未来へ G20イノベーション展」では、水素エネルギー、海洋プラスチックごみ対策、イノベーションなどをテーマに、日本最先端のエネルギー・環境関連技術の展示を行う。
PPは自動車部材をはじめ、医療から家電、住宅、食品分野まで、幅広い用途に使用されており、人々の生活に欠かせない素材の1つである。日本で生産されるプラスチックの2割強を占める主要な素材だが、バイオマス原料化の難易度が高く、今のところ工業化レベルの技術確立には至っていない。
従来のプラスチックは、数億年の長い年月をかけて地中に蓄えられた化石資源が原料なのに対し、バイオマスプラスチックは植物が主な原料。植物は大気中のCO2を吸収して生育するので、CO2削減に効果的で、地球温暖化を緩和する。
植物を原料とするバイオPPは、持続可能な社会への貢献が期待される製品で、同社グループが目指すバイオPPの事業化は、非可食植物を主体とするバイオマス原料から、発酵によりイソプロパノール(IPA)を製造し、それを脱水しプロピレンを得て、さらに重合してPPを製造する世界初のIPA法である。
この製法は、これまでに検討されている他社のバイオマス製法に比べ、より安価なバイオPPの製造が可能になる。また、パートナー企業との取り組みを通じて、バイオマス原料の供給を受ける一方、バイオマス原料製造で生じた廃棄物の回収と有効活用により、同社製造設備への電力供給を目的としたバイオマス発電や肥料の製造も行う。
同社はパートナー企業とともに、サプライチェーンを通じた資源循環型モデルの構築と、環境対応による社会貢献を目指す。
2019年6月10日