三菱ケミカルホールディングス 石化・炭素事業を分離・独立化へ

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2021年12月2日

 三菱ケミカルホールディングスは1日、ジョンマーク・ギルソン社長の下で策定した新経営方針「Forging the future 未来を拓く」を発表した。最重要ポイントの1つとして、石油化学事業および炭素事業を分離・再編し、独立化を進めることで国内基礎化学産業の再編を主導する方針を掲げている。

ジョンマーク・ギルソン社長

 同日に説明会を開催し、ギルソン社長は「石化事業と炭素事業は、カーボンニュートラルの観点からも利益を出すことが難しくなることが想定され、日本では統合や再編が避けられない。業界のリーダーとして再編をけん引し、両事業の継続を図り、その中で業界の将来を考えていく」と語った。

 国内汎用品事業は、市場の成長余地が限定される中、外部環境による変動の波を受けやすいことに加え、CO2排出削減により国内エネルギーコストの上昇が見込まれるため、収益性の確保が難しくなることが想定されている。

 同社は今後のスケジュールとして、2021年度内に石化・炭素事業のカーブアウトの範囲・手法を検討し、2022年度にはパートナーと事業の在り方やストラクチャーを検討。2023年度には石化・炭素事業を切り離し、パートナーと共に一層の業界再編を追求していく考えだ。

三菱ケミカルホールディングス 最高財務責任者に3Mの中平氏が就任

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2021年11月29日

 三菱ケミカルホールディングスは26日、経営体制の一層の強化のため、2022年4月1日付で3M社 Vice President,Asia Consumer Business Groupの中平優子氏が執行役最高財務責任者に就任することを取締役会で決議したと発表した。

 なお、伊達英文取締役執行役常務最高財務責任者は取締役に就任する。

総合化学大手 4-9月期業績、各社利益が伸長

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2021年11月17日

販売数量増と市況上昇が要因、ROSも大幅改善

 総合化学大手5社(三菱ケミカルホールディングス、住友化学、三井化学、旭化成、東ソー)の上期(4-9月期)業績は、コロナ禍で厳しい状況となった昨年同期に比べ、大幅に利益が伸長した。 

 昨年度後半からの自動車生産の回復や巣ごもり需要が拡大したことで、各製品の出荷が好調となったことが背景にある。特に、ボラティリティが高いとされる素材セグメントの利益が大きく伸長したことで、各社のROS(売上高利益率)の改善につながった。

 各社の利益を見ると、コア営業利益(IFRS)では、三菱ケミHDは前年同期比186%増の1561億円、住友化学は同178・4%増の1489億円、三井化学は同408%増の943億円となり、営業利益では旭化成が同47%増の1131億円、東ソーが同270%増の653億円と、揃って大幅な増益となっている。

 中でも石化事業は、

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三菱ケミカルホールディングスの4-9月期 石化市況の上昇で増収増益

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2021年11月4日

 三菱ケミカルホールディングスは2日、2022年3月期第2四半期(4-9月期)の連結業績(IFRS)を発表した。売上収益は前年同期比25%増の1兆8851億円、コア営業利益2.9倍の1561億円、営業利益1531億円(同1813億円増)、純利益852億円(同1349億円増)となった。

 オンラインによる決算会見の中で伊達英文取締役執行役常務最高財務責任者は、「コロナ禍からの回復により、機能商品、ケミカルズ、産業ガスの販売数量が回復し大幅な増収となった。利益面では、

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三菱ケミ 生分解樹脂と循環型社会の取り組みが優秀賞に

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2021年10月26日

 三菱ケミカルホールディングスと三菱ケミカルは25日、「第9回プラチナ大賞」(主催:プラチナ構想ネットワーク、プラチナ大賞運営委員会)において、「生分解性樹脂「BioPBS」と地域資源を用いた循環型社会の構築」が、優秀賞(グリーン技術革新賞)を受賞したと発表した。

「BioPBS」を起点とした循環型社会構築の取り組み

 三菱ケミカルは、プラ廃棄物の増加、海洋プラごみ問題や地球温暖化という環境問題の解決に通ずるひとつの手段として、「BioPBS」の開発を推進。「BioPBS」は土壌中の微生物によって、水とCO2に完全に分解されることからプラ廃棄物削減に貢献でき、また原料が植物由来であるため、CO2の排出量削減に寄与できる。

 同社は、昨年から八ヶ岳エリアで「BioPBS」を起点とする循環型社会形成のプロジェクトを実施している。「BioPBS」を使用した紙コップ、ストロー、カトラリーなどを使用後に回収。八ヶ岳中央農業実践大学校でコンポスト処理(堆肥化)し、その堆肥を協力農家で野菜栽培に活用するという資源循環の実証事業を行っている。さらに、この循環システムで育てた野菜を「サステイナブル野菜」にブランド化。三菱ケミカル関係会社のカフェで提供されるメニューに取り入れ、消費者がプラごみ問題について考えるきっかけを与える活動も進めている。

 良質で美味しい野菜を食べてもらうことで、八ヶ岳野菜の価値向上と地域活性に繋がることも期待される。また、生産野菜をこども食堂(子どもたちに食事を提供するコミュニティ)へ寄贈する活動も積極的に行っており、コロナ禍での地域密着型社会貢献にも取り組んでいる。

 今回、こうしたプロジェクトが地域活性化にも貢献する資源循環の取り組みとして評価され、プラチナ大賞の優秀賞を受賞した。三菱ケミカルホールディングスグループでは、今後も地域と連携しながら、資源循環システムの構築を目指していく。

三菱ケミカルホールディングス 「KAITEKIフォーラム」でCN宣言

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2021年10月22日

KAITEKIフォーラム

ギルソン社長「道のりは険しいが、成長の機会に」

 三菱ケミカルホールディングスは20日、オンラインによる「The KAITEKI FORUM 2021」を開催。「カーボンニュートラル(CN)実現に向けて―社会全体での挑戦と取り組み―」を主題に、政策説明や招待講演などが行われた。なお同日、同社は2050年までにGHG排出を実質ゼロにするCNの実現を宣言している。

 開会の挨拶でジョンマーク・ギルソン社長は、「CNの実現という山頂への道のりは険しいが、

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三菱ケミカルホールディングス カーボンニュートラル実現に向け方針策定

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2021年10月21日

 三菱ケミカルホールディングスは20日、2050年のカーボンニュートラル(CN)実現に向けた方針を発表した。

 同社は。中長期経営基本戦略に、GHGインパクトニュートラルが達成されていることを2050年に目指すべき社会の1つの条件として掲げ、その実現のため、バリューチェーン全体を通じたGHG低減・有効活用などの施策を推進。今回、世界各国・地域の状況を踏まえ、グローバルなGHG削減目標(スコープ1、2)および方針を策定した。

2030年のGHG削減目標

 まず、2030年度までにGHG排出量を、グローバルで29%削減(2019年度比)する。製造プロセスの合理化、自家発電用燃料転換などによる削減(自助努力)のほか、2030年度に世界各国・地域のCO2排出係数を前提に電源構成に基づく削減(外部要因)を行う。

 そして、2050年までにGHG排出量を実質ゼロとするCNを達成する。製造プロセスの合理化継続、バイオマス原料の活用やCO2の原料化などのイノベーションの実装に取り組むことに加え、植林などによるカーボンオフセットも図る。

 ただ、各国政府・機関・企業などのイニシアティブによる、CO2フリーの電力供給、水素・アンモニアなどのサプライチェーンの確立と低価格化、CNに向けた研究開発・設備投資への補助などを前提条件(外部要因)とした。なお、設備投資については、2030年度までに約1000億円を見込んでいる。

2050年カーボンニュートラル実現に向けた取り組み

 一方、同社グループの主要会社である三菱ケミカルは、CN達成に向けたGHG排出量の削減目標(スコープ1、2)として、2030年までに世界は32%以上(2019年度比)、日本は43%以上(2013年度比)を設定した。

 取り組みとして、①エネルギー転換の実施、②社内炭素価格制度の導入、③ライフサイクルアセスメント実施体制の強化、を掲げる。

 具体的には、①では、2030年度までに国内事業所・工場において再生可能エネルギー・LNGなどを導入し、石炭火力発電からの脱却を目指す。

 ②では、GHG排出削減と事業成長の両立のため、2022年度から社内炭素価格制度を導入。スコープ1、2に加え削減貢献も評価対象とし、設備投資の判断指標の1つとして活用する。今後は、研究開発の投資判断にも制度対象を拡大させ、事業ポートフォリオ戦略の指標としていく。

 ③では、2022年度上期中に国内事業所・工場で生産される全製品について、カーボンフットプリントを速やかに算定できる体制を確立する。デジタル化や従業員への教育を推進し、スピーディーに算定を行うことで、製品チェーン全体でのGHG排出削減に向けた取り組みを加速させる。

三菱ケミカルホールディングス 結晶質アルミナ繊維事業、850億円で譲渡

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2021年10月1日

 三菱ケミカルホールディングスは30日、連結子会社・三菱ケミカルの結晶質アルミナ繊維事業について、米アポロ・グローバル・マネジメント関連の特別目的会社であるアポロSPCに譲渡すると発表した。来年3月1日に譲渡する予定で、譲渡金額は850億円を見込む。

 新たに設立する新会社に、三菱ケミカルおよび連結子会社三菱ケミカルハイテクニカの結晶質アルミナ事業を吸収分割の方法で承継した後、新会社の全株式をアポロSPCに譲渡する。

 三菱ケミカルは同事業を通じ、アルミニウム源とケイ素源を原料に、結晶質アルミナ繊維「MAFTEC」「MAFTEC OBM」の製造・販売を行っている。

 同製品は耐熱性に優れ、超高温下でも安定した機能性をもつことから、主に自動車の排ガスを浄化する触媒コンバータ向けに走行中の振動や衝撃からセラミック触媒担体を守る把持材(サポート材)として、また製鉄所などの炉内断熱材として世界中で使用されている。

 近年、世界的な排ガス規制の強化や自動車需要の伸長を受け、需要は堅調に推移し、今後も一定の成長が期待される。しかし足元では、内燃機関搭載車の販売を規制する動きも見られ、同事業の持続的な成長のためには、新用途開発や成長分野への投資が不可欠となっていた。

 こうした状況を踏まえ、三菱ケミカルHDは、中期経営計画に基づくポートフォリオ改革を検討する中で、グループがもつ製品群や技術では十分なシナジーをもって同事業の変革・成長を図ることは難しいとの結論に至った。

 先端素材、化学、自動車業界で豊富な支援実績があり、アルミを含む素材業界に関する専門的な知見・経営資源をもつアポロの関連会社の下で事業運営を行い、耐火・耐熱ソリューションの拡充、産業およびEV向け製品を含む新たな用途開発、さらなる競争力強化を図ることが同事業にとって最適であると判断し、今回、同社との間で株式譲渡に合意した。

三菱ケミカルホールディングス 人事(10月1日)

2021年9月8日

[三菱ケミカルホールディングス・人事](10月1日)▽解兼企業経営部門コーポレート・セクレタリー室長、取締役執行役常務コンプライアンス推進統括執行役グループ・コンプライアンス推進統括執行役企業経営部門、同部門総務室(総務・秘書)、海外統括会社分担藤原謙▽同部門コーポレート・セクレタリー室長、同部門同室グループマネジャー重見英文。

三菱ケミカルホールディングス 植物肉を開発するスタートアップに出資

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2021年9月6日

 三菱ケミカルホールディングスは3日、発芽大豆由来の植物肉「ミラクルミート」を開発・製造するスタートアップのDAIZ社(熊本県熊本市)に出資したと発表した。

提携したDAIZ社
提携したDAIZ社

 DAIZ社は、丸大豆を主原料として、独自の技術により肉に近い味と食感の再現、大豆特有の異風味の低減を実現した「ミラクルミート」を開発。国内を中心に多くの食品メーカーや外食チェーンなどで採用が拡大している。

丸大豆を主原料とした植物肉「ミラクルミート」
丸大豆を主原料とした植物肉「ミラクルミート」

 近年、地球温暖化の問題からGHG(温室効果ガス)削減が求められているが、牛などの畜産動物が排出するCO2や腸内ガス(メタン)が大きな割合を占めている。これに対し、植物由来の代替肉は環境負荷の少ないタンパク源であり、世界人口の増加に伴いタンパク質の需要が急速に高まっていることや新興国での食肉需要が拡大していることもあり、大きな注目を集めている。

 こうした中、DAIZ社には、次世代植物肉の研究開発や国内外の市場への普及を通じて、持続可能な社会の実現に貢献していくことが期待されている。三菱ケミHDは、持続可能なフードシステムの実現やGHG削減などの社会課題解決に取り組むことは絶好の事業機会になると捉えており、DAIZ社との連携によりグループの食品に関連する技術力をより一層強化していく。

 なお、三菱ケミHDはこれまで複数のグローバル投資を行ってきたが、今回のDAIZ社への出資は、国内のスタートアップへの出資の第1号案件となる。三菱ケミHDのラリー・マイクスナーCTOは「持続可能な食糧供給の実現は、世界中の人々の健康的で幸福な生活に不可欠であるとともに、私たちが暮らす地球の持続に必要なGHG削減という観点からも非常に重要であり、当社グループのコアバリューと深く結びついている。当社は、食品添加物から医薬品に至る幅広い分野において世界的に優れた技術を有しており、DAIZ社のミッションの達成に大きく貢献できる」とコメントしている。

 今回の出資は、新たな成長市場で事業を拡張、開拓していくためにスタートアップとの戦略的提携を継続的に進めていることを示すもの。三菱ケミHDは今後もこうした提携を活用し、グループの事業拡大とポートフォリオ改革を後押ししていく考えだ。

植物肉「ミラクルミート」の製造工程
植物肉「ミラクルミート」の製造工程