三菱ケミカルホールディングスは1日、ジョンマーク・ギルソン新社長の就任挨拶を発表した。ギルソン社長は「三菱ケミカルホールディングスグループの一員となれることを光栄に思う。当社の高い評価、グローバルな事業展開、トップレベルの保有技術は、私がリーダーの職責を担うという判断をする上で、決定的な要因となった」と就任理由について触れた。
昨年度については「世界と人々、そして経済にとって大変厳しい年であり、当社も大きな影響を受け、満足できない業績に留まった」と振り返る一方、「別の視点で見れば、興味深い事実が見えてくる。この数年進んできた様々なイノベーションが驚くべき速さで日常生活に浸透し、生活様式を一新した。リモートワークやeコマースなど、1年前には不可能だと思われていたことが、今では現実になっている」と指摘した。
また、コロナ禍でも成長を遂げている企業の特徴として、①すべての人に理解・共感されるシンプルで明確な目的と戦略、②成長市場に注力し、革新していくカルチャー、③迅速な意思決定、適応力および十分に検討した上でのリスクテイク、④あらゆる階層の従業員一人ひとりの積極的かつ業績への責任感ある取り組み、を挙げた。
そして、「私たちは従業員が注力する点を研ぎ澄まし、彼らの創意工夫、情熱、財務的洞察、そして絶え間ない努力を通じて、 ステークホルダーの皆様に大きな価値を生み出していく」と強調。ただ、「結果として、事業ポートフォリオや優先順位の見直しなど、いくつかの困難な決断につながることもあるだろう」と示唆した。
最後にギルソン社長は「私たちの目標は、世界や市場に満ちているビジネスチャンスを当社グループの成功に変えることであり、私の目標は、業績の向上を通じて、当社を、ステークホルダーの皆様にとって大きな価値創造の源であるとともに、急速に変化する世界における力となるように変えてくことだ。これから先に広がる挑戦を楽しみにしている」と述べている。