三菱ケミカル 樹脂改質剤を値上げ、コスト上昇に対応

,

2021年5月10日

 三菱ケミカルは7日、樹脂改質剤「メタブレン」の国内出荷価格について、今月21日納入分から値上げすることを決定し、各需要家との交渉に入ったと発表した。改定幅は、「メタブレン」各製品とも「20円/kg以上」。

 昨年以降、主原料であるメチルメタクリレート(MMA)、ブチルアクリレート(BA)やブタジエンなどのモノマー類は国際的な需給ひっ迫により価格が高騰。さらにユーティリティコストや物流費も上昇している。同社は、自助努力によりこれらのコスト上昇分を吸収することは極めて困難な状況であることから、今後も顧客に良品質の製品を安定的に供給するためには価格改定が必要であると判断した。

 

三菱ケミカル モスアイ型反射防止フィルムの展示会を開催

, , , ,

2021年4月23日

 三菱ケミカルは22日、モスアイ型反射防止フィルム「モスマイト」を題材とした展示会「15 EXPANSIONS」が、5月11日~6月10日に「Material ConneXion Tokyo」(東京都港区六本木)で開催されると発表した。

モスマイト拡大写真
モスマイト拡大写真

 同社が開発したモスマイトは、蛾の眼(モスアイ)がもつ微細な突起構造を模倣した反射防止フィルム。表面に高さ200㎚の突起が100㎚の間隔で並んでおり、突起の幅が可視光線の波長よりも狭いため光の屈折率の変化が緩やかになり、反射を抑制する。一般的なガラスやプラスチックの表面は光の反射率が4~5%程度あるが、モスマイトを貼付することにより0.1~0.3%にまで抑えることが可能になる。その優れた光透過性から、これまでに車載ディスプレイや医療用モニター、サイネージ、額装など幅広い分野での採用実績がある。

左・モスマイトなし 右・モスマイトあり
左・モスマイトなし 右・モスマイトあり

 電通の社内横断型組織「DENTSU DESIGN FIRM」では、コミュニケーション領域からプロダクト領域へ越境を目指し、特徴的な素材を題材にした「Product Design School(PDS)」を開催。展示会「15 EXPANSIONS」では、PDSに参加した15人のクリエーターがモスマイトの秘められた可能性を引き出し、これまでにない新たな用途やシーンを開拓する作品を展示する。 

 三菱ケミカルは今後も、モスマイトの新たな用途開発・市場開拓に向けて、様々な業界と連携して事業を展開し、さらなる拡販に努めていく。

 

三菱ケミカル 酢酸ビニルモノマーを値上げ、採算是正を図る

,

2021年4月16日

 三菱ケミカルは15日、酢酸ビニルモノマーについて、今月20日出荷分から値上げを実施することとし取引先との交渉を開始したと発表した。改定幅は「25円/kg」。

 酢酸ビニルモノマーの需給がひっ迫している中、原料価格の上昇が続いており、事業環境は厳しい状況にある。同社は、自助努力のみで収益性悪化を吸収するのは困難であることから、旺盛な需要に対応し安定供給を継続するためには採算是正が必要と判断し、今回の値上げを決定した。

三菱ケミカル 宇宙開発ベンチャーと提携、CFRP部材提供

, , , ,

2021年4月15日

 三菱ケミカルは14日、民間企業として世界初となる月面探査の実現を目指す、ロボット・宇宙開発ベンチャーのダイモン(東京都大田区)との間でパートナーシップ契約を締結したと発表した。

ダイモンの月面探査車 「 YAOKI 」
ダイモンの月面探査車 「 YAOKI 」

 今回の契約は、三菱ケミカルがもつ炭素繊維強化プラスチック(CFRP)部材と熱可塑性樹脂材料の提供や技術支援を行う内容で、その一環として、今秋に打ち上げ予定の月面探査車関連部品にCFRPが使用される予定。

 宇宙分野で使用される機器は、打ち上げや宇宙空間などの過酷な環境での使用に耐える強度や剛性、耐熱性が求められることに加え、1kgあたり1億円とも言われる月面への輸送コスト低減のため、部材の軽量化も大きな課題。

 これまで主にアルミ素材が使われてきたが、強度と軽さを兼ね備えるCFRPの普及が期待されている。すでに人工衛星など宇宙分野でのCFRP部材の採用実績をもつ三菱ケミカルは、ダイモンとの提携により、宇宙空間や月面での使用実績を積み重ね、製品開発と月面基地部材など用途開発を加速する。

 同社は今後も、発展が見込まれる宇宙分野への展開を積極的に進め、事業の成長を図っていく。

三菱ケミカル 生分解性樹脂CP、海洋試験で90%が分解

, , , ,

2021年4月13日

 三菱ケミカルは12日、植物由来の生分解性樹脂コンパウンド「FORZEAS(フォゼアス)」を使ったフィルムが、かねてから実施してきた海洋生分解性の試験により、1年間で約90%分解されたという結果が得られたと発表した。

「フォゼアス」海洋生分解性試験

 今回の試験は、同社の「BioPBS」を使用した樹脂コンパウンド「フォゼアス」で製膜した厚さ25ミクロンのフィルムについて、国際基準(ISO)に準拠した試験を第3者機関で実施している。

「フォゼアス」中津まちづくり協議会に採用されたレジ袋

 また今回、海洋生分解性が確認されたグレードを使用したレジ袋が大分県中津市のNPO法人中津まちづくり協議会に採用された。レジ袋としては初めての採用となり、4月から同協議会の会員事務所や市内の小中学校に配布される。昨年7月から開始されたレジ袋有料化をはじめ、プラスチックに対する環境配慮への要求がますます高まっている。

 同社は、今回の試験結果と中津まちづくり協議会への採用を足掛かりに、引き続き地方自治体や小売店で取り扱われるレジ袋やごみ袋、その他食品包装材といったシングルユースのプラスチック製品への採用拡大に向けて取り組んでいく考えだ。

三菱ケミカル 酢酸と酢酸塩類を5月1日から値上げ

, ,

2021年4月13日

 三菱ケミカルは12日、酢酸と酢酸塩類について、5月1日出荷分から値上げすると発表した。対象製品と改定幅は、酢酸が「20円/kg」、酢酸ナトリウム(結晶)が「10円/kg」、酢酸ナトリウム(無水)が「15円/kg」、粉末酢酸が「15円/kg」。

 昨今の急激な原燃料価格の高騰や物流コストなどの増加により、事業採算は大幅に悪化することが想定される。こうした中、同社は、各種経費の削減や効率化を実施しているが、自助努力のみでコスト上昇をすべて吸収することは難しく、安定供給体制を維持するためにも、値上げが避けられないと判断した。

三菱ケミカル C4誘導品製品を値上げ、世界的に需給ひっ迫

,

2021年4月9日

 三菱ケミカルは8日、C4誘導品の各製品について今月1日出荷分から値上げすると発表した。対象製品と改定幅は、1,4-ブタンジオール、および1,2-ブタンジオールが「50円/kg」、テトラヒドロフラン、ポリテトラメチレンエーテルグリコール、ガンマーブチロラクトン、N-メチル-2-ピロリドンが「65円/kg」となっている。

 対象製品は、昨年来、国内外でのメーカープラントの事業撤退およびフォースマジュールの影響と堅調な需要により、世界的に需給がひっ迫している。こうした中、同社は、採算是正と安定供給体制を維持するため、今回の値上げが避けられないと判断した。

三菱ケミカル アセトンなどを値上げ、コスト上昇に対応

, , ,

2021年4月9日

 三菱ケミカルは8日、アセトン、メチルイソブチルケトン(MIBK)、ダイアセトンアルコール(DAA)について、今月19日出荷分から値上げすると発表した。改定幅は、アセトンが「36円/kg以上」、MIBKとDAAがいずれも「45円/kg以上」となっている。

 国産ナフサ基準価格は、原油価格上昇の影響を受け騰勢を強めており、さらに、このような状況に伴い、製品の製造にかかる用役費・副原料費などの諸経費も上昇を避けられない事態となっている。同社は、こうした原燃料価格などの上昇に伴う大幅なコストアップ分を、自助努力のみで対応することは困難と判断し、価格改定の実施を決定した。

三菱ケミカル ビスフェノールAを値上げ、67円/kg以上

,

2021年4月9日

 三菱ケミカルは8日、ビスフェノールAについて今月19日出荷分から値上げすると発表した。改定幅は「67円/kg以上」。

 国産ナフサ基準価格は、原油価格上昇の影響を受け騰勢を強めており、原料となるベンゼンの価格も同様に上昇している。さらに、このような状況に伴い、製品の製造にかかる用役費・副原料費などの諸経費も上昇を避けられない事態となっている。同社は、こうした原燃料価格などの上昇に伴う大幅なコストアップ分を、自助努力のみで対応することは困難と判断し、今回の値上げを決定した。