丸紅 ベトナムで段ボール原紙の製造と包装資材販売の事業を開始

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2019年1月28日

 丸紅はこのほど、パッケージ市場の成長著しいベトナムで、100%出資の段ボール原紙製造・包装資材販売事業を開始すると発表した。

 同社は、同国バリアブンタウ省に段ボール原紙製造会社・Kraft of Asia Paperbord & Packaging社を設立し、工事着工に必要な全ての許認可を取得した。今後速やかに工事着工のうえ、2020年度下期の商業稼働を予定。2022年のフル操業時の年産能力は35万tを見込む。

 同社は、日本国内での興亜工業(丸紅出資79.95%)・福山製紙(同55%)の経営・操業経験に加え、海外での段ボール原紙事業の知見を蓄積してきた。興亜工業がもつ生産技術・ノウハウと丸紅の販売ネットワークを活用し、丸紅主導の事業運営によって、伸長するベトナム段ボール市場で事業拡大を目指す。

 世界の段ボール原紙需要は、経済規模の底堅い拡大と電子商取引の伸長などに伴い、今後も堅調に推移すると見られている。その中でもベトナムは、アセアン諸国第3位の9300万人を超える人口を擁し、国民所得の堅調な伸びに伴い段ボール原紙の内需も今後大きく増大するものと予想されている。

 また同国は、外国資本の輸出産業を数多く誘致することで堅調な経済成長を実現し、段ボール原紙需要で、タイやインドネシアなどその他アセアンの製紙先進国を大きく上回る年率10%以上の成長を続けており、2020年代前半にはアセアン最大の段ボール原紙消費国になると見込まれている。

 同社は、日本で培った省資源・省エネルギー技術を活用した段ボール原紙生産により、地域社会との共生を図りながら、同国のさらなる産業発展に貢献していく。

丸紅 米国企業へ出資し新たなモビリティサービスを提供

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2018年12月17日

 丸紅はこのほど、今月3日に傘下の特定目的会社MAIHOⅢ社を通じて、米国で自動運転技術開発と自動運転配送サービスの事業化を推進する、スタートアップudelv社に出資したと発表した。

 udelv社は、2016年にカリフォルニア州で設立され、今年1月から公道でラストワンマイル(最終拠点から最終配達先までの配送区間)の自動運転配送サービス実証実験を開始し、これまでにサンフランシスコ・ベイエリアの公道で提携小売店の顧客向けに、1000回以上の自動運転配送サービスを実施している。

 今後、udelv社は自動運転車両の改良を重ね、カリフォルニア州のみならず、オクラホマ州やテキサス州へもサービスエリアを拡大していく予定。テキサス州では、丸紅がMAIHOⅢ社の子会社であるXL Parts社を通じて、展開するアフターマーケット向け自動車部品卸販売事業での実証実験も計画している。

 丸紅はudelv社への出資を通じて、物流分野でのラストワンマイルの効率化、将来の自動運転社会の到来を見据えた商用車フリートマネジメント(人や物の輸送サービスで利用する商用車両の調達・運用・処分といったライフサイクルを最適に管理する)事業など、新たなモビリティ・サービスの提供へ積極的に取り組んでいく方針だ。

 

丸紅 溶融硫黄の長期供給で中国大手肥料と覚書を締結

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2018年11月27日

 丸紅はこのほど、中国の大手肥料製造・販売会社である湖北祥云(集团)化工股份(湖北祥云社)と、溶融硫黄の長期供給に関する覚書を今月7日に締結したと発表した。

 湖北祥云社は、肥料の原料として固形硫黄を中国国内より調達しているが、環境問題への意識の高まりを受け、溶融硫黄へ原料転換を推進する。

 丸紅は40年以上、溶融硫黄の販売を行っており、中国でも沿岸部の需要家向けに供給をしてきた。物流面の制約から、内陸部の需要家への溶融硫黄の供給は従来困難だったが、丸紅が出資する硫酸製造・販売会社である、江蘇震宇化工(江蘇震宇社)を物流基地として活用し、丸紅の輸送機能を増強することにより、中国内陸部への供給を実現する。

 丸紅は、湖北祥云社への溶融硫黄の供給を契機とし、揚子江内陸部の需要家への溶融硫黄の供給を拡大させ、環境に配慮したビジネスを推進していくとともに、中国での農業、化学工業の発展に貢献していく考え。

丸紅 パーム油由来の脂肪酸の在庫販売を開始

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2018年11月7日

 丸紅は6日、日本でのRSPO・SCCS認証(MB)を取得したパーム油由来の脂肪酸(RSPO認証脂肪酸)の在庫販売を開始し、安定的かつ少量の需要にも対応できる供給体制を構築すると発表した。

 脂肪酸の原料となるパーム油は、農園開発の過程で環境破壊、生物多様性の喪失、労働者の人権侵害など、様々な環境・社会問題の原因と指摘されている。

 こうした問題の解決に向け、環境などに配慮して生産された「持続可能なパーム油」であるRSPO認証を取得したパーム油使用の要請が世界や日本で高まっている。

 同社は、これまで特定顧客向けにRSPO認証脂肪酸の販売を行っていたが、潜在的な顧客ニーズに対応するため日本で初めてRSPO認証脂肪酸の在庫販売を開始する。

 同社は、ESG課題への取り組みを強化することを目的として、4月に社長直轄のサステナビリティ推進委員会を発足した。RSPO認証製品の流通を通じ、持続可能な社会の実現に貢献していく考えだ。

丸紅 農作物栽培指導サービス企業に出資

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2018年8月29日

 丸紅はこのほど、国内を中心とした施設園芸農家向けに特殊培地と農作物への最適化栽培支援システムを開発・販売する、プラントライフシステムズ(PLS社)の第三者割当増資を引き受けたと発表した。

 PLS社は、施設内に設置したセンサーシステムと、自社開発の植物生体モデルを活用した人工知能システムによって、農作物の生体そのものの状態を把握し、都度生育に最適な作業を提示するサービスを提供。このサービスにより、高品質の農作物を高い収量で安定的に栽培できることが期待される。

 さらに、PLS社の人工知能システムは、センサーへの依存度が低く、先進農業のように高価な設備投資を必要としないため、新設の園芸施設のみならず、既存の園芸施設にも容易に導入することができる。

 現在、日本の農業は就農人口の減少、就農者高齢化による技術継承の困難化、後継者の不足、耕作放棄地の増加など、食料自給率の維持が問題となり、収益性、生産性の向上が喫緊の課題となっている。丸紅はPLS社への出資を通じて、人工知能システムの活用による国内農業の課題解決に取り組む。

 丸紅は、昨年4月に新設した「IoT・ビッグデータ戦略室」を今年4月から「デジタル・イノベーション部」と改組し、デジタル技術の活用による新たなビジネスモデルの創造を推進している。

 今後、丸紅とPLS社が有する商品・技術・販路を最適に組み合わせながら、農業関係者に新たなデジタルソリューションを提供していく。また、将来的に、消費者ニーズを捉えた、生産・流通・販売に至る様々なソリューションを提供するためのデータ基盤の構築を目指す。