デンカは12日、2021年3月期の連結業績を発表した。売上高は前年比7%減の3544億円、営業利益は10%増の347億円、経常利益は7%増の321億円、純利益は微増の228億円の減収増益となった。
オンライン会見において今井俊夫社長は「新型コロナ影響によりクロロプレンゴム(CR)などの販売数量が大幅に減少したが、電子・先端プロダクツ製品やヘルスケア分野の新製品が大きく寄与し、過去最高の営業利益を達成した。スペシャリティー化推進の効果だ」と説明した。
セグメント別では、
2021年5月14日
2021年4月7日
私は今日社長になったばかりで、その意味では皆さんと同じだ。
世界中を襲った新型コロナウイルスは多くの命を奪い、対面でのコミュニケーションを阻害し、様々な影響を世界に与えた。コロナ禍の中で、気候変動に対する意識は強まり日本もカーボンニュートラルを宣言し、世界の格差は拡大し資本主義の限界が指摘され、また中国との地政学的問題も深刻化するなど、全世界の動きが早送りされたような状況だ。我々もリモートワーク、在宅勤務、時差勤務などの新しい働き方を実践することとなり、仕事の根源的な意味と向き合うことにもなった。
皆さんは誰も経験したことのないポストコロナという新しい時代のなかで社会人としてのスタートを切るわけで、ニューノーマルではなく最初からノーマルな環境として働くことになる。その意味で、新しい環境をリードする存在になり得るものと期待する。
当社は2017年に「Denka Value-Up計画」を掲げ、外部環境に左右されない高付加価値事業の集合体への変貌を目指してきた。重点分野であるヘルスケアと環境・エネルギー事業の進展により、昨年度は前年度を上回るレベルの利益を実現できる見込みだ。残りの2年間で計画を仕上げ、その後のデンカのあるべき姿を描いていきたい。
皆さんには「相手の立場になって考えることができる人」になってほしい。顧客ニーズを正確に捉えることができる。さらに相手の立場になって考えられる職場での安心感は、仕事の生産性に大きく影響する。私は皆さんに「希望と挑戦」を常に与え続けられるような経営を目指したい。そしてデンカで仕事をすることを通じて、社会人として人間として成長できるような会社にしていきたい。「一番上手にできる高付加価値な仕事」に集中することで社会的な課題に敢然と立ち向かい、本日入社された皆さんとともに、デンカを「世界にとってかけがえのない会社」にしていきたいと思う。