住友化学 塩酸を値上げ、補修費などコスト上昇に対応

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2021年6月1日

 住友化学はこのほど、塩酸について6月1日からの値上げに向け需要家との交渉に入る、と発表した。改定幅は「5円/kg」。

 塩酸は、製造設備や中継タンクの高経年化に伴い補修費が年々増加しているほか、安定輸送のための車両・船舶更新や人件費の上昇により物流費も高騰している。こうした中、同社は様々なコスト削減に取り組んできたが、自助努力だけでこれらの増加費用全てを吸収することは困難と判断し、安定供給を継続するためにも、今回の値上げを決定した。

住友化学 人事(14日)

2021年5月20日

[住友化学・人事](14日)▽渉外統括、専務執行役員総務法務人事統括新沼宏▽コーポレートコミュニケーション統括、常務執行役員経理財務統括佐々木啓吾▽サステナビリティ推進内部統制・監査統括、常務執行役員法務部担当サステナビリティ推進部長大野顕司▽執行役員総務部渉外部担当渉外部長、総務部長平山知行(6月23日定時株主総会予定)▽社外取締役池田弘一▽同友野宏▽同伊藤元重▽同村木厚子▽社外監査役麻生光洋。

住友化学の3月期 総合化学の守りの強さで増収増益

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2021年5月14日

 住友化学は13日、2021年3月期の連結業績(IFRS)のオンライン決算説明会を行った。売上収益は前年比3%増の2兆2870億円、コア営業利益11%増の1476億円、営業利益微減の1371億円、純利益49%増の460億円となった。また海外売上比率は3ポイント増の68%だった。

 石油化学の落ち込みを情報電子化学と健康・農業関連事業で補い、岩田圭一社長は「コロナ影響の少ない医薬・農薬の底堅い業績、巣ごもり需要による情報電子の過去最高益、石化市況の急回復の3要因で、コア営業利益は前年比150億円増となり、多様な事業展開による守りの強さを示した1年だった』と総括した。

 セグメント別では、

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住友化学 為替リスクヘッジの業務効率化、デジタル技術活用

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2021年5月11日

 住友化学は10日、為替リスクヘッジに関わる業務の効率化を目的に、為替先物予約の電子取引プラットフォーム「リフィニティブ FXall」、および金融機関ごとに行われていた資金決済を一行にまとめる「CLS決済」を導入したと発表した。

 リフィニティブ社が提供する「FXall」は、為替先物予約の締結において、複数金融機関が提示する条件の比較から、予約締結および書面確認までの一連の作業を全てオンライン上で実行できる電子取引プラットフォーム。同システムの導入により、予約条件の改善や業務効率の向上、ペーパーレスを実現する。

 一方、CLS銀行が提供するCLS決済は、主に銀行間の為替取引における決済リスク削減や資金効率改善を目的に利用されている決済方法。今回、為替先物予約の資金決済において、三井住友銀行の「CLSサードパーティサービス」を通じてCLS決済を利用。資金決済の窓口を一行にまとめることで、決済件数の削減をはじめとする業務プロセスの簡略化を図る。

 住友化学は、これらのシステム導入に伴い、これまで事業部ごとに行っていた為替リスク管理業務を財務部に集約。為替リスクヘッジ比率の向上を図るとともに、業務の抜本的な効率化を進める。

為替先物予約における資金決済の流れ
為替先物予約における資金決済の流れ

 

住友化学 合弁会社が角膜内皮細胞の製造と製法開発を受託

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2021年4月28日

 住友化学は27日、子会社である大日本住友製薬との合弁会社S-RACMOが、米・コーニアジェンとその子会社から、日本での角膜内皮細胞(予定適応症:角膜疾患)の製造と製法開発を受託する契約を締結したと発表した。

 S-RACMOは、今後、大日本住友製薬が所有する再生・細胞医薬製造施設「SMaRT」の一部、および大日本住友製薬の総合研究所(大阪府吹田市)内に現在建設中の再生・細胞医薬製造施設を使用して、今回の案件を含むCDMO事業を実施する計画だ。

住友化学 業績予想を上方修正、石化の交易条件が改善

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2021年4月27日

 住友化学は26日、2021年3月期の通期連結業績予想を修正すると発表した。売上高は2兆2850億円(前回予想比250億円増)、コア営業利益1470億円(同120億円増)、純利益460億円(同260億円増)と、それぞれ上昇修正を行っている。

 売上収益とコア営業利益は、石油化学の製品市況上昇に伴い交易条件が改善したことに加え、健康・農業関連事業や医薬品の販売費および一般管理費、研究開発費が減少したことなどにより、前回発表予想を上回る見込み。

住友化学 アクセンチュアと合弁会社設立、IT体制を強化

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2021年4月9日

 住友化学は、デジタル革新の推進とそのための人材育成を目的として、アクセンチュアと合弁で「SUMIKA DX ACCENT」を設立し業務を開始した。

 住友化学は中期経営計画の基本方針の1つに「デジタル革新による生産性の飛躍的向上」を掲げる。研究開発、製造、サプライチェーン、営業・間接業務の各領域で取り組みを進めており、次のステップとしてデジタル革新を通じた既存事業の競争力強化、最終的には新たなビジネスモデルの創出につなげていく。

 これらの取り組みでは、ビジネス部門とIT部門が相互にデータを利活用し、最先端のデジタル技術のビジネスへの適用、また、それに合致したソリューションを考案することが求められる。それらの役割を果たすため、ITシステムの導入についてプロジェクトの推進・開発・運用保守を担う住友化学システムサービスの吸収合併を決定。同社がもつITに関する知見とビジネスとの融合を促進し、デジタル革新を支える体制を強化する。

 また今回、さらなる強化策として、デジタル領域で多くの企業を支援してきたアクセンチュアと「SUMIKA DX ACCENT」を設立。アクセンチュアがもつ先進的なAIやアナリティクス、オートメーションなど多岐にわたるノウハウや専門人材を活用。サプライチェーンや営業・間接部門での、最新デジタル技術の評価や業務適用可能性の実証実験、デジタル人材の育成を進め、IT部門とビジネス部門を連携させることで、デジタル革新を一層加速させる考えだ。

【化学企業 入社式訓示①】住友化学 岩田圭一社長

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2021年4月2日

 2021年度は2つの意味で重要な1年だ。1つは新型コロナが収束に向かうとともに新常態の社会が始まると見込まれ、新しい働き方や、私たちを取り巻く課題を解決しながら経済復興を目指す動きが始まるということ、もう1つはカーボンニュートラルに向けた取り組みが本格化することだ。こうした新しい時代を歩む皆さんに3つのことをお伝えしたい。

 まず、住友人、さらには社会人としての自覚をもつこと。当社は1913年、別子銅山の銅製錬事業によって発生した煙害問題の克服と、肥料供給による農作物増産への貢献という2つの使命を同時に実現するために設立された。この経緯は、まさに住友の事業精神を表す言葉の1つである「自利利他 公私一如」そのものだ。設立以来、イノベーションで世の中の課題解決に貢献するDNAを育んでおり、そうした会社で働くことに誇りをもち、経済価値と社会価値の両方を創造する責任を果たしてほしい。

 2つ目は、働くことを通じて個人としても成長すること。世界は、デジタル化やAIなどに象徴される技術革新や、カーボンニュートラルといった人類史上初の挑戦によってダイナミックに動いている。そうした大変革の中を生きていることを自覚し、住友化学という組織を大いに活用して、直面する課題に挑む中で新しい変化を起こす楽しみを味わってほしい。そして、仕事を通じて、企業だけでなく自分自身も大きく成長する喜びを感じながら会社生活を送ってほしい。

 3つ目は常に世界を意識すること。私が入社した当時のトップが話した言葉が、私の会社生活における指針の1つとなっている。それは「君たちの競争相手は、近くにいる会社の同僚ではなく、世界の同業各社の若者である。世界を相手に戦っていることを常に忘れないでほしい」というものだ。皆さんには、化学会社に限らず、同年代で似た環境にある人を意識しながら自己啓発や仕事に取り組み、グローバルレベルの人材へと成長してほしい。

住友化学 エンジニアリング部を新設、スマート保安を実現

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2021年3月30日

 住友化学は29日、4月1日付でエンジニアリング部を新設すると発表した。全社横断的かつ機動的なエンジニアリング体制を構築するとともに、各工場工務部門の保安・保全機能を強化し、デジタル技術を活用したスマート保安の取り組みを加速させる。

 同社はこれまで、千葉や愛媛、大分などの各工場に工務部門を配置し、工場の特性に応じた最適なエンジニアリング機能の発揮により安全・安定操業に貢献してきた。一方、事業環境の変化やグローバル化が加速する中、特に新設・増強工事については従来以上に迅速な業務遂行が必要なほか、海外での大規模設備投資に対する支援の拡充が求められている。さらに、多くの国内設備では、高経年化や労働人口の減少などを背景に、エンジニアリング業務、保安・保全業務の全社的な最適化や、それを担う人材の育成、ノウハウの継承も急務となっている。

 こうした状況を踏まえ、同社はプラントの新設や大型の設備改造について、よりシームレスに設計から建設までを実行できる全社横断的かつ効率的な体制を構築するとともに、各工場工務部門の保安・保全機能を強化する。

 新設するエンジニアリング部は、エンジニアリング業務の全社最適化や人材の機動的な活用と育成を進め、またグループ会社で同機能を展開する住友ケミカルエンジニアリングおよびシアテックとより緊密な連携を図る。各工場の工務部門については今後、設備や運転、エンジニアリングなどのデータを連携させた統合プラットフォームから得られるデータに基づく予知・予兆検知をはじめ、デジタル技術を活用したスマート保安の実現に注力していく。

 同社は、事業環境の変化に迅速かつ柔軟に対応するため、工場に備わる機能全体を高度化するとともに、安全・安定操業の継続により、持続的な成長と企業価値の向上を目指していく。

住友化学 福田加奈子執行役員が化学工学会の女性賞に

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2021年3月26日

 住友化学はこのほど、同社の福田加奈子執行役員が、化学工学会による2020年度の化学工学会賞で「女性賞」を受賞したと発表した。

 化学工学会は、化学工学の学術的水準の進展を支え、人材を育成し、それらの成果を社会に有機的に還元するための中心的学会として活動する学術団体。「女性賞」は、化学工学または化学関連産業に関わる技術上の優れた業績を上げた、あるいは、化学工学に関する優れた研究を行い、かつ男女共同参画推進のための制度や環境の整備に貢献した個人に授与される。

 福田執行役員は、高分子添加剤の応用研究や国内外営業などの業務に従事した後、2013年にCSR推進室(現サステナビリティ推進部)部長に就任。2015年に国連サミットでSDGsが採択されたことを受け、「化学企業こそがSDGsに貢献できる」という強い思いから、同社グループ3万人以上の社員を対象とした独創的かつ先駆的な活動に着手。「サステナブルツリー」をはじめSDGs関連の取り組みを先導するとともに、講演などを通じて広く情報発信し社内外でのSDGs普及に貢献した。

 また、化学工学会では、SDGs検討委員会のメンバーとして、女性のエンパワーメント原則(WEPs)会合などを通じて得た経験や知識を生かし、「札幌宣言」についてはジェンダー平等の視点を提案するなど宣言の策定にも寄与した。こうした業績が高く評価され、今回の受賞に至った。

 なお、福田執行役員は現在、住友化学ヨーロッパ(ベルギー)で副社長として勤務しており、4月1日付で同社の社長に就任する予定。