【化学企業 入社式訓示②】信越化学工業 斉藤恭彦社長

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2019年4月3日

 本日皆さんは、職業人として第一歩を踏み出した。皆さんは当社の門戸を叩き、こうして無事この日を迎えた。私は皆さんの知力と熱意、意欲に大いに期待している。

 日本経済新聞の集計によると、日本の化学セクター上場企業127社合計で、今年3月期の決算が減益予想になっている。その中で、当社は昨年10月に上方修正した予想は変えておらず、2桁の増益見込みだ。

 さて、このような収益性が、昔から備わっていたわけではないし、自然にそうなったのでもない。1990年に金川会長が社長になられて、会社経営が変わり、当社は着実に業績を上げるようになった。

 当社の1人当たり利益は高く、生産性の高い会社と言える。そこには、人はより広範囲の、より高度な仕事が出来るとの確信がある。

 皆さんはそれぞれの部署で、価値ある仕事をすることが期待される。それには貪欲に学び、疑問に思い、そして自分で常に考えることが必須だ。

 当社が目的とするところは、素材技術をもって人々と地球の問題に対する解決策を、利益を上げつつ生み出し続けること。顧客が求める価値を生み出す製品をつくり、雇用を生み、株主に報いる。そのために増収・増益を着実に達成して成長していく。

 今日が昨日より良く、今月が先月より良く、今年が去年より良い。そのように仕事をする。このために、配属された部署が何を狙い、自分の仕事が如何に寄与するか、を意識して、日々仕事に取り組んでほしい。

 わからないことは臆せず聞く、調べる、そして考える。担当する職務でまずプロになる。それを積み上げていってほしい。冒頭で職業人という言葉を用いたのは、そのためだ。皆さんが担当職務を全うし、活躍するには何よりも健康が大切だ。

 皆さんも私たちとともに仕事に打ち込むことで「信越化学に入社して良かった」という充実感を味わってほしいと思う。

【化学企業 入社式訓示②】信越化学工業 金川千尋会長

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2019年4月3日

(新入社員との質疑応答)

(質問:私たちは、新入社員として、どのようなことを心掛けて仕事に取り組めばよろしいでしょうか)

 会社にいかに貢献し、いかに発展させるか、皆さん一人一人が心掛けて仕事に取り組んでいただきたいと思います。

 製造や研究部門などに配属される方は、工場の安全を第一に考えていただき、社会に受け入れられる製品の開発、生産に取り組んでください。

 販売や管理部門などに配属される方は、正確な仕事を心掛け、謙虚な気持ちで仕事に臨んでください。お客様あっての会社であることを忘れないでください。

 仕事は頭で覚えるのではなく、体で覚えることが大切です。そうした経験が、将来花開くこととなります。

 (質問:金川会長が当社に関して一番誇りに思っていらっしゃることは何でしょうか)

 私が誇りに思っているのは、それぞれの担当分野でプロとして仕事をしている当社の社員です。皆さんも、先輩社員たちのように、是非それぞれの仕事のプロを目指してください。

 そのためには、会社の方針をよく理解して、疑問に感じたことがあれば遠慮なく質問することです。自分が納得した上で仕事をすることが大切です。そうした積み重ねが皆さんの血となり肉となり、仕事をする上での財産となります。

 

信越化学工業 人事(4月1日)

2019年4月1日

[信越化学工業・人事](4月1日)▽新機能材料事業部長兼新機能材料第一部長、取締役丸山和政▽同事業部新機能材料第二部長岡秀明▽同事業部技術管理部長河合義夫▽新機能材料技術研究所長由利勉。

 

【40周年突破記念・国際化特集】信越化学工業代表取締役会長  金川千尋氏

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2019年3月28日

 足元の仕事を着実に実行、将来を見据え事業の課題を考え抜く        

 ━昨年から、世界経済に不透明感が増していますが、2019年の世界情勢と化学業界の見通しは。

 変化の激しい時代であり、先行きを見通すのは難しいことです。変動する景気の中、環境の変化に適切に対応し、業績を伸ばしていくことに取り組んでいます。

金川会長画像① ━海洋プラスチックごみ問題が注目され、プラスチックへの風当たりが強くなっています。この問題をどう見ていますか。

 塩ビは窓枠やサッシなどの建築材料や、パイプなどインフラ材料に使われる硬質塩ビが需要の中心であり、使い捨てされる軟質塩ビは限られています。

 軟質塩ビの代表的な用途である食品用のラップは、日本の場合、一般のごみと一緒に焼却処理されるので、河川、海洋にプラスチックとして排出される可能性は極めて低いと認識しています。海洋プラスチック問題は、化学業界団体が中心となり取り組んでいます。

 私がかつて1998~2000年まで塩ビ工業・環境協会の会長を務めていた時に

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信越化学の4-12月期 増収増益で純利益は4割増加

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2019年1月30日

 信越化学工業が29日に発表した2019年3月期第3四半期連結決算は、売上高が前年同期比14%増の1兆2068億円、営業利益は同33%増の3246億円、経常利益は同32%増の3294億円、純利益は同40%増の2421億円となった。

 塩ビ・化成品事業の売上高は同9%増の3994億円、営業利益は同40%増の909億円。米国のシンテック社で塩化ビニルとカセイソーダが高水準の出荷を継続し、業績を大きく伸ばした。欧州拠点も販売量が伸長。国内拠点は期前半の大規模定期修理の影響で、海外向けの出荷が減少した。

 シリコーン事業の売上高は同14%増の1737億円、営業利益は同19%増の458億円。汎用製品・機能製品ともに価格を修正、全世界での堅調な需要増に対応して最大限生産し、完売した。

 機能性化学品事業の売上高は同5%増の923億円、営業利益は同8%増の210億円。セルロース誘導体は医薬用製品が好調、建材用製品と塗料用製品も底堅く推移した。フェロモン製品やポバール製品なども堅調だった。

 半導体シリコン事業の売上高は同27%増の2856億円、営業利益は同五七%増の1040億円。出荷が堅調で、製品価格の修正も寄与した。

 電子・機能材料事業の売上高は同12%増の1727億円、営業利益は同15%増の525億円。希土類磁石は自動車向けが好調。フォトレジスト製品はいずれも堅調に推移した。マスクブランクスは最先端品に加え、汎用品・先端品も販売を伸ばした。光ファイバー用プリフォームは中国の合弁会社での販売が堅調だった。

 加工・商事・技術サービス事業の売上高は同11%増の832億円、営業利益は同26%増の105億円。信越ポリマーの半導体ウエハー関連容器が高水準の出荷を継続した。

《化学企業トップ年頭所感》 信越化学工業 金川千尋会長

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2019年1月8日

 昨年10月に発表いたしました2019年3月期の中間決算は、すべてのセグメントが増収増益となり、上半期での過去最高益を達成することができました。これも社員の皆さまのひたむきなお仕事の成果であると、心より感謝しております。

 さて、長らく続いてまいりました世界的な景気拡大は、いま大きな転機を迎えています。アメリカと中国の間で激化している貿易摩擦の問題などを背景に、本年の世界経済の先行きは不透明感を増しています。また、近年は世界各地で自然災害も頻発しており、予測できないリスクへの備えも常にしておかなければなりません。

 私の尊敬する山本五十六連合艦隊司令長官が揮毫されているお言葉をご紹介します。中国の兵法書の一節で、「国大なりといえども戦いを好まば必ず亡ぶ。天下安らかなりといえども戦いを忘れなば必ず危うし」。自らの力量を過信することなく、来るべき難局に向けて平時より態勢を整えておくことを諭す、たいへん重いお言葉です。

 では、私たちはいかに備えるべきでしょうか。私の経験から申し上げると、最も大切なのは、基本に忠実に仕事に取り組むことです。すなわち、製造部門の皆さんは、安全で安定した操業を最優先とし、決して規格外の製品を出荷しない、と肝に銘じてください。研究開発部門の皆さんは、会社の将来を担うのは自分たちだ、との気概をもって取り組んでください。

 営業の皆さんは、お客様の要望をいち早くつかんで、つねにお客様とのお約束を守ることを心がけてください。このような基本の積み重ねが、厳しい環境の中でも成長の原動力となります。

 そして、日々成すべきことは先延ばしせずに、その日のうちにしっかりとやり遂げてください。皆さん一人ひとりの日々の努力は、必ず皆さんの能力向上と会社の強さとなって実を結び、当社グループのさらなる成長をもたらします。信越化学グループで働く皆様の力を結集すれば、たとえ困難に遭遇してもそれを乗り越え、より輝かしい成果を手にできるものと確信しています。