日本ゼオン テレワーク制度を正式に適用、働き方改革の一環

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2021年4月1日

 日本ゼオンは31日、「働き方改革」の一環としてテレワーク制度の適用を4月1日から開始すると発表した。併せて、多様化する個々のライフスタイルに対応して、フレキシブルタイムの適用範囲を大幅に拡張する。

 同社は新型コロナウイルス感染予防特別措置として、昨年2月より在宅勤務を試行し励行してきた。今回、本社事業所および名古屋・大阪事務所を対象として、正式にテレワーク制度を導入することを決定した。

 またフレキシブルタイムの適用範囲を、コアタイムを除いて午前5時から午後10時に拡張。それとともに、昼休みを延長し、かつ一斉休憩を廃止することで、個々のライフスタイルにあわせた勤務時間の選択を可能とした。

 同社は、社員一人ひとりが能力を如何なく発揮し、いきいきと活躍し続けられる企業を目指し、これからも「働き方改革」を推進していく。

三菱ケミカル 働き方改革を推進、社内転職が可能に

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2020年12月10日

キャリアデザイン面談を実施、社員の成長を支援

 三菱ケミカルは、同社流の働き方改革「三菱ケミカルは決めました」と題した30項目の宣言を昨年発表し、その実現に向けた取り組みに注力している。その一環として、〝従業員一人ひとりが社会の変化を的確に捉えて成長することが企業の持続的成長につながる〟という考えの下、グループ全体で「自律的なキャリア形成支援」を展開。

 具体的施策の1つとして、今後のキャリアについて、現状の課題と今後の取り組みを中長期的な視点で上司と話し合う「キャリアデザイン面談」を年1回実施している。面談では、〝ありたい姿〟を「キャリアデザイン面談シート」に記入。従業員自身が将来のビジョンと向き合う機会にもなっており、本人の異動希望や勤務地などの条件を上司と共有することで実現を目指す。

 同社の人事異動は、会社主導のみならず、職種・役職の公募に従業員が応募するケースも多く、関連会社の社長職が公募されることもある。その件数は年々増加しており、「キャリアデザイン面談」の結果、この公募制度が利用されることもある。こうした面談をはじめ、様々な社員の自律的なキャリア形成施策が評価され、厚生労働省が主催する「グッドキャリアアワード 2019」では、「イノベーション賞」を受賞した。また、面談では、自分が描いたキャリアに近づくために、新たな業務に挑戦することができる一方で、同じ社内で全く異なる職種を選ぶことも可能だ。

 この〝社内転職〟ともいえるキャリアチェンジは、総合化学メーカーである同社の事業業域が極めて広いこと、また、これを支えるための各研究所、購買、物流、知財管理など、数多くの部署をもっていることで実現していると言える。「キャリアデザイン面談」は、同社が発足した2017年に新設したが、それまで、従業員が主体的にキャリアについて考える機会がなかったため、人事部内にキャリア支援を専門業務とする「キャリアサポート室(現・キャリアデザイン・組織開発室)」を立ち上げた。

 キャリア相談窓口の設置、面談制度の新設、各拠点での説明会やワークショップの開催といった施策を実施した結果、キャリア相談件数は2017年度の39件から、2018年度には248件と大幅に増加しており、徐々に自身のキャリアについて自主的に考える意識が定着しつつある。

 同社は、大きく変化する市場環境や激化するグローバル競争に適応するとともに、多様な人材をひきつけ、活躍できる環境を実現するため、人事制度改革を推進。その一環として、人材配置については、10月から社内公募による異動を原則とした。募集回数も従来の年1回から4回に変更し、従業員の自律的で多様なキャリアを、一層支援・促進していく考えだ。

 

デンカ 働き方改革の全社方針を策定、新常態を見据え

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2020年7月21日

 デンカはこのほど、新型コロナウイルス感染症の拡大がもたらす新常態(ニューノーマル)を見据え、コロナ収束後の新しい働き方を企業存続のための永続的な取り組みと位置づけ、全社方針を策定した。

 同社は、コロナ拡大の収束後にあっても、今までの常識・価値観が通用しなくなるパラダイムシフトを起こし、今後は「真に社会に必要とされる企業」しか生き残れないとの強い危機意識をもっている。そのため、経営計画で推進している業務プロセス改革の精神「本質追求」に立ち返って、新しい働き方のあるべき姿について検討してきた。

 また、コロナが収束しても、感染症の流行リスクが繰り返しやってくることに備え、社員およびその家族の健康を守っていくためには、これからの働き方を「脱移動」「脱密接」に変えていく必要があると捉えている。

 これらを踏まえた全社方針として、①働く時間帯・場所を柔軟に選択できる働き方としてテレワークを導入。オンライン会議など新しい働き方に適したオフィスレイアウトの見直し、イノベーションセンター・大船工場・千葉工場にてサテライトオフィスを設置。

 ②社内では、オンライン会議などを優先とするが、原則週1回、課単位・部課長・担当役員部長間の対面による面談と、部門ごとの原則全員出社日を設定。取引先などに対しては、「脱移動」「脱密接」に配慮しながら、顧客の意向を十分に踏まえ個々に対応を判断。

 ③社内外の書類/決裁は全て電子化を目指し、まず社内書類の脱ハンコ化を推進。

 ④対面の機会減少による課題(人事評価、人財教育、メンタルケア、リモートでの対応が困難な業務への対処など)については、実施可能なものから順次実行。

 ⑤製造現場従業員などは、生産プロセス改革により、定型業務から知的生産業務への変革を追求、などを策定し、この方針に則った改革を順次実施していく。

 営業・管理部門から先行して実施するとともに、製造・研究の各現場での新しい働き方の仕組みも同時に追求していく考えだ。

 

積水化学 次世代CADシステム開発へ、働き方改革などに対応

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2018年11月7日

 積水化学工業の住宅カンパニーはこのほど、2021年度の導入を目指し、次世代CADシステム「新SCOPE」の開発に着手すると発表した。

 同システムの導入により、主に①営業・設計業務の効率化と負荷軽減(働き方改革への対応)②顧客へのサービスの質向上③用途拡大(他の社内システムと連動)④設計業務の精度向上-の4つの効果が期待できる。

 同システム開発への投資額は5年間で約70億円となる。新システムでは、邸データ(建物と敷地の情報)をクラウドサーバーにより一元管理する。導入当初は新築部門の営業・設計業務で活用し、将来的には生産・施工、アフターサービス、リフォーム部門とも邸データを共有・活用することで、さらなる業務の効率化を図る。

 同社は1988年に、同社固有のユニット工法に対応した、独自のプラン設計システム「SCOPE」を開発。新築部門の基幹システムとして、これまで各種機能の強化・拡張を図り、先進性の高い工業化住宅の建築を可能にしてきた。

 今回、同システムに蓄積されたユニット工法の設計ルールを最大限に活用しつつ、最新のCADシステムやデジタル技術との相乗効果を図るシステム開発に着手することを決定。これにより、顧客へのプランのプレゼンの高度化や、敷地条件と建物を一体とした設計の効率化と精度向上などが可能になる。

 働き方改革への対応では、プレゼン機能の操作性向上、敷地への建物配置などの設計品質の向上、過去の推奨プランデータの活用、営業・設計・工場間の業務連携の質向上、在宅・サテライトオフィスワークの推進などが期待できる。

 一方で顧客情報のセキュリティに対してもより一層の強化を図る。これにより、営業担当では年平均残業時間の26%相当、設計担当では年平均残業時間の17%相当を削減できると試算している。

 また、敷地情報が入力できることにより、新システムの操作だけで、公的な各申請業務向けの図面が作成でき、今後の電子申請には有効であると判断している。

 また、現行のシステムで顧客に提出できる資料は、建物平面図・立面図・内観図・見積書(積算機能活用)・イメージパースに限定されているが、機能拡張で建物配置図や敷地形状を反映した実測型のパースが加わる。これにより、全作図の表現レベルとプレゼン資料の質的向上、さらには顧客満足度の向上を図る。

 今後は、2020年3月までに設計とプログラム実装を完了。その後のテストを経て、21年8月にセキスイハイム(鉄骨系商品)版をリリースし、22年9月までに全システムを本格運用する計画だ。