新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)と兼松はこのほど、EV専用のスマートフォン向けナビゲーションアプリ「EV Co‐Driver」の本格提供を開始した。
EVが世界的に普及する中、米カリフォルニア州ではZEV規制や、優遇措置が充実しており、米国内では自家用EVの販売台数が最も多い。一方、充電インフラは都市部を中心とした整備に留まるため、EVの利用は近距離の移動に限定されている。
こうした中、NEDOと日産自動車、兼松の3者は2015年から同州で、急速充電網の整備とリアルタイム情報サービスの提供を通じて、EVの利用頻度向上と行動範囲拡大を目指す実証事業に取り組んでいる。ソフト面では2016年からEVドライバー向けに提供しているスマートフォン用リアルタイム情報アプリ「DRIVEtheARC」を導入し、今回NEODと兼松は、さらにEV専用のスマートフォン向けナビゲーションアプリの本格提供を開始した。
同アプリでは、目的地とバッテリー残量を入力するだけで、運転ルート・時間だけでなく充電ステーションでの待ち時間・充電時間も踏まえた最短ルートを瞬時に表示。また、出発後も経路変更やステーションの混雑状況に応じて電欠を避けた最短ルートをリアルタイムで再検索し、ターンバイターン(逐次表示)でナビゲーションする機能も備えている。これらの機能により、EVドライバーの電欠に対する心理的不安を軽減する。
このようなEVドライバーに特化した包括的な機能を備えるナビゲーションアプリは世界初であり、これによりEVの行動範囲拡大やさらなるEV普及の促進につなげていく。