大日本印刷(DNP)は24日、生活者が自治体の各種サービスをインターネット上の仮想空間・メタバースで利用できる「メタバース役所」の提供を同日開始したと発表した。より多くの自治体が活用できるよう、複数の自治体で運用を分担してサービス利用料を抑える共同利用モデルとして提供する。
少子高齢化による人口減少や
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2023年6月15日
2020年7月28日
大日本印刷(DNP)はこのほど、必要に応じて仮想的なデータベースを構築できる「データ仮想化」のリーディングカンパニーである米国デノド(Denodo)・テクノロジーズ社と提携した。
この関係強化によって、企業内の様々なデータを利用者自身が統合管理して活用できるプラットフォームサービス「DNPマーケティングクラウド」に、デノド社のデータ仮想化サービス「Denodo Platform」を本格的に導入する。企業内に散在するデータを物理的に複製することなく、必要に応じて必要な項目のみ参照できるようになるため、大量のデータを効率的に管理・活用することが可能。またDNPは、「Denodo Platform」のセールスパートナーとして、サービス単体での販売も開始する予定だ。
企業が扱うデータ量が年々増加し、その管理と活用が求められる中、データ損失のリスクに対して、物理的に容量を占めるバックアップコピーのデータの格納・管理などのコストの増加、大量のデータの中から必要な情報を迅速に抽出できないことによる事業機会の損失などが課題。これらに対し、必要に応じて仮想的なデータベースを構築できる「データ仮想化」が期待されており、その世界市場はライセンスやサービスを含めて2021年に約67億ドル規模になる見込み。
DNPはSaaSとして提供する「DNPマーケティングクラウド」でデータを蓄積する「データレイク機能」に、データ仮想化サービス「Denodo Platform」を導入し、デジタルトランスフォーメーション(DX)を推進する企業のデータ活用を支援する。
特にマーケティング分野では、オンライン(ネットサービスなど)とオフライン(店頭など)の企業活動で得た各種データを即時に統合し、より複雑化している生活者の購買行動を可視化し、迅速に各種施策を実行していくことが求められている。「Denodo Platform」の導入によって、オンラインとオフラインのデータの統合と活用をよりスムーズに実行することが可能となった。
DNPは今後も「DNPマーケティングクラウド」を通して、企業の多様なデータを統合し、マーケティング活動に必要な一連の機能をシームレスに組み合わせ、生活者への体験価値の提供に向けた企業のデータの活用を支援していく。
2020年7月16日
大日本印刷(DNP)と東京大学の染谷隆夫教授の研究チームは、独自の伸縮性ハイブリッド電子実装技術を進化させ、薄型で伸縮自在なフルカラーのスキンディスプレイと駆動・通信回路および電源を一体化した表示デバイスの製造に成功した。
同装置は、皮膚上に貼り付けたディスプレイに外部から送られた画像メッセージを表示できるコミュニケーションシステム。人に優しいスキンエレクトロニクスによって、スマートフォンやタブレット端末よりも情報への利用しやすさが大幅に向上し、子どもから高齢者まで、全世代のQOL向上への貢献が期待される。
ウィズコロナ・アフターコロナの社会では、距離を隔てた状況でのコミュニケーションのあり方が重要になる。相手を身近に感じる効果を期待し、体表に近いところで情報を見たり、センシングしたりできる技術として、スキンセンサーやスキンディスプレイの開発が進められている。
今回の研究のポイントとして、①曲面形状に追従できる伸縮性ハイブリッド電子実装技術で使用できる部品の選択肢が広がり実用化に目途。スキンディスプレイの表現力を高めるフルカラー化に成功した。②配線の信頼性を向上し、駆動・通信回路や電源も一体化したことで、様々なものに簡易に貼り付け可能。③遠隔コミュニケーションでの感情伝達を補う効果として、今までにない姿の応援メッセージを送るなど、情報伝達の利便性を発揮できる、などが挙げられる。
両者は今後、これらの体表面に近いところで表示するセンシングデバイスのコミュニケ―ションに与える効果について検証する研究も継続。またDNPは、間もなくスキンエレクトロニクスの実用化検証を開始する予定だ。
2020年7月13日
大日本印刷(DNP)は10日、マルチ電子ビームを使うマスク描画装置を利用し、現在の半導体製造の最先端プロセスであるEUV(極端紫外線)リソグラフィに対応する、5㎚プロセス相当のフォトマスク製造プロセスを開発したと発表した。
現在の半導体製造では、フォトリソグラフィ技術で十数㎚の回路パターンをシリコンウェハに形成している。しかし、光源に波長が193㎚のArF(フッ化アルゴン)などのエキシマレーザーを使用しているため、解像度に限界があった。この課題に対し、EUVリソグラフィでは、波長が13.5㎚のEUVを光源とすることで、数㎚の回路パターンの形成が可能となる。この技術は、一部の半導体メーカーで、5~7㎚プロセスのマイクロプロセッサーや最先端メモリデバイスなどで実用化が始まっており、今後は最先端プロセスを手掛ける多くの半導体メーカーでの利用拡大が見込まれている。
同社は2016年に、フォトマスク専業メーカーとして世界で初めてマルチ電子ビームマスク描画装置を導入。高い生産性と品質で半導体メーカーの要望に応えてきた。今回、マルチ電子ビームマスク描画装置の特性を生かした新たな感光材料を含むプロセスを独自に設計。EUVマスクの微細構造に合わせて加工条件を最適化することで、専業メーカーとしては初めて5㎚プロセスに相当する高精度なEUVリソグラフィ向けフォトマスク製造プロセスを開発した。
マルチ電子ビームマスク描画装置は、26万本の電子ビームを照射することで、高精度なパターニングに必要となる高解像レジストの使用が可能となり、曲線を含む複雑なパターン形状に対しても描画時間を大幅に短縮できる。また、同装置のリニアステージ(部材を直線的に移動させる土台)は動作安定性が高く、描画精度の向上を実現した。
同社は今後、国内外の半導体メーカーのほか、半導体開発コンソーシアム、製造装置メーカー、材料メーカーなどへEUVリソグラフィ向けフォトマスクを提供するとともに、EUVリソグラフィの周辺技術開発を支援し、2023年には年間60億円の売上を目指す。
また、ベルギーに本部を置く半導体の国際研究機関IMECをはじめとしたパートナーとの共同開発を通じて、3㎚以降のより微細なプロセス開発を進めていく。DNPは、印刷プロセスを応用・発展させた「微細加工技術」を活用し、今後さらに需要が高まる微細な半導体用フォトマスクの供給体制も強化していく方針だ。