帝人 半導体製品の所在管理システムを開発

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2019年6月11日

 帝人は10日、RFID管理システム「レコピック」の技術をベースに、2種類のICタグ情報を紐づけることで管理対象物の所在を管理するシステムを開発し、アナログ半導体専業メーカーのエイブリック(千葉市美浜区)の高塚事業所(千葉県松戸市)で、同システムの運用を開始したと発表した。

 RFIDとは、電波の送受信により、ICチップ中のデータを、アンテナシートを介し読み書きし、非接触で個体識別を行うもの。

 帝人は、対象物にICタグを貼付することで、入出庫やロケーション情報を正確に読み取り、効率的に管理できるRFID管理システム「レコピック」を2012年から販売。これまで図書館や医療機関などで、特定の棚上の対象物の有無や個数を正確に把握することで、業務効率化やサービスの向上、経費削減などに貢献してきた。

 こうした中、エイブリックが「レコピック」の正確なICタグの読み取り技術や、既存の棚に簡便に後付けできる点などを高く評価したことから、両社で検討を開始。約1年の試行錯誤を経て今回、新システム開発とエイブリック製造拠点である高塚事業所への導入となった。

 新システムの特長は、搬送用ボックスと、その上に載せるウェハを入れるキャリアの双方2カ所にICタグを貼付した点にある。

 ボックスとキャリアのICタグ情報を紐づけすることで、対象物の有無や個数だけでなく、ピンポイントで棚中の正確な所在を把握できるようになった。2種類のICタグ情報を紐づけし、1枚のアンテナシート内で対象物の所在を把握できるシステムは、帝人としては初の試み。

 同社は今後も、人手不足や労務コスト上昇など、サプライチェーンに内在する様々な社会課題の解決と貢献を目指し、IoTソリューションの拡充を図っていく考えだ。

帝人 「TCFDコンソーシアム」に参画

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2019年5月29日

 帝人グループは28日、経済産業省・金融庁・環境省が推進する「TCFDコンソーシアム」に参画したと発表した。

 金融安定化理事会(FSB)が設置した気候関連財務情報開示タスクフォース(TCFD)は、2017年6月に最終報告書を公表し、日本でもTCFD提言への対応に向けた機運が高まっている。

 こうした中、TCFD提言に賛同する企業や金融機関などが一体となって、企業による効果的な関連情報の開示や、開示された情報を金融機関などの適切な投資判断につなげるための取り組みを議論・推進することを目的に、今月27日に「TCFDコンソーシアム」が設立された。

 帝人グループは、今年3月にTCFD提言に対する支持を表明し、その提言に従って透明性高く情報開示していくことを発表。さらに、TCFDコンソーシアムに参画することにより、TCFD提言への対応を一層強化し、気候関連のリスクと機会に関するステークホルダーとの対話を重ねて事業戦略に反映するとともに、的確な情報開示に努めていく。

 帝人グループは、昨年6月に100周年を迎えたのを機に、グローバルメッセージ「Future Navigation ~Toward the world we all desire~」を発信し、物質や素材だけの化学にとどまらず、未来の人の豊かさ(Quality of Life)を見据えた解決策(ソリューション)を提供することにより、「未来の社会を支える会社」となることを目指している。

 これからも事業活動が環境に及ぼす影響を認識し、さまざまな解決策に向けた成果を積み重ねながら、事業を通じて「低炭素社会への貢献」「循環型社会への貢献」「地球環境が守られる社会への貢献」に挑戦を続け、社会と企業の持続的な成長を目指していく。

帝人 GM「サプライヤー・オブ・ザ・イヤー」優秀賞に

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2019年5月27日

 帝人グループはこのほど、米国・ゼネラルモーターズ(GM)の第27回「サプライヤー・オブ・ザ・イヤー」で優秀賞を受賞した。同賞は、GMのサプライヤーの中で、特に革新的な技術を提供した企業に贈られるもので、今回は15カ国から133社が選ばれ、その中で4社が優秀賞となっている。

 受賞対象となったのは、帝人と、帝人グループ会社のコンチネンタル・ストラクチュラル・プラスチックス(CSP)が、熱可塑性炭素繊維複合材料(CFRTP)製品「セリーボ」を使用して開発した、ピックアップトラックの荷台「カーボン・プロ」。自動車部材に求められる強度や耐久性を担保しながら、従来の荷台に比べて28Kgの軽量化を実現したことが評価された。

 世界初となる量産自動車向けのCFRTP製構造部材として、すでに「GMCシエラ」への採用が決まっている。北米最大の自動車向け複合材料部品メーカーであるCSPのスティーブ・ルーニー社長は「今回の受賞はGMとの強力なパートナーシップと、自動車設計におけるイノベーション実現のために結集したチームにより成し遂げられたもの」と述べている。

 帝人グループはティアワン・サプライヤーとして、素材選定から部品設計にまで踏み込んだ提案力の拡充を図り、マルチマテリアルで部品を供給するメーカーとしてソリューション提案を強化していく。

帝人 ポリエステルフィルム事業子会社を東洋紡に売却

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2019年5月24日

 帝人はこのほど、日本とインドネシアでポリエステルフィルム事業を展開する連結子会社・帝人フィルムソリューション(TFS社)ならびにP.T. Indonesia Teijin Film Solutions(ITFS社)の所有株式全てを、東洋紡に売却することを決定し、東洋紡との間で株式譲渡契約を締結したと発表した。

  帝人グループは、ポリエステルフィルム事業の競争力強化に向け、2016年に日本の生産拠点を宇都宮事業所に集約するなど、さまざまな対策を講じてきた。また、その過程で、事業運営の柔軟性と意思決定の迅速性を向上させるため、合弁パートナーであったデュポン社から、日本およびインドネシアの合弁会社のデュポン社持分を取得し、各々100%子会社として運営してきた。

 その結果、ポリエステルフィルム事業は一定の収益を上げる体質へと強化されたが、TFS社ならびにITFS社のさらなる成長と、帝人グループの経営資源の最適配分の観点から、今回の決定に至った。

 東洋紡は、フィルム事業を成長分野と位置づけ、事業拡大を進めている。株式を取得することで、TFS社の持つ高い開発力、幅広い顧客ネットワークとの融合と、ITFS社を含む生産体制の強化により、事業を大きく成長させることができる。なお、株式譲渡は10月1日を予定している。

帝人 NMN含有サプリの販売を開始、NOMON第1弾製品

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2019年5月22日

 帝人はこのほど、販売会社NOMONを通じ、ニコチンアミド・モノヌクレオチド(NMN)含有サプリメント「NADaltus(ナダルタス)」の販売を開始した。

 NOMONは、帝人が提供する健康維持に有用で科学的根拠をもつ食品や飲料といった、ニュートラシューティカル製品の販売を目的に今年2月に設立した新会社。同製品が第1弾となった。

 「ナダルタス」は、1カプセルあたり125mgのNMNを含有。原料調達から製造、販売に至る全工程を日本国内で行っている。30カプセル入りで、税込み価格は15万円。NOMONの公式オンラインストア(http://www.nomonshop.jp/)で販売を行う。

 NMNは、身体の機能を保つのに必要な生体内物質NAD(ニコチンアミド・アデニン・ジヌクレオチド)の前駆体。ヒトが体内に保有する物質で、母乳やブロッコリーなどの野菜にも含まれる。摂取により、加齢に伴い減少する生体内物質が維持され、健康的に身体のコンディションを保つ効果が期待されている。

 帝人グループはNOMONが提供する製品を通じて、全ての人が自分らしい人生を全うするプロダクティブ・エイジングの実現と、世界中の人々のQOL向上に貢献していく考え。

 

帝人 チャイナプラスに出展、樹脂セミナーも開催

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2019年5月21日

 帝人グループは21~24日に広州中国进出口商品交易会琶洲展館(中国・広州市)で開催される、アジア最大のプラスチック見本市「チャイナプラス2019」に出展する。

 20回目となる今回の出展では、「帝人グループの技術と素材、およびこれらを組み合わせた部材の活用によるソリューション提案」「自動車の軽量化、高性能化に貢献し、マルチマテリアル部品を実現する高機能素材の紹介」をテーマとして、さまざまな製品や取り組みを紹介する。

 また、昨年も好評を得たブース内での樹脂セミナーも開催することにしており、帝人グループの優れた加工技術や、部品提供型のソリューションビジネスについてアピールする。

 主な展示内容はポリカーボネート樹脂製ピラーレスフロントウィンドウと、透明性と難燃性を両立した水性塗料、炭素繊維「テナックス」を使用した熱可塑性複合材料。

 ポリカーボネート樹脂製ピラーレスフロントウィンドウは、特殊なコーティング技術で高い耐摩耗性と優れた耐候性を付与したことで、世界で初めて樹脂製のフロントウィンドウとして市販車に採用された。車体の軽量化に加え、視認性向上による安全確保や爽快なドライビングにも寄与する。

 透明性と難燃性を両立した水性塗料は、大日技研工業・大丸工業と共同開発した「ランデックスコート難燃クリア」。ノンハロゲンアクリル系水性塗料としては世界で初めて、高い透明性と難燃性の両立を実現した。木材だけでなく、紙や繊維、プラスチックなどの表面に塗布するだけで、自然な風合いを維持しながら、高い難燃性を付与することができる。

 「テナックス」を使用した熱可塑性複合材料では、市場の拡大が見込まれる自動車・航空機用途、エレクトロニクス用途などに向けて、同社のポリカーボネート樹脂「パンライト」などの各種熱可塑性樹脂を母材に用いたプリプレグと、その成形品を紹介する。

 

帝人 ニュートラシューティカル製品の販売会社を設立

2019年5月17日

 帝人は16日、ヘルスケア事業領域での新規事業創出に向けたニュートラシューティカル製品の研究を続ける中で、このたび販売会社「NOMON」(山名慶社長、東京都千代田区)を設立し同事業に参入すると発表した。

 ニュートラシューティカルとは、人々の日々の健康維持に有用である科学的根拠をもつ食品・飲料の総称。新設するNOMONは、「LIFE IS LONG.」のブランドメッセージの下、全ての人々が、自分を取り巻くさまざまなことに可能な限りつながりながら、歳を重ねることで、自分らしい人生を全うする「プロダクティブ・エイジング」の実現を目指す。同日から最初のニュートラシューティカル製品の販売を開始しており、今後も随時ラインアップを拡充していく。

 帝人グループは、中・長期的な課題として、ヘルスケア事業でのポートフォリオ変革を進め、医療保険適用の内外に捉われない、さまざまな領域で新規ビジネスの創出を図っている。その一環として、医薬品事業と在宅医療事業で培った研究開発力や、臨床評価技術を活用することができ、すでに新規事業として展開している機能性食品素材事業などとシナジーが期待できる領域として、ニュートラシューティカルに着目し、研究や諸準備に取り組んできた。

 帝人グループのヘルスケア事業は、「一人ひとりが生まれてから最後の日を迎えるまで人生を支えること」を目指しており、新会社NOMONは、提供するニュートラシューティカル製品を通して、世界中の人々のQOL向上に貢献していく考え。

 

帝人 AMEDとフレイル創薬の委託研究開発契約を締結

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2019年5月15日

 帝人は14日、フレイル創薬に関し、日本医療研究開発機構(AMED)と委託研究開発契約を締結し、産官学連携の研究開発を本格的に開始したと発表した。AMEDの医療研究開発革新基盤創成事業(CiCLE)に申請していた「フレイルの予防薬・治療薬の研究開発」が、昨年10月に採択されたことを受けたもの。

 対象となる〝フレイル〟は、2014年に日本老年医学会が提唱した「加齢に伴う予備能力低下のため、ストレスに対する回復力が低下した状態」を表す概念で、要介護状態に至る前段階として位置づけられている。

 健康長寿社会の実現に向けて、積極的な介入が必要と考えられている一方で、現状では有効性の確立した医療用医薬品が存在していない。同社では世界初となるフレイルの予防薬・治療薬の開発に取り組んでいく考えだ。

 今後は、CiCLEの支援のもと、大阪大学大学院、東京大学、神戸医療産業都市推進機構、国立循環器病研究センター、オリエンタル酵母工業、島津製作所、Meiji Seikaファルマ、帝人ファーマと共同で、革新的な創薬開発を進めていく。

 日本は高齢化率が25%を超える超高齢社会を迎えており、2023年には2000万人以上が75歳以上の後期高齢者になると推定されている。また、健康寿命は平均寿命に比べて男性で約9年、女性で約12年も短く、その対策が課題となっている。

帝人の3月期 アラミド繊維好調も減益に

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2019年5月10日

 帝人は9日、2018年度(2019年3月期)の連結業績を発表した。売上高は前年度比6%増の8886億円、営業利益14%減の600億円、経常利益11%減の603億円、純利益1%減の451億円。

 園部芳久取締役専務執行役員CFOは今年度の売上高について、「マテリアル領域、ヘルスケア領域ともに販売が堅調に推移し増加した」とし、営業利益については「減益となった主だった要因は、

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帝人 GM新型ピックアップトラックにCFRTPが採用

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2019年5月9日

 帝人はこのほど、同社が展開する熱可塑性炭素繊維複合材料(CFRTP)製品である「Sereebo(セリーボ)」が、米国ゼネラルモーターズ(GM)のピックアップトラック2車種に採用されたと発表した。

GMC シエラ・デナリ1500
GMC シエラ・デナリ1500

 同製品が使用されるのは、GMが今年の夏から市場展開を開始するピックアップトラック「GMC シエラ・デナリ1500」と「GMC シエラAT4 1500」のピックアップボックス(荷台)「カーボン・プロ」で、CFRTPが量産自動車の構造部材に使用されるのは世界で初めてのことになる。

 帝人が開発した「セリーボ」は、熱可塑性樹脂を使用し、世界で初めて製造タクトタイムを約1分にまで短縮したことにより、自動車部品などの量産対応を可能にした革新的なCFRTP。

 一方、「カーボン・プロ」は、帝人がGMと共同開発したピックアップボックスで、ポリアミド系樹脂を母材として、炭素繊維をランダムに分散させた「セリーボ」シリーズの製品を荷台内側のパネル部分に使用している。

 「セリーボ」を用いることで、成形時間の大幅な短縮を実現したほか、スチールを使用したピックアップボックスに比べて約40%の軽量化を実現するとともに、約10倍の耐衝撃性を有し、耐腐食性にも優れている。また、従来の素材では量産できなかった複雑なデザインの成形にも対応でき、リサイクルも容易だ。

 なお、「セリーボ」を用いた「カーボン・プロ」の荷台内側部分は、帝人グループで軽量複合材料製品の生産・販売・技術開発を展開するコンチネンタル・ストラクチュラル・プラスチックス(CSP社)のハンティントン工場(インディアナ州)で製造される。

 帝人はTier1サプライヤーとして、素材選定から部品設計にまで踏み込んだ提案力の強化やグローバル安定供給体制の確立を図るとともに、2020年以降の環境規制強化に対応した車体の軽量化に向けた提案力強化のため、使用材料の拡充や他メーカーとの協業などを進め、マルチマテリアルでの部品供給メーカーとしてソリューション提案力を強化していく。

 さらに、2030年近傍には、自動車向け複合材料製品事業の売上を20億ドル規模へと拡大していく考えだ。