富士フイルム 抗ウイルスフィルム、独自抗菌技術で効果持続

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2021年5月13日

 富士フイルムはこのほど、独自の抗菌技術「Hydro Ag+」で抗菌・抗ウイルス効果が長く持続する業務用の抗ウイルスフィルム「ハイドロ エージープラス ウイルスプラス」を今月下旬より発売すると発表した。新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)に対して99.4%以上のウイルス不活化効果を示し、SIAA(抗菌製品技術協議会)「抗ウイルス加工」マークの取得申請を予定している。

 銀系抗菌剤と超親水ポリマーを組み合わせることで、フィルム表面を銀系抗菌剤でコーティングするだけでなく、膜中の銀系抗菌剤からも銀イオンが表面に常に供給されるため、長期間にわたり高い抗菌・抗ウイルス性能を持続する。不特定多数の人が触れる公共施設のタッチパネルやデジタルサイネージ、タブレットやスマートフォンのディスプレイなどに貼ったり、医療施設やコンビニ、タクシーなどでの飛沫防止パーティションとして使うことで、付着したウイルス数を減少させ、日常生活での感染リスクを軽減させることが期待できる。

 クリアタイプとマットタイプの2品種があり、クリアタイプは透明性が高く、ディスプレイの色やコントラストをクリアに再現する。特殊な親水性コーティングにより油や水をはじき、付着した指紋や汚れを簡単に拭き取ることができる。マットタイプは反射による映り込みを低減し、特殊な撥水性アンチグレアコーティングにより画面操作時に指紋などがつきにくい。

 同社は、この技術を活用した殺菌成分配合ハンドジェルやアルコールクロス、アルコールスプレーを医療や介護の現場、一般家庭向けに展開しており、いずれの製品も新型コロナウイルスの持続的な不活化効果を確認している。これからも先進独自の技術によって、人々の生活の質の向上に貢献する製品を開発・提供していく考えだ。