宇部興産 日本液炭の新工場へ炭酸ガスの供給を決定

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2019年12月13日

 宇部興産は12日、宇部藤曲工場(山口県宇部市)で副生される炭酸ガスの有効利用を図るため、日本液炭が新たに建設する液化炭酸工場向けに、原料となる炭酸ガスを供給することを決定したと発表した。供給開始は2021年11月を予定している。

宇部藤曲工場
宇部藤曲工場

 宇部藤曲工場は、2013年からグループ会社の宇部アンモニア工業の工場運営業務を受託。宇部藤曲工場のアンモニア製造工程で副生される炭酸ガスを、日本液炭が同工場内に新設する液化炭酸・ドライアイス製造設備向けに供給する。

 液化炭酸は冷却用途(ドライアイス)や溶接用のカバーガス向け、農業用途、各種産業用途などで用途が拡大。宇部興産は原料供給を通じて、液化炭酸の需要増に対応するとともに、炭酸ガスの有効利用によりCO2排出の削減を図る。

 宇部興産は、中期経営計画の基本方針として〝資源・エネルギー・地球環境問題への対応と貢献〟に取り組んでおり、引き続き、サプライチェーン全体でエネルギー使用量削減・廃棄物利用拡大などによる温室効果ガス削減に努めるとともに、環境負荷低減に貢献する技術・製品の創出・拡大をより一層推進していく考えだ。

大陽日酸 子会社が宇部工場を新設、液化炭酸ガス・ドライアイス製造

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2019年12月12日

 大陽日酸は11日、子会社の日本液炭が山口県宇部市の宇部興産の敷地内に、液化炭酸ガスとドライアイス製造工場=宇部工場=の新設を決定したと発表した。生産能力は、液化炭酸ガスが200t/日、ドライアイスが150t/日(黒崎工場、水島工場からの移転分を含む)で、2021年11月の完成を予定する。投資額は約60億円。

 日本液炭は、国内の石油精製や化学プラントから副生される炭酸ガスを回収し、液化・精製して、液化炭酸ガスやドライアイスとして販売することで、環境負荷低減に貢献している。しかし、近年の原料ガスの大幅な減少により、製品需給が恒常的にひっ迫している状況にある。

 こうした中、宇部興産から借用する敷地内に、同社のアンモニア製造プラントから副生される炭酸ガスを原料として製品を製造する宇部工場を新設し、炭酸ガスの再利用促進とともに、製品の安定供給体制を確保していく。

 これと同時に、ドライアイス製造機能を、日本液炭の黒崎工場(三菱ケミカル・福岡事業所内)と水島工場(同・岡山事業所内)から宇部工場に移転集約。ユーザーのニーズに併せた使用形状まで加工できる設備も備えることにより、ドライアイス事業の効率化を進めていく考えだ。