東レ リミテッドユース保護服の製品ラインアップを拡充

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2019年9月2日

 東レはこのほど、リミテッドユース保護服「LIVMOA(リブモア)」の製品ラインアップを拡充し、高通気素材を部分的に使用することで着用時の快適性とコストバランスを両立させた「LIVMOA 2000」シリーズとして、新たに販売を開始した。

 「LIVMOA 高通気タイプ」は、東レが独自開発したエレクトレット(電石)化した不織布「トレミクロン」による多層構造素材を使用し、作業者の快適性向上をコンセプトとした使い切りタイプの保護服。

 「LIVMOA」は、これまで、夏場の高温高湿環境下でも快適な着心地をキープできる高通気タイプ「LIVMOA 3000」をはじめ、さらに油抑制機能を付け加えた「LIVMOA 3500」、クリーンルーム内での作業を想定し、滅菌処理を施した「LIVMOA CL」など、さまざまなシーンで活用できるラインアップを展開してきた。

 今回、販売開始する新シリーズは、通気性と防塵性に優れた「トレミクロン」不織布による多層構造素材を部分的に使用することで、快適性とコストバランスを両立。特に暑さを感じやすい頭、胸、背中に同素材を採用し、JIS T 8115:2015 タイプ5(浮遊固体粉じん防護用密閉服)規格にも適合している。

 夏場の暑熱対策だけではなく、年間を通じて暑さやムレを感じやすい作業環境での使用を想定し、より多く顧客のニーズに対応している。

 東レは、中期経営課題「プロジェクト AP‐G2019」の中の基本戦略の一つに「成長分野での事業拡大」を掲げている。その一環として、先端材料によって作業現場の負担軽減や快適性の向上を目指すライフイノベーション分野の事業拡大を推進している。

東レ スウェーデンのエアバッグ縫製メーカーを買収

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2019年8月30日

 東レはこのほど、スウェーデンのエアバッグ縫製メーカーAlva Sweden(ASE)社の全株式を取得し、同社とその子会社であるアルバ社2社(ポルトガル、チュニジア)を買収することを決定したと発表した。同件は、ASE社を100%所有するAnders Westerlind社との間で合意したもので、必要な公的承認が得られ次第、速やかにクロージングする予定。

 世界のエアバッグ市場は、先進国の安全規制強化や新興国での装着率拡大などを背景に需要拡大が続いており、今後も着実に成長すると予想されている。また、安全性能向上への対応や、自動運転など先進技術の進展による車内空間の劇的な変化に伴い、次世代エアバッグについては高性能化への要求が一段と高まっている。

 東レのエアバッグ事業は、現在、原糸3極(日本、タイ、メキシコ)、基布6極(日本、タイ、中国、チェコ、インド、メキシコ)のグローバル拠点をもち、原糸・基布一貫による競争力と、全ての拠点から同品質の基布をタイムリーに供給できる強固な生産・販売体制を武器に、積極的に事業拡大を推進。

 アルバ社は1997年から欧州でエアバッグ縫製事業を展開しており、最新設備を活用した独自の縫製技術や生産ノウハウ、コスト競争力は、欧州の有力モジュールメーカーから高い評価を得ている。

 東レはこれまでも基布供給を通じてアルバ社と良好な関係を築いてきたが、こうした市場の変化に即応してエアバッグ事業の継続的な成長を図るために、縫製事業への参入を通じたサプライチェーン延伸による一貫型事業の高度化を加速することを目的として、昨年来アルバ社との間で同社買収の協議を進め、このたび合意に至った。

 今回の買収により、モジュールメーカーおよびそれを通じた自動車メーカーとの直接的な取り組みが強化され、最新のエアバッグ開発動向や顧客ニーズを迅速かつ確実に捉えることが可能となる。同時に、アルバ社がもつ縫製の知見を基布設計に取り込み、原糸・基布・縫製一貫の強みを生かした製品開発力と提案力を強化することで、モジュールメーカーや自動車メーカーに対するプレゼンスを高め、高性能エアバッグの実現への貢献を目指す。

 東レは、引き続き成長が期待されるエアバッグ市場のおう盛な需要とニーズに着実に応え、さらなる事業拡大を図っていく考えだ。

【PBT特集2】東レ コンパウンド技術で差別化、非日系にも拡販へ

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2019年8月23日

  東レは1975年から「トレコン」の製品名で、ポリブチレンテレフタレート(PBT)事業を展開している。現在は愛媛工場(2万3000t/年)と、2006年に稼働を開始した、BASFとの合弁会社であるマレーシアのプラント(6万t/年)でポリマーを製造している。

 コンパウンドの拠点は日本(名古屋事業場)と中国の3カ所(蘇州・深圳・成都)、タイ、インドネシア、米国にあり、インドの新拠点が9月から量産を開始する予定だ。これらグループ会社のほか、ベトナムと

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東レの4-6月期 炭素繊維事業の営業利益が90%増

2019年8月19日

 東レが9日に発表した2020年3月期第1四半期連結決算は、売上高が前年同期比1%減の5442億円、営業利益は同2%増の345億円、経常利益は同4%減の339億円、純利益は同1%減の226億円となった。

 セグメント別では、繊維事業は売上高が同6%減の2088億円、営業利益は同20%減の148億円。国内では自動車関連用途の1部で需要が堅調に推移したものの、衣料・産業用途ともに総じて荷動きが低調だった。海外では米中貿易摩擦の長期化と中国経済減速により、各用途で市況低迷の影響を受けた。縫製品やテキスタイルなどの衣料用途のほか、欧州・中国の自動車関連用途や中国の衛材用途などの需要が低調に推移した。

 機能化成品事業は売上高が同6%減の2000億円、営業利益は同1%減の170億円。樹脂事業は国内向けがほぼ堅調、海外は中国経済減速の影響を主因に、自動車・家電用途とも低調だった。ケミカル事業は基礎原料の市況下落の影響を受けた。フィルム事業はリチウムイオン2次電池向けバッテリーセパレーターフィルムの出荷が拡大したが、ポリエステルフィルムの光学用途や電子部品関連で在庫調整の影響を受けた。電子情報材料事業は有機EL関連部材が好調だった。

 炭素繊維複合材料事業は売上高が同34%増の615億円、営業利益は同90%増の59億円。航空機向け需要が拡大し、圧縮天然ガスタンクや風力発電翼といった環境・エネルギー関連向け一般産業用途も好調だったほか、スポーツ用途の需要が回復するなど、総じて堅調に推移した。

 環境・エンジニアリング事業は売上高が同5%増の574億円、営業利益は同25%減の14億円。水処理事業は国内外で逆浸透膜などの需要がおおむね堅調だった。ライフサイエンス事業は売上高が同2%減の124億円、営業利益は同284%増の6億円。医薬事業は経口プロスタサイクリン誘導体製剤ドルナーが、国内で後発医薬品の影響を受けた。経口そう痒症改善薬「レミッチ」は、後発医薬品発売に伴う流通在庫調整の影響を受けた前年同期から大きく数量を伸ばした。

 通期の業績予想に変更はなく、売上高が前期比6%増の2兆5300億円、営業利益は同13%増の1600億円、経常利益は同15%増の1550億円、純利益は同17%増の930億円を見込んでいる。

 

東レ 透水性能が3倍の超高透水性NF膜を開発 

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2019年8月1日

 東レは31日、従来品以上の優れたイオン・有機物の分離性能をもち、透水性能を3倍に高めた世界最高レベルの超高透水性ナノろ過(NF)膜を創出したと発表した。従来の水処理用途に加え、資源回収、バイオリファイナリーなど特殊用途での利用が期待され、3年以内の実用化を目指し開発を加速していく方針だ。

 水処理膜市場は足元で2000億円強だが、2025年には “東レ 透水性能が3倍の超高透水性NF膜を開発 ” の続きを読む

東レ 車載用ディスプレイ向け感光性導電材料の販売を開始

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2019年7月30日

 東レは29日、車載用ディスプレイに求められる高視認性をさらに向上させ、かつ、画面の大型化や曲面化が可能な感光性導電材料「RAYBRID」を実用化し、本格的な量産と販売を開始したと発表した。

 今回の新たな感光性導電材料を用いることで、大型で見やすく操作がしやすい車載用ディスプレイを実現し、快適な運転や車内空間づくりに貢献する。すでに一部のディスプレイモジュールに採用されており、今後さらなる拡販を図っていく考えだ。

 同社は、2012年に感光性導電材料「RAYBRID」をスマートフォンの引き出し配線用途として事業展開して以来、低抵抗と微細配線を極限まで追求し、ディスプレイの大画面化・狭額縁化に貢献してきた。従来の車載ディスプレイはITO電極を用いており、画面を大型化すると接触部の電気的変化を感知しにくく、反応遅れや誤操作に繋がる恐れがあった。

 今回開発した感光性導電材料は、銀粒子を分散させたタイプで、2~4㎛の細い配線を形成できる材料。ITO電極に比べて低抵抗であるため、メタルメッシュ電極に用いることで、肉眼では電極が見えず、視認性が高い大型ディスプレイを作ることができる。また、メタルメッシュ電極形成時に引き回し配線を一括形成することが可能なため、プロセスの簡便化にもつながる。高い視認性と車載用に求められる材料としての高い信頼性が評価され、一部のパネルメーカーは同材料を導入したパネルの量産を開始している。

 さらに、同材料は屈曲性に優れており、東レが開発した透明ポリイミドをフィルム基板として組み合わることで、薄くかつ軽いフレキシブルタッチセンサーに応用ができ、曲面ディスプレイへの適用が可能。車載用の曲面ディスプレイは、自動運転技術が本格化した時代の車内空間の快適性の向上やより高級感のあるインストルメントパネルの装着など、デザインの自由度を拡げるため、今後、拡大すると考えられている。

 同社は次世代の自動車の快適な車内空間づくりの進化に素材の力で貢献していく。

東レ ESG投資の2つの代表的指数の構成銘柄に選定

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2019年7月23日

 東レはこのほど、世界の代表的なESG(環境、社会、ガバナンス)投資指数である、「FTSE4Good Index Series」と「FTSE Blossom Japan Index Series」の構成銘柄に選定された。両投資指数は、英ロンドン証券取引所グループに所属するFTSE Russellが開発した指数で、ESGについて優れた取り組みを行っている企業が選定される。

 今回、「FTSE Blossom Japan Index Series」に選定されたことにより、世界最大規模の資金を運用する年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)が、ESGの取り組みに基づいた投資を行うために採用している4つの指数すべてに同社が選定された。

 東レグループはCSRの推進を経営の最優先課題の1つとして位置づけ、事業を通じた社会的課題解決への貢献や、安全・防災・環境保全、企業倫理と法令遵守などの取り組みを推進。同時に、東レは企業理念である「わたしたちは新しい価値の創造を通じて社会に貢献します」のもと、持続可能な社会の実現に向けて、積極的な役割を果たして取り組みを深化させるとともに、情報開示を推進していく考えだ。

東レ ハンガリーにセパレータフィルム生産設備を新設

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2019年7月22日

 東レはこのほど、ハンガリーのニェルゲシュウイファル市に、リチウムイオン二次電池(LIB)用バッテリーセパレータフィルム(BSF)生産設備の新設を決定した。新生産設備は昨年4月に設立した東レハンガリーに設置し、これにより東レグループ全体のBSF生産能力は年産約20%の増強となる。稼働開始は2021年7月を予定。

 現在、同社のBSF関連生産設備は、日本の那須工場のほか、韓国にも二拠点がある。TBSK社ではBSFの開発・製造・販売を行い、TBCK社ではコーティング加工を行っている。両拠点では、2017年に発表したそれぞれの増産設備を昨年度から順次稼働させている。

 BSFの世界需要は、携帯型電子機器、定置用蓄電池など民生用途の堅調な拡大に加え、今後は電気自動車(EV)の普及拡大による車載用途での急激な拡大が見込まれている。特に欧州では、環境問題への意識の高まりから、EVなど環境対応車の普及は急速に進むと見られており、電池メーカー各社の進出も活発だ。

 同社の海外事業展開は、地産地消を基本戦略としており、顧客の立地に合わせて生産拠点を設置することで、需要増への対応を確実に行うとともに、同地域での経済発展にも貢献していく考え。

 フィルム事業では、現在進めている中期経営課題〝プロジェクト AP‐G 2019〟の基本方針を「成長分野での高付加価値品拡販とグローバル拠点のフル活用による事業拡大」と設定し、BSF事業の拡大を最大の課題と位置付けている。

企業理念「わたしたちは新しい価値の創造を通じて社会に貢献します」のもと、環境負荷の低減に貢献するLIBの主要部材であるBSFの需要拡大に積極的に対応することで、あわせて世界シェアナンバーワンのBSFメーカーを目指していく。

【PPS特集2】東レ 特徴あるポリマーの開発へ、新分野で用途を開拓

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2019年7月19日

 東レは架橋型・直鎖型の両タイプのポリフェニレンサルファイド(PPS)をもち、ベースポリマーからコンパウンドまで一貫した生産を行っている。

 ポリマーについては東海工場と韓国の2カ所にプラントがあり、生産能力は合計で年産2万7600t。コンパウンドは名古屋事業場と中国の深圳・蘇州・成都、韓国、タイ、米国、ハンガリーの8カ所に、合計4万1200tの生産設備を設け、「トレリナ」ブランドにより、グローバルで製品を供給している。

 架橋型ポリマーは射出成形用、直鎖型ポリマーは射出成形用のほか、フィルムと繊維の素材などとして使用している。コンパウンドの用途のうち、半分強が自動車で、残りが電機・電子機器、OA機器、台所の水道栓や混合栓といった住宅関連部品など。

 製品グレードでは、ガラス繊維40%混合の「A504」「A604」、ガラス繊維と充填剤(無機フィラー)を60~65%混合した「A310M」「A360M」、ガラス繊維と無機フィラーにエラストマーを混合した「A575」「A673」「A675」など、大きく分けて3タイプを販売している。

 「A310M」「A360M」は、寸法安定性が求められる一般産業用途が多い。「A504」「A604」は靱性および強度が求められる水栓部品などが多いが、同じ水回りでも、線膨張が起きたり、水圧に耐える強度が求められたりする混合栓などは「A673」を提案している。

 需要が拡大している自動車用途でも、金属と樹脂の一体成形の際の位置・寸法精度などを確保するため、これらエラストマーグレードの使用が増えている。

 新しいグレードとしては「A660HV」がある。これは耐トラッキング性を改良したもので、高電圧化・小型化する

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東レ 5G向け電子部品に適した低誘電損失PI材料開発

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2019年6月3日

 東レはこのほど、大容量データの高速安定通信技術として普及しつつある5G通信や、自動運転などに用いられるミリ波レーダー向け電子部品に適したポリイミド(PI)材料を開発した。

 5G通信やミリ波レーダーには、従来から使用されている6GHz以下の周波数バンドに加え、ミリ波領域といわれる20GHz以上の新たな周波数帯での通信が必要。この技術の実用化には、高い周波数帯域での通信に適した誘電特性と、半導体実装に耐えられる耐熱性、銅配線との接着性などの物性値を満たす材料開発が求められる。

 フッ素樹脂系やビスマレイミド系などの既存材料は、半導体・電子部品に必要な主要物性値に課題があり、従来のPIは誘電特性に課題があった。高周波において誘電損失を低下させるには、高分子構造において分極を小さくすること(誘電率に対応)と、分極の動きを抑えること(tanδに対応)がカギとなる。

 同社は、長年蓄積してきた機能性PI設計技術を駆使し、精緻な分子設計と極限追求により、電気エネルギーの損失を0.001(20GHz)に抑える低誘電損失PIの開発に成功。LCPなど誘電特性の高い樹脂と比べても高耐熱性、機械物性、接着性の面で優位性があり、また低コスト化も実現した。

 現在、同材料をベースに、感光性付与、シート化などの開発を推進。同材料の適用により電気エネルギーの損失を抑え、大容量データの高速通信安定化や、ミリ波レーダーの距離測定性能向上、部品の小型化などが可能となる。

 同社は、5G通信時代に適した各種樹脂を事業化しており、今回開発した材料を新たにラインアップに加え、次世代の通信技術を支える半導体デバイス、電子部品などでの採用を図っていく。

 なお、新規開発品は滋賀事業場の既存設備で生産を行い、今後、増産や新たなプロセスが必要となれば設備投資を行う予定。事業規模については、5G通信が2020~21年頃に本格化すると見られることから、2022年度に売上高10億~30億円程度を目指していく考えだ。