東レの3月期 中国経済の減速影響などで減収減益に

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2020年5月29日

 東レは28日、2020年3月期の連結決算を発表した。売上高は前年度比7%減の2兆2146億円、営業利益7%減の1312億円、経常利益23%減の1034億円、純利益30%減の557億円となった。

 セグメント別に見ると、繊維事業は売上高9%減の8831億円、営業利益17%減の607億円。米中貿易摩擦の長期化と中国経済の減速などにより各用途で市況低迷の影響を受けた。また、国内外ともにコロナ禍による生産活動・消費行動停滞の影響を受けた。

 機能化成品事業は売上高11%減の7708億円、営業利益13%減の587億円。樹脂事業は、中国経済の減速とコロナ禍による生産活動停滞の影響を主因に自動車・家電用途とも低調に推移。ケミカル事業は、基礎原料の市況下落の影響を受けた。フィルム事業は、LIB用セパレータフィルムが売上を拡大したが、ポリエステルフィルムでは光学用途や電子部品関連が在庫調整の影響を受けた。電子情報材料事業は、有機EL関連部材や回路材料が好調だった。

 炭素繊維複合材料事業は売上高10%増の2369億円、営業利益82%増の210億円。航空機向け需要や、環境・エネルギー関連向け一般産業用途が好調に推移したほか、スポーツ用途の需要が回復するなど、総じて堅調に推移した。

 環境・エンジニアリング事業は売上高2%減の2523億円、営業利益8%減の112億円。水処理事業は、国内外で逆浸透膜などの需要がおおむね堅調に推移した。国内では、建設子会社が高収益案件の受注減少の影響を受けたほか、エンジニアリング子会社でエレクトロニクス関連装置の出荷が減少した。

 ライフサイエンス事業は売上高1%減の533億円、営業利益25%増の16億円。医薬事業は、経口そう痒症改善薬「レミッチ」が後発医薬品発売の影響を受けたが、市場全体の伸びもあり、堅調な出荷となった。

 なお今年度からIFRSに移行。通期業績予想は、新型コロナの感染拡大が第2四半期にピークアウトし、下期以降、国内外の経済は回復基調をたどることを前提に、売上収益8%減の1兆9200億円、事業利益44%減の700億円、親会社所有者帰属当期純利益52%減の400億円を見込む。

 

東レ 有機EL用PIコーティング剤が科学技術賞を受賞

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2020年5月27日

 東レはこのほど、「有機EL絶縁膜用ポリイミド(PI)コーティング剤の開発」について、文部科学省より「令和2年度 科学技術分野の文部科学大臣表彰 科学技術賞開発部門」を受賞した。同社が長年培ってきた感光性ポリイミド技術を深化させ、有機ELディスプレイの発光信頼性と同パネルの生産性を著しく向上したポジ型感光性PIの開発が評価された。

 有機ELディスプレイは、薄型・軽量・動画表示に優れ、テレビやスマートフォンなどへの搭載が急拡大している。その部材である有機EL発光層は水分や不純物ガスに極めて敏感で劣化しやすいため、アウトガス発生の極めて少ない長期信頼性に優れる画素分離絶縁層が必要不可欠。

 また、有機ELディスプレイを大量生産するには、フラットパネル生産工程で同絶縁膜を少量で塗布できるスリットダイコーティング法(ノズルで吐出コーティングする方式で、基板サイズは最大10㎡程度)が適しているが、従来のPIコーティング剤では塗布ムラなどの外観品位が悪く、この方式は適用できなかった。

 同社は、化学的に安定で耐熱性に優れるPI材料技術を深化させ、PI前駆体樹脂、感光剤および溶剤から成るPIコーティング剤に、沸点の異なる溶媒を特定比率で組み合せることにより、高い信頼性と量産性を両立させた有機EL絶縁膜用PIコーティング剤を開発。

 同開発品は、従来のスピンコーティング法(中央に滴下した塗液を回転させながら全体へ塗り広げる方式で、基板サイズは一般に0.5㎡以下)用PIコーティング剤と比べ、10分の1の塗布量で生産することが可能。外観品位に優れたスリットダイコーティング用の感光性PIを世界で初めて商業化し、広く採用されている。

 今回受賞した技術は、有機ELディスプレイの大量生産と普及拡大に貢献すると同時に、塗布廃液ロスの劇的な削減を実現しており環境調和にも寄与している。また有機ELディスプレイはフレキシブル化が可能で、折り曲げ型端末、ウエアラブル端末、車載用途など、多彩な曲面デザインの実現による市場拡大が期待されている。

 同社は感光性PI技術をさらに深化させ、有機ELディスプレイのさらなる普及と社会の発展に貢献していく考えだ。

 

東レ 車載コンデンサ向けにOPPフィルム生産能力を増強

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2020年5月20日

 東レはこのほど、二軸延伸ポリプロピレンフィルム(OPP)「トレファン」の生産能力を増強すると発表した。東レ土浦工場(茨城県土浦市)に生産設備を増設し、2022年の稼働を予定。車載コンデンサ用フィルムの需要拡大に対応するため、生産能力を現行比1.6倍に拡大する。

 「トレファン」はプラスチックフィルムの中でも軽く、強靱性・電気特性・機械的特性に優れたフィルム。主力用途であるフィルムコンデンサは、家電・IT機器向け電子部品のほか、電動化車両(xEV)のモーターを駆動させるパワーコントロールユニット(PCU)のインバーター回路に使用されている。

 xEVの運転性能と燃費の向上、さらには車内空間の確保と設計の自由度向上のためには、PCUやフィルムコンデンサの小型・軽量化が求められている。これには、フィルムを薄膜化することが最も有効だが、薄膜化すると耐電圧性が悪化するという課題があった。

 「トレファン」は、独自技術により薄膜化と高耐電圧化の相反する性能を両立できることから、車載コンデンサ用フィルム市場ではトップシェアを持つ。近年、世界各国・地域で自動車に対する環境規制強化が進み、xEV市場は環境規制の厳しい欧州や中国を中心に年率約20%の高成長が見込まれている。今後のさらなる車載コンデンサの需要拡大に応えるため、土浦工場での「トレファン」の生産能力増強を決定した。

 東レは今後も「わたしたちは新しい価値の創造を通じて社会に貢献します」の企業理念の下、土浦工場での早期の生産能力拡充により、成長市場の取り込みを図り、より一層の事業拡大を目指す考えだ。

東レ RO膜の高性能化に寄与する重要知見を獲得

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2020年5月19日

 東レはこのほど、理化学研究所の開拓研究本部前田バイオ工学研究室・杉田理論分子科学研究室との共同研究を通し、逆浸透膜(RO膜)の透水・物質除去機能の向上に寄与する重要知見を獲得した。

 透水・物質除去機能を担うポリアミド(PA)分子同士が形成する相互作用のネットワークの強さと、水分子の拡散挙動の関係を明らかにしている。東レは、解析結果を活用し、かん水淡水化、廃水再利用および廃水をゼロ化するZLD(Zero Liquid Discharge)向けの革新省エネルギーRO膜を始めとした、先端分離材料の開発を加速していく方針だ。

 世界では、地球規模の水不足・水質汚濁などの問題が深刻化しつつあり、安全な水の確保はSDGsの重要なテーマ。RO膜を用いた浄水技術は、持続可能な水資源を確保するための技術として、世界各地での採用が進んでいる。しかし、従来のRO膜では、造水量を高めると水質が低下してしまうトレードオフの関係があるため、高品質の水を得るための除去性能と省エネルギーを実現する透水性能の向上には、RO膜中での水分子の拡散挙動の詳細解明が望まれていた。

 研究グループは、RO膜のPA分子構造でのPA分子同士および水分子との相互作用を解析し、PA分子集合体中の水分子の集合状態と運動性に及ぼす影響の解明に成功。その結果、PA分子同士が形成する相互作用のネットワークが疎なほど、水分子同士の相互作用が促され、運動性の高い水分子の集合体が形成されることを確認した。

 東レはすでに東京大学との共同研究によりPA分子集合体中のPA分子と相互作用して動きにくい「束縛水」と、運動性の高い「自由水」の関係性を解明しており、自由水は束縛水と比べて10倍以上速く拡散することを見出だしている。これらの研究成果を応用し、微細な細孔の構造とその中での水の動きを精密に制御できれば、透水・除去性能に優れた高性能RO膜が得られる。

 なお、今回の研究成果は、科学技術振興機構(JST)の研究成果展開事業「センター・オブ・イノベーション(COI)プログラム」の支援を受け、「世界の豊かな生活環境と地球規模の持続可能性に貢献するアクア・イノベーション拠点」の事業・研究プロジェクトによって得られた。

 東レは今後も、地球上の誰もが十分にきれいな水を手に入れられる社会の実現に寄与するため、産学官の連携により、世界各地への社会実装を目指して研究・技術開発を推進していく。

 

東レ X線シンチレータパネルの輝度を向上、患者の負担軽減

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2020年5月13日

 東レは、蛍光体を用いた波長変換技術を活用し、輝度を従来比約30%向上させたX線シンチレータパネルを開発した。同パネルを肺疾患などの診断用医療用X線撮影装置のX線検出器に適用することで、より明瞭な患部の観察や被曝量の低減が可能となる。今年度初めから販売を開始する予定。

 医療用X線撮影装置のX線検出器は、一般的にX線を可視光線に変換する「シンチレータパネル」と可視光線をデジタル画像に変換する「フォトセンサーパネル」により構成される。

 シンチレータパネルはX線を吸収して可視光線を放射する厚さ数百ミクロンの蛍光体層からなっており、蛍光体としてCsI(ヨウ化セシウム)やGOS(酸硫化ガドリニウム)が用いられる。CsIは光透過性がよく輝度も高いが、長時間の蒸着工程や防湿シーリングが必要なため、高コストである。一方、GOSは基材に蛍光体を塗布するだけで製造が可能なため製造コストが低く、X線に対して高安定性・高耐久性であるが、輝度が低いという課題があった。

 同社は、ディスプレイ材料開発で長年培ってきた蛍光体による波長変換技術を活用し、GOSの輝度を大きく向上させる技術の実用化に成功。GOSの発光スペクトルのうち、フォトセンサーパネルの感度が低い短波長領域(350~400㎚付近)の光を、感度が高い波長領域(550㎚付近)の光に変換する第2の蛍光体をGOSに加える独自の配合技術を開発。この技術による蛍光体層「GOS-α」は、GOSの低コスト・高安定性・高耐久性のまま、輝度を約30%向上することを可能とした。

 同社はGOSを用いたX線シンチレータパネルの量産を2016年度より開始し、医療用の一般X線撮影用途で採用されている。今回開発した「波長変換型X線シンチレータパネル」を用い、さらに同社独自の高鮮鋭度化技術である「セル方式シンチレータ」と組み合わせることで採用範囲を拡大し、X線シンチレータパネル事業のさらなる拡大を目指す考えだ。

 同社の企業理念である「わたしたちは新しい価値の創造を通じて社会に貢献します」を実現するために、社会を本質的に変える革新素材の創出に取り組み続ける方針。

東レ コロナ治療に血液浄化器具がカナダで使用許可

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2020年4月23日

 東レはこのほど、エンドトキシン除去向け吸着型血液浄化用浄化器「トレミキシン」について、カナダでの新型コロナウイルス感染症(COVID‐19)の治療に対する暫定的な使用許可をカナダ保健省より取得したと発表した。

 COVID‐19は、新型コロナウイルスによって引き起こされ、重症化に伴って呼吸器をはじめとする臓器不全を合併する感染症。現在の深刻な感染拡大に対し、カナダ保健省はCOVID‐19に関連する医療機器の輸入と販売に関する暫定措置「Interim order respecting the Importation and sale of medical devices for use in relation to COVID‐19」を発表。

 「トレミキシン」は敗血症性ショックを適応とした輸入許可を2003年に取得しているが、東レは同暫定措置に基づく申請を行い、拡大使用が認められた。なお、米国では、ライセンス先企業が臨床試験としてCOVID‐19患者に対して使用することについて、FDAの承認を取得している。

東レ マスク用不織布の生産を倍増、月6000万枚に供給拡大

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2020年4月16日

 東レはこのほど、同社グループのグローバルな生産設備をフル活用し、国内向けにマスク用不織布の供給体制を強化・拡充する方針を決定した。

 同社は海外子会社でマスク用不織布の増産を進めており、現在国内の大手マスクメーカーを中心に、月産マスク約3000万枚分の供給を行っている。まずは、これらの設備でさらなる増産を行い、来月から約6000万枚分にまで拡大する。

 一方、国内でも、滋賀事業場内の不織布試験設備の量産化検討に着手しており、来月以降、月産最大で約2000万枚分の国内供給体制の確立を計画している。加えて、医療関係者用の防護服についても、国内外を含めた生産・供給体制を早期に確立し、国内に供給していくことを検討中だ。

 東レグループは、「わたしたちは新しい価値の創造を通じて社会に貢献します」という企業理念に基づき、社会貢献を企業の目的の最優先事項として事業として取り組んできた。2050年に目指す世界を展望し策定した「東レグループ サステナビリティ・ビジョン」の中でも、革新技術と先端材料によって世界的な課題の解決に貢献することを目標に掲げている。

 同社は今後も、新型コロナウイルスの感染拡大防止のため、政府の策定する行動計画に基づき、必要な対策を実行するとともに、早期の終息とその後の社会・経済の発展に、全社を挙げて尽力していく方針だ。

【化学企業 入社式訓示④】東レ 日覺昭廣社長

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2020年4月7日

 東レグループは、1926年の創業以来、「社会への奉仕」を存立の基礎とし、素材には社会を変える力があると標榜している。2018年に「東レグループ サステナビリティ・ビジョン」を公表し、2050年に向けた、東レグループの事業推進による社会への貢献と、それに伴う環境負荷の低減の両面について、当社の考え方と中長期の取り組みを示した。

 東レグループが応えるべき課題を推進するために、次期長期経営ビジョンと次期中期経営課題では、引き続き、「グリーンイノベーション事業拡大プロジェクト」と「ライフイノベーション事業拡大プロジェクト」の2つのプロジェクトを通じて積極的な事業拡大を推進していく。

 長期戦略では「事業を通じた社会貢献」という創業以来引き継がれてきた考え方に基づいた「東レ流の経営」を実践することで、単に事業規模を拡大するのではなく、社会から尊敬される企業体として存在することを目指している。

 2020年度は、次期長期経営ビジョン、次期中期経営課題のスタートの年だ。全社員が一丸となり、これを実現するための課題に取り組み、目標を達成することが重要である。皆さんもこれから始まる東レでの仕事に積極的にやりがいを持って取り組んでほしい。

 また、当社はグローバルに事業展開する企業グループであり、長期的視点に立ちその国の社会発展・産業振興・輸出拡大・技術水準向上への寄与を海外展開の基本方針としている。誠実な企業市民として高い倫理観を持ち、社会貢献を果たす企業である。これらの特徴は、社員が長い歴史の中で誇りを持って築き上げてきたことだ。今日から東レ社員となる皆さんにも是非、この文化・伝統をしっかりと身につけてもらいたい。

 最後に、入社に際し皆さんに四つのことを期待する。「『高い志』と『大きな気概』を持って仕事に取り組むこと」「現場に立脚した『第一人者』、世界トップレベルの『専門家』になること」「グローバルに通用するしっかりとした考え方・価値観・判断基準を持つこと」、そして「『社会的責任』を常に意識し、高い倫理観と強い責任感を持って行動すること」だ。

 これら4つのポイントをしっかりと胸に刻み、健康で明るく前向きに頑張って、有意義な会社生活を切り開いていただきたい。

東レ 「リバーシブルクロス和模様」を4月から販売開始

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2020年3月27日

 東レはこのほど、超極細繊維のクリーニングクロス、「トレシー リバーシブルクロス 和模様」(6色、24㎝×24㎝)を、全国の眼鏡店および東レショップで4月初旬より販売開始すると発表した。新製品は、昨年に販売し好評だった、「リバーシブルクロス」の第2弾で、今回はトレンドの「和模様」と「無地」のリバーシブルとなる。

トレシー「リバーシブルクロス 和模様」
トレシー「リバーシブルクロス 和模様」

 日本で古くから愛されている伝統的な和模様を現代風にアレンジし、「和」の繊細さに、ほっこりする温かみを融合した、なごめるデザイン。また柄の中に「JAPAN」の文字がさりげなく配置してある。小物にこだわりたい老若男女のあらゆるシーン応え、表裏両面のカラーコントラストは、ポケットチーフとしても最適、外国人のお土産にも喜ばれる。

 「トレシー」は、直径約2ミクロン(髪の毛の1600分の1)という超極細繊維(ポリエステル100%)を用いた「ハイテクめがね拭き」として1987年に発売を開始して以来、今年で33周年を迎えるロングセラー商品。独自のコンセプトに基づいて幅広いクリーニンググッズをシリーズ展開し、好評を得てきた。

 肉眼では見えない繊維の隙間に汚れを取り込み、通常の布では落としきれなかった皮脂などの汚れを、レンズを傷つけずに綺麗に拭き取ることができる。また、耐久性にも優れているので、汚れても洗濯することでクリーニング性能が回復し、繰り返し使用が可能。めがねのレンズだけでなく、スマートフォンなどのタッチパネル画面の皮脂汚れのクリーナーとして、またアクセサリーや腕時計、CD、鏡など、生活の中のさまざまなシーンで活躍する。

 同社は今後も「トレシー」シリーズの新商品開発を通じて、消費者の生活シーンで「磨く」「拭く」にこだわった高付加価値商品を提供していく。

東レ ドイツで水素・燃料電池用核心部材の第2工場を新設

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2020年3月4日

 東レは3日、水素・燃料電池用部材を開発・製造・販売するドイツ子会社GNT(バイエルン州)の第2工場を新設することを決定し起工式を行ったと発表した。なお、稼働開始は2021年11月を予定している。

 今回の第2工場には、水素・燃料電池の核心部材である触媒付き電解質膜「Catalyst Coated Membrane(CCM)」と膜・電極接合体「Membrane Electrode Assembly(MEA)」を効率的に生産する設備を導入し、フル生産時には、両製品合わせて年間約1000万枚の生産を行う計画。これは、レンジエクステンダー方式デリバリーカー約8万台分に相当する。

 地球温暖化防止のための低炭素化について、各国ではパリ協定や国連のSDGsに掲げられた世界的目標の達成に向けて、ガソリン車・ディーゼル車など内燃機関(ICE)自動車のCO2排出抑制に関する政策の導入や法制化を進め、具体的な規制・基準を打ち出している。

 そのため、欧州、中国地域では、大手Tier1や自動車メーカーが、バス、トラック、デリバリーカーなどの商用車向けのレンジエクステンダー(REX)や乗用車向けを含む燃料電池車(FCV)に使用する水素・燃料電池分野へ本格参入している。これによりCCM、MEAの需要が飛躍的に増大する見通しであり、今回のGNT新設生産工場は、これら需要見通しへの顧客からの増産・供給の要請に応えるもの。

 東レグループは、水素・燃料電池向けに、高圧水素タンク用高強度炭素繊維、プリプレグ、水素脆性 高耐性ライナー樹脂、電極基材(GDL)、触媒層、高温運転性と水電解・水素圧縮にも好適な低ガス透過性とを備える炭化水素系電解質膜などの素材やその加工品を提供している。

 東レは2015年に、CCMとMEAの設計技術を持つGNTを買収し、東レの関連素材と融合してCCM、MEAの製造・販売拠点に育成してきた。将来の低炭素・水素社会構築のため、今後も一層、取り組みを強化していく考えだ。